東方紅転録   作:百合好きなmerrick

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また短い模様(←おい)

今回は題名通り、妹達が遊ぶだけのお話。


5、「妹達のお遊戯」

 side Renata Scarlet

 

「フラーン、ルナー、後ついでにレナー。遊びに来たよー」

 

 もう四月だと言うのに、まだ雪が振る今日この頃。

 地霊殿に行ってから何週間か経った後でも、こいしが毎日のように遊びに来てくれた。勿論、私ではなくフランとルナの為に。

 

「あ、こいし! また来てくれたのね!」

「こいし、こんばんは」

「こんばんはです。と言うか、ついでにって酷くないですか!?」

「こんばんはー。んー、そうなのー? ま、何でもいいやー。それよりも、早く行こー!」

 

 こいしは、フランとルナを外に遊びに連れて行ってくれるからとても助かる。基本的に、夜に来て紅魔館の近くで遊んでいる。

 ちなみに、心配だから私もついて行ってる。まぁ、三人とも妖怪だから大丈夫だとは思うけど......一応ね。

 それにしても、私に対して酷くない? ......まぁ、無意識だから仕方ないね。

 

「今日は何処で遊ぶの? 森の中?」

「たまには人里まで行ってみよっ! ねぇねぇ、お姉様。いいよね?」

「え、んー......まぁ、何があっても私が守りますからいいですよ。ただし、人間にバレないようにして下さいね。まぁ、ある程度なら大丈夫だとは思いますけど......」

「やったー! さ、ルナ、こいし。行こっ!」

「分かったー」

「うん、行こう。......オネー様、早く行かないと置いていかれるよ?」

「ん、そうですね。行きましょうか」

 

 こうして、私はいつも妹達について行く。理由は勿論、心配だからと言うのもあるが、何か不測の事態が起きても対処出来るようにだ。

 まぁ、私でも対処出来ないことはあるけれど、居ないよりは居た方がいいと思うしね。

 

「今日は何して遊ぼっか?」

「んー、とね......かくれんぼ!」

「こいし強過ぎるからダメ。もっと公平なのがいい」

「えー! それなら......んー、何がいいかなー?」

「缶蹴りとかはどうです?」

「缶蹴り? ......あ、お姉様と二人きりでしたあれ? あれつまんなーい」

「それは二人でしたからですよ。私も含めて四人もいれば、楽しいですから安心して下さい」

 

 まぁ、確かに二人で缶蹴りはちょっと面白みに欠けるからね。......まぁ、フランも私も吸血鬼だからか、相手が一人でも人間の時より大変だったけど......。

 

「ふーん、それじゃぁ、缶蹴りやる? お姉様が楽しいって言ったなら、本当に楽しいとは思うよ」

「じゃ、それにしよっかー」

「オネー様、ルール教えて」

「鬼は缶を守り、逃げる方は缶を蹴れば勝ちと言う簡単なルールですよ」

「......オネー様、こいしが無双しそう」

「鬼を私がやれば大丈夫ですよ」

 

 フランやルナと違って、私はこいしを見つけやすいしね。まぁ、気付かない時は本当に気付かないけど......。

 

「ま、私強いからね、仕方ないね」

「むっ、オネー様、やっぱり私が鬼やる。今日こそはこいしに勝ちたい」

「どうして貴女は火に油を注ぐようなことを......。まぁ、いいですよ。ただし、負けたからといって、私にあたらないで下さいね?」

「私、オネー様にあたったことないよ?」

「え、あ、それはフランでしたっけ?」

「お姉様、言いがかりやめて。私、お姉様にいつも優しいよ? 優しすぎるくらいだよ?」

 

 え? いつも? ......余計なことは言わない方がいいよね、うん。

 

「......ソウデスネ」

「何よ今の間!? そしてなんで片言!?」

「フラン、オネー様。こいし、先に行っちゃったよ?」

「置いていかれると不味いでしょうし、急ぎましょうか!」

「あ、お姉様! 逃げるなー!」

「あ、待って」

 

 こうして、私達はいつも通り、月に照らされて銀色に光る雪の世界へと出ていった──

 

 

 

 ──数時間後 人里近くの森

 

「......ルナ、もう諦めてもいいのですよ? 試合終了のホイッスルはもう鳴っているのですよ?」

「諦めたくない。それと、オネー様。何言ってるか分かんない」

 

 あれから、ルナが鬼で、何回も何十回も缶蹴りをやっているが......一度も勝っていない。

 勿論、勝てない理由は──

 

「とりゃー!」

「あ、また飛んでった! こいし、卑怯!」

 

 こいしである。もっと詳しく言えば、こいしが意図せずとも無意識になっているので、気付かれることなく缶を蹴って逃げていく。

 ルナが気付いた時には、缶が何処かへと飛んでいってるのだ。

 ルナも結構本気で、能力を使っていない私が行くと、すぐに捕まえれるのに......。

 

「ハハハー、勝てばよかろうなのだー」

「卑怯と言うか、この娘、能力解けないから仕方ないような......」

「ルナー、諦めて雪だるま作ろうよー」

 

 ちなみに、フランはルナを勝たせる為に、十回目くらいで鬼になったのだが......やっぱり負けるので、今は諦めて私と一緒に雪だるまを作っている。

 私が鬼になるという方法もあったのだが、それはルナに断られた。出来る限り、一人で勝ちたいのだろう。まぁ、フランに手伝ってもらった辺り、フランも(ルナ)だから、それで勝っても卑怯じゃないよね、とかは思っているんだろうけど。

 

「嫌! 勝つまでやる!」

「はぁー......こいし、負けてやってはくれないのですか? このままだと、朝まで続きますよ?」

「だが断るー」

「あぁ、はい、分かりました......」

 

 ルナもこいしも負けず嫌いなんだなぁ。まぁ、朝までには無理やりにでも帰らすか。今は曇ってるから大丈夫だけど、それでも朝は危険だろうしね。

 それにしても、私達って、雨は無理なのに雪は大丈夫なのね。......まぁ、流水じゃないからなのかな。よく分からないや。

 

「お姉様、雪だるま完成したね。次はかまくら作ろー」

「かまくらですね。分かりました。......やっぱり、魔法はダメですかね?」

「ダメー。そんなのつまらないでしょ? 私は作るのを楽しみたいのー」

「んー、私には少し分からないですが......フランがそう言うなら、そうしましょうか」

 

 正直に言うと、作るのめんどくさい。まだフランと一緒に作っているからいいけど......一人でなら、魔法で雪を動かしたり、氷を作って自動的にかまくら作ってると思う。

 

「......お姉様って、めんどくさがり屋だよね。ま、別にいいけどね。私と一緒に遊んでくれるなら」

「......それならよかったです。フランやお姉様達には嫌われたくないですしね......」

「え? お姉様、急にどうしたの?」

「......いえ、ただ、そう思っただけですよ。何も気にすることはありません」

「ふーん......」

 

 私とフランは、雪だるまを作りながら、そんな会話をしている。

 そのすぐ横では、またルナが悔しそうにしていた。やっぱり、また負けたんだね。

 

「そう言えばさ、今って四月なんだよね?」

「そうですよ。......どうしました?」

「ここでの四月ってさ、雪が降るものなの? 前に魔理沙から聞いた話だと、今頃は桜っていう花がいっぱい咲いてるって......」

「え? ......あ、そう言えば、おかしいですね」

 

 今まで何とも思ってなかったけど、四月なのに雪が降るのは確かにおかしい。まぁ、ただ単に、春が来るのが遅いってだけなんだろうけど。

 

「もしかして、これって異変だったりするのかな?」

「......嬉しそうですね。だけど、残念ですが、ただ単に春の訪れが遅いってだけだと思いますよ」

「そっかー......異変だったら、解決しに行きたかったのになぁ。魔理沙とか霊夢にも出来るんだし、私にも出来ると思うんだけどなぁー」

「......出来れば、危険だからやめて欲しいですけど、フランが楽しめるのなら、機会があればやってみましょうか」

 

 確か、お姉様も異変解決に行ってたからね。......ん? 何か忘れてるような......。

 

「もー! 私の負けでいいー!」

「私に勝つなんて千年早いわー」

「むぅ......はぁー! もう疲れたー。怒る気力もないー」

「あ、終わったみたいですね」

「うん、そうみたいだね。ルナー、こいしー。かまくら一緒に作ろー」

「ん、分かった。こいし、貴女も早く行こっ」

「敗者が勝者に命令するかー。でもいいよー」

 

 ま、まぁ、無意識だから仕方ない......のかな? もうわざと言ってるようにしか見えない......。

 

「......怒るのは我慢してあげる......。オネー様、後で、ね?」

「どうしてそこで私に!?」

「レナ、諦めるのも時には肝心なんだよ?」

「貴女のせいですけどね!?」

「お姉様、落ち着いて。大丈夫だよ。私がついているから。......ま、止めはしないけど」

 

 うぅ、みんなして私を......。もういいもん。後でお姉様に慰めてもらおうっと。

 

「あ、お姉様。桜ってさ、綺麗なのかな?」

「綺麗ですよ。冬があけたら、見に行きますか?」

「え? ......うん、そうしよ! お姉様や美鈴とかも連れて行こうね!」

「はい、みんなで行きましょうか」

「あ、その時は私も行くよー。多分、ほとんど邪魔にしかならないけどね!」

「それが分かっているのなら、おやめください」

 

 まぁ、これも無意識に言ってることなんだろうけどさ......。やっぱり、こいしは全然読めないや。

 

「でも、オネー様。冬っていつになったらあけるの?」

「それは、勿論、もう、すぐ......あ!」

「え、お姉様? 急に大声を出してどうしたの?」

「え、い、いや。何でもありませんよ。それよりも、いつあけるかですね。多分、五月くらいにはあけますよ」

 

 そう言えば、忘れていた。

 今年、『春雪異変』があるから、冬があけるの五月よりも先だ......。

 

「ふーん、結構待つんだ。ま、気長に待つしかないよね」

「それまで、こうして雪で遊べるなら私はそれでもいいかなぁ。お姉様も一緒に遊んでくれるし、レミリアお姉様もたまに来てくれるし、私はそれで充分だよ」

「......うん、私もフランと同じ意見。冬があけるまで、こうして遊んでよっか」

 

 うーん......異変を早く解決する為に手を打つか......それとも......。

 

「お姉様? どうしたの? 早くかまくら作ろー」

「え? あ、そうですね」

 

 まぁ、流れに任せるか。わざわざ妖怪である私が手を出すのもねぇ。

 そんなことを考えながら、今日もいつも通りの一日を過ごした。ちなみに、この後、何故かルナに八つ当たりされるのであった────




次回からは、『春雪異変』となります。
なお、投稿日は日曜日の模様
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