東方紅転録   作:百合好きなmerrick

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少し遅れた。すまない(・ω・`)

今回は題名通り、4、5ボスのお話です。


9、「ポルターガイスト 冥界の庭師」

 side Renata Scarlet

 

 ──雲の上

 

「それにしても......雲の上まで桜が舞ってるのは何故?」

 

 霊夢と魔理沙に会ってからしばらく経った時、霊夢が誰かにそう問いかけた。

 

「急にどうしたんだぜ?」

「いつもだったらここで、誰かが答えてくれるでしょ?」

「あぁ、なるほど」

「いやいや、そんなわけ......」

「あぁ、分かったよ」

「本当に誰か出てきた!?」

 

 急に現れたその人物は、髪はほぼストレートな金髪のショートボブヘアに、瞳は金色。少しツリ目気味のキリッとした目つきをした少女だった。

 服装は、白のシャツの上から黒いベストのようなもの着用し、下は膝くらいまでの黒の巻きスカート。

 ベストに二つあるボタンは赤。スカートにも同じボタンが二つ付いている

 見た目からして、プリズムリバー三姉妹の長女、ルナサ・プリズムリバーなんだろうね。

 外見の年齢は、私達、姉妹と同い年に見えるけど......やっぱり、違うんだろうね。幽霊だし。

 いやまぁ、ここでは大体の人、と言うか妖怪が外見と中身の年齢が一致しないんだけどさ。

 

「で、何だっけ?」

「アレよ。雲の上まで桜が舞ってる理由」

「あぁ、ほら、それはアレだ。この辺はこの季節になると気圧が......下がる」

「なんかテンションも下がりそうね」

「......」

「おっと、用が無いわけじゃないので帰らないわよ。ほら、貴女の後ろ、その結界に用があるの」

「え? 結界?」

 

 結界? ......あ、確かに、よく見ると大きな門みたいなのが見えるね。あれが結界?

 

「それにしても、霊夢。この先に何かあるか知ってるの?」

「知らないわ。でも、この先に異変の黒幕がいる気がする。勘だけど」

「霊夢の勘なら信用出来るぜ。......あれが結界か。凄いな。素人にはさっぱり解き方が分からないぜ。この先には、何があるんだか」

「えへへ〜、企業秘密」

「あ、また増えましたね」

「似てるし、私達と同じように姉妹なのかな?」

 

 次に増えた娘は、かなり薄い茶色の髪をしていた。

 服装は、白のシャツに赤のベストのようなものを着て、下は赤いキュロットを着用している。姉のルナサと違い、二つあるボタンは緑色だ。

 こっちは、末妹のリリカ・プリズムリバーだろう。

 

「姉妹よ〜。貴方達も姉妹なのね。......そこの二人は双子?」

「ん、ま、そんな感じね」

「うん、双子。歳は違うけど」

「それにしても、今日は人が来るのが多いわね。さっきも一人、人間が来てたわ」

「......その人はメイドでした?」

「よく分かったね〜。そうだったよ」

 

 やっぱり、咲夜も来てるのね。......私達よりも早く黒幕の場所まで来るなんて......やっぱり、うちのメイドは優秀だね。

 

「で、この結界はどうやって開くんだ?」

「秘密よ〜」

「......もう、増えるのは最後だよね? どうせなら、一気に出てきて欲しかったわ」

「私達は三姉妹だから私で最後だよ〜」

 

 最後の娘は、髪は明るく薄い水色。全体的に強いウェーブがかかった、軽そうなふんわりした感じの髪質だ。

 服装は、薄いピンクのシャツの上にこれまた薄ピンクのベストのようなものを着て、上と同じ薄ピンクのフレアスカートを履いている。

 

「この扉はどうやって開くんだ?」

「開かないわよ」

「いや、霊夢に聞いているんだぜ」

「あ、そこは私なのね。まぁ、簡単に開けれると思うわよ。これでも、巫女だから」

「そう言えば、霊夢って巫女だったね」

「たまに忘れる」

「貴方達......失礼ね」

 

 確かに、巫女にしては妖怪と一緒にいる時間が多いしね。まぁ、それが霊夢の良いところなんだろうけどね。

 

「そう言えば、あんたら何者? ここはどこなのよ?」

「私達は騒霊演奏隊〜。お呼ばれで来たの」

「これから、お屋敷でお花見よ。私達は音楽で盛り上げるの」

「でも、貴方達は演奏できない」

「......私は出来ますよ。ヴァイオリンとかピアノとかなら......」

「私もお姉様と一緒に練習したことあるし、今も出来ると思うよ」

「フランに出来るなら、私も」

「なんだろう......裏切られた気分ね」

 

 流石に、そこまで難しいのは出来ないんだけどね。練習したと言っても、少しだけだし。

 

「なら、貴方達も一緒に演奏する?」

「歓迎するよ〜」

「でも、演奏できない私や魔理沙とかは通らせてくれないのよね?」

「おいおい、私も演奏できないとか決めつけるなよ。カスタネットとか得意だぜ?」

「そうね。通らせられないわ。貴方達は。特に、そこの黄色いのは」

「だから、演奏出来る──」

「魔理沙、諦めた方が......」

 

 魔理沙......演奏出来るのとただ叩くのは違うんだよ......。

 

「取り敢えず、倒すしかないわよね。通らせてくれないのなら」

「三対五? 巫女として、卑怯じゃない?」

「私は巫女でも、こいつらは魔法使いと吸血鬼だからいいのよ」

「霊夢、卑怯なのは変わりませんけど......」

「まぁ、私と霊夢だけでも勝てそうだから手伝わなくても大丈夫だぜ」

「ちょ、魔理沙! 折角楽して勝つ作戦が......」

 

 ......霊夢、貴女は本当に人間なのですか?

 

「雑音は、始末するまで」

「がんばってね〜」

「手助け歓迎中よ」

「まぁ、三対二になっても負ける気はないわよ。覚悟しなさい」

「......フラン、ルナ。ポップコーンいります?」

「うん!」

「ありがと」

「貴方達、楽しすぎじゃない!? と言うか、今どこから出したの!?」

「霊夢! 行くぜ!」

「え、あ......えぇ!」

 

 そう言って、霊夢と魔理沙、プリズムリバー三姉妹の弾幕ごっこが始まった────

 

 

 

 

 

 side Izayoi Sakuya

 

 ──冥界(階段)

 

 お嬢様の命令で、初めて異変を解決する為にここまで来た。

 ここまで来るのに、妖精やら妖怪やら魔法使いやら騒霊やら......色々と危険な目にあったと思うけど、それももうお終いのはず。

 春を追って、ここまで来れた。この階段を登った先に、異変の黒幕がいるはず。

 ほんと、お嬢様には困ったものだけど......まぁ、私としても、食料とか暖を取る為の炭とか無くなってきたし、冬は早めに終わって欲しいから、こう言うことがあってもいっか。

 

「......それにしても、鬱陶しいわね。......出てきなさい」

「みんなが忙しいと思ったら生きた人間だったのね」

 

 そう言うと、背後から、銀色の髪をボブカットにし、黒いリボンを付けている少女が現れた。

 眼の色は赤。幽霊なのか、人間に比べて肌は白い。

 白いシャツに青緑色のベストを好んで着ていて、下半身は短めの動きやすいスカートを着用している。胸元には黒い蝶ネクタイを付けている。

 そして、その少女の横には、幽霊のような白くて大きな塊が浮いていた。

 

「ようやく、原拠までたどり着いたようね。思ったより、結構かかってしまったわ」

「こんなところまで来て、余裕あるわね。ここは、白玉楼。死者たちの住まう処よ。生きた人間の常識で物を考えると痛い目にあうわ」

「死人に口無し。大人しく春を返してもらおうかしら」

「あと少しなのよ」

「少しでもダメ」

 

 何があと少しなのか分からないけど、どうせ碌でもないことに決まっているわ。だって、春を集めていたくらいですもの。

 

「あと少しで西行妖(さいぎょうあやかし)が満開になる。普通の春じゃ絶対に満開にはならないのよ」

「ダメだってば」

「あなたの持っているなけなしの春で、西行妖もきっと満開になる」

「話聞いてる? そんなもんの為に、私は寒い思いをしてきたのよ」

 

 私だけなら未だしも、これがもっと続けば、お嬢様達にも迷惑がかかってしまう。

 だから、そんなよく分からない物のために、これ以上冬は長引かせてはいけないのよ。

 

「でもほら、ここは暖かいでしょ?」

「まぁいいわ。死人に口無しよ」

「死人に口無しだわ。その春を全て戴くまでよ。この私のナイフは、幽霊も斬れるのか?」

「妖怪が鍛えたこの楼観剣に斬れぬものなど、少ししか無い!」

 

 こうして、私と幽霊の戦いは始まった────

 

 

 

 

 

 side Renata Scarlet

 

 ──冥界(入り口前)

 

「やった、お花見権確保!」

 

 弾幕ごっこが始まってから数分後、案の定、霊夢と魔理沙は騒霊達に勝つことが出来た。

 二人だったし、もう少し苦戦するかと思っていたけど......まぁ、やっぱり凄いね、霊夢と魔理沙は。

 

「で、目的はお花見ジャック?」

「何か違った気もする......」

「霊夢、違うだろ。さぁ、この扉を開けてくれよ。お前なら出来るだろ?」

「別に、開かなくてもいいのよ?」

「え? 何でだ? お前達もこの中に入るんじゃないのか?」

「私達は上を飛び越えて入るのよ」

「......ほう」

 

 まさか、飛び越えるだなんて......あれ? これ、門の意味無くない?

 紅魔館の門でも、美鈴が寝ている時以外は意味あるのに......。

 

「......じゃぁ、戦わなくても、ここを飛び越えればよかったのね」

「まぁ、そう言うことにもなるね。でも、それだと挟み撃ちになるかもよ?

 まぁ、あの人間がみんな倒してたらそうはならないけど」

「ほんと、みんな倒しててくれたらいいんだけどね......」

「流石に、咲夜一人では難しいですけどね。相手も強いでしょうし......」

 

 特に、冥界の主である西行寺幽々子の能力は危険だ。

 死というのは生きている者に対しては強力で、私の能力でも完全には防げない可能性が高いし......。

 もしかして、フランとルナをここに連れて来たのは間違いだったかな?

 いや、でも、この娘達が楽しめるように......うん、きっと大丈夫。と言うか、私が守りきればいいのだから。

 

「お姉様、どうしたの? 大丈夫?」

「え? あ、はい。大丈夫ですよ。行きましょうか」

「早く来なさいよー。先に行っとくからねー」

「あ、少しお待ち下さーい」

 

 こうして、私達は門の上を飛び越えて、門の先へと入っていった────

 

 

 

 

 

 sideIzayoi Sakuya

 

 ──冥界(階段)

 

「......良かった幽霊も斬れるみたいね。銀だから?」

 

 思ったよりも簡単に終わった。時間はかかったが、無事に倒せることが出来た。

 それにしても、やっぱり銀って凄いのね。

 

「私は半分は幽霊ではないわ。でも、西行寺お嬢様は完全な霊体。そんな陳腐な武器で勝負になるのかしら?」

「って、なんでそのお嬢様と闘う事で話が進んでるのよ」

「春を取り戻すのなら、お嬢様と戦うことは必然だからよ」

「あ、咲夜ー!」

「......え? ふ、フラン様!?」

 

 気が付くと、背後から、階段の上を飛んでフラン様が飛んできていた。

 それにしても、どうしてここにいるのかしら? フードはしているし、日光は大丈夫だったみたいだけど......。

 

「あ、咲夜。無事で何よりです」

「あ、レナ様、ルナ様。それに、霊夢とこそ泥まで......」

「いや、私は魔理沙だぜ!?」

「そんなことよりも、どうしてここに......」

「無視かよ!?」

「異変を解決する為に、だよ」

 

 異変を解決する為......まさか、お嬢様。自分の妹様達まで巻き込んだのでしょうか......?

 い、いえ、流石にそれは......ありませんよね?

 

「さぁ、メイドも見つけたことだし、早く行きましょう」

「......そうでございますね。行きましょう。異変の黒幕を倒す為に」

 

 こうして、私は妹様達と合流し、黒幕の場所へと向かったのであった────




次回は訳あって、日曜日となります。遅めですいません(・ω・`)
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