東方紅転録   作:百合好きなmerrick

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戦闘描写を入れていると、気が付いたら遅れていた(おい)

ではまぁ、第7章1話目のスタートです。
下手な戦闘描写があるので苦手な人は見ない方がいいかも()


7章「花と神社と天界と」
1、「姉妹二人の弾幕ごっこ」


 side Remilia Scarlet

 

 ──日の出頃 紅魔館(レナータの部屋)

 

 異変を解決しに行ってから一週間あまりが経ったある日。

 朝からレナの部屋にお邪魔した。

 

「ねぇ、レナ。弾幕ごっこしない?」

「......え?」

 

 部屋に入るなりそう言うと、本を読んでいたレナは驚いたのか目を丸くしていた。

 

「あら、したくないの?」

「い、いえ、したいです。でも、珍しいですね。お姉様から誘ってくれるなんて」

「そうねぇ。昔はよく食料調達とかで誘っていたけど、最近は何も誘っていなかったからね。珍しいのも無理ないわ」

「......どうして、誘ってくれたのです?」

「そんな真剣な顔にならなくてもいいわよ。大した理由なんて無いんだから」

「むぅ、あまりにも珍しすぎて、何か裏があるのではと......」

「失礼ね。妹と遊ぶのが姉の役目なのよ? だから裏なんて無いわよ」

 

 まぁ、最近はその役目を放置し過ぎてたけどね......。

 今更レナにこういうのもおかしかった気がするわ。

 

「むぅ......姉の役目と言うなら、今日は私と一日中遊んでくれますか?」

「まぁ、今日は何も無いからいいけど......」

「ふふふっ、ありがとうございます。今日は姉妹水入らずですね?」

「えぇ、そうね。嬉しそうで良かったわ」

「嬉しいのは当たり前ですよ。お姉様が大好きですから」

 

 レナはいつも通りの口調だが、いつも以上に生き生きとしている気がするわね。

 それほど私と遊ぶのが嬉しいのかしら? ......まぁ、そうだとしたら私も嬉しいわね。

 最近、忙しいからと言って、役目を放ったらかしている姉と遊ぶのが嬉しいなんて......。

 

「そう、か。......私も大好きよ、レナ」

「え、あ......は、早く弾幕ごっこしましょう!」

「あらあら。急に顔を赤くして......」

「と、図書館にします? それとも外でします?」

「ふふっ、慌てすぎよ。まだ朝なのに外は無いでしょ? 図書館に行きましょ。パチェも許してくれるでしょうし」

 

 とは言ったものの、本当に許してくれるかどうか分からない。

 まぁ、無理だとしても何とかして場所を探さないとね。妹のためにも。

 

「それではまぁ、移動します?」

「えぇ、そうね。そう言えば、本を読んでたみたいだけど、お邪魔だった?」

「今更過ぎです。まぁ、大丈夫ですよ。ミアに見て欲しいって言われたやつなので」

「それ、大丈夫なの?」

「大丈夫ですよ。一時間もあれば読み終えそうですし。帰ってから読みますよ」

 

 こうして、レナと雑談を交わしながら、私達は図書館へと向かうのだった──

 

 

 

 ──図書館

 

「それじゃぁ、始めましょうか」

 

 無事、図書館を借りることができた私達は、既に弾幕ごっこの準備を整えていた。

 

「スペルカードの枚数は......」

「貴女が決めていいわよ」

「では、三枚でお願いします。他のはミアいないですし、お姉様に見られていますし」

 

 見られてる......? あぁ、そう言えば、霊夢と戦っていたわね、レナも。

 まぁ、全部を憶えては無いんだけどね。私が異変を起こした時の話だし。

 

「えぇ、分かったわ。貴女のタイミングで始めていいわよ」

「分かりましえいっ!」

 

 と、掛け声と共に、レナが不意打ち気味に紅い弾幕を放ってきた。

 

「えっ!? っと、避けれないと思って?」

 

 それを、間一髪のところで避ける。

 

「素でびっくりしてた気もしますが......まぁ、当たりませんよね」

「あれ演技だから。それにしても不意打ちなんて、らしくないわね」

「お姉様の驚く姿が見たかったので。まぁ、最初から本気で行きますよ。油断してたらすぐに負けそうですしね!

 と言っても、詠唱の時間なんで少しお待ちを!」

「カッコつけてそれってどうなのよ。まぁ、いいけど。詠唱中でも攻撃はするし、ねっ!」

 

 そう叫ぶと同時に、私は円状に弾幕を展開していった。

 

 レナは静かに詠唱らしき言葉を呟きながら、危なげに避けていく。

 

「お姉様も酷いですね! ......『花は移ろい月は傾く』......『世の習い』!

『流水「槿花一朝の夢」』ッ!」

 

 レナがスペルカードを宣言すると、突如、図書館の天井には雲が現れた。

 それも、図書館全てを覆う程の大きな雲が。

 

「貴女って天候操るの好きねぇ」

「吸血鬼ですから。それじゃぁ、雨に打たれて止まって負けて下さい!」

 

 力強い言葉と共に、雲から大量の雨が降り注いだ。

 

「関係ないし、雨に打たれた瞬間に負けだからね? よっ、と」

 

 真上からの弾幕に注意しつつも、レナを見ながら避けていく。

 

 できる限り、姉の余裕を見せるために。

 

「これくらいの弾幕では制限することが精一杯ですか。では、えいっ!」

 

 レナの周囲から、四方八方に枝のような緑色の弾幕がゆっくりと伸びてくる。

 その一本が私に近付き......。

 

「これくらい、雨に注意すれ危なっ!?」

 

 ──円状に薄い紫色の何かが開いた。

 

 よく見ると、それは花だった。薄い紫色で、五つの花びらが付いている花だった。

 その花は、全ての枝から一つずつ咲いていた。

 

 そして、数秒のうちに、儚く、消えていった。

 

「あらま。運命でも、見ましたか?」

「ふん、偉そうな口で言うわね。見ないで避けたわよ」

「ふふっ、そうですか。ですが、第一陣が避けられたとしても、第二陣、第三陣が......」

「いいから早く撃ちなさいよ。じゃないと......負けるわよ? 『レッドマジック』!」

 

 弾幕の雨をかいくぐりながら、私は空中へと向かった。

 

 そして、スペルカードを宣言し、雲をかき消しつつ、レナへと弾幕を放った。

 

「え、うわっ!? 枝よ! あ、くっ!?」

 

 避けれないと判断したのか、枝でガードしようとするも、枝さえもかき消されてしまった。

 そして、急いで避けようとしたレナの左腕に小弾幕が直撃した。

 

「あ、だ、大丈夫!?」

「だ、大丈夫です! それにしても、力で負けるとは。やっぱり、リアルに再現し過ぎた分、力が弱くなってしまいましたか。いえ、元からお姉様よりも力は弱かったですね」

「腕、本当に大丈夫なの? 一旦中断する?」

「痛みは無いですし、軽傷なのですぐに治ります。だから、続けましょう」

 

 本当に止めたく無いのか、レナは真剣な目で真っ直ぐこちらを見ていた。

 ──全く。中断すると、もうやらない訳じゃないのに。

 

「はぁー、いいわよ。ただし、本当に危なくなったら止めるからね」

「ありがとうございます。では、一枚目は力比べで負けましたし、二枚目、行きますよ! 『幻日「プロミネンス」』ッ!」

 

 レナが宣言すると同時に、レナの頭上には大きな赤い弾幕が現れていた。

 

 それは、まるで太陽の様な輝きを放ちながら、四方八方に弾幕とビームを放ってきた。

 

「ほんと、私の、吸血鬼(私達)の弱点ばっかりねっ!」

 

 できる限り無駄のない動きを繰り返し、弾幕の間を通り抜けるようにして避けていく。

 

「弱点を攻撃する方が効率がいいので。では、同じのを繰り返しては、慣れて飽きるでしょうし、第二形態です!」

 

 その掛け声と共に、レナの頭上にある太陽は三つに分裂し、その全てから紅い小弾幕をばらまいてくる。

 

「密度が濃く......。ビームが無いのが幸いね。はぁっ!」

 

 スペルカードを消費しないために、同じように小弾幕を飛ばして相殺させていく。

 

 そして、相殺できなかった残りを避けながら、攻撃の機会を伺った。

 

「まさか、そんな手を使うとは。それなら、通常弾幕程度では抑えれない程の弾幕をプレゼントして差し上げます! 第三形態ですよ!」

「まだあったの!?」

 

 レナの頭上にあった三つの太陽が、弾幕を放ちながら動き出した。

 

 全ての太陽は逃げ場をなくすように正面左右、三つの方向から私に向かって飛んでくる。

 

 

「ちょっと! 太陽だけなら良かったけど、小弾幕あり、ってどうなのよ!」

「霊夢には避けられるレベルなので大丈夫ですよ。それよりも、当たったら私の勝ちですよ?」

「うー......仕方ないわね! できれば温存しておきたかったのに......『紅符「不夜城レッド」』!」

 

 全ての太陽が目と鼻の先に接近したところで、自分の周囲だけに弾幕を展開し、身を守る。

 

「い、ったぁ! どうよ! また勝って見せたわよ!」

「強がり過ぎです......。一つだけでなく、全ての擬似太陽を相殺するなんて。

 スペルカードを使ったにしても、無茶し過ぎです」

「遊びだったとしても、これは姉の威厳に関わる問題なのよ。だから、全力で相手するわ。最後のスペルカードを使いなさい。それで勝負が決まるわよ」

「まぁ、かなり力ずくでしたけど、攻略されたので最後ですね。お姉様も最後ですけど。

 ふぅー......行きますよ! 『死と再生「ウロボロス」』!」

 

 宣言したと同時に、レナの姿が消えた。

 

 それだけではない。周囲には、何か異様な空気が漂っている。

 まるで、何か強大なモノに囲まれているかのような......。そんな威圧感もする。

 

「お姉様、こっちですよ」

「え、っ!?」

 

 再びレナの声が聞こえた時には、私は()()()()()()()()()()()()

 

 慌てて避けるも、全ての弾幕を完全に避けることは叶わず、幾つか掠ってしまった。

 

 よく見ると、弾幕は再度、こちらに向かってきていた。

 

 いや、それだけではない。

 

 弾幕以外に、何か、大きなモノが私とレナの周りを囲んでいた。まるで、大きな蛇のような何かが。

 そこから弾幕を飛ばしているみたいだった。

 

「嘘......能力を使ったの? でも、触っていない物は有耶無耶にできないんじゃ」

「私の血と同様、弾幕は私の一部という扱いみたいです。ですから、弾幕は離れていても有耶無耶にできます。

 っていうか、憶えていませんか? 霊夢の時にも使った気がしますが」

 

 ......あら、そうだったかしら? 全く憶えてないとか言えない......。

 

「まぁ、いいです。お姉様。これは霊夢のように勘の鋭い人、お姉様のように能力で先が見れる人にしか使わないスペルカードです。本気で、避けて下さいね」

「ちょっ......また消えた」

 

 レナはそう言うと、再び姿を消した。まるで霧のように、跡形もなく。

 

「はぁー、仕方ないわね。見ればいいんでしょ。自分の運命を。全く、集中しないと見れないのに......」

 

 誰に向かってでも無く文句を言いながら、目を瞑り、集中し、これから少し先に自分に起きる運命を見てみた。

 

 すると、レナと全ての弾幕が当たる直前に現れることが見えた。

 それと同時に、どうやって避けるかも確認できた。

 

 これからさらに、弾幕に当たらないという偶然(運命)を操り、全く弾幕に当たらないという必然(運命)にすることができる。

 

 が、それをすることは無く、私は再び目を開ける。

 

「......最初からこうすれば掠ることも無かったわ。でも、これを使うと卑怯じゃない? 姉としての威厳が全く無いじゃない?

 だから、正面から倒してあげるわ。当たらないように必死に避けなさい! 『スカーレットディスティニー』!」

 

 そう高らかと宣言し、見えない弾幕を全て消す勢いで、自らの周囲を大玉とナイフの弾幕で埋めていく。

 幾つかの弾幕は相殺されたのか消え去り、大玉は蛇のような何かがあった場所まで行くと破裂した。

 

 しばらく弾幕同士がぶつかり、破裂する音だけが響いた。

 自らも音と視界に集中し、レナを探しながら弾幕を展開し続けた。

 

 そして、数分も経たないうちに全ての弾幕は消え去った。

 

 ──と同時に、背後から誰かに抱きしめられた。

 

「お姉様。能力、使わないのですね」

「えっ!? ......レナ?」

「はい、私です。......それにしても、相殺されるなんて......。やっぱり負けちゃいました。お姉様には」

「何言ってるの。貴女、弾幕に当たったの?」

 

 力を使い切った私は、レナに抱きしめられたまま、ゆっくりと地面に降りながら会話を続けていく。

 

「いえ、当たってはいませんが......」

「なら、引き分けじゃない。私も貴女もスペルカードを使い切ったんだから」

「ですが、私は能力あり、お姉様は能力なしですよ? 力の差もはっきりし過ぎてますし、私の負けです」

「貴女ねぇ......はぁー、いいわ。もう疲れちゃったしね」

「え!? まだ遊び足りないです!」

 

 ついさっきまで、落ち着いた声で話していたのに、急に子供のようにわがままな声でレナはそう言った。

 

「はぁー。一日中遊ぶ約束だったし、疲れて寝るまで遊んであげるわ」

「ふふっ、お姉様、次は外にお出かけしましょう!」

「本当に元気過ぎない? まぁ、いいわ。それじゃぁ、準備をしたら出かけましょうか。貴女の行きたい場所まで」

 

 こうして、弾幕ごっこを終えた私は、一日中、レナに付き合わされることのなったのだった────

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