小説でわかる幕間の物語   作:ニコ・トスカーニ

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ぐだ子とぐだ男が両方存在してます。
語りはぐだ男視点です。
この時空のぐだ子はアレな趣味です。
下ネタ注意。


ぐだ子の秘密

「留守か」

 

 今日、ドクターからイレギュラーな特異点が同時に2つ発生したことを知らされた。

 俺はパーティーの編成等戦略上の相談のためもう一人のマスターであるぐだ子の部屋を訪れていたが、生憎彼女は席を外していた。

 

 カルデアに来て以来、この部屋には何度が入っているが簡素な部屋だ。

 本棚を見ても神話や英雄譚、魔導書などマスターとしての任務に関連するものばかりだ。

 ふと一冊のノートが分厚い魔導書の間に挟まっているのに気付いた。

 なぜこんなところにノートなんか挟んでいるのだろうか。

 何気なく手に取ってみると 「見るな!」と赤字で書いてある。

 恥ずかしい日記か何かだろうか。

 俺の心にムクムクとイタズラ心が湧き上がってきた。

 

 ごめん、ぐだ子。

 俺も男の子なんだ。見るよ。

 

 中身は意外なことに漫画だった。

 それもかなり本格的な漫画だった。

 

 そういえば最近、黒髭とぐだ子が話しているのを何度か見かけたが黒髭コレクションの漫画でも借りていたのだろうか。

 

 ぐだ子はかわいい。

 黒髭などぐだ子に話しかけられると気持ち悪い笑顔をいつも以上に気持ち悪くして

デュフデュフ言って喜んでいる。

 

 黒髭を召喚したその時、同席していたぐだ子を見た黒髭の第一声は「ところでそちらの美しい三次元の方はどなたでござるか?」だった。

 

 ああ、そういえばダヴィンチちゃんにも何か相談してたな。

 画材の調達でも相談してたんだろうか。

 

 そんなことに思いを巡らせながらページをめくる。

 舞台は中世初期と思われるどこかの城だった。

 

 そして漫画には俺も知っている人物、円卓の騎士ランスロットとガウェインが……

そうとした思えない人物が描かれていた。

 

「いけません。ランスロット卿。この転輪する勝利の剣(エクスカリバー・ガラティーン)は

王の聖剣の姉妹剣……そして王に捧げたもの。そのようなことはなりません……」

 

 え?どういう意味だ?

 そしてなぜ、この漫画のガウェインは頬を赤らめているんだ?

 

「ガウェイン卿。ならば私の無毀なる湖光を貴公に捧げよう。

この剣は我が王のもの……そして貴公のもの。これでおあいこだ。

「ランスロット卿……」

「ガウェイン卿……」

 

 すると2人は顔を近づけ……

 バタン!

 思わず俺はその薄い本を閉じた。

 

「……腐ってやがる」

 

 見てはいけない。否!見なければいけない!

 俺は仲間としてぐだ子のすべてを受け入れる。

 

 ページを進めるランスロットとガウェインの睦みあいはさらに続いていた。

 ランスロットがガウェインの股間のガウェインに触りながら『卿の堅物ぶりは時に

困るが、堅いのは性格だけだはないのだな』と言ってみたり、ガウェインがランスロットの股間のランスロットをムグムグしたりと作者の闇の深さを感じさせるものだった。

 

 トリスタンも出てきた。

 トリスタンは「二人だけで快楽に耽るとは――私は悲しい」と言うと

その先は三人でくんずほぐれつ×××なことをし始めた。

 

 もうわけがわからないよ……

 

 ページを更に進める。

 今度は日本の武家屋敷風の建物で2人の男が肩を寄せ合っていた。

 

 こちらも俺の知っている人物。

 アーチャーのエミヤとアサシンのエミヤだ。

 

 アサシンのエミヤを召喚した時、あのクールなエミヤが珍しく取り乱していた。

 そのあとぐだ子と2人がかりでエミヤから聞き出したがあの2人は平行世界では親子だったらしい。

 

「いけない。キリツグ……平行世界での話とは言え我々は親子。

そしてマスターにこの身をささげた剣だ」

「分かっているよ、士郎。

でもね、僕はもう親子の関係じゃ我慢できないんだ……」

「じいさん……わかった。このことはアイリスフィールとイリヤスフィールには内緒だ」

「ああ……僕らだけの秘密だ」

 

 すると2人は服を脱ぎ■自主規制■な状態になった。

 その先はアサシンのエミヤとアーチャーのエミヤの濃厚な絡み合いだった。

 

「シロウ、大きくなったのは体だけじゃないんだね……」

 

 アサシンのエミヤがアーチャーのエミヤの股間のエミヤを触りながら言う。

 

「――あなたは変わらないな」

「ああ、うれしいよシロウ。君とこんな関係になれる日がくるなんて……」

 

 ガタッと背後で音がする。

 振り返ると俺の背後でぐだ子が顔を真っ赤にしてプルプル震えていた。

 

「み、見たな……」

 

 ぐだ子は俺の手から秘蔵のノートをひったくるとそのままベッドに飛び込み

悶絶しながらのたうちまわたった。

 

「いやー!殺して!いっそ殺して!」

 

 言うまでもないがそのあと幾らか冷静さを取り戻したぐだ子にこっぴどく叱られた。

 俺はただ平謝りするだけだった。

 「必ず復讐してやる!」という怨嗟の言葉を残し俺は部屋から追い出された。

 

 それから数日。

 サーヴァントたち、特に男のサーヴァントが俺と話すとき妙に距離を置いていることに気付いた。

 

 こういう時に影にいるのが誰か大体想像がつく。

 

 俺はモゴモゴと口ごもる黒髭を問いただすと俺と男サーヴァントが■アーン♡■なことをしているモノをぐだ子と制作してこっそり流布させたと白状した。

 

 おかげで俺がホ●だという噂が流れている。

 

 ぐだ子。これが君なりの仕返しなんだな……

 

 マシュに包み隠さずすべてを話し相談すると

「それは先輩が悪いです。罰だと思って我慢して下さい」と言われてしまった。

 

 がんばれ、俺。

 人のうわさも75日。

 あと70日ぐらいの辛抱だ。




ご覧の通りぐだーずが2人とも存在してます。
2人は同時に存在してたらきっと仲良し。
兄妹とか兄妹同然に育った幼馴染的な関係だと思う。

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