小説でわかる幕間の物語   作:ニコ・トスカーニ

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あけましておめでとうございます。
新年一発目は原作設定から大きく逸脱した悪ふざけです。
年末にやっていた短編アニメとガイ・リッチー監督の『キング・アーサー』を見て思い付きました。
いつも以上に下ネタ連発なので下品なのが苦手な方はブラウザバックしてください。
(良いですか?警告しましたからね?)
前述通り、原作無視の悪ふざけですがオチもつけたので勘弁してください。
では、どうぞ



もう一つの円卓

「僕が彼らと出会ったのは――ロンディニウムのストリートだった!」

 

 あまりに意外過ぎる回答でどうしたらいいかわからない。

 そんなことが時々ある。

 何かの流れで、平行世界のアーサー王、アーサー・ペンドラゴンと雑談していた。

 俺だったかマシュだったか、ぐだ子だったか。

 誰がその話の流れに持って行ったのか思いだせないが、誰かが「平行世界の円卓の騎士」の話を聞きたがった。

 その好奇心がもたらした回答はあまりに意外だった。

 

「「「え?え!?え!!?」」

 

 俺たちいつもの三人はただ狼狽えた。

 

「ヴォーティガンのクソッタレ……失礼、卑王ヴォーティガンの奸計に嵌り、僕の父ユーサー王は命を落とした。

最後の力を振り絞って父は僕を船に乗せて、魔術で川に進水させた。その船が辿り着いた先は、ロンディニウムのスラムだった。

スラムの売春宿に拾われた僕は、ケイ兄さんに育てられた」

 

 アーサーの口調は熱っぽかった。

 

「ケイ兄さんはストリートでも名うてのポン引きで、ケイ兄さんの客引きに釣られたスケベ野郎たちはことごとく尻の毛まで引っこ抜かれていた。

サイド・ビジネスで大麻の栽培もやっていたけど、ケイ兄さんの大麻は絶品だった!」

 

 呆気にとられる俺たちにさらに彼は畳みかけた。

 

「そうそう。ぐだ子、君はなかなかいいセン言っていると思うよ!ケイ兄さんだったら一発ガリア銀貨一枚で売り出していただろうね!

マシュは実にスケベな体つきをしているね!ぐだ男、正直辛抱たまらないだろう。彼女とは何発ぐらいカマしたんだい!?」

 

 爽やかにゲス発言を繰り出した。

 ゲス発言なのに「キラキラ」という擬音語が聞こえそうなぐらい爽やかなのはやはり「イケメン無罪」だからだろうか……

 

「そんなストリート生活を通じて出会ったのが、円卓の騎士たち……ベディヴィエール、ランスロット、ガウェイン。トリスタンだ」

 

 アーサーの話はさらに続いた。

 現時点であまりにも相違点が多すぎて困惑し通しだったが、その先はもっとトンデモだった。

 

×××××××××××× 

 

 僕はロンディニウムのストリートで最強を誇っていた。

 男らしく腕を競い合い、その中の幾人かとは絆を築くことになった。

 それが後の円卓の騎士たちだ。 

  

 僕らはストリートで腕を磨き、ストリートで戦いのルールを築き上げた。

 だから僕らには戦の前の独自の儀式があったんだ。

 

 押し寄せて来た蛮族の軍勢と正面から睨みあったとき。

 先陣を切るのはベディヴィエールだ。

 

「陛下、お任せを。奴らにリリックの矢を浴びせてやります」

 

 まず、ベディヴィエールが敵軍の前に進み出て、相手の大将をラップでディスる。

 

××××××××××××

 

「「「いやいやいやいや!」」」

 

 俺たちは三人同時にツッコんだ。

 ノッブと言い、アーサーと言い、ラップ万能すぎるだろ。

 一体いつの時代からラップ存在してるんだよ。 

 

「ああ、言い忘れていたけど、僕の知っているベディヴィエールは黒人なんだ。

こっちのベディヴィエールは白いから驚いたよ。いつも『ヨー、ニグロ』って挨拶してたんだけどこっちのベディはニグロじゃないから

出来ないね。とても残念だよ」

 

××××××××××××

 

 ベディヴィエールがリリックの矢で敵をディスる。

 戦の前に即興ラップを披露するのなんて当時は僕らの軍ぐらいだったからね。

 この時点で敵は唖然だ。

 そこに今度はランスロットとガウェインが進み出る。

 

「陛下、お任せを。奴らに目にものを見せてやります」

「陛下!格の違いを見せてやります!」

 

 続いて、ランスロットとガウェインが敵軍に前に進み出て――公開オ●ニーをぶちかます!

 ランスロットとガウェインはこの世のものとは思えないサイズのデカ●ンだったから、気の弱い兵士はこの時点で戦意喪失だ。

 

××××××××××××

 

「「「いやいやいやいや!!!」」」

 

 またしても俺たちは一斉にツッコんだ。

 

「ああ、下品でごめん!ストリート育ちだからつい、癖が出てしまうんだ!

彼らは戦力としても最強クラスだったからね。生き残った敵兵はしばらくの間『デ●チン怖い』とうなされたそうだよ!」

 

 またしてもアーサーは爽やかに平然としていた。

 

 「中世のスコットランド軍には戦の前にキルトをめくりあげて下半身を露出させる儀式があったらしいです」とマシュが

赤面しながら(かわいい)説明してくれたが、明らかに時代がおかしいとのことだった。

 

××××××××××××

 

 仕上げはトリスタンだ、

 

「陛下、お任せを。大物をお見舞いしてやります」

 

 とどめにトリスタンが――敵軍の前で脱糞する!!!

 彼には便意をコントロールする加護が湖の乙女から与えられていた。

 いつでも好きな時に脱糞できるんだ。

 

「行くぞ!野郎ども!キャメロットで酒と女と大麻が僕らを待っている!

これは世界を救う戦いだ!」

 

 敵がトリスタンの変態行為で呆気に取られているとろを別動隊が背後から挟撃してタコ殴りにする。

 卑怯だと思うかもしれないが、卑怯も武のうちだ。

 なので、別動隊には精鋭をそろえていた。

 本隊が手薄になるのは好ましくないので、ベディヴィエール、ランスロット、ガウェイン、トリスタンは本隊に配置していたが、

それ以外の主戦力は別動隊に配置していた。

 ペリノア、モードレッド、ガレス、ベイリン、パロミデス、ラモラック、エクター、パーシヴァル、ボールス、ギャラハッド……いずれ劣らぬ精鋭たちだ。

 その別動隊を束ねるのがサー・ジョージだ。

 

××××××××××××

 

「私の知らない名前ですね。サー・ジョージ?」

 

 マシュが首を傾げた。

 マシュが知らないのであれば、俺が分かるわけもない。

 ぐだ子も隣で首を傾げていた。

 

「そうか……こちらの世界にジョージはいないのか」

 

 アーサーは残念そうにつぶやいた。

 そして――

 

「サー・ジョージは――カンフー・ジョージは――中国生まれのカンフーマスターで円卓最強の男だ!」

 

 俺たちはいっせいにツッコんだ。

 

「「「いやいやいやいや!」」」

「カンフー・ジョージほどヤバい奴を僕は見たことが無い。

僕は奇襲と目つぶしと金的でロンディニウムのストリートで150連勝を飾ったが、151連勝を阻んだのがカンフー・ジョージだった。

ジョージは僕の目つぶしをモロに受けたのに微動だにせず、金的を特殊な腹筋の操作で無効化した。

逆に全力の崩拳を食らってしこたまゲロを吐くハメになったよ!

エクスカリバーは一振りで960人を薙ぎ払ったが、カンフー・ジョージは素手で武装した1000人の兵士を制圧した。

アイツはマジでヤバいやつだったよ!」

 

 熱っぽく語るアーサーの話はキャメロット城での日々の話になった。

 

××××××××××××

 

 こんなロクデナシの集まりだったからキャメロットは常にカオス状態だった。

 パーシヴァルお手製のエールで泥酔してるか、ケイ兄さんの栽培した大麻でラリってるかのどちらかだったからね。

 あれは酷いものだった。廊下を歩くと必ずどこかにゲロがあるから常に足元には気を付けていたよ。

 

 円卓の騎士たちは酒癖も言葉遣いも悪かったが下半身も乱暴だった。

 ランスロットは「デ●チンでヤリ●ン」という最悪な称号を頂いていた。

 ガウェインは見境なしで「穴さえあればポストとでもヤッて見せます!」と豪語し、実際に老婆の姿のラグネルと一晩で七発カマすという偉業を成し遂げた。

 ラグネルの呪いが解けて、若い姿に戻った後はところ構わずヤりまくっていた。

 トリスタンとパロミデスはイゾルデを巡って争ったが、仲良くイゾルデから性病を移されてからは友好関係を結んだ。

 

 そんな状況でもストッパーはいた。

 執政官のアグラヴェインだ。

 僕は彼にお小言を頂戴するたびに言ったものだ。

 

「アグラヴェイン。君は本当にお堅いな。硬いのはチ●ポだけにしとけって!」

 

 そう言うたびにアグラヴェインは胃を押さえながら曖昧な表情をして呟いた、

 

「陛下、そういったお言葉は控えていただきたく……」

 

 ギャラハッドも数少ないストッパー役だった。

 でも、彼はストッパー役以上にいじられ役だった。

 こちらの伝承でもそうらしいけど、彼はガチガチの拗らせ童貞でね。

 円卓ジョークでもギャラハッドの童貞ネタは鉄板だった。

 僕の世界ではマーリンは女性だったと話したけど、彼女の下ネタは円卓の誰にも劣らないぐらいえげつなかった。

 彼女、面白がって事あるごとにギャラハッドの童貞を奪おうとしていたけど、

「中古品で童貞捨てるとか無理です!」って必死の形相で断ってたな。

 

 ブリテンは栄華を極めた。

 あの日々は本当に楽しかった。

 

 君たちも知っての通り終わりはやってきた。

 そのきっけかとなったのがランスロットの不義だ。

 

 アグラヴェインからの進言によりランスロットがグィネビアと一発カマした……失礼、不義の仲となったことを知った僕は彼を呼び出し、問い詰めた。

 

「人の女房をコマしておいて、タダで済むと思ってるのかい?このチ●ポ吸い野郎!」

 

 彼はあっさり不義を認めた。

 そしてとんでもないことをカミングアウトした。

 

「私は確かにお妃さまをコマしました。ですが、私の本来の目的は――あなたなのです。

私はあなたの事を尊敬しております。ですが、甥であるガウェインのように血縁があるわけではありません。

貴方の親族に女性が居ない以上、義兄弟にもなれません。

――なので――なのでせめて

――穴兄弟になりたかったのです!!!」

 

 僕は思わず答えていたよ。

 

「なんて狂った変態野郎だ!ムカついてるけど、面白いから許す!

下痢するまで酒飲んで、ポルノでも見ようぜ!!!」

 

 僕らは行きつけの酒場「カムラン」でしこたま酒を飲んだ。

 そして泥酔したところを腐れチ●ポ……失礼、モードレッドにまんまと隙を突かれた。

 

 それが僕の世界の円卓の物語。

 後は大体こっちの世界と一緒だ。

 

 

××××××××××××

 

 目が覚めると倉庫に居た。

 周りを見渡し、状況を確認する。

 

 そうだ、確か……査問の前に片づけしてて思わず寝落ちしたんだった。

 

 何かすっごい変な夢見たな……

 

「先輩」

 

 馴染みのある声がした。

 ドアを開けて声の主、マシュ・キリエライトが入ってきた。

 

「よかった。ぐだ子先輩と手分けして探していて、全然見つからないので何かあったのかと思いました」

 

 ぐだ子と合流した俺たちは片づけに戻ったのだった。

 カルデアの倉庫の片隅に奇妙な世界に繋がる空間があるということを知ったのは後のことだった。




上品でほんとごめんなさい
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