小説でわかる幕間の物語   作:ニコ・トスカーニ

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またしても第二部ネタです。
カドック君×アナスタシアさま編です。



えげつない勝利

※ゲームの仕様上ありえない描写がありますが、演出としてご容赦ください。

 

「そう、ここまで辿り着いたのね。ならば私とヴィイも全力よ。さあマスター回路を回しなさい」

 

 遂に皇帝を打倒した俺たちの前に立ちはだかったのはこの異聞帯のクリプター、カドックとアナスタシアのコンビだった。

 

「僕はお前たちを倒して証明して見せる。僕にもやれるってことを」

 

 いつもの猫背で寝不足そうな顔に精いっぱいの力を込めてカドック君は言った。

 

 正直アナスタシアとカドック君のコンビはエモいのであまり進んで戦いたくはないがこれもゲームの進行的に仕方ないことか。

 

「おひゃっー!シルバーブロンドの色白美少女ktkr!これで勝つる!」

 

 そんなシリアスな雰囲気を台無しにする人物が現れた。

 ライダーのサーヴァント、黒髭ことエドワード・ティーチだ。

 いや現れたっていうか相性いいから連れてきたのでいるのは当然なんだけど

 

 連れてきたのはいいけど後悔してきた……

 キモい。マジでキモい。

 キモいとしか言いようのないぐらい気持ち悪い。

 髭面のフケツ全開な顔面で鼻息をhshsさせている。

 

「ハァハァ……シルバーブロンド美少女の匂い成分が含有された空気……。

閃いた!この空気を缶詰にしてアキバの自販機で売る!

帰ったらダビデ氏と早速商談でござる!」

 

 新しい霊衣を纏ったマシュが真っ青になって俺の後ろに隠れた。

 その表情は「先輩、黒髭氏がいつもにも増して気持ち悪いです」と語っている。

 ぐだ子は部屋の掃除中に現れたゴキブリでも見るかのような目で黒髭を見ている。 

 

「スーハースーハー……拙者その匂いを鼻腔いっぱいに堪能中!パワーアップ120パーセント充填!

拙者いつでもルパンダイブする準備はできているでおじゃる。ねぇねぇぐだ男氏、拙者もうパンツ脱いでいいよね!?」

 

 カドック君とアナスタシアが仲良く体をブルっと震わせた。

 気持ちは分かる。

 ……黒髭氏って気持ち悪いよね。

 

「マスター。カドック……。私なんだか寒気がいたしますの。おかしいわね、サーヴァントは風邪をひくことは無いはずなのに。

その……雌雄を決するのはまたの機会にというわけにはいかないのかしら?」

 

 その言葉は黒髭氏のハートを燃え尽きるほどヒートさせた。

 

「デュフフフフフフハハハハ……ジュルリ……。そんな恥じらいの姿も拙者の心にクリティカルヒット!

待っててね!アナスタシアたーん!今いくでござ……」

「令呪をもって命じる。自害しろ黒髭」

「あふゥン」

 

 ぐだ子の無慈悲な令呪が黒髭を襲う。

 しかしゴキブリ並みの生命力を発揮し踏みとどまるオタク髭。

 

「味方から強烈な一撃!くろひげにつうこんのいちげき!拙者ガッツで復活。でもHP残り1!マスター回復してほしいでおじゃる。

具体的にはメディアリリィたそに『痛いの痛いの飛んでけ』してもらいたいでござる。あ、ぐだ子氏かマシュ氏がナデナデしてくれても良くってよ……」

「重ねて令呪をもって命じる。自害しろ黒髭」

「ンギモッヂイイ!」

 

 ぐだ子が二画目の令呪を切った。

 

「シリアスな場面台無しにしやがって。お前は帰ったらスパルタ式トレーニング72時間だ。汗と一緒に煩悩洗い流してこい」

 

 ぐだ子が何の感情も籠っていない声で言い放った。

 

「う~~うううあんまりだ……HEEEEYYYYあァァァんまりだァァアァ!!」

 

 怨嗟の声とともに黒髭は光の粒子となった。

 

「お前たち正気か?こんな命令に令呪2画も使うなんて……」

 

 黒髭の返り血を浴びたぐだ子がゆらりと言った。

 

「うん。待たせてごめんね。さあ殺ろっか」

 

 カドックくんの困惑をよそにゲオル先生は写真を撮っている。 

 

「これはひどい。一枚撮っておきましょう」

 

 さてそろそろシリアスに戻るか。

 

「ゲオル先生。お願いします」

「これは失礼しました。では参りましょう。速やかに殲滅します」

 

 カドック君はこちらのメンバーを見てほくそ笑む。

 

「聖ゲオルギウスに竜騎士ジークフリート、それに予言者マーリンか。

藤丸、お前はやっぱり素人だよ。そいつらは強力なサーヴァントかもしれないけど戦いには相性ってものがあることを教えてやる。

令呪をもって命じる。キャスター敵を凍えさせろ!」

 

 ゲオル先生が相手の動きに素早く反応する。

 

「これでどうかな」

 

 アナスタシアのスタン追加効果を高ランクの対魔力で弾くとカレイドスコープからの冤罪剣を発動させる。

 

「これこそがアスカロンの真実! 汝は竜、罪ありき! 『 力屠る祝福の剣 (アスカロン)』!

さあジークフリート!竜認定しました!お早く。私があなたを介護できる間に決めてください!」

「お任せを。夢のように片付けよう」

 

 ゲオル先生とマーリンのバックアップを受けたジークフリートがピンポイント特攻の宝具を開放する。

 

「う……すまない。邪悪なる竜は失墜し、世界は今落陽に至る。撃ち落とす――『 幻想大剣・天魔失墜(バルムンク) 』!」

 

 強化された魔剣の一撃がアナスタシアを襲う。

「きゃあーっ!」

 

 2重の加護を受けたすまなくない一太刀によって大打撃を受けた様子を見たカドック君はすかさず2画目の令呪を切る。

 

「令呪をもって命じる。キャスター、宝具を開放しろ!」

「ヴィイ、全てを見なさい。全てを射抜きなさい。我が霧氷に、その大いなる力を手向けなさい。『疾走・精霊眼球(ヴィイ)』!」

「お任せを。夢のように片付けよう」

 

 いつもの幻術でマーリンが全体宝具をそらし王の話を始める。

 

「それでアルトリアは言ったんだ。『殿方の悦ばせ方は知っています 』ってね」

「マーリン!その話だめ!このゲーム全年齢向けだから」

 

 王の話と被弾によるマゾチャージで2発目のバルムンクが発動しさらにアナスタシアを追い詰めていく。

 ここが勝負どころだ。

 

 集中狙いで落ちたゲオル先生に代わり前衛にはシェイクスピアが出てきていた。

 出てくるなり、シェイクスピアは怪訝な表情をした。

 

「んーマスター、吾輩にターゲット集中がついているのは気のせいですかな?」

「やだなぁ、俺たちに言わせるつもり?そんなのシェイクスピアが捨て駒だからに決まってるじゃないか」

「ほら、スキル使ってさっさと落ちろ」

 

 俺たちの無慈悲な言葉にシェイクスピアは叫んだ。

 

「なんという外道戦法!これにはイアーゴもリチャード三世もドン引き!」

 

 スキルを使ってジークフリートにバフがけし、看板娘のターゲット集中でシェイクスピアが落ちる。 

 

 俺は目でぐだ子に合図を送った。

 

「令呪をもって命じる。ジークフリート、宝具を開放しろ!」

 

 ぐだ子の手から3画目の令呪が消失する。

 

「すまない。効果が3ターンしか持続しなくてすまない……。邪悪なる竜は失墜し、世界は今落陽に至る。撃ち落とす――『 幻想大剣・天魔失墜(バルムンク) 』!」

「令呪をもって命じる。キャスター、皇帝になれ!」

 

 カドック君の最後の令呪によって尚も踏みとどまるアナスタシア。

 まずい、宝具が飛んでくる。

 幻術も間に合わず飛んできた2発目の宝具にジークフリートとマーリンは倒れた。

 

 勝利を確信したカドック君が口を開く。

 

「僕の勝利だ。令呪を使い果たしたお前に今のキャスターを打倒する手段はもうないだろう。

 後衛に誰が残っているか知らないけど、前衛以上の火力はもう……え!?」

 

 そこまで言って目の前の光景に驚愕したカドック君の言葉が途切れる。

 

「戦闘か。なるべくは避けたい行為だが、仕方あるまい」

「一気呵成に滅ぼしてくれよう。やるぞ、マスター!」

 

 そこにいたのは自前孔明とフレンド孔明の殺意200%コンビだった。

 

「ちょ、ちょっと待て!お前のところなんで全く同じサーヴァントが2基いるんだ?」

「え?大体フレンドから借りるのって孔明かマーリンじゃないの?」

「……何言ってるんだお前たち?」

 

 呆然とするカドック君とアナスタシア。

 すまない。卑怯も武の内よ……

 

「じゃあ殺ろっか。先生お願いします」

「くだらん」

「ふむ、ではこうしよう」

 

 ダブル孔明がスキルを全開放しもう一人の後衛、限突黒聖杯ライダー金時に力を送り込む。

 

「そんじゃカッ飛ばそうか! ベアハウリング! 『 夜狼死九 (ゴールデンドライブ)』! ……『 黄金疾走 (グッナイト)』!」

 

 こうしてベアー号のひき逃げアタックにより勝敗は決した。




大変失礼しました。
またお会いしましょう。
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