完全に私事なんですが、海外に行っていたため更新どころか執筆すらさぼってました。
というわけで取り合えず再開一発目です。
※以下の文章には2部2章のネタバレが含まれています。
それでもクク…オフェリア…な方はどうぞ。
ロシアの異聞帯切除の直後。
時速90キロでロケラン担いで走行する外道神父の襲撃にあった俺たちは息つく暇もなく2つ目の異聞帯・北欧へと赴くことになった。
到着早々にホームズが戦線離脱したり、迫りくる巨人相手に北斎さんが富嶽三十六景したり孔明先生とマーリンが過労死寸前だったりしながら味方になったブリュンヒルデさんのシグルド困りますヤンデレアタックで封印を解かれた破壊の化身スルトと俺たちは対峙していた。
オフェリアさんが命を懸けて託してくれた戦いだ。
絶対に負けられない。
……でもなんかこの人様子がおかしいぞ。
「何故……だ……? オフェリア……オフェリア、オフェリアあああああああああ!!」
行動の度に息を吐くようにオフェリアを連呼してくるその様はストーカーそのものだ。
ちょっとカマをかけてみよう。
「おい!スルト!言っとくけどオフェリアさんお前のこと多分嫌ってるぞ」
まずは様子見だ。
ストーカー行為を止めさせるためには自分がストーカーであることを自覚してもらうのが重要だと聞いたことがある。(きよひーと頼光さんには失敗したけど)
しかしスルトの反応は俺の予想外のものだった。
「クク。そんなはずがあるか人間。俺はオフェリアに嫌われるような行動をとった覚えはない。むしろ好かれているはずだ」
そしてスルトは語りだした。
〇
「クク……オフェリア。調子が悪そうだな……今日の水泳の授業は見学か?
(注・意訳:調子悪そうだけど大丈夫?薬買ってこようか?)」
「クク……オフェリア。今日は随分大胆な下着を履いているな……。誰に見せるつもりだ?
(注・意訳:そんな布面積小さい下着で風邪ひかない?)」
「クク……オフェリア。冷蔵庫のプリン賞味期限が近かったから食べておいたぞ…。
(注・意訳:だから新しいの買って入れておいたよ。)」
「クク……オフェリア。いつもとシャンプーの匂いが違うな……。昨日は誰とお泊りだったんだ?
(注・意訳:トリートメントもしないとキューティクルが傷むよ。)」
「クク……オフェリア。お前のリップクリーム残り少なかったから使っておいたぞ。
(注・意訳:クク……オフェリア。ついでに食べて始末しておいたぞ)」
〇
その場にいた誰もが唖然としていた。
時間にしたらほんの一瞬だったのかもしれない
しかし体感的には何時間も時間が静止したかのように感じた。
最初に沈黙を破ったのはぐだ子だった。
「へ…へ…へ……」
「クク、どうした人間。この俺に恐れ慄いたか」
「変態!変態!!変たーい!!!お巡りさんこっちです!お巡りさんこいつです!
オフェリアさんの貞操が危ない!助けて!助けておまわりさーん!!」
ぐだ子の発言は当然だ。
気遣いの気持ちは分からなくなくなくも(最後の以外)ないがこの巨人、言葉選びのセンスが絶望的に悪すぎる。
「おい!スルト!言っとくけどお前やっぱり間違いなくオフェリアさんに嫌われてるぞ」
「クク、そんなはずがあるか」
駄目だ。この人デリカシーが漂白されてる。
男の俺で駄目なら女性の口からだ。
俺はその場にそろった女性陣に感想を求めた。
「はい。じゃあまずぐだ子さん」
「どう見ても変質者です。本当にありがとうございました」
「はい。マシュ」
「その……気持ち悪い……です」
「はい。エウリュアレさん」
「その汚物を私の視界に入れないでちょうだい」
「はい。アルテミスさん」
「最低。ダーリン以下」
「ちょっと!俺のことさりげなくディスらないでもらえますかね!」とばっちりをくらったオリオンがさらに続けて言う。
「おい!お前イアソン以下だぞ」
「クク、誰だそれは。汎人類史の英雄の名など知るか」
オリオンが『お前の知り合いの中で最低の人間を思い浮かべてみろ』と促すとスルトは『クク……したぞ』と素直に従った。
なんで妙なところが律儀なんだ。
オリオンはさらに続けて言った。
スルトも律儀に答える。
「それを10倍してみろ」
「クク…したぞ」
「それがイアソン。お前はそれ以下だ!」
数秒遅れてスルトの体に異変が起きた。
……あれ?動揺してないかあの人?
「何故…だ…この俺が? オフェリア…オフェリア、オフェリアあああああああああ!!」
『
『
「ンギモヂイイイイ!!おお…… オフェリア……オフェリア、オフェリアあああああああああ!!」
ピンポイント男性特攻の連続攻撃によりスルトは消滅した。
オフェリアさんのストーカーで変質者という汚名だけを残して。
先ほどまで巨人が存在していた虚空にマシュのつぶやきが浮かびそして風に乗って消えていく。
「オフェリアさん。敵は取りましたよ…」
「いや、マシュ。違うからね」
× × × × × × × ×
「お主たちが背負う数十億数百億の命のためにこの世界を漂白するのなら、私は私が背負う1万の民のためお主たちを殺すまで。負けるわけには…ゆかぬのだ!」
変態王スルトを打倒した俺たちはついにこの世界の王、スカサハ=スカディと対峙することになった。
一時的とは言え共に戦った中だ。
正直戦うのは心苦しい、でも仕方ない。だってそういうゲームシステムだし。
俺とぐだ子はキャスター対策に連れてきた黒髭氏を鼓舞するために口を開いた。
「うっわ…キモ…スルトは確かに変態だったけどピュアだった分黒髭氏よりは救いようがあったよね…。
(さあ行こう黒髭氏。俺たちにも負けらない事情がある。力を貸してくれ!)」
「ちょっとぐだ男氏!本音と建前逆!逆!!」
「ひどいよぐだ男!いくら黒髭氏が気持ち悪いからってその言い方はないでしょ!
…うっわ…キモ…。ごめんやっぱムリ」
「ちょっとぐだ子氏!全然フォローになってない!」
黒髭氏が涙目になりながら抗議する。
ていうか涙目の黒髭氏もキモ…うわキッつ。やっぱムリ。
ん?そういえばこの人もなんか様子がおかしいな。
いや、おかしいのはいつもなんだけど。
スカディ様みたいな美女が敵なのに妙にテンション低いというか。
ぐだ子も黒髭氏の異変に気が付いたのか率直に尋ねた。
「ねえ黒髭氏。なんかテンション低くない?スカディ様みたいな美女が相手なのに。
いつもだったら真っ先にルパンダイブするじゃん」
「いや、ぐだ子氏。流石の拙者も3000年間未開通の行き遅れBBAは守備範囲外っていうか…」
……その瞬間時が止まった。
時間にしたらほんの一瞬だったのかもしれない
しかし体感的には何時間も時間が静止したかのように感じた。
「……うう……酷いぞ」
そう呟いたスカディ様の目には『ウルウル』という擬音語が聞こえてきそうな勢いで涙が溢れ出していた。
まずい。スカディ様が泣いちゃう。
「謝れ黒髭氏!スカディ様に謝れ!!」
「ええ!?拙者味方なのに怒られてる?」
慌ててぐだ子がフォローにはいる。
「す、スカディ様すごーい!3000年間も操を守り通すなんて乙女の鑑ですよお!ぐだ子尊敬しちゃうー」
ぐだ子のフォローを聞くと今度はスカディ様の顔に『ぱあっ』という擬声語が聞こえそうな勢いで笑顔が浮かんだ。
「うむうむ。そう思うか!お主はなかなか見どころがあるな!何か褒美を取らせてやろう。
……( ゚д゚)ハッ!いかんいかんお主今は敵ではなかったか!」
この人必死で王としての威厳を保とうとしてるけど……相当チョロいな。
エリちゃんとかニトクリスさんと同じ匂いがする。
さあ、心苦しいけどそろそろ戦うか。
でもその前に。
考えていたことはぐだ子も同じだった。
「エミヤ」
「やれやれ。また汚れ仕事か」
ぐだ子がエミヤ(アサシン)を呼び出し黒髭氏にターゲットを押し付ける。
「さ、スカディさま。謝罪の代わりにこの髭を殺ってください。それから戦いましょう」
「HEEEEYYYYあァァァんまりだァァアァ!!AHYYYAHYYYAHYWHOOOOOOOHHHHHHHH!!」
氷雪の大地に黒髭氏の悲鳴が木霊する。
お前は英霊の座に戻ってシグルドさんからデリカシーの何たるかを学んで来い。
あとスカディ様はファラオがピラミッド投げて倒した。
2部2章は「ああ!ナポレオーン!!」てなってから「ああ…スルト。お前…」
ってなって「オフェリア・・・オフェリア、オフェリアあああああああああ!!」ってなりました。
私もスルトとあんまり変わらないかも。
スカディさま250連で来てくれました。
危うく爆死するところだった。『250連は爆死では?』って。(∩゚д゚)アーアーきこえなーい。
久しぶりに動画投稿しました。黒髭氏を思いっきりフィーチャーしてます。
よろしければご覧ください。
【FGO】スカディvs半裸男パ【彼こそが海賊】
www.nicovideo.jp/watch/sm33642015
このシリーズ含めた二次創作、一時創作、映像制作、メディアへの寄稿など更新情報はtwitterでも流してますのでこちらもどうぞ。
@FuttariHaretari
ではまたお会いしましょう。