Fate/in UK はちょいちょい更新してたんですが、書く気が起きなくてこっちは放置してました。
年末年始いかがお過ごしですか?
私は映画見たり薄い本読んだりして忙しく過ごしてました。
5か月ぶりぐらいの投稿ですか。ではどうぞ。
今年も夏イベントの時期が来た。
やたら過酷な環境だった過去二年と違い、今回は常夏のリゾートアイランド、ハワイが舞台だと告げられた。
俺たちはウキウキ気分で(目隠しはされてたけど)飛行機に乗ったがそのたどり着いた先はBBちゃんが何かやらかしてハワイとホノルルが合体したルルハワになっており、どう見てもコ●ックマーケットにしか見えないサバフェス(サーヴァントサマーフェスティバル)が開催されていた。
BBちゃんから告げられたのは「サバフェスで一位を取るまで一週間がループする」「ロビンが豚になる」という残酷な事実だった。
同行した全員、マシュ、ロビン、牛若丸は動揺していた。
サバフェスで一位を取るということは同人誌を作って売り上げ一位にならなければいけないということだ。
いくら英霊でも同人誌制作の心得なんてあるはずもない。
その中にあってオルタちゃんことジャンヌ・オルタだけが冷静を保っていた。
ああ、そういえばこの子はそういう子だった。
〇
一度、オルタちゃんの霊基が消滅しかけたことがある。
ゲーティアを倒し、カルデアの引き渡しが完了する前のことだ。
ダヴィンチちゃんの説明だとオルタちゃんはジャンヌ・ダルクの影から生じた不安定な存在で、人理の危機という特殊な状況がどうにかその存在を固定していた。
人理の修復によって存在意義が揺らいでいる。
それで消滅しかかっている、ということだった。
「「ふーん(ホジホジ)」」
俺とぐだ子は鼻をほじりながらダヴィンチちゃんの話を聞いていた。
態度が不真面目すぎてさすがに怒られた。
そんな態度だった理由だが、俺たちには策があった。
オルタちゃんのことはよくわかっている。
気配を感じたのか、話を聞いていたのか。
カルデアにいる英霊の一騎が施設の外に飛び出したという緊急連絡が入った。
俺とぐだ子はその英霊を追って外に飛び出した。
視線の先。
吹雪く大地と対称するように黒を基調にした衣装を纏った彼女の姿が見えた。
その黒を基調にした衣装はヴラドさんからこっそり裁縫を習って自作した改造コスだということは誰もが知っている彼女の秘密だった。
俺たちは吹雪の音に負けないように声を張上げて言った。
「うわ!寒!戻ろうよ、オルタちゃん」
「そうそう。帰ってコタツ入ってゲームしようよ」
黒を基調にした改造コスを自作した英霊、ジャンヌ・ダルク・オルタは振り返った。
「アンタたち!私、消えかけてるのよ!何でそんなに軽いノリなのよ!!」
彼女の眼には涙が光っていた。
俺とぐだ子は互いに視線を交わすとニヤリとした。
こんな時、何を言えばいいかよくわかっている。
「「ときめきオルタ倶楽部……」」
オルタちゃんの顔面が一瞬で引きつった。
ぐだ子が畳みかける。
「引き出しの中にそっとしまったときめきオルタ倶楽部」
オルタちゃんは動揺のあまりアホ毛が激しく揺れている。
「……は、ハァ!!何の話よ?」
俺たちはさらに畳みかけた。
「すまない。君を好きですまない……」
「オルタちゃん……絵も練習してたんだね……とっても上手だと思うよ」
オルタちゃんのアホ毛が激しく揺れる。
もはや千切れそうなぐらいに激しく揺れている。
「オルタちゃんが消えちゃったら悲しすぎて……俺たち、皆にオルタちゃんの創作ノート……公開しちゃうかも」
「ごめん……オルタちゃん。私、実はオルタちゃんのパソコンのパスワード、知ってるんだ。ぐだ子、自分の生まれた年をパスワードにするの、危ないと思うの」
曖昧だったオルタちゃんの霊基がはっきりしてくるのがわかった。
「あーーー!!あーーーーー!!アーーーーーーー!!!」
俺たちの煽り作戦は大成功だった。
二度とオルタちゃんの霊基が不安定になることはなかった。
〇
そんなわけでオルタちゃんにはすでに心得があった。
時間がなかったため最初の一回はコピー本でお茶を濁さざるを得なかったが繰り返すごとに同人のグレードは上がっていった。
オルタちゃんだけでなく、ぐだ子も同人(腐ったやつ)を自作しているので心得がありロビンと牛若ちゃんとマシュのサポートもあって確実に俺たちは進歩していた。
〇
「差し入れです」
ループが七回目を迎えたころ。
連日の徹夜で疲労困憊状態だった俺たちの元にホテルからの差し入れがあった。
マシュが厨房からもらってきた差し入れは鍋だった。
常夏のルルハワで鍋って……
「ねえ、マシュ。これ、何の肉なの?」
「ラッコの肉だとか。精力が付くのでどうぞと、エミヤ先輩から」
なんか嫌な予感がする。
ぐだ子も違和感に気づいたらしく疑問を呈した。
「え、ごめん。マシュ、常夏のルルハワでラッコが捕れるの?」
「はい。私にも大いに疑問ですが、クーフーリンさんが釣りをしていてたまたま釣ったそうです」
「……もう何でもありだね」
というわけで部屋にラッコ鍋が運び込まれた。
「すみません。私は買い出しに行ってきますので」
マシュは買い出しに行き、俺とぐだ子、オルタちゃん、ロビン、牛若ちゃんが残った。
運び込まれたポータブルのコンロでラッコ鍋はグツグツと音を立て、何か妖艶なにおいを漂わせていた。
深夜で小腹もすいており、その鍋は妙に美味そうに見えた。
俺たちは不可解さを感じつつも箸をつけた。
特に警戒心の強いロビンはただ一人口をつけなかった。
そのことが後に事件へと発展する。
〇
オルタちゃんが主に手を動かし、俺とぐだ子と牛若ちゃんがアシスタントをしてロビンが制作の手伝いをする。
ラッコ鍋の効果か妙に体が熱く、力が漲っている感じがした。
オルタちゃんの筆のノリもいいようだ。
暫くは順調だった。
異変が起きた。
「頭がクラクラします」
手を動かしていた牛若ちゃんが頭を抱えて倒れた。
俺とぐだ子は駆け寄った。
「牛若ちゃん!大丈夫?」
「上を脱がせろ!下もだ!全部脱がせ……もともと裸と大差なかった……」
牛若ちゃんは完全にダウンした。
まずい。デスマーチ状態がますます悪化する。
それにしてもこの匂いはどうだろう。
マシュの分を残しておいたラッコ鍋から強烈な何かが発生している。
「ムッワァァァァ」というオノマトペを幻視しそうな匂いだ。
ん……?
あれ?
おかしいな……
「どう見ても……ロビンが色っぽい」
全員が一斉の俺を見る。
「……あはは、マスター、冗談きついっすわー。あんま近寄んないでもらえますかね?」
ロビンは表情が引き攣っていた。
変なことを言っているのはわかっている。
でも俺にはこの気持ちが止められなかった。
「……ううん。ロビン。冗談じゃないよ。……ロビンはとってもセクシーだと思うよ」
ロビンは一瞬で表情が青ざめ、後ずさった。
「おいおい、止せよぐだ男。オタク、マシュが好きなんだろ?俺なんかに構ってたら嫉妬されちまいますよ」
「……違うんだよ、ロビン。マシュのことは好きだけど……ロビンへの気持ちも本物なんだ」
「大体なんでオレなんだよ!ぐだ子もジャンヌ・オルタもいるのに!」
「……ううん。違うんだ。相手が男か女かの問題じゃないんだ。俺は……ロビンが……いいんだ……」
ロビンがさらに一歩引く。
「オタクらもなんか言えよ!ぐだ男、明らかにおかしいぞ!」
ぐだ子とオルタちゃんはロビンを見た。
二人とも目が血走っていた。
「ロビン……男の子同士の恋愛、アリだと思うの。私たちのことは気にしなくていいから、シタいことシテもいいんだよ」
「い、いいからヤルならさっさと始めなさいよ!デッサンできないじゃないの!」
「駄目だ!コイツら腐ってやがる!!」
〇
結論から言うと、俺とロビンは一線を越えずに済んだ。
ロビンの悲鳴を聞いたマシュがダッシュで戻ってきて、マシュのSOSで駆け付けたマルタさんに弱体解除されて俺たちは正気を取り戻した。
この事件が尾を引いて結局またループすることになったが、おかげで俺たちは大事なものを失わずに済んだ。
正気を取り戻した俺はロビンに謝罪し、全員と口裏を合わせた。
「このことは、俺たちだけの秘密ね……」
全員が静かに頷いた。
また何か思いついたら書きますね。
では。
無いと思いますがリクエストなどありましらどうぞ。