小説でわかる幕間の物語   作:ニコ・トスカーニ

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ぐだぐだ織田一族

 俺とぐだ子とマシュのいつもの三人はまた謎空間に放り込まれていた。

 毎年やってくるぐだぐだ空間である。

 その原因はノッブ、沖田さんをはじめとするボイラー室脇ぐだぐだファミリーの不注意である。

 なんか今度は増えたノッブが支配してる戦国時代の日本を一つずつ制覇していかなきゃいけないらしい。

 もう意味を考えるのはやめた。

 

 上杉謙信=長尾景虎は銀髪美少女戦国大名だった。

 そういえばFateは元もとエロゲだった。

 

 それに加えて鬼武蔵、森長可も仲間になった。

 森くんは伝承通りハートレスで物騒な人物だったが、俺たちは何故か懐かれたのでセーフだった。

 

 いつものぐだぐだ空間と同じように馴染みの英霊が戦国武将風になって出てきた。

 その中にはガングロおかんのエミヤもいた。

 いつでも何をやらかすかハラハラドキドキの森くんだが、エミヤを見た森くんはやっぱりなんか興奮していた。

 何かあったら令呪を使ってでも止めないと。

 俺はぐだ子と目配せをした。

 

「おい、テメェ!!!!!」

 

 案の定、森くんはエミヤに凄味を利かせている。

 令呪の行使も考え始めたところで森くんは思いがけないことを言った。

 

「……弥助じゃねえか」

 

 弥助というのは信長公に仕えた黒人の小姓である。元はポルトガルの宣教師が連れてきた奴隷だったらしいが※

 ノッブと茶々さんはエミヤ・オルタを頑なに弥助と信じていたが織田の一族は色黒な男は全員弥助に見える呪いにでもかかっているのだろうか。

 

「おい、弥助!オレを忘れたのかよ!お前のそうるめいと、いもーたる・けいおす・へっどの長可だよ!」

 

 えみやはこんわくしている。

 

「一緒に盗んだはーれい・だびぃっどそんで尾張中を飛ばしまくっただろか!

今でも浮かんでくるぜ、お前と大殿とオレが過ごしたあの日々が!」

 

 ほわんほわんほわん

 

  〇

 

「Fuuuuuu!!!厠、kawayaっと。昨日の夜のジャック・ダニエルズとフライドチキンで肛門がエマージェンシーだぜ!ってオウ、シット!!!糞だけにshit!おい、Nagayashi!てめぇまた誤爆しやがったな!ブロンクスにいるオレの7歳の姪っ子だってもうちっと綺麗に厠を使えるぜ!」

「何言ってやがるお前、もざんびいく出身だろ」

「冷静にツッコミ入れてんじゃねえ!オレがいつまでもエディー・マーフィーみてえな面白黒人で居るとおもうんじゃねえぞ!怒りで怒髪天を衝くぜ!!!」

「何言ってやがる。お前、すきんへっどじゃねえか」

「だけら冷静にツッコミ入れてんじゃねえ!」

「なんじゃ、騒がしい」

「YO!ノッブ!見てくれよ、この厠のディザスターぶりをよ!キングコングで

も、もうちっと綺麗にクソできるぜ!!」

「(惨事を見て)……おう、確かにちとひどいのう」

「だろ!大殿なんだからよ、ノッブからもガツンと言ってやってくれよ!」

「勝蔵……そなたも大概にせえよ。大人なんじゃから、厠は綺麗に使おうな」

「お!なんだ、オレは打ち首か!?」

「いや、打ち首にはせんけどね」

「んじゃ、切腹か?」

「いや、切腹にもせんけど」

「なんだ死罪じゃねえのか」

「お、おう。なんで残念そうなのかの」

 

  〇

 

 エミヤを連れて安土城に戻るとノッブと茶々さんは、エミヤを「間違いなく弥助」と断じた。

 

 ひどいぐだぐだ展開に沖田さんは死んだ目をして感情を殺している。

 土方さんは沢庵をかじっている。

 景虎さんはポカンとしている。

 

 困惑するエミヤに対してノッブと茶々さんと森くんは益々興奮気味になっていた。

 

 そして話は本能寺の変のことになった。

 

 ノッブが本能寺でファイアした時、弥助はその場に居合わせたらしい(史実)

 その後、本人曰く「ジーザスと神様の御使い」になるために南蛮寺(教会)に入ったそうだが、のち、茶々さんに本能寺の変のことを語ったそうだ。

 

  〇

 

「Fuuuuuu!!!厠、kawayaっと。ちっとばかりバドワイザーを飲み過ぎたな。小便出まくりだぜ。

そんなわけでオレは寺の外の厠に移動中っと……っておい、ミッチー(明智光秀)じゃねえか。おめえ、毛利征伐に行ったんじぇねえのか?何でここにいんだ?WHY?」

「弥助か……」

「ってwow!wow!ちょっと待てよ!お前、一個中隊引き連れていったい何するつもりだ!待て待て!まずは落ち着けよ!その手に握ったベレッタM92Fを降ろせって!」

「弥助……」

「まあまあ、ハスラーでも見て心を落ち着けろって。見ろよこのパイオツ。すげえじぇねえの。ヒュー!!!」

「弥助……ボク、死んだ人が見えるんだ……」

「なんてこった!完全にラリッてやがる!」

「なんじゃ、騒がしい」

「wow!なんてバッドタイミング!ノッブ、やべえぞ!ミッチーの奴、完全にラリってやがる!」

「まりふぁなは程々にしようネ!!」

 

  〇

 

「え、ごめん。ちょっと待って。明智光秀はマリファナでラリった勢いで謀反起こしたの?」

「そうじゃけど。ちなみにまりふぁな栽培を推奨したの儂ね」

 

 俺は言った。

 

「じゃあ、謀反の原因、完全にノッブじゃん!」

 

 ノッブはいつもの言葉でごまかした。

 

「是非も無いよネ!」

 

※前のエピソードで書きました。すいません。https://syosetu.org/novel/105924/29.html




久しぶりの更新がこんなのですいません。

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