小説でわかる幕間の物語   作:ニコ・トスカーニ

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とってつけたようなシリアス。
fate/stay nightの三騎士がメインです。
小説情報にも書いてますがぐだ男とぐだ子が両方存在してます。


三騎士の絆

 カルデアにはすでに相当数の英霊が常駐しているが、それでも戦力の補強はまだまだ必要だ。

 俺ともう一人のマスターぐだ子は定期的に行っている英霊召喚の儀式を執り行っていた。

 

 サークルが回転する。

 光が放たれる。

 黄金の光だ。しかも今までに例がないほどの強力な魔力を発している。

 相当の大物を引き当てたらしい。

 

 回転が止まり光が消えると――優美なドレスに白銀の甲冑を着た一人の小柄な女性が立っていた。

 

「問おう。貴方が私のマスターか」

 

××××××××××××

 

「まさか、アーサー王とはね……」

「しかも女性だったとは……」

 

 アーサー王ことアルトリア・ペンドラゴンを連れてカルデア内を歩いていた。

 館内の案内をするためだ。

 

 呼び出した英霊は何とアーサー王だった。

 しかもアーサー王は女性だった。

 

 召喚が成功するとすぐに彼女は自らの素性をすべて明かし、人理焼却を阻止するために呼び声に応えたと語った。

 彼女はその場にいるだけで背筋が伸びるような威厳を持ってはいるが礼儀正しく,

すぐに俺たちの間には和やかな空気が漂っていた。

 

「新しいサーヴァントを呼び出したと聞いたがまさか君とはな。セイバー」

 

 アルトリアを案内していると一人のサーヴァントに出くわした。

 古参のサーヴァントの一人で弓使いの英霊だ。

 彼女は鈴を鳴らすような凛とした声で答えた。

 

「真名で構いませんよ。英霊エミヤ。仲間に真名を隠しても意味がありませんから」

「……ではアルトリア。この名で君のことを呼ぶ日が来るとは。喜ばしいことだ」

 

 アルトリアはちょっぴり頬を紅くしていた。

 この天然タラシめ。

 

 「二人は知り合いなの?」と聞くと「色々とあった仲で」とのことだった。

 もっとも因縁があるのは覚えているがその辺の詳細は記憶が曖昧らしい。

 

 そういえばクーフーリンの兄貴もエミヤと何か因縁があったらしい。

 エミヤ、顔広いんだな。

 

 アルトリアとエミヤと別れぐだ子と二人になる。

 二人になると自然と作戦の話になる。

 作戦以外の話も良くするが、特に今はサーヴァントを引きあてた直後で

しかも突発的な特異点発生の情報が入っていたため作戦の話に熱が入っていた。

 

「ねえ。ぐだ男。私、一個思いついたことがあるんだけど」

 

 彼女の提案には大賛成だった。

 

××××××××××××

 

「ゲッ!こいつかよ!」

「マスター……金色のアーチャーと青いランサーとは相性が悪いと話したはずだが……」

 

 数日後。

 俺たちマスターと三騎のサーヴァントが管制室に集まっていた。

 

 アルトリアとクーフーリンとエミヤだ。

 クーフーリンとエミヤはお互いの顔を確認した途端表情を歪めた、

 

 この三人を集めた理由は一つ

 彼らには因縁があるらしいが

 できれば今後はわだかまりは捨てて戦ってほしいからだ。

 

 特にエミヤとクーフーリンはいがみ合っているが本当に相性が悪いとは思えない。

 

 俺とぐだ子は話し合って彼らを組ませることにした。

 

 当の彼らは尚もいがみ合っている。

 「ねえ。アルトリア。何か言ってあげてよ」とぐだ子が一計案じて提案すると「そうですね……」と僅かに逡巡した後

アルトリアが言った。

 

「私はあなたたちと共に戦えて嬉しいですよ」

 

 アルトリアのその一言でエミヤとクーフーリンは渋々といった様子からまんざらでもない態度に変わっていた。

 さすがはカリスマBだ。

 

「先輩。レイシフトの準備が出来ました」

 

 準備を終えてきたマシュの一言で俺たちはレイシフト先に向かった。

 

××××××××××××

 

 まさに一騎当千の戦いだった。

 何の指示も出していなかったにも関わらず彼らは己が役割を理解していた。

 近接戦闘に優れるアルトリアとクーフーリンが前に出て敵を砕き、近接戦闘と遠距離攻撃の

両方が可能なエミヤが後方から二人のうち漏らした敵を排除していく。

 

 レイシフト先で待っていたのはキメラとゴーレムの大群だったが

剣が、槍が、弓が、次々とエネミーを打ち砕いていく。

 

 いつもは攻撃も視野に入れながら防御するマシュだが今日はぐだ子と俺の守りに徹していた。

 

「すごい……。これが一流のサーヴァントなんですね」

 

 サーヴァントは戦闘のプロであり、本来俺のような素人が戦闘に口出ししない方が良い。

 俺が指揮をとるようになったのはそもそも当初は実戦経験の無いマシュしかサーヴァントがいなかったからで

本来はこの形の方が正しいのだ。

 

 彼らは危なげなく敵を打ち砕いていった。

 それは順調に見えた――

 

 ――見えたが問題があった。

 敵の数が多すぎたことだ。

 

「ぐだ男、ぐだ子。聞こえますか?」

 

 アルトリアが念話で語り掛ける。

 

「このままでは埒があきません。宝具解放の許可を」

「マスター。私も同意見だ。この場に必要なのは対人宝具でも対軍宝具でもない。対城宝具だ」

「俺はマスターには従うぜ。アルスターの流儀だからな」

 

 エミヤとクーフーリンがそれに賛同する。

 今日初めての指示らしい指示を出した。

 

「兄貴は前に出て応戦!エミヤは後方から援護!アルトリアの宝具解放の時間を稼いでくれ」

 

 俺よりも魔力の扱いが上手いぐだ子は前線に近い位置でサーヴァントたちに強化や回復を施す。

 俺は後方でサーヴァントへの指示と魔力の供給に徹するいつもの布陣だ。

 

 マシュとぐだ子は運命共同体。

 三騎士は一流の戦士たち。全員が作戦意図を理解していた。

 

「マシュ、ぐだ男をお願い!」

「了解です。ぐだ子先輩。お気を付けて」

 

 それに反応したエミヤが言う。

 

「ぐだ子。君は私の後ろにいろ」

 

 クーフーリンが放たれた弾丸のように飛び出す。

 

「そんじゃ、前の阿呆どもは俺に任せろ!」

 

 後方でマシュが俺の防御を担い、より前線に近い位置でサーヴァントをサポートするぐだ子をエミヤが守りながら

前線のクーフーリンを援護する。

 アルトリアは聖剣による一撃に備え魔力を充填する。

 

「応!かかってきな」

 

 クーフーリン。

 この英霊の戦う姿はまさに獣のそれだ。

 獣のごとき敏捷性から繰り出す槍は目にもとまらぬ速さでキメラをゴーレムを砕いていく。

 

 うち漏らした敵もエミヤの矢が砕いていく。

 

 背後ではアルトリアの聖剣に魔力が充填されていくのが感じられる。

 

 が、時間の経過とともに戦況は思わしくないものに変わり始めていた。

 敵の数があまりにも多すぎた。

 一騎当千のクーフーリンも押されはじめている。

 戦上手なエミヤもぐだ子を守りながらでは十分な戦闘が出来ないようだ。

 

「マシュ」

「はい」

「前に出て二人を援護してくれ。

魔術でアルトリアの宝具解放を促進する。もう少しだけ前線の二人を粘らせくれ」

「ですが」

「少しぐらいなら自分の身は守れるさ。それよりも今は前線を崩壊させない方が重要だ」

「はい。先輩、ご無事で」

 

 マシュが前線に飛び出す。 

 

「――これはすべての疵、すべての怨恨を癒す我らの故郷。

顕現せよ。『いまは遥か理想の城』(ロード・キャメロット)!」

 

 詠唱と共に白亜の城が現れる。

 魔力を防御力に変換する絶対の守りだ。

 

「ありがとよ。盾の嬢ちゃん」

 マシュの宝具で二人は再び勢いを取り戻す。

 膨大な魔力の奔流。その時が近づいていることが解る。

 よし。もう一押し。

 

「アルトリア!受け取ってくれ!」

 

 消費された令呪一画は莫大な魔力となり騎士王に送られる。

 

「マスター。ありがとうございます」

「ぐだ子!アルトリアに強化!」

「もうやってる」

 

 聖剣が解放される。

 名前を聞けば誰もがその名に畏敬を覚えるかの聖剣が。

 

「二人とも。ありがとうございます。下がってください!」

 

 その一言で前線の仲間たちが飛び退く。

 道は出来た。

 

「束ねるは星の息吹、輝ける命の奔流。受けるがいい!『 約束された勝利の剣(エクスカリバー)』」

 

 

 それは巨大の光だった。

 何もかもを吹き飛ばす大津波のように強大で――そして暖かな。

 

 光が通り過ぎた後。すべての敵は跡形もなく消え去っていた。

 

××××××××××××

 

 突発特異点の原因は後片付けをしなかった傍迷惑な魔術師によるものだった。

 魔術に長けるクーフーリンとエミヤがその魔術師が放棄した工房を解体してこの事件は終結した。

 二人はとても息のあったコンビに見えた。

 

 ぐだ子が「二人は仲良しだね」というと同時に全力で否定していたが。

 

 アーサー王のような第一線の英霊を間近で、しかも味方として見た俺たちは興奮しっぱなしだったが

 それ以上に一緒に戦った三人が嬉しそうだった。

 

「あなた達と共に戦えることをうれしく思います。どうかこれからもよろしくお願いします」

 

 特にアルトリアはそう素直に心情を述べていた。

 

「何だ、あの三人相性いいじゃない」

 

 ぐだ子がそう呟いた。

 




最近ピックアップすりぬけでアルトリアが来ました。
これで自軍にエミヤと兄貴とアルトリアがそろったので度々組ませてます。
こんなやりとりがあったらいいなという妄想。
ぐだ男とぐだ子は両方存在してたら絶対仲良しだと思います。
こんなやりとりがあったらいいな。

気の迷いでシリアスを書いてしまいましたが次回はまたギャグに戻ります。
今のところシリアスをまたやる予定はありません。
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