ここは、どこかの会社にある、会議室?
その部屋は薄暗く、会議用テーブルをはさんで、三人の男女が座っていた。
「・・・・今回のプロジェクトで完成したのがこれだ」
初老の男性は、テーブルの上に6個の球体を置く。
「・・・・やっとできたか。これで、間に合う。・・・・忍ちゃん、これでいけるな」
西洋人の男性は左側に座る、忍に対して言葉をかける。
「・・・そうね。スカさん、そちらのケースには、プロトタイプが入っているのですよね?」
スカさんと呼ばれた初老の男性は、忍の言葉に対し、首を縦に振り、肯定する。
「・・・・そうだ。このプロトタイプの稼働データと実用試験で問題になったところを改善し、できたのがこの6個になる。まず、ひとつはn型、これは基本の型になり、性能としては、簡易特殊明細。周りの映像を球体表面に移し、発見しづらくしている。それと、光学センサーと赤外線センサーの二種類を使い、昼と夜の活動を可能にしている。また、稼働時間は8時間とし、無音プロペラを使用し、空中の活動を可能にしている。操作法は、遠隔と自己判断の2種類を使えるようにしている。異常がn型の簡単な説明になる。・・・詳しいスペックは会議の冒頭に渡した、書類を見てくれ」
「わかったわ。・・・次の説明を、お願いするわ」
忍は、手元にあった書類を見ながら、次を促す。
「・・・次はl型だ。先ほどのn型を長時間稼働するようにした型になる。n型は8時間に対してl型は24時間としている。・・m型は基本はn型に水中用ジェットパックを追加した型になる。その為、稼働時間は6時間に減っているがね。・・それで、市販タイプの最後になるが、s型になる。s方はl+m+複合センサーになる。どこでも使用可能としているのがs型になる。異常が通常の4タイプとなるが、忍君、なにか聞きたいことはあるかね?」
スカさんは4タイプの簡単な説明をすると、忍になにか問題などがあるか聞くが
「・・・ないわね。その4タイプは、私も開発に関わってるし、関わらなかったのは、残りの2タイプと量産化のことだけだから、この書類を見ればわかるわ。最初のプロトタイプから、大きな変更点もないみたいだし。・・大丈夫よ」
忍はそう言うと肩をすくめ首を振る。
「・・・そうか。なら次の2タイプはシン、君にお願いするよ」
スカさんはそう忍に答えると、シンに次の説明を任せる。
「・・・わかった。残りの2タイプは我々専用となる。ひとつは、完全ステルス使用の偵察型となるw型。そして、攻撃手段をもったf型になる。この2タイプに共通部分は科学と魔法のハイブリットというところだ。使用する電力は、すべて魔力から供給するようになっており、稼働時間は、空気中にエーテル(魔力素)があれば半永久的に稼働できることになる。・・・それにともない、特殊明細を背景を映し出すだけのものだけではなく、我々では光学明細と呼ぶ、風景に溶け込むことができる明細に使用になっている。光学明細はいまだに、現状の技術では開発困難だが、魔法を組み合わせることによって、完全な光学明細を可能としている。・・・話は、それたが、そのような光学明細を搭載し、反重力システムを使用し、浮遊可能にしただけではなく、水中での移動も可能にしている。その他にも、各種センサーを搭載し、どんな状況でも、偵察を可能にしている。f型は、w型に攻撃手段をもたせたものになる。・・・簡単に言うとこうなるが、2人からはなにか、質問はあるかな?」
シンの説明を2人は聞き
「・・・ふむぅ」
「・・・完全に別物ね」
スカさんは腕を組み、忍は目頭に手をあて、目頭を揉んでいた。
「・・・まぁ現在の計画では、基本は4タイプを中心に量産し、残りの2タイプは必要分を生産する方向で、いくことにします。・・・・それでだ、現在ここにあるプロトタイプは、お役御免となったわけだ」
シンがそう言うと、忍の目が怪しく光る。
「・・・そうだな。このプロトタイプは一応は廃棄予定だが・・「ちょっとまぁぁった!」」
スカさんがプロトタイプの処分を言おうとした瞬間、忍が席を立ち、スカさんにテーブルごしになるが、テーブルに身を乗り出し、鬼気迫る迫力を持ってスカさんに迫る。
「・・・・それは、私がもらうわ。一応はプロジェクトにも参加してたし、完成報酬も、まだだから、このプロトタイプで報酬をチャラにするわ」
「・・・・!!まぁ、まぁ、落ちついて、忍君」
その迫力に押されるスカさん。
「・・・いやいや、忍ちゃん。いま、言わなかったっけ?通常タイプの4タイプは量産するって。・・・すでに、この4タイプの量産化の工場はできていて、ここで決まった事で、明日からはすぐにでも量産できる事になっているから・・」
「・・・・ほんと?」
忍はその言葉を聞いてシンに鋭い視線を送る。
「それは、自分も、入学式の時に、ハヤテの姿をあまりなく取るために、このプロジェクトをいそいだのだから」
シンは忍の鋭い視線も、木にする事もなく爽やかな笑顔で、忍にほほえみかける。
「・・・・シンお兄ちゃん!!!さすがだわ。スズカの事も分かってくれてたのね!」
忍はシンの言葉を聞いて、目をキラキラさせながら、シンの手を両手で掴み、ぶんぶん上下に振る。
「・・・・・そんなので、開発したのかい?」
スカさんはその姿を見て唖然とする。
そして、2人は
「これで、どーんとこい!!入学式!!x2」
シンと忍は、右手を握りしめ天にかかげる。
スカさんは
(だめだ・・・この義兄弟!)
シンはハヤテの姿を、忍はスズカの姿を、入学式の時に重ね合わせ、ニヤニヤしている。
そんな時だった、会議室の外から人が争う、声が聞こえたのが
「・・・・ここに、ジェイル・スカリエッティが、いるはずよ。・・・・通しなさい」
「・・・だめです。いまは、会議中です。何度もい・・・あう!?」ドサ
あらそいの音が聞こえたとたん、人が倒れる、音と同時に、扉が吹き飛ぶ。
そして、一人の女性が入ってくる。
「・・・!!プレシアさんx3」
そこに立っていたのは、プレシア・テスサロッサその人だった。
プレシアは仁王立ちの姿で
「ジェイル・スカリエッティ!・・・やっと見つけたわ。・・ここで、無人の小型偵察機作ってると、聞いたわ。・・・前の開発協力の報酬がまだだったから、その偵察機をよこしなさい!アリシアと、フェイトのの為に使うから、さっさと、私なさい!」
プレシアは「ビッシ」と効果音がつくような感じで、指をジェイル・スカリエッティと呼んだスカさんを指す。
「・・・いやいや、少し待ってくれ。その話は、あとでしよう」
スカさんは冷や汗を出しながら、答えるが
「・・・そこにあるでしょ。・・それでいいわ」
プレシアは、テーブルの上に置いてある、球体を指差す。
「いやいや、プレシアさん。まずは落ち着いてください。ちゃんと、ぷれ・・・・おごぉぉぉ!?」
シンは立ち上がり、プレシアの目の前まで行き、言葉をかけたとたん
「・・・シン。・・・アリシアとフェイトの為に死になさい!」
強烈なアッパーカットをプレシアからもろにもらい、会議室の天井に「ドゴーン」という音と共に、天井に突き刺さる。
「・・・ひぃx2」
「・・さぁ!渡すか、シンと同じようになるか、選ばせてあげるわ。
怯える、忍とスカさんに対し、プレシアは怪しい光を目から放ちながら、2人に迫る。
そこで、忍はとっさにケースを開けて、プレシアの前に出す。
「・・ぷ、プレシアさん。テーブルの上に置いてあるのは、商品サンプルになるから、稼働データをとっていた、実同期のプロトタイプなら、いますぐ渡せるわ」
忍は笑顔を引きつりながら、プレシアに答える。
「・・?あら?そうなの?・・それは、しょうがないわね。それで、今回は手をうつわ」
プレシアはしれっとした態度で、そのケースを閉め、手荷物と、何事もなかったように会議室を出ていく。
「・・・助かったわ」
「・・・ナイス行動だった忍君」
2人はほっと息を吐くと、体から力が抜け、イスにもたれかかる。
そして、嵐が去った後の会議室が、2人の視界に入ってくる。
「・・・シンお兄ちゃん」
「・・・ウーノ!?」
そこには、別の意味での大惨事があった。
吹き飛び、原型がない会議室の扉。
それを挟んで、会議室側では「プラ〜ン」と頭から天井に突き刺さっているシンの姿。
部屋の外の廊下には頭に大きなたんこぶを作った、ウーノと呼ばれる女性が倒れていた。
「・・・・まさに理不尽の女帝」
その光景を見て、2人はそうつぶやくのであった。
・
・
時間は経ち、シン・カミオカ
「・・・ふう。ひどい目にあった。・・・まぁ次のプロジェクトdollは開始することになったし、次は事前に活動データと経験蓄積だけになるな。それは、事前に忍ちゃんに渡しているから、忍ちゃん達に任せれば、欲しいデータは取れるだろう」
シンはそんなことを考えながら、道を歩く。
すでに、周りは暗くなっており、夕方から夜に変わる時間帯になっていた。
そして、シンは歩き続け、とある店の前で立ち止まる。
その店の名前は翠屋と書いてあった。
「カランカラン」
店の入り口のドアに付いたベルがなり、来店を店のものに伝える。
「いらっしゃい・・・・シンか。今日はどうした?こんな時間にめずらしい」
カウンターの中で、食器をかだつけていた士郎が、シンに気づき声をかける。
「やぁ士郎さん。いまは暇ですか?」
シンは士郎と言葉を交わすと、カウンター席、士郎の前にある席に座る。
「・・・?まぁ、見ての通り、いまは私達だけだからね。言わなくてもわかるだろう?」
士郎は肩をすくめ応える。
「・・・士郎さん。このあいだの話ですが・・・・・」
シンは一応、店内を見渡し、士郎に向き直ると、真剣な顔つきで話をする。
「・・例のアレが完成しました」
シンはカウンターの上に球体の物を置く。
「・・・・これが、例のアレか」
士郎も真剣な目つきになり、カウンターの上に置かれた球体を見つめる。
「これで、入学式はばっちりです」
シンは口元の口角をあげ、ニヤリとする。
「・・・・そうか・・・これで、入学式はばっちりだな」
士郎も口元の口角をあげニヤリとする。
そして、士郎とシンは「ガッシ!!」と効果音が出そうな固い握手をする。
「これで「ハヤテ」「なのは」を思う存分撮る事ができる!」
2人は暑い魂の咆哮をあげる。
士郎は、握手を解き両手をシンの肩に置く。
「よくやった。義息子よ。・・・みゆきの事は認めよう。・・・ただし、手をつなぐまでだ」
「・・・・い、いや、まだ、つきあう事も・・・あれ?肩が・・・アレ??また、変な音が・・ががががぁ」
士郎の両手にかかる力が徐々に増し、シンの肩から変な音が聞こえ始める。
」
「・・・みゆきのどこに不満があるのかね?」
狂気の笑顔を貼り付けた士郎が、シンに迫る。
「いや、いや、だからですね。まだ、つきあうというか、話すら・・・・・」
「・・・・不満があるのかね?」
士郎の手の力はどんどん、力が増していく。
「そ、そういうわけでは、あ、ありませんが・・・」
「・・・何が言いたい?年の差は関係ないのだよ。・・・みゆきの気持ちだけだからね。・・・・ソレトワタシガミトメテイルカダケドネ」
士郎の目からハイライトは消え、さらに両手に力が入る。
「!??か、肩がががぁぁぁぁああ!?」ボキィィィイん
その後、シンの絶叫が店内に響き渡り、その声は外まで聞こえたという。
・
・
おまけ
今日のシグナムさん。
シグナムは悩んでいた。
家の縁側に座り、お茶を飲むたびに、大きなため息をついていた。
何を悩んでいるかというと
「・・・・どうしたらいいんだ?」
シグナムは、庭を楽しそうに走り回る、パンパンの姿を見ていた。
と言うのも、シグナムは、パンパンが来た時、どうパンパンに接したらいいかわからず、触る事すらできていなかったのだ。
その後も、声をかける事すらできずに、今に至る。
「・・・・はぁ〜」
みんなのように、さわって、もふもふしたい。
そんな気持ちがシグナムの中に満ちていくが、行動に移せない自分自身に虚無感が襲いかかってくる。
しかし、シグナムはお茶を飲み、ため息を出す事しかできなかった。
そんな事をしていると
「パーンパン?」
シグナムが気がついたら、目の前にパンパンが首を傾け、うわ目使いでシグナムの事を見つめていた。
(・・・かわいい)
そんな姿を見た、シグナムは顔を赤くして、硬直してしまう。
(・・・今なら、目の前だ。手を伸ばせば、パンパンを撫でる事ができる。・・・うごけ!私の右手ぇぇぇぇ!)
そうシグナムは思っても体は動かない。
すると
「パンパーン」
パンパンはシグナムの足に擦り寄り、シグナムの膝に手を置き、立ち上がる。
そして、両手を上下に振り、何かをアピールする。
「?だっこしてほしいのか?」
シグナムは少し恥ずかしそうにパンパンに聞くと、パンパンは首を縦に降る。
「・・・・・こ、こうか?」
シグナムはおずおずと、パンパンの脇に手を入れ持ち上げる。
そして、膝の上に置き、だっこすると、パンパンは嬉しそうに
「パーンパーン」
と声を上げる。
(か、かわいいすぎるぅぅぅ)
シグナムはさらに顔をあかくして、パンパンを抱きしめる。
すると、パンパンの顔は自然と、シグナムの包容力の胸の間に埋まる事になる。
「パ〜んパ〜〜ん」
パンパンはうっとりとした、声を出すが、シグナムは気づかない。
そして、シグナムはパンパンを思う存分もふもふする事ができたのであった。
その間、パンパンは包容力のある胸に挟まれ、幸せそうな顔をしていたそうだ。
byハヤテ談
一応、本日は2話を投稿予定。
さてできるかな?w
まぁ今回の話は少し話が長くなったので、前編、後編に分けただけですから、できるはず。
後編は、夜にでも、よろしくお願いいたします。