来たぞ!我らの!ウルトラマン先生!   作:相変わらずな僕ら

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ピポポポポッ

「で?何か言い訳はありますか?」

待ってください!ゼットンさん!

「なんでわたしメインのお話じゃないんですか?」

いえ、あの、その…

「前の前書きに書きましたよね、わたしの出番増やすって」

グイッ

ああっ、胸ぐらはやめて!く、苦しい…

「ウルトラマン先生との絡みも増やすって///」

だ、だってウルトラマンフュージョンファイトでわたしのとこにベリアル陛下降臨されたら!書くしかないじゃないですかァァァア!!

「遺言はそれだけですか?」

しゅぼぼぼぼぼ

ベリアル帝国に栄光あれぇぇぇ!!



番外編『おうさまのおはなし』
外伝1話 おうさまとごにんのなかまたち


ここは宇宙のどこか、辺境の星…

 

 

「ふむ、また手紙ですか…」

 

 

私は手紙を懐にしまい、ポストから銀河新聞を持って戻る

 

 

あ!

 

 

皆さんこんにちは、いえ、はじめましての方もいますか?

 

 

私はベリアル軍団の参謀にして、ダークネスファイブきっての知将、メフィラス星人魔導のスライです。

 

 

 

先程はカメラが回っていたのをつい忘れてしまい、ハハハ…

 

 

 

近頃、地球にまたウルトラ戦士が出てきたそうですね、腹立たしいことこの上ないです、我がベリアル軍団が地球を征服した方が地球は平和になると思うのですが…

 

 

 

まあ、それはまたの機会に、地球の皆さんもベリアル陛下がいきなりご降臨されたら、戸惑うでしょう。

 

 

 

ここだけの話、ベリアル陛下はとても繊細な方でして…、

 

 

 

降臨の際には、万雷の拍手と花束をいくつか用意していただきたいのです。

 

 

それと歓迎の時の料理はですね、出来ればメニューにカレーを追加していただけると助かります。

 

 

陛下は以前地球のカレーを召し上がられた時、大変気に入ったご様子でしたので…

 

 

 

あ、その時は現地のウルトラ戦士は謹慎させといてください、ウルトラ戦士の顔を見ると、陛下は不機嫌になってしまわれるので、何卒お願い致します。

 

 

 

ん、ん゛、それでは本題に入りましょう。

 

 

ウルトラマンが自分の教師生活をまとめて、地球のネットワークのハーメルンでしたか?、にアップしていると聞き、

 

 

この私、知将スライは対抗し、ベリアル軍団の素晴らしさを更に地球の皆さんに知っていただくために!、我がベリアル帝国の日常を皆さんにお届けいたします!

 

 

 

え、ウルトラマンのパクリですって?

 

 

 

••••••••••••••••

 

え、と…

 

••••••••••••••••

 

あの…

 

•••••••••••••••••

 

 

 

そうですがなにか?

 

 

 

 

 

私は知将!魔導のスライ!陛下のためならばどんな手でも尽くす所存ですので。

 

 

ふふふ!卑怯もラッキョウもないのですよ!!

 

 

 

 

 

 

ふぅ、すみません、少し興奮してしまいました、究極のメフィラス紳士にはまだ遠いですね…

 

 

ん゛ん゛っ、よし…

 

 

では!気を取り直して、ベリアル帝国の日常をどうぞご覧あれ!!

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

ここは宇宙のどこか、辺境の星

 

 

とある山の山頂に、周辺には似つかわしくない巨大な宇宙船が突き刺さっていた。

 

 

プシュと中から人影が…

 

 

「ふむ、また手紙ですか…」

 

 

ベリアル軍団、ダークネスファイブの1人、

 

 

メフィラス星人 魔導のスライ。

 

 

それが私です。

 

 

私は手紙を懐にしまい、銀河新聞を持って再び中へ

 

 

えっと今日の見出しは何でしょう?

 

 

《光の国のウルトラ学園の教師!!ウルトラマン先生の過去!!彼が生徒に伝えたかっ…

 

 

ビリビリビリビリ

 

 

全く、こりもせず光の国の記事ですか、それしか書くことがないんですか?バカですか?そうですか!

 

 

ふぅ、光の国の記事があるたび、陛下は朝から不機嫌になってしまわれるというのに…

 

 

「おい!スライ!もう直ぐ飯ができるってよ!陛下を起こして差し上げろ!」

 

 

通路の奥からひょっこり顔を出し、私に指図するあのバ…、彼は

 

 

私と同じダークネスファイブの1人、氷結のグロッケンです。

 

 

彼は銀河でも最も寒いと言われているグローザ星系の生まれで、氷結攻撃を得意とします。

 

ま、彼の紹介はテキトーでいいでしょう。

 

 

「陛下はまだ?」

「ああ、お休みになられてる、デスローグの朝飯がそろそろ出来るからよ」

「分かりました。」

 

 

カツカツ…

 

 

ああ、伝え忘れました、グロッケンが言っていたデスローグ、彼もまた我らベリアル軍団の同胞でダークネスファイブのメンバー

 

 

炎上のデスローグ

 

 

彼はデスレ星雲出身の宇宙人です、ですが我らと同じ銀河標準語を覚えていないので、グロッケンが通訳しています。

 

 

何でも昔からグローザ星系とデスレ星雲の小競り合いに参加してたグロッケンは何となくデスローグの言葉が分かるそうです…しかも外したことないんですよねぇ…

 

しかもなぜだか料理が上手なんです…

 

カツカツ…

 

 

おや、あれは…

 

 

「おお!スライ、いい朝だな、洗濯日和だ。」

「ええ、朝からご苦労様です。」

 

 

前から空の洗濯カゴを持って現れたのは、やはりダークネスファイブの1人

 

 

テンペラー星人 極悪のヴィラニアス

 

 

「もう直ぐ朝食が出来るそうです、私も陛下を起こしてから行きます。」

「おお、そうか!ではな!」

 

 

…彼は中々の戦闘力を持っているのですが、肝心なところでポカやらかすので…我々メフィラス星人を見習って欲しいですね…

 

 

カツカツ…

 

 

おや、言っている間に陛下のお部屋まで着きましたね、では…

 

 

「すぅ、…陛下失礼致します。」

「おう…」

 

呼吸を整え、陛下の部屋に入る、

 

「陛下、おはようございます…どうぞ今日の銀河新聞です。」

「ん…」

 

この方こそ我等がベリアル軍団の盟主、我々の主人、ベリアル陛下です。

 

歯ブラシを咥えたまま新聞に目を通す陛下…

ちゃんと光の国の記事を破ったので大丈夫です。

 

陛下はシャカシャカと歯を磨きながら新聞に目を通す。

 

「…ん、何だ、キン肉マン結婚すんのか…」

「ええ、彼はキン肉星の王座を継承するようです。」

「はーん…ぺッ」

 

 

よし、ちゃんと他の記事に目を通してなさっている…

 

 

「いずれ、キン肉星も征服いたしましょう!陛下!」

「ああ、そうだな…」

「陛下、シャワーの準備が出来ています、どうぞ」

「おう」

 

 

陛下は朝がほんの少し弱く、シャワーを浴びることでお目覚めになります。

陛下を待つこと15分…

 

 

「ふぅ゛…さっぱりしたぜ!」

「陛下、こちらを」

 

 

タオルを手渡して、陛下のバスローブを用意する。

 

 

光の国出身の陛下は服はあまり意味をなさないのですが、陛下のお身体を冷やさないようにご用意します。

 

 

ふふ、つくづく出来るメフィラス紳士ですね私は…

 

 

「よし、行くぞ」

「は!」

 

 

バスローブを纏った陛下と共に、この宇宙船の食堂へ…

と言っても豪華な食堂ではなく30畳(陛下サイズ)ほどのタタミの空間です。

 

この宇宙船を作るときなぜか業者のメトロン星人が卓袱台とタタミをめっちゃ推してきたんですよねぇ…

 

ま、陛下もこの部屋を気に入ってるようです。

 

 

「陛下!おはようございます!」

「陛下、おはようございます。」

「グオッグオグオ!!」

 

「おう、お前ら」

 

「陛下こちらにどうぞ」

 

おや、ジャタール、戻ったんですね。

 

 

彼は地獄のジャタール、ヒッポリト星人…面倒なんで説明を省きます。

 

 

 

陛下はドカッと卓袱台の上座に座り。

 

「なに、突っ立ってんだ?、早く座れ」

 

この様に我々、部下にも気を配り、いつも一緒に食事をとってくださる。

 

 

泣きそうです。

 

 

「はっ!」

 

 

くいっと私が合図を送ると、皆、料理の乗った皿を持ってくる。

 

 

「グオグオグオッグオ、グオ!!」

「陛下!今日のメシは銀河鶏の目玉焼きとメガシャケの塩焼き、ボスレタスのサラダですってデスローグ言ってます!」

「こちらは地球の味噌という材料を使ったスープでございます。」

「どうぞ陛下お茶です。」

 

 

皆、やはり陛下と共に食事出来るのが嬉しい様です。

 

 

「よし、…いただきます。」

「「「「「いただきます!!」」」」」

 

 

陛下の音頭と共に食べ始めます。

 

 

実は私もこの時間がとても好きでして…

 

 

「陛下!どっすか!?塩焼き!こいつ実は俺の実家から送られてきたやつなんですぜ!」

「ふん…脂が乗って…悪くねぇな。」

 

グロッケンとの何気ない会話にも

 

 

「陛下、このボスレタスは私の菜園で採れたものです、いかがですか?」

「この歯ごたえ…採れたてだな、まあまぁだな」

 

ジャタールの意味不明な自慢にも

 

 

「陛下、この前はタイラントの特訓に付き合っていただき誠にありがとうございます。」

「暇だっただけだ、それに、タイラントはまだ強くなる…奴なりにお前の役に立ちたいんだろう。」

 

ヴィラニアスの礼にも

 

 

「グオグオッグオグオーグオ」

「??…この味噌ってやつのスープか?」

ゴク

「ふん…気にいった、また作れ。」

 

デスローグのジェスチャーにも

 

 

「陛下、ライスのお代わりはいかがですか?」

「よこせ、…大盛りでな」

 

私、スライとの会話…

 

 

 

その全てに思いやりを持って接していただける…

 

 

 

この方こそ理想の王でしょう、断言できます。

 

 

 

 

 

銀河を征服した暁にはさらに陛下に満足していただける様にさらに精進しないといけませんね…

 

私も…他のダークネスファイブもそう思っていることでしょう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陛下、私達はずっと貴方と共にあります……

 

 

 

 

 

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ベリアル軍団 宇宙船の前の庭

 

 

 

朝食も済み、家事を一通り終わらせた私は今、陛下と共に庭にいます。

 

 

「ふんッ!オラ゛!ウラァ゛!!」

 

ブンッ ブンブンッ

 

 

陛下はギガバトルナイザーを振り回しながら、今日の鍛錬をしておられます。

 

 

「ふぅ゛…こんなもんか」ハァハァ

「陛下、お疲れ様です、どうぞ」

 

 

私は陛下に水とタオルを差し出す。

 

 

「おう…」ゴクゴクゴクゴクゴク

「陛下、そうあまり一気に飲まれますと…お腹が…」

「ぷはッ…分かってる、」

「は…」

「で゛゛゛?」

 

 

陛下は言うことがあるのだろうという顔で私に声をかける…

 

 

「は…、いえ…その、へ、陛下?」

「はあ゛…下の連中の事だろうが!」

「は!はい!」

 

 

ああ、そうでした。

 

 

陛下がおっしゃる下の連中とは…

 

 

我々ベリアル軍団がこの星に着いた時(ガス欠で墜落)、燃料を探そうとベリアル陛下が宇宙船と墜落…着陸地点の山頂を降りたところ

 

 

なぜかあらゆる星の怪獣がそこかしこで暴れていました。

 

 

この星はどうやらペットとして飼っていた怪獣の捨て場だった様です。

 

 

そして陛下に気づいた怪獣達は、陛下をエサだと思い込み、襲いかかりました。

 

 

我々は陛下をお助けしようと駆けつけた時は既に辺り一帯の怪獣は陛下にボコボコにされていました。

 

 

その怪獣達は宇宙船に回収し私達(主にヴィラニアス)がちゃんと責任を持って飼育しています。

 

 

本題はここからです。

 

どうやらこの星には人間によく似た原住民が住んでいる様で、彼らは…何ですかね、地球人に例えるなら…イギリスだかイタリアだかでしたか?、

そんな感じの原住民でして、彼らは陛下の活躍を見ていた様です。

 

 

陛下を神と思い、崇め始めました。

 

目が点になるとはこの事何でしょうね、私、知りました。

 

それ以来、この山は聖域として彼らから敬われています。

 

 

ちなみに私達ダークネスファイブは、神に仕える五大天使とか何とか言われています、タイラントは聖獣だそうです、はっはっは…はぁ

 

 

「で゛?」

「あ!はい!そうですね、大した問題は起きていない様です。」

「じゃあ大してない問題はあるんだな」

「あ、いえ、はい…」

 

 

言ってしまってもいいのだろうか…?

 

「言え゛!!」

「は、はい!、そ、それがですね」

 

 

陛下の御耳に入れるかどうか迷いましたが仕方ありません、

 

 

問題というのは、下の方々が山の麓に作った神殿に生贄として若い娘を献上してきた事です、また怪獣が暴れ出さない様にと…

全く、どこの星の人も考えるのは同じなんでしょうか?

 

 

「ったく、スライ、持ってろ」

 

ぽいっ

 

「うわっと、へ、陛下!どちらへ!?」

「散歩だ」

 

 

ギガバトルナイザーを私の方へ投げ、どこかに行く陛下…

 

 

じゃ、ありません!早く追いかけないと!

 

 

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ぜぇぜぇぜぇっはあっはあっ…

 

さ、最近太りましたかね…た、体力が…そ、それより陛下は…

 

!みえました、陛下は…人間大のサイズになり神殿に入って行きました。

 

私も行きませんと! フッ(縮む縮む縮む縮む)

 

よしこれなら、

 

「お待ちを!陛下ぁ!」

 

 

 

 

 

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つい最近までこの国は平和な国でした。

 

 

ですがあの日全てが変わってしまいました。

 

 

空が割れ、見たこともない空を飛ぶ船が、舞い降りました。

 

 

私達は初めは、あれは神の乗り物だと思いました、でも違った。

 

 

その船はあたりに巨大な魔物を沢山放り投げた後、飛び去ってしまいました。

 

 

私達は魔物相手になすすべが無かった、どんな槍も、どんなに勇敢な兵士も、全て魔物に潰されてしまいました。

 

 

ギリギリまで踏ん張りました、ギリギリまで頑張りました、でも、どうにもなりませんでした。

 

 

生贄を捧げよう

 

 

そういう声が上がりました。

 

 

生贄には若い女、処女がいい、なんて勝手に思い込んだ人たちは、王の娘である私を選びました。

 

 

初めは、これは名誉なことで、私のおかげで皆が救われるならと思いました。

 

 

でも、生贄となる日に、私は恐怖しました。

 

 

本当に魔物は破壊と殺戮を止めるのか、本当に皆は救われるのか…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本当に私でなくてはいけないのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

でも、もう遅い、私は磔にされて、魔物の餌場となる山へ連れて行かれようとした時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あのお方は現れた。

 

 

魔物と同じくらいの巨大な身体

 

自分の身の丈もあるほどの武器

 

漆黒の文様と地獄の焔の如き色をした目と心臓

 

 

 

初めは魔物の親玉かと思いました。

 

 

でも10秒後にはあたりの魔物は全て倒され、あのお方は私達を少し見つめた後、山へ帰って行きました。

 

 

ですが魔物はまだ潜んでいて、後日、私達を襲ってきました。

 

 

でも、その度に、漆黒の巨人と彼に従う天使たちが、私達を守ってくださいました。

 

 

皆口を揃えて言いました。

 

 

本物の神様が降臨された。

 

 

私も信じて疑いませんでした。

 

 

山は聖域として扱われる様になり、麓には巨人様と天使様の像をあしらった神殿が立てられました。

 

 

魔物は襲ってこなくなり、この国にやっと平和が訪れました。

 

 

子供は喜び、大人は子供の成長を喜びました。

 

 

国は豊かになり、巨人様は国教のシンボルとして崇められ、年に一度の巨人様の降臨された日を祝う祭りも行われるようになりました、

 

 

私は巨人教の巫女になりました。

 

 

昔幼い頃に生贄にされかけたことをうやむやにするために、担がれたのは分かっていました。

 

でも、あの方の為に存在出来るのが嬉しかった。

 

 

 

そしてある日、国に大陸一番の預言者が来ると噂になり、当然、宮殿に招かれた。

 

王である父はこの国の未来を見て欲しいと、預言者に頼みました。

 

 

預言者は確かに予言しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

この国の滅亡を。

 

それを避けたくば、巨人の巫女を生贄として捧げろと…

 

 

 

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そして今私はここにいます。

 

巨人様を奉る神殿の中央、檻の中に…

 

預言者の言葉通りなら、私は巨人様に心臓を取り出され、彼と一体になると言う。

 

結局こうなるのね…いくらあがいても、いくら頑張っても…

 

私は諦めて、最後の眠りにつこうと、ウトウトし始めた時でした。

 

 

 

 

 

 

 

「おい、お前、起きろ」

「んう…え…?…」

「寝ぼけてんじゃねぇ゛!さっさと起きろ!!」

 

ガンッ

 

声の主が蹴ったのでしょう、私は現実に引き戻され、顔をあげました。

 

 

「え…ウソ…何で…」

「あ゛?まだ寝ぼけてんのか?」

 

バキバキバキバキッ

 

カランッ

 

「出ろ」

 

 

 

 

 

檻の扉を引きちぎり、私に出るよう促したのは…忘れようもない、背丈は大柄な男性ほどになった、巨人様でした。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

陛下に追いつくことはできたものの何やら空気が…

 

陛下は生贄となる原住民の女を檻から出しました、これから何をするのでしょう?

 

「お前、帰れ」

「え?」

 

流石陛下、無駄な前置きを飛ばして伝えたいことをストレートに相手に告げる!流石です。

 

「俺は生贄なんぞいらねぇでテメェみたいなやつを押し付けられても、役に立ちそうにねぇからな…」

「あ…ほ、本当に巨人様なんですね!?!?」

 

うっとおしい女だ、陛下の言葉通りさっさと帰ればいいものを…

 

「だったら何だ?」

「私は、王国の王女で、貴方様と五大天使様を奉る巫女でございます!」

「で?」

 

まったく無礼にも程がある!

 

「実はこの王国に危機が迫っています!それを回避する為には、貴方様に生贄を捧げよと予言があったのです!」

「………」

 

あぁ!陛下がとんでもなくめんどくさそうな顔をしてらっしゃる!!

あのバカ女ァ!!

 

「お願いします!私はどうなっても構いません!どうか、この国をお救いください!」

「…なんなんだ?」

「え?」

「その危機ってのは具体的になんなんだって聞いてんだよ!?」

 

 

あ、あの女俯いた…まさか…知らないでここに来たのですか?

バカですか?バカなんですよね?バカじゃあしょうがないですね!?

 

 

「す、すみません、預言者はそれ以上喋らなくて…」

「ハンッ…そんな訳の分からんこと知ったことか!つか、それが来たら俺様がぶっ潰せばいい話じゃねぇか!?」

 

 

陛下…感服いたしました、あのバカ女の頭の悪さを許し!更に未曾有の危機まで凌ぐ心意気!!

 

 

「え…えっと、その…巨人様?」

「なんだ゛!さっさと帰れ!」

「それはつまり、生贄が無くても、危機を救って下さるとい…」

「さっきからそう言ってるだろうが!!」

 

 

まったく、頭が悪いにも程がある…

 

 

「で、でもでも!それでしたら私の気が治りません!私は覚悟の上でここに来たのです!」

「………はぁ゛」

 

 

陛下ァ!お気を確かにぃ!

 

 

「あ゛ーじゃあ、あれだお前、食いもんもってこい、」

「え、人間の生贄では無く?」

「食えねぇだろ!バカが!果物でもなんでも持ってこりゃいいんだ!」

「はい!わかりました!」タッタッタ

「あ、おい待て」

「?」

 

バカ女が帰ろうとする間際、陛下がお声をかける

 

「俺は巨人様って名前じゃねぇ、俺様はベリアルだ。」

「///はい!ベリアル様!///」

 

タッタッタ

 

ふぅ、やっと帰りましたか…ではわたしもこれで…

 

「で?いつまでそこに居んだ、スライ…」

「!?!?!!!」

 

背骨を抜かれる感覚とはこんな感じなのでしょうか、今わたしは盛大に逃げ出したい気分です!

 

カツカツ

 

陛下がわたしの前に来られました…どうやらお怒りではない様子です…多分…

 

「…、今度下の連中に会うときはお前も来い、俺様がわざわざ言うのは面倒だ…」

「…はっ!陛下!」

 

わたしを叱るでも無く!盗み聞きを許し!わたしに新たな命を下さるとは…!

 

「ふぅ…行くぞスライ!、そろそろ晩飯の支度だ。」

「はっ!陛下!」

 

ポロッ

 

「?おいスライ、なんか落としたぞ」

「へ、あ゛っそれはっ」

 

わたしが落としたのは朝ポストからとった手紙!しまった!

 

「…おい、なんでお前がこれを持ってる?」

「あ、あのですね、陛下、これには…」

 

 

 

手紙を拾い差出人の名前をさっと見た陛下はポンポンとギガバトルナイザーを肩に当てわたしに向かい…

 

 

「晩飯前に運動でもするか?なぁ!!スライ!!」

 

ダッ

 

「へ、陛下ァ!何卒おゆるしをぉ〜!!」

 

ダッ

 

 

わたしは陛下に追われながら山頂の宇宙船まで登りした、死にそうになりながらです。

 

 

陛下に相応しいメフィラス紳士になる為に更に精進しなければ…

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ベリアルへ

ケンより

 

 

 

 

 




あ、あぶねぇ、とっさにゾフィーを盾にしなけりゃ、ファイヤーヘッド二世になるとこだった…

じ、次回はウルトラマン先生の方を書きます!?!?

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