雨が降る頃に   作:羅糸

5 / 8
五話

時雨「提督、艦隊が無事帰還したよ」 

 

提督「うむ、皆お疲れ様。今日はここまでにしよう」

 

いつもの鎮守府の日常

出撃をし帰還した時雨たちは報告を終え時雨以外の艦娘は執務室を出ていく

 

時雨「今日も忙しかったね」

 

提督「そうだな」

 

最近は海域を突破せず鎮守府海域を中心に出撃し徐々に練度をあげている

誰も沈ませないためにも彼女たちには強くなってもらいたいという提督の考えからだ

そのお陰で多くの艦娘が改装をした  

 

提督「お疲れ、時雨も上がっていいぞ。もう今日の仕事はないから」

 

時雨「分かった。それじゃ自分の部屋に行くね。お疲れ様」

 

そう告げ時雨は執務室を去ろうとする

 

提督「あ、忘れてた。時雨ちょっといいか」

 

ふと何かを思い出した提督は時雨を呼び止める

 

時雨「なにか用かな」

 

提督「実は明日お前を改装しようと思ってな」

 

時雨「改装を?でも僕はもう改装した筈じゃ」

 

時雨はもう既に改装を行っている

そのため本来なら改装はもうしない

 

提督「改二だよ。お前には更に改装ができるらしくてな」

 

時雨「僕が改二…」

 

この鎮守府にはまだ改二はいない

つまり時雨がこの鎮守府のはじめての改二になるのだ

 

時雨「それで僕もっと役に立てるんだね」

 

提督「そうだな。話はそれだけだまた明日な」

 

時雨「うんまた明日」

 

話が終わり時雨は執務室から出る

 

そして数時間が経ち就寝する時間になった

 

時雨「改二か…」

 

ここは時雨の部屋

もう寝る準備をしていた時雨が独り言を言う

 

改二になるということは更に強くなれるとうこと

その力があればもしかしたら皆を守れるかもしれない役に立てるかもしれないと期待が高まる

戦艦と比べてしまえば駆逐艦である自分は勝てないかもしれないけど自分なりに出来ることがあるんじゃないかと時雨は思う

 

時雨「頑張ろう…提督の……みんなのために」

 

そう呟き時雨は眠りに付いた

 

 

次の朝

時雨は少し緊張していた

今日自分は新しく改装される

改二ともなると強さだけでなく見た目も変わるなんて事はよくある

色々な期待をこめ時雨は執務室の扉の前にいく

コンコンとノックをしては扉を開けた

 

時雨「提督、失礼するよ」

 

扉を開けた先には提督が……と思ったがそうではなかった

 

扶桑「あら、時雨。来たのね」

 

そこにいたのは扶桑、山城、最上、満潮の四人だった

そう西村艦隊のメンバーだ

この鎮守府にはまだ朝雲と山雲は着任していない

 

時雨「どうしてみんながここに?」

 

最上「ボクたち西村艦隊のみんなで時雨の改二を祝おうと思ったんだ」

 

満潮「私はしつこく言われたから仕方なく…!」

 

最上は明るく満潮は少し怒りげに言う

しかし時雨は彼女が優しいことを知っている

彼女なりの照れ隠しなのだろう

 

山城「これは、その…お祝いのプレゼントよ。受け取りなさい」

 

時雨「これって…」

 

時雨は山城から何かを渡される

それを見るとそれはどこか見覚えのある形の髪飾りだった

 

扶桑「私と山城とお揃いの髪飾りよ。みんなで作ったの」

 

そう、これは扶桑たちが身につけている髪飾りと一部同じ物だった

 

時雨「ありがとう。僕のために…」

 

時雨は嬉しく思う

昔沈んだ仲間たちがこうして集まり自分のためになにかをしてくれたと言うことを

 

扶桑「私たちが沈んであなただけが残って辛い思いをさせたと思ってるわ。でももう誰もあなたの前からいなくならないわ。提督が約束してくれたもの」

 

時雨「提督が…」

 

そうかやはりというかこれを仕向けたのは提督なのかもしれない

提督が扶桑たちに事前に話をし皆でお祝いするよう決めていたんだ

 

山城「大丈夫よ。扶桑姉様ほどじゃないけど提督もそこそこいい人だから私たちは沈まないわ」

 

最上「安心して今度は衝突しないから」

 

満潮「簡単には沈みなんてしないんだから!だからあんたも沈むんじゃないわよ!」

 

時雨「みんな……ありがとう」

 

時雨の目には涙が溢れる

 

扶桑「提督なら既に工廠にいるわ。行きなさい」

 

時雨「うん」

 

時雨は髪飾りを握りしめ執務室を去る

扶桑たちに感謝をし提督の元へと向かった

 

時雨「提督…」

 

提督「来たか時雨」

 

工廠へ向かうと提督はいた

提督の近くには改装に使う部屋がある

そこで改装をするのだ

 

提督「扶桑たちには会ったか」

 

時雨「うん」

 

やはり提督は知っていた

これを仕向けたのは提督だろう

 

提督「俺はお前が中に入ったら執務室に戻る。執務室でまた会おう」

 

時雨「わかった」

 

そう告げ時雨は扉の側にいく

 

時雨「それじゃ行ってくるね」

 

提督「ああ、行ってこい」

 

時雨は部屋の中に入っていった

それを見た後提督は執務室へと行く

 

中に入った時雨は握りしめていた髪飾りを見つめる

そこには西村艦隊だったみんなの思いが込められている

一度は失った仲間たち

その悲劇を二度と繰り返したりはしないと時雨は誓う

そしてそのために自分は強くなる

そんな思いをこめ時雨はその髪飾りを付けた

 

数時間後

提督はまだ執務室で時雨を待っていた

いつもなら一時間程度で改装は終わるが改二ともなると時間が掛かるのだろうか

そんなことを考えているとコンコンとノックがされる

 

時雨「提督、入るよ」

 

いつも聞く優しい声が聞こえてきた

 

提督「入っていいぞ」

 

提督がそう言うと声の本人時雨が入ってくる

しかしその姿はいつもの姿とは違っていた

 

時雨「提督、どうかな…」

 

身長は伸び全体的に成長した時雨がそこにはいた

アホ毛はいつも通りだが髪型が犬の耳のようになっていた

かわいらしくそして凛々しく時雨は成長した

 

提督「い、いいと思うぞ」

 

正直提督は見惚れていた

はじめは妹のような感じにも思っていたがこう成長すると意識せざるおえない

 

時雨「まだ実戦はしてないけど強くなれた気がするんだ」

 

提督「きっと強くなってるさ。それより時雨その髪飾りは?」

 

髪には扶桑たちと同じような髪飾りがつけてある

 

時雨「あぁ、これは西村艦隊のみんなに貰ったんだ」

 

提督「そうか。扶桑たちはそれをやったんだな」

 

提案をした提督であったが何を渡したかまでは知らなかったらしい

 

時雨「うん、この力でみんなを守るよ。提督と一緒にみんなを守りたい」

 

提督「あぁ、俺も同じだ」

 

時雨は新たな力を手にし艦隊に大きな力が加わった

これからどんな困難が待ち受けるのか

それは今は知るよしも無かった

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。