雨が降る頃に   作:羅糸

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七話

ザバーンと波の音が聞こえる

ここは鎮守府にある港だった

そこに一人の人物がたっている

 

提督「はぁ…」

 

この鎮守府で一番偉い人物である提督だ

提督は一人その場でため息をついた

 

提督「どうしたものか」

 

右手には小さな箱を握っている

提督はその箱の中身を開ける

 

そこには光輝く指輪が入っていた

 

そう、ケッコンカッコカリの指輪だ

 

前からこの指輪のことは知っていたがつい先日本部からこの指輪を渡された

ある程度育っている艦娘がこの指輪をはめると強化されるらしい

性能で決めるも好みで決めるもそれはその提督次第だった

 

提督には不安があった

送りたい相手はいるが彼女はちゃんと受け取ってくれるだろうか

また一人だけ特別扱いしてもいいものなのかと

 

ここ最近ずっとそればかりを考えている

しかし今日は仕事がある今は仕事のことを考えなければならない

と思い提督は箱をポケットにしまった

そのまま鎮守府へと帰っていった

 

 

パシャリ

 

 

???「見ちゃいました!」

 

 

誰かが見ているとも知らずに

 

 

 

 

その翌日

 

提督「まさか見られていたとは…」

 

鎮守府の掲示板の前に提督は立っている

そこには思いがけないことが貼られていた

 

提督ついにケッコンカッコカリか?

 

といった見出しに海に立っている自分の姿があった

 

指輪を見つめていて

  

 

そう昨日のことを見られていたのだ

 

 

この事はまだ誰にも言ってなかった、秘書艦の時雨にさえも

だからなのだろう起きたとき艦娘の皆がざわついていた

 

いったい誰が選ばれるのだろうだとかそんな事をいっていたのが耳に入った

 

だがそれよりも誰がこんな写真を撮ったのだろうと提督は一瞬思う

いやおそらく撮ったのは青葉だろう

彼女はよく鎮守府のことを面白おかしく書いている

彼女がこの件を書かないはずがない

提督は少し呆れながら執務室へと向かった

 

提督「全く青葉のやつは…」

 

時雨「提督も大変だね」

 

提督は自分の椅子に座り時雨からお茶をもらう

青葉には何度か勝手に撮るなと忠告しているが全然聞かないため今回はなにも言ってない

もう諦めているのである

 

提督「それにしても皆ケッコンカッコカリのことで騒がしかったな。そんなに大騒ぎすることか?」

 

時雨「そりゃ提督にとって特別な人になるからね。みんな気が気でないよ」

 

提督「そういうもんか…でも一人だけ特別扱いするのもどうしたものか」

 

ケッコンカッコカリできるのは一人だけではなく複数でもできる

そのためジュウコンすることも考えられるがあまり響きがよくないためするつもりはない

 

時雨「みんな提督が選んだ人なら文句はないよ。みんな提督の事大好きだから」

 

提督「それは…」

 

時雨もかと言おうとしたとき一人の人物によって遮られる

 

木曾「失礼する」

 

木曾が入ってきた 

 

提督「どうした木曾」

 

木曾「いやちょっとお前と話がしたくてな。時雨少しの間外にいてくれないか」

 

時雨「え?うん…」

 

時雨は少し複雑な顔をしてその場から去ることにする

いったいなにを話すつもりだろうか

 

木曾「二人になったな…」

 

提督「そうだな」

 

シーンとしたなかで二人は話す

 

木曾「ケッコンカッコカリの事だが」

 

ぴくりと体を動かす

まさか木曾がそんな事を言うとは思ってなかったからだ

この雰囲気からするともしかして自分とケッコンして欲しいとか告白なのかもしれない

驚きのあまり少し緊張し落ち着くために茶を飲む

 

木曾「単刀直入に聞く……お前時雨の事好きだろ」

 

提督「ぶはっ!」

 

意外な言葉に飲んでいたお茶を吹き出す

 

提督「な、なにを突然、い、言うんだよっ」

 

提督はすごく動揺していた

お茶を吹き出したせいで机がびしょ濡れだが幸いまだ書類を出してなかったのが救いだ

 

木曾「その感じは図星みたいだな……」

 

提督のあまりのどうように木曾は少し微笑む

 

提督「そ、そうだよ時雨の事好きだよ……ケッコンカッコカリするつもりだよ」

 

はじめからケッコンカッコカリの相手は決まっていた

  

一番最初に来てずっと秘書艦をしてくれている時雨

 

いつも困難を一緒に乗り越え自分を支えてくれた時雨

 

そんな時雨にいつの間にか恋に落ちていた

 

木曾「やっぱりな。お前らよく一緒にいるしそうだと思ったよ」

 

提督「でもどうしてそんな事聞くんだ?」

 

木曾「最近お前の調子が悪いように見えてな。今日の事を知ってわかったんだ。告白してないのか?」

 

木曾には全てお見通しだったようだ

流石は初期から自分の艦隊を支えてくれた一人というべきか

 

提督「してない、ていうか怖い。断られたらどうしようとか特別扱いしていいもんなのかとおもって」

 

木曾「お前なぁ…」

 

木曾ははぁとため息をつくと呆れ顔で言い続ける

 

木曾「男ならしっかりしろ。そんな優柔不断な考えじゃ艦隊の指揮なんてやっていけないぞ。好きなら好きってちゃんと言え。当たって砕けろ」

 

ぐさりと木曾の言葉が提督に刺さる

 

女なのに男よりも男らしい木曾に言われると説得力が違う

 

提督「わ、分かってる、分かってるんだそんな事。それでも迷ってしまう自分がいてな…」

 

木曾「……まぁそれが仲間の事を大切にしてるお前のよさでもある。けどだからこそ自分の気持ちに正直になれ」

 

提督「木曾…」

 

しばらく沈黙が続いた

提督はずっと考えていた

今後どうするべきか時雨に対しての自分の思いを

 

そして沈黙から提督が口を開ける

 

提督「ありがとう木曾、おかげで決心がついた。俺時雨に告白するよ」

 

木曾「ふっそれでこそ俺の…俺たちの提督だ」

 

話はそれだけだといい木曾はその場から去っていった

 

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