時は少し遡る
執務室からはなれた時雨は一人外にいた
まわりには芝生がある
そういえば前にここで提督に膝枕したなと懐かしむ
時雨「提督……」
今日ケッコンカッコカリの事を聞いてから胸がモヤモヤする
提督ならみんなに好かれてるし断られる事はないだろうとはおもう
けどそうじゃない
そうじゃないなにかが自分のなかにつっかかる
そこに1つの声が聞こえる
川内「ふぅ…よく寝たー」
川内だった
今日も遅くまで夜戦していたからここで寝ていたのだろうか
時雨「やぁ川内、ここにいたんだね」
川内「あぁ、時雨」
川内は起き上がりこちらを向く
時雨「君はよく毎日夜戦三昧だね」
川内「もちろん私にとって夜戦は命だからね!」
川内は目を輝かせて喋る
夜戦で一度轟沈しかけた彼女だがそれでも彼女にとって夜戦は大切なもののようだ
川内「ところでみんな朝から騒がしかったけどどうしたの」
川内はケッコンカッコカリのことを知らないらしい
いつも夜戦をして朝から寝るような生活をしてるため情報がそこまで届かなかったみたいだ
時雨はケッコンカッコカリのことについて川内に説明した
川内「ケッコンカッコカリねぇ…」
それを聞くと川内は真剣な顔つきになる
川内「時雨……私ね提督の事好きだよ。優しいし夜戦いっぱいさせてくれるし……だからわたし提督とケッコンしたい」
突然川内は思いがけないことを言った
そしてなぜかその事を聞くと少し辛くなる
提督が皆から好かれてる事は秘書艦としても喜ばしい事だ
だがなぜか胸がいたくなる
川内「だから時雨には負けないよ!」
時雨「え?」
どういう事だろうか
川内「だから時雨も提督の事好きなんでしょ」
時雨「僕が提督の事を……」
考えてもいなかった
確かに提督の事は好きだがそういう意味なのかはわからない
川内「時雨は初期艦だし秘書艦でしょその分一緒にいたし自然と好きになってるんじゃないの」
初期艦であり秘書艦であるということは提督がケッコンする場合とても大きい
だいたいは秘書艦にしてる子が提督のお気に入りということが多かった
だがしかしそうとも限らない
単純に初期艦だから仕事を手伝えるからって理由だからかもしれない
それに川内だって轟沈しかけてから提督に気遣わられてる
川内が夜戦したいと言うと毎日のように夜戦させてあげてるし夜戦主義という掛け軸も部屋に飾ってある
つまり川内にもケッコンの可能性が大きくある
それだけじゃない木曾だって提督の相棒みたいな存在だ
もしかしたらさっきのは告白で提督がOKしていたら…
そう考えると胸が苦しい
そして分かった
自分は提督の事が好きなんだと
ケッコンしたいそばにいたいと
時雨「そっか……僕提督の事が好きなんだ……」
川内「ふふっ、やっと気付いたような顔してるね」
川内は微笑む
時雨「うん、負けないよ。ここは譲れないさ」
川内「挑むところよ!」
夜戦では鎮守府最強のコンビである二人
しかし今は恋のライバルとなっていた
するとすぐにポツリと水が顔につく
それは勢いをまして体が濡れていく
時雨「雨か…」
川内「いけない、神通のところへいかなきゃ。じゃあね時雨」
川内は去っていった
自分もそろそろいいかと思い時雨は執務室へと戻った
提督「雨だな…」
提督は窓を見ていた
雨と言えばあの子はどうしているのか
そう考えているとその子が執務室にやってきた
時雨「提督ごめん帰るの遅かったかな」
提督「い、いや平気だ」
提督は時雨の服を見て一瞬目を反らしてしまう
外にいたんだろうか服が濡れていた
服が黒だったからいいものの白だったら下着が透けて見えていただろう
提督「……」
時雨「……」
そこから時雨はなにも話さず提督もなにも言わず沈黙が続く
先に提督の方が口を開いた
提督「なぁ時雨散歩しないか」
時雨「散歩かい?まぁいいよ」
本来雨の中散歩するのはどうかとおもうが時雨は雨が好きだしその方がいいかと思い提案した
そして二人は執務室を出て外へ行こうとした
がしかしここで問題が発生する
提督「傘が1つしかない…」
本来なん本かあるはずの傘が一つしかなかった
誰か使っているのだろうか
これでは散歩にいけないと思っていたとき時雨が口を開く
時雨「僕はいいよ、提督の中でも」
提督「えっ……」
意外な発言に提督は驚く
まさか彼女がそんなことを言うとは思わなかった
提督「俺は構わないがほんとにいいのか」
時雨「うん僕は大丈夫だよ」
そして提督の隣に立つ
提督「分かった」
提督は傘を開き時雨と自分は中にはいる
そして外を歩く
提督「……」
時雨「……」
また沈黙が続いている
二人とも傘の中だが出来るだけ距離を離れていた
ポツリと傘に落ちる雨音だけが鳴り響いた
すると今度は時雨から話しかける
時雨「きれいな雨音だね」
提督「そうだな」
時雨「あの時もこんな感じだったよね」
提督「あの時か…」
あの時とは川内が轟沈しかけた時の事だ
そのときもこのように雨が降っていた
提督「あの時は大変だったな。大破もはじめてみたしほんとに轟沈するかと思った」
時雨「そうだね。今はみんな安心して戦ってるけど前は大変だったね。
でもこうして今があるのも提督のおかげだよ」
提督「ありがとな。でも俺だけじゃない。辛いときも時雨が一緒にいてくれたからだ。」
時雨「提督…」
時雨は立ち止まりそれを見て提督も立ち止まる
そして二人は見つめ合う
提督「…よし」
決心がついた提督はポケットから箱を取り出し中身を開ける
中身は指輪が入ってある
そうケッコンカッコカリの指輪だ
提督「時雨、俺いつの間にかお前の事が好きになっていた。これからもこの戦いが終わってもずっとそばにいて欲しい。だから…俺とケッコンしてくれ!」
ずっと考えていた告白の言葉を提督は告げる
時雨はすぐには結論を出さず喋らなかった
顔を見てみると泣いていた
時雨「うっ…提督……ほんとに僕でいいのかい……こんな僕でも」
提督「もちろんだ。お前じゃないと駄目だ」
その言葉を聞き時雨は涙をふく
時雨「……ありがとう。僕も提督の事大好きだよ。ずっとそばにいたい愛したい。だからこれからも……よろしくね」
時雨はそのままくっつく距離まで提督に近づいた
時雨「雨、止みそうにないね。提督、そこにいると濡れるよ……もう少しこちらにおいでよ…雨が上がるまでこうしていよう」