【全知全能】になった俺がアイドルになって人生を謳歌していく   作:PL.2G

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平素より大変お世話になっております。

久しぶりの更新でございます。
大変お待たせ致しました事、文面ではございますが深くお詫び申し上げます。

尚、本文の一部、アニメと明らかに違う箇所がございますが、
話しの都合上改変されております。
御承知置き下さい。

更に訂正致しました。

※歌詞部削除致しました。


第8話 - 副作用 Magical Effect -

大急ぎで346に行くも、会議は到着時刻の2時間後という英雄の罠だったり、

346の部長さん(今西さん)が直々に会議に出て来て居たり、

月夜さんの目まぐるしいプロデューサーとしての成長を喜んだり、

月夜さんってそう言えば俺のファンでだったなぁって事を再認識したりした会議になった。

 

 

8X―・・・・・・・・

 

 

会議も卒なくこなし、予定よりだいぶ早く終わった。

早めに着いたからと言う事で、気を使っていただき、会議が早めに始まったと言う事もあるのだが。

取り合えず折角なので346の敷地内を見学して行こうかと、月夜さんと2人で散策中。

 

なお、『どこをウロウロしても大丈夫だから』と、今西さんから許可は頂いている。

曰く、『まぁキミ程の人に何かあるとは思えないが、もし何かあれば私の名前を出すと良い』とのことだった。

正直そんな変な所に行くつもりは毛ほども無いので、名前を出す事は無いだろう。

ちなみに今、明確な目的地がありそこに向かっている。

 

「騎士さん・・・今、どちらに向かってるんですか?」

 

隣を歩く月夜さんに声を掛けられる。

 

「これから少しレッスンルームにお邪魔しようかと思っていてね」

 

「レッスン・・・ですか?」

 

「うん。別に俺がレッスンする訳では無く、

 今レッスンしているであろう人達に会いに行くんだよ」

 

「はぁ・・・」

 

確か第3だったよな?大体はそこでレッスンしてるって言ってたしな。

半知半能(ちゅうとはんぱ)】になってから、記憶力も人並みなので自信を持っていけないのが辛い。

記憶力は今まで培ってきた記憶の所為で自信を失い易い。

如何せん変な所で変な記憶に変に自信がありすぎて、あとから培った記憶が自分の中で信頼が無さ過ぎる。

 

「ここ・・・だよな?」

 

『第3レッスンルーム』と書かれた扉の前に立つ。

ガラス張りではあるものの、中が見えないよう加工が施されているので見えない。

ここであってるかどうかまだ少し不安だが・・・

ええい!!ままよ!!

ドアノブに手を掛け、先ほどの勢いとは裏腹にそーっと開ける。

 

「失礼しまーす・・・」

 

小声で挨拶をし顔を覗かせる。

 

「ああーーーっ!!ナイトさまだーっ!!」

 

「えっ!?」「にゃ!?」

 

物凄い速さで見付かってしまったが、どうやら合っていたようだ。

中には城ヶ崎莉嘉さん、赤城みりあさん、

そして何故か床にへたり込んだ(ヤムチャしやがって)状態の前川みくさんの3人が居た。

前川さんが何故そんな体勢なのかが気になる所なので聞いてしまおう。

 

「みなさんお久しぶりです。前川さんも・・・

 しかし、なぜそんな状態に・・・」

 

「みくにゃ・・・」

 

「え?」

 

前川さんはスッと音も無く起き上がり、真顔(+猫の様な目(比喩))になり、

俺の前まで来たかと思うと、低い声で自分の名前を呟いた。

あぁ、またこのパターンか・・・

 

「いや、しk「みくにゃ」・・・あの、「みくにゃ」・・・えっと・・・」

 

「みくにゃ」「みくにゃ」「みくにゃ」

「みくにゃ」「みくにゃ」「みくにゃ」

「みくにゃ」「みくにゃ」「みくにゃ」

「みくにゃ」「みくにゃ」「みくにゃ」・・・

 

ぐぬぬ・・・

 

「はい・・・わかりました・・・みくちゃん、とそう呼べば良いんですね・・・」

 

はぁ・・・と肩を落とす。

前川さんがぱぁっと明るい顔になる。

 

「それで良いのにゃー!!騎士さんが押しに弱いって事は、この前お会いした時に把握済みなのにゃー!!って言うか、騎士さんがスーツ姿にゃっ!!」ピロリン

 

小躍りをしていたかと思うと、俺のスーツの何が良かったのか、

物凄い速さで取り出したスマホで俺の写真を撮り始めた。

しかし物凄い連射機能だ。

 

はぁ・・・最近女性陣が俺に名前呼びを強要してくる事が増えた。圧倒的に増えた。

もとはと言えば、た・・・楓さんの所為だよなぁ・・・まず間違い無くそうだよなぁ。

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

「ひっくち・・・」

 

急にくしゃみが出た・・・誰かが噂をしている?

 

「あらー?楓さん風邪ですかー?」

 

愛梨ちゃんが心配をしてくれました。

 

「誰かが噂でもしてるんですよ」

 

「うわさ?ですか?」

 

「えぇ。きっと、騎士君ですね♪」

 

何となくですが当たっている気がしたので騎士君の名前を出してみました。

 

次のライブは、騎士君といっしょ・・・

ふふ、楽しみですね♪

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

「へっくしっ・・・ん、失礼しました」

 

コホンと軽く咳払いし、体裁を整える・・・

くしゃみか・・・誰か噂でもしてるのか?

 

「ナイトさまー、なんで346(ここ)に居るのー?」

 

みりあちゃんが質問してきた。

全員が名前呼びを強要して来そうなので、

もう後先考えず独断と偏見でシンデレラ(C)プロジェクト(P)のメンバー全員下の名前で呼んでやる事にした。そうした。

しかし、みりあちゃんは今日も元気そうで何よりだ。うんうん。

 

「それはもちろん私達に会いに来てくれたに決まってるじゃーん」

 

莉嘉ちゃんが間髪入れずに切り出した。

 

「えーっt「えー!!そうなのー!?わー、うれしいなー!」・・・」

 

本当に嬉しそうに、声を上げるみりあちゃん。

元気な声に俺の返答は掻き消される。

 

「私たちは先程までこちらで会議をしていたんですよ。

 で、終わったので騎士さんの提案でみなさんが居るこちらに立ち寄ったんです。

 ね?騎士さん」

 

俺の後ろからタイミングを見計らって笑顔の月夜さんが答えた。

 

「100点満点の回答をありがとう」

 

本当に例え様が無い程に100点満点だ。

 

「カイギー?うぇーなんかむずかしそー。

 でもでも、なーんか出来るオトナーって感じっ!!」

 

莉嘉ちゃんが楽しそうな顔をして答える。

 

「ところで騎士さん。後ろの女の人はどなたなのですかにゃ?

 もしや・・・恋人さんっ!?」

 

「かっかかかかっかあかかかっかか彼女っ!!!!?????ちちちちちち違います違いますっ!!そんな恐れ多い!!」

 

月夜さんがみくちゃんの質問に目一杯の否定。

そして彼女とは言っていないよ月夜さん・・・

 

「あぁ、こちらは姫乃宮月夜さん、8723の・・・って言うか現状は俺のプロデューサーだね」

 

「「「プロデューサーッ!?」」」

 

3人は声を揃えて驚く。

 

「はい。8723プロ、アイドル部門プロデューサー姫乃宮月夜です。以後お見知りおきを」

 

そう言って丁寧に名刺を一人一人に渡していく。

8723(ウチ)に部門なんてあったのか・・・しかも名刺まで・・・

知らなかった。

 

「みくは前川みくにゃ」

 

「アタシは城ヶ崎莉嘉。よろしくー」

 

「赤城みりあですっ!」

 

「にゃはは~、一ノ瀬志希で~す。よっろしく~♡」

 

「ん?」

 

後ろから聞きなれた声が聞こえた・・・

後ろを振り向く。

 

「お兄様の匂いがしたから来ちゃいました~、にゃは~♪」

 

ピースをする志希がそこにいた。

 

「志希・・・お前、なんでここに・・・」

 

「だから~、お兄様の匂いがしたからだってば~」

 

そう言ってわざわざ俺の背後にまわって背中に寄りかかり、

いつもの様にハスハスし始めた。

 

「お兄様・・・って事はっ!!あなたが噂の騎士さんの妹っ!?」

 

みくちゃんが叫ぶ。

 

「にゃはは~、ぶい~。す~っ♡は~っ♡あ~甘露~甘露~♡」

 

ハスハスしつつ、いつも通りの笑顔でピースする志希。

 

「キシとシキだってー。えへへへぇ、お名前ひっくり返しただけなんだねー、すごーいっ!!」

 

きゃははと無邪気に笑うみりあちゃん。

昔は良くそれをネタに近所のお子様に冷やかされたりしたなぁ(遠い目)

 

「で、志希よ。俺の問いにまじめに答えなさい」

 

「ん~っとね~ぇ。志希ちゃん今日からもうレッスンだよ~って美嘉ちゃんに言われたから346(ここ)に来たんだけどね~・・・歩いてる途中お兄様の匂いがしたからそれを辿った結果が今っ!!」

 

「『今』っじゃねーっ!!なにいきなりサボってんだよーっ!!」

 

頭を両手で抱えわしゃわしゃと髪を掻き毟る。

 

「おぉぉぉ、騎士さんが珍しい口調でお話しているにゃ」

 

しまった!?

ついつい志希の態度に流されてお家モードで喋ってしまった。

 

「にゅっふっふ~、所がどっこい、私の目的地はお・と・な・り♡」

 

となり?

 

「あれ?」

 

「そっちって今・・・」

 

「卯月ちゃん達が・・・」

 

「え?」

 

 

8X―・・・・・・・・

 

 

「1、2、3、4、5、6、7、8・・・この時、キチンと止まってるとカッコいいよ」

 

ガチャッ

 

「しっつれっいしっま~っすっ!!」

 

志希が勢い良く『第4レッスンルーム』と書かれた扉を開け放ち入って行く。

中には、島村卯月ちゃん、渋谷凛ちゃん、本田未央ちゃん、

そして美嘉ちゃんと、トレーナーと思われる女性が居り、

トレーナー以外の4人は一生懸命に壁一面の大きな鏡を見ながら踊っていた。

 

しかし、志希が乱入した事により中断される。

 

「もー遅いよ志希ちゃーん、ってうえええぇぇぇぇっぇぇききききききっき騎士さん!?」

 

俺の存在に気付き大声を上げる美嘉ちゃん。

 

「きっ騎士さま・・・騎士さまが居ますよ、凜ちゃん!!未央ちゃん!!騎士さまですよ!!はぁー♡今日も素敵ですねー♡って・・・あれ・・・これ夢ですか?え?凛ちゃん!!未央ちゃん!!また本物の騎士さまが居ますよ!?どう言う事ですか!?凛ちゃーん!!!」

 

「卯月、夢じゃないし本物だから。見ればわかるから取り敢えず落ち着いて。私を揺するの止めて。ダンスで結構フラフラなんだから」

 

「しまむーは今日も平常運転ですなー♪」

 

レッスンが完全に中断される。

 

「どうも・・・やっぱりお邪魔だったみたいですね、申し訳ないです」

 

「いえいえいえいえいえいえいえ、滅相もございませんです・・・ハイ」

 

美嘉ちゃんは、もげるのでは無いかと言うスピードで首を横に振った後、俯いてしまった。

 

「ふむ・・・」

 

何故かトレーサーさんは俺を見て納得したような表情をした

 

「・・・?」

 

「一ノ瀬志希~、只今到着いた~しま~した~」

 

そんな美嘉ちゃんと俺を他所にトレーナーの方に行く志希。

 

「そこの城ヶ崎(姉)並びにお前達のプロデューサーから話は聞いてる。

 時間も無いしな、今日からビシ!バシ!しごいてやるから覚悟しろ?

 と言っても当分ダンスは城ヶ崎に指導してもらうつもりだがな」

 

「妹の事、ヨロシクご指導お願いしますね。

 まぁ、コイツ基本やれば出来る子なので、

 主に精神面の方を鍛えてあげてください」

 

一度美嘉ちゃんから視線を外し、トレーナーさんに声を掛ける。

 

「君が一ノ瀬騎士だな・・・前々から評判は伺っている。

 それで本当に唐突だがこれも前々から会えたのなら頼もうと思っていたことがあってな・・・

 良かったら、今ここで踊って貰えないだろうか?」

 

「へ?」

 

まさかのトレーナーさんからの無茶振り・・・

 

「一応、歌・踊りを教える事を生業としている職業柄、

 君のその芸術や国宝、無形文化遺産などと称される程の歌や踊り・・・

 映像では何度か拝見はしたが目の前でしっかりと見てみたくてな・・・。

 どうか頼まれてはくれないだろうか?」

 

トレーナーさんは深々と頭を下げる。

 

「いやぁ、しかしですね・・・事故の後調子が良くなくてですね、

 今の所、知ってる曲しか踊れないんですよね~・・・あはは・・・残念だなぁ(棒)」

 

「む、そうなのか・・・今ある曲は・・・」

 

そう言って曲を探し始めたトレーナーさん。

 

「でもさっき流れてたのって、城ヶ崎美嘉さんの『TOKIMEKIエスカレート』ですよね?

 それは踊れるって会議で仰っていませんでしたっけ?」

 

「うぐっ・・・」

 

月夜さんや、なにも今ここで言わなくても・・・

 

「それは都合がいい。どうだ一ノ瀬?やってくれるか?

 こいつらにも良い手本になると思うんだが」

 

「目の前で騎士さまのダンスが見られるんですかっ!?」

 

「今ここで!?」

 

本当(マジ)にゃ!?」ポチポチ

 

「志希ちゃんが思うに、多分手本には為らないと思いま~す♪でもでも~お兄様のダンスは見たい!!」

 

「おい、志希。何さらっとそっち側なんだよ」

 

卯月ちゃん、未央ちゃん、みくちゃん、そして志希が大きな声を出す。

 

「いや、まだ決まった訳では・・・」

 

「私最後まで意識を保って見ていられるか不安です・・・」

 

「大丈夫にゃ卯月ちゃん。卯月ちゃんが倒れても録画はしっかりやっておくにゃ・・・」

 

「みくちゃん・・・ありがとうございますっ!!」ガシッ

 

卯月ちゃんとみくちゃんが脇の方に座り強く両手で握手を交わしている・・・

 

「にゃっはは~、お兄様のダ~ンス、お兄様のダ~ンス~↑!!」

 

「きっききっきっきききっき騎士さんが、おおっおっおおどっおどっ踊るっ、

 しかも、私の歌で・・・めっめっめめめめっめっめ目の前で!!」

 

志希美嘉ペアもすでに俺が踊るのだと期待をしている・・・

 

「月夜さ~ん、こっちで一緒に座って見よ~」

 

「はーい」

 

莉嘉ちゃんに呼ばれそちらへ歩いていく月夜さん。

 

「実は私・・・騎士さんの大大大大ファンです!!」

 

「ナイトさまプロデューサーなのに、おっかしーんだー♪」

 

「んふふふ、ナイトさまのダンス楽しみー。んふふふー♪」

 

月夜さん及び少女組(莉嘉ちゃん&みりあちゃん)も観戦モードだ。

 

「はぁ・・・仕方ないですね。此処まで期待されてしまってはやらないわけにいきませんね。

 わかりました。まだ時間もありますし、

 トレーナーさんや皆さんの期待にどれだけ応えられるかわかりませんが、

 やれるだけやってみましょう」

 

「「「「「「「「やったー(ハラーショー)!!!」」」」」」」」

 

「えっ!?」

 

良く見たら、ドア側にCPの面々が集まって来ていた。

 

「えっと・・・これは、一体・・・どう言う・・・?」

 

何故このタイミングでCPが集まりだしたんだ?

 

「一ノ瀬さん、すみません・・・前川さんから、その・・・携帯に連絡が来まして・・・」

 

開いていたドアの外から聞こえてきたバリトンボイス。

のそっと武内さんが現れ説明してくれた。

 

「みくちゃんから?」

 

みくちゃんを見る。

 

「いやん♡そんな見つめられたら恥ずかしいにゃ」

 

頬に手を当て身体を捩る。

 

「いや違う、そうでは無くて・・・」

 

「こんな一大イベント、みく達だけで楽しむのは勿体ないにゃ!!」

 

力を込めて語る。

 

「との事でしたので・・・申し訳無いと思いつつ、良い刺激になるのでは・・・と、

 他のプロジェクトメンバーに声を掛けさせて頂きました。もうしわけございません」

 

いつもの様に首に手を当て頭を下げる武内さん。

 

「あっはい・・・」

 

「ダー、キシのダンス、ぜひぜひ見たいデス!!」

 

「始祖の舞・・・高鳴る鼓動が抑えきれぬっ」

 

「あの、では騎士さん・・・一度更衣室へ、ウェアをお貸ししますのでこちらへ・・・」

 

CPの皆が各々語っている中、武内さんがドアに手を掛け俺に対し気遣いをしてくれた。

 

「いえ、『TOKIMEKIエスカレート』なら大丈夫です。志希、上着を頼む」

 

そう言って、スーツの上着を志希に渡す。

 

「いや、しかし・・・」

 

「お兄様が大丈夫~って言ってるから大丈夫だよ、た~けちゃん♪ハスハスハスハス♡」

 

解っていたが、また頭から上着を被りハスハス言い始めた。

月夜さんに渡すべきだった・・・

 

「志希ちゃん・・・私も・・・その・・・ちょっとだけ・・・」

 

美嘉ちゃんが奇行に走りそうだが、

他の人も色々あるだろうし、グダグダしてるともっと混乱が起きるかもしれない。

手早くYシャツの袖を捲り、軽くストレッチをしながら音楽の準備をお願いする。

 

「もういつでも大丈夫です」

 

「では一ノ瀬、頼む」カチッ

 

オーディオのボタンを押す。

部屋に取り付けられたスピーカーから知った曲のイントロが流れ始めた。

以前、踊った事がある曲・・・

踊りの初期体制をとると同時、

俺の中の何かがこの曲用の何かに切り替わる感覚が身体中を巡る。

スッと意識がこの曲に持っていかれる。

 

「「「「「「「!!!???」」」」」」」

 

~♪~♪~♪

 

 

8X―・・・・・・・・

 

 

~♪~♪~♪

 

 

 

曲が終わり最後の決めポーズから素の体勢に戻る。

意識が外に向かい、元の自分に戻って行くような感覚。

 

「ふぅ・・・っと、こんな感じですが、どうでした?」

 

袖をもとに戻しつつトレーナーさんに問いかけて近付いていく。

トレーナーさんの目尻から頬に掛けて涙の跡が見えた。

え?泣いていた?

 

「・・・あっ、あぁ、そうd」

 

「「「「「「「うわぁぁぁぁっ!!!!」」」」」」」

 

パチパチパチパチパチパチパチッ

 

トレーナーさんの声を断ち切って、

周りから大音量の歓声と拍手が巻き起こった。

 

「す・・・凄いですっ。感動です!感激です!ううぅぅ、未央ちゃん、これ夢じゃないですよね?

 騎士さまが私の目の前で踊っていましたよね?ああ・・・生まれて来て本っ当によかったですっ!!」

 

「しまむー、それはちょっと言い過ぎ・・・って言いたい所だけど、今の見ちゃうとねぇ・・・

 いやぁ、まさか目の前であの騎士様のダンスが見られるなんてほんとに夢のようですなぁ。

 こりゃ明日、学校で自慢だね」

 

「これが・・・トップアイドル・・・【全知全能】と言わしめた人の・・・踊り・・・」

 

「私の曲で、私の踊りなのに・・・完全に別物・・・聞こえてくる音すらも別物に聞こえちゃうくらいに・・・」

 

「さっすがお兄様!!いつ見てもカッコいい♪はい、う~わぎ~」

 

「ありがとう、志希。皆様、ご静聴ありがとうございました」

 

お礼を言いながら、四方へお辞儀を繰り返す。

更に拍手は大きくなった。

ふとトレーナーさんを見ると一瞬だが深呼吸をしていた様に見えた。

 

「ふぅ・・・やはり実物で見るのと聞くのとでは大違いだな。

 今まで色々な人の動きを目にしてきたが、

 聞きしに勝るものだった。【全知全能】とは正に・・・だな。

 是非ともこいつらの指導に当たって貰いたいくらいだ」

 

「まぁ僕も僕の仕事がありますからね、さs・・・え?」

 

気が付くと、俺とトレーナーさんの周りには人が集まっていた。

 

「騎士さまに指導をして貰えるんですかっ!?」

 

「いや、あの・・・だかr」

 

またか・・・

 

「にゃー、卯月ちゃん達だけずるいにゃ!!」

 

「「そうだそうだ~」」

 

ヒートアップしてきてしまった。

 

「とりあえずみんな落ち着いt・・・」

 

やんややんやと騒ぎ出す面々。

 

「はぁ・・・お前たちっ!!いい加減にしないかっ!!」

 

トレーナーさんがピシャリと怒号を発する。

 

「一ノ瀬に指導しないかと言った私に責任はある!

 だが・・・それでも早計すぎだバカどもっ!!一ノ瀬は他プロのアイドルなんだ。

 そんな事出来る訳が無いだろう!もっと良く考えてから発言をしろ!まったく・・・」

 

先程とは打って変わって静まり返る室内。

 

「ううぅぅ、ごめんなさい・・・興奮しすぎちゃいました・・・

 そうですよね・・・でも、残念です・・・」

 

「確かにその通りにゃ・・・ごめんなさい騎士さん・・・」

 

「ま・・・まぁ、私はわかってたけどね(声に出してなくて良かったぁ・・・)」

 

「美嘉ちゃん・・・内心残念って思ってるでしょ~?にゅふふ~」

 

「ギクッ」

 

「さっき言いかけましたが僕にも僕の仕事があります。

 ただ、今回の仕事の関係上、こちらにお世話になる事が多くなるので、

 タイミングが合えばできなくは無いかなぁ・・・とは思うんです」

 

「一ノ瀬、最初に言い出した私が言うのもなんだが、あんまり甘やかすなよ?

 そんなだから妹を制御できないんじゃないのか?」

 

「うぐっ」

 

痛い所を突かれてしまった。

 

「まぁ、妹も居ますし、顔出せるときは出しますよ」

 

「そうか、本人がそう言うのならそれはそれで良いだろう。

 良かったなお前たち、憧れの人が教えてくれるそうだぞ」

 

「「「「やったーーーーー!!!!」」」」

 

「キシ、それはワタシ達も教えてもらえるのでしょうか?」

 

「時間が合うようなら、レッスン開始の時間を連絡してもらうようにしますよ」

 

「ただし!!教えると言ったからには一ノ瀬・・・しっかりとやってもらうぞ?」

 

「もちろんです」

 

「お兄様に教わっちゃうのか~・・・ただその時は志希ちゃん居ないと不味いかもにゃ~」

 

「「「「えっ?」」」」

 

志希からなんとも言えない感じの言葉が出た。

その台詞に対しざわつく間も与えず、

 

「ではそんな騎士さんと月夜さんにこちらをプレゼント致しましょう」

 

「あっ、えっと、貴女は・・・」

 

「あ、申し遅れました。私は346プロ、シンデレラプロジェクトの事務を担当します。

 千川(せんかわ)ちひろです。よろしくお願いしますね?騎士さん、月夜ちゃん」

 

丁寧に頭をさげる。

346プロ既定の制服なのか定かではない緑のジャケット。

おさげと言うかポニーテールと言うか、

サイドポニーと言うのか取り敢えず微妙な位置から一つに束ねた髪型。

どことなく何か不思議さを持って居そうな印象を受けるにこやかな笑顔。

そんな千川さんが俺の前に手を差し出していた。

その手の中には、千川さんの名刺と、入所許可と書かれたカードがあった。

良く見ると、入所許可の方には俺の名前が入っている。

 

 

「こちらは346の入所許可証です。(はなぶさ)様のご依頼により申請をさせていただきました。

 次回からは346にお越しの際には受付にてこちらを提示してください。

 受付の手続き無しでお好きな時にお好きな場所へ出入り可能です。

 ただし、後程顔写真を撮らせて頂きますので、ご用が終わりましたら同行お願いしますね」

 

そう言ってカードを手渡された俺達。

現状、特に用も無かったのでレッスンルームに来ていた面々に挨拶をし、

そのまま千川さんに着いて行き、許可証用の写真を撮りに行った。

移動中、『ブルーナポレオン』の面々に握手とサインを求められたり、

撮影の際、カメラマンにツーショット写真をお願いされたりした。

 

久々の大きな仕事に胸が躍っている。

【全知全能】の時には感じなかった何かがそこにはあった。

半智半能(ちゅうとはんぱ)】になってから、

人生がかなり楽しいものになっている事を実感している。

このまま【半智半能(ちゅうとはんぱ)】で生きていけば、

人生を謳歌できるんではなかろうか?

 

こりゃ、次回からタイトルは『【半智半能(ちゅうとはんぱ)】になった俺がアイドルになって人生を謳歌していく』に変更か?

 

これから楽しい日々になりそうだ。




最後まで読んで頂き誠にありがとうございました。

次回、タイトルは変わりませんのでご承知置き下さい。
また次話投稿まで今しばらくお待ちください。

では、このあたりで失礼致します。
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