【全知全能】になった俺がアイドルになって人生を謳歌していく   作:PL.2G

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ご無沙汰しております。
色々迷走しておりましたが、素直にこちらを超絶ゆっくりと連載していく方向で決まりました。




幕間 ~半知半能から全知全能へ From half to full~

 346とのコラボライブから12日が過ぎた今日この頃。

 俺はと言うと、割といつもと変わらぬ日常を謳歌していた。

 

「おはようございまして~・・・」

 

「おはよう・・・って、今スゴイ寝ぼけてるって自覚あるかな?」

 

「でして~・・・すー」

 

 起きてきて挨拶したと思ったらソファーで寛いでいる俺の膝の上に乗って蹲り寝息をたてる少女。

 先日、志希が攫ってきて何故かそのままうちに居座る事になった依田さん()の芳乃さんである。

 コラボライブが終わったら依田さんの今後について話し合おうと思って居たのだが、計ったかのようなタイミングで来た社長(あほ)からの電話連絡。

 

『お前んちに一緒に住んで居るらしいよしのんだけどさぁ、来週ぐらいから8723プロ(ウチ)の新人ってことでデビューさせっから、そこんとこよろしく!!』

 

 これで通話が終了、俺は一言も発することが出来なかった。

 いつの間に英雄(あいつ)は芳乃さんの存在を・・・

 

「私が(たける)さまにお願い申し上げまして~・・・でして~・・・スゥ・・・」

 

 それだけ言うとまた眠ってしまった。

 前々から思っていたけど、芳乃さんって人の考えが読みとれるのではないだろうか? だとすると色々とまずいんだが、今はまぁ良しとしよう。

 

「あぁ~っ!!!!! ずるいっ!!!! 志希ちゃんも志希ちゃんも~!!!」

 

 そう言って飛びついて来たるは義妹の志希である。

 

「おはよう志希」

 

「んゅ~♪おはよ~お兄様ぁ~ん・・・よいしょっっと・・・あはぁ・・・ふにゅ~ん~♡」

 

 俺の膝上から芳乃さんをずらし、左ももの上にうつ伏せて額を乗せ、そのまま高速で首を左右に振る。

 志希の長い髪の毛が、遠心力で俺の顎や顔を掠める。

 

「見てわかる通り俺はコーヒーを飲んでるんだが?それをやめてくれないかな?」

 

「ん~? お兄様にそんな気遣いは不要で無用で無意味で無駄だと思いま~す。んぁ~ん♪イイにほひ~♡」

 

 相も変わらず平常運転の志希だった。

 確かに、【()()()()】であるこの俺にそんな気遣いは不必要である。

 今の俺を物理的に邪魔できるモノなんてこの世に存在しない。

 

 ん? あぁ。言わんとしている事がわかるよ。

()()()()】はどうした? ってことだろう? 

 結論から言うと、俺は別に【半知半能】になんてなっていなかった。

 

【全知全能】の力によって無意識的に生み出された新たな【力】。

【抑制力】が俺に働いていただけだったのだ。

 その【抑制力(ちから)】によってもともと制限付きであったにも拘らず【全知全能(ちから)】は更なる制限を受けた。

 

 あの交通事故が起きた時、おかしいと思った人が何人も居ることだろう。

『【全知全能】のクセに車如きで傷を負うなんて』・・・と。

 そう、実際在り得る筈が無いのだ。

【全知全能】を持ってすれば、例え10tオーバーの金属の塊に時速300kmで突っ込まれようが、

 ジャンボジェット機が頭上からマッハ3で降って来ようが、核弾頭が直撃しようが【全知全能】の前には無意味だ。

 

 あの時の話をしようと思う。

 

 あの時俺は、志希を助けたい一心で【全知全能】の力を全力(フル)で使用した。

 それにも係らず、俺は傷を負った。

 

 何故か? 

 

 それは我武者羅に全力(フル)で使用してしまった所為で、力の加減・制御が意識的に()()()()()()・・・

 

 志希を()()()()()()()()()()()()未来が見えた。

 

 俺はそれに恐怖し、阻止すべく志希を掴む瞬間に、制御が出来なくなった力を無理やりに押さえつけ解除を試みた。

 その結果が()()である。

 例えば、高回転しているタービンを、急に止めるとどうなるか? 

 モノにもよるかもしれないが、大体が直前までの回転運動の力に引っ張られ、止めた個所、モノに対して過剰な負荷をかける事になる。結果、最悪破損だ。事故の時にそれが俺の身体に起こり、多大な負荷をかける事になった。

 意識が朦朧としている状態で先程の事を思い出し全知全能と言う力に対しての恐怖が加速度的に増加していった。

 疎遠となっていた【恐怖】と言う感情に抗う事が出来ず、それが【抑制力】と言う形で全知全能に枷を掛けた。

 

 では、今回何故【全知全能】の力が戻ったのか? 

 いや、正確には【抑制力(きょうふ)】はどうなったのか、だ。

 

【抑制力】が働いていた所で、事の発端である()()()()()という事象が発生しうる事態が起こるなら、必然的にそれを回避しようと防衛本能として【全知全能】は動きだす。

 故に【抑制力】における無意識下の力の制限を解除する事になる。それが楓さんの前で行われた、俺への事象。

【全能化】による身体への発熱と痛み。

【全知化】における脳の活性による頭痛とフラッシュバック。

 周りからすれば数秒の話だったが、俺はXX年分辛い思いをした。

 しかし、【全知全能】が元に戻れば後は簡単な事だった。

 全ては【全知全能】の名の下に、思った通りに全ての出来事は進む。

 

 例え、俺の手元に照明の制御装置が無くとも、

 例え、俺の身体にマイクが付いていなくとも、

 例え、人の何十倍も重い物が頭上に落ちようとも、

 見た事も聞いた事も無い事をいきなりやってみろと言われようとも、

 目の前で愛しい人が息を引き取っていた事実があったとしても、

 その一切合切をもろともしない。

【全知全能】に不可能の文字は無い。

 

 故に【全知全能】

 

 まぁ、タネがわかれば何てことない。

 

 これが一連の話である。

 

【全知全能】が今まで通りと言う事で、また空しい生活が始まってしまう()()()()()()()()、そんな事を感じさせない程度にこの4か月間は謳歌できている・・・と思う。うん、思う。

 

 しかし発見はあった。

 今回の出来事は俺を成長させうる出来事になったって事だ。

 俺は【全知全能】を持ってしても成長の存在を確認することができた。喜ばしい事である。

【全知全能】の俺に目標が、また一つ生き甲斐が出来た。

【全知全能】の俺は人生を謳歌するために【全知全能】を制御しきって、【全知全能】すらも自分の楽しみの為の道具にして見せる。

 俺は【全知全能(おまえ)】に一泡吹かせてやると心に決めた。

 

「あっ、お兄様が珍しい顔してるっ!!」

 

「ん?」

 

 そんな事を考えつつ不思議な事を口走る志希の髪を撫でながら、これから始まる出来事に胸をふくらませるのだった。

 

 

 

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最後までお読みいただきありがとうございました。

※少し訂正しました。
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