黄昏の館の用務員   作:アリオス@反撃

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第1話

黄昏の館、【ロキ・ファミリア】の拠点である。まるで城のような外見をした建物で、中もバカみたいに広い。そこには、洗濯、食事、掃除、洗い物、他にも古くなってるところの補強などを全て一人でこなす小人族の女性の用務員がいた。

 

「………ふぅ、おわりっ」

 

今日も掃除をしていて、たった今終えたところだ。床はもう何年も使ってるのに新品のように輝き、自分の顔が映るほど綺麗に磨かれた窓、クモの巣一つない天井、帰ったらいの一番に飛び込みたくなる各部屋のベッドと布団、舐めても良いと思えるほどピカピカに光沢を放つ便器、完璧に掃除を終えられていた。

 

「おー、お疲れさん、ルイたん」

 

「ロキ様。お疲れ様です」

 

微笑みながらルイはおかっぱの頭を下げた。

 

「いつもいつも悪いなぁ。毎日新品みたいにしてもろて」

 

「いえいえ。これが私の仕事ですから。それに、家事は私も楽しいですし」

 

「そか。そういえば、もう少しでみんな帰って来るで」

 

「本当ですか⁉︎」

 

「うん。そやから、今日くらいは休んで……」

 

「では、お風呂にお湯貯めて来ますね」

 

「う、うん……」

 

小走りに大浴場へ向かうのを、複雑な表情でロキは眺めていた。

 

 

 

×××

 

 

 

お風呂の準備が終わり、続いて台所へ。ご飯を炊き始めて、食材を出していつでも調理に取り掛かれるように準備を始めた。

一通りこなした所で、玄関が開く音が聞こえた。エプロンを外して、駆け足で玄関まで行った。玄関には、遠征から帰って来た【ロキ・ファミリア】の面々がいた。

 

「お帰りなさい、皆さ」

 

「ただいまああああああああ‼︎」

 

ティオナがルイの胸に飛びついた。

 

「きゃっ、もうティオナちゃんったら、甘えん坊なんだから……」

 

「お母さ、ルイさーん!」

 

「はいはい、お母さんですよー。皆さんもお帰りなさい」

 

軽く流しながら、全員に挨拶した。それに、全員挨拶し返す。

 

「ただいま、ルイさん」

 

「ルイさん、ただいまー」

 

「ただいまです、ルイさん」

 

「帰ったぞ、ルイさん」

 

「はい。お風呂出来てますから、入って来てください」

 

「はーい!」

 

そう言うと、まずは女性陣から風呂場に向かった。ルイは他のメンバーの出迎えも済ませると、台所に戻って飯の準備を再開。

サクサクと料理を作り、皿に盛り付けて行く。そこで、ようやく女子組の風呂が終わった。

 

「ふぅー、良いお湯だったー」

 

「あ、ルイさん。料理運ぶの手伝いますよ」

 

「ティオネちゃん、ありがとうございます」

 

「あ、私も手伝います」

 

「私もー」

 

などと、ゾロゾロと風呂から上がったメンバーが集まって来る。

 

「ありがとうございます。でも、皆さん遠征から帰ったばかりで疲れてらっしゃるのですから、これくらいは私がやりますよ」

 

「え、でも……」

 

「大丈夫ですから、皆さんは座っててください。でも、つまみ食いはダメですよ。食べるのはみんな揃ってからです」

 

そう言われて、全員渋々座った。待ってる間に運ばれてくる料理。

男性陣が帰ってくる頃には全部運び終えていた。

 

「……おや、待たせてしまったみたいだね」

 

言いながらフィンは席に着いた。続いて、ベートやガレス、ラウルといった男性陣も座った。

 

「では、いただきましょうか」

 

食べ始めた。

 

 

 

×××

 

 

 

アイズが食べ終える頃には、一緒に食べていたはずのルイの姿はなくなっていた。

どこに行ったんだろう、と思いながらも食器を片付けに行くと、ルイは洗い物をしていた。

 

「ごちそうさまでした」

 

「アイズちゃん、お粗末様でした。美味しかったですか?」

 

「うん、美味しかった、よ」

 

「良かったです。あ、食器は流しに出しておいてください。洗っちゃいますから」

 

「あ、うん……わかった」

 

アイズは言われた通り、食器を流しに出して【ステイタス】を更新する為にロキの部屋に向かった。

 

 

 

×××

 

 

 

ステイタスの更新を終えて、自分の部屋に戻る途中、風呂場の前を通った。中からキュッキュッと音がするので、中を覗いて見ると、ルイがお風呂を洗っていた。

 

「…………」

 

忙しそうだったので自室に戻ろうとすると、「アイズちゃん」と声を掛けられた。

 

「どうしました?」

 

「あ、いえ……音がするなぁと思って……」

 

我ながらそのまんま過ぎる理由だと思った。

 

「今日はみなさん、お疲れの様子で帰って来ていましたから、その分汚れが溜まってると思いまして。今日のうちに掃除しておこうと思ったんです」

 

「…………」

 

「……にしても、アイズちゃん。随分と身体痛んでますね」

 

「えっ?」

 

「後でマッサージしてあげますから、お部屋で待っていて下さい」

 

「あの、なんで、分かったんですか……?」

 

「そりゃ分かりますよ。家族ですから」

 

「…………」

 

ホントに母親みたいな人だと思った。

 

 

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