この素晴らしい占星術師に祝福を!   作:Dekoi

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今回も色々と謝らなければならない話で申し訳ありません
あと、今回も駄文ですのでお気を付けください

カズマかユタカか、どっちにするか悩んだらこうなりました。
ご了承ください


第16話 冬将軍

「…………金が、欲しいっ!」

 

いつものギルドでカズマが呻いていた。どうやらカズマたちの借金は無事に返せなかったらしい。そして、その借金のことでカズマとアクアが言い争い、言い負けたアクアが泣きつく光景も、俺もギルドにいる連中も見慣れたものである。もっと面白いことでもしてくれないだろうか。それか、コントをやらないなら早く話を進めて欲しい。

 

にしても、この強敵揃いの冬でも依頼を順調にこなしているなんて素晴らしい冒険者の鏡だ。流石の俺でも、この時期は自重して宿屋の手伝いに勤しんでいるのに、なんとも頭が下がる思いだ。尊敬できることだ、胸を張れよ。

 

おや、俺の言葉にカズマが拳を強く握り震えているが、そこまで嬉しかったのだろうか。それならもっと言ってあげた方がよかったか。それか、応援でもしてほしかったのだろうか。頑張れ、頑張れっと。

 

「……今日は珍しく機嫌が悪そうですが、大丈夫でしょうか?」

「…………ちょっと不快なことがあったので気が立っているだけです。気にしないでください」

 

まったく、ミツルギたちに限ったことではないが、そういったことに盛るのであるなら、それ専門の宿屋でやってほしいものだ。今回は俺が悪戯でそういう風に仕組んだが、うちのような一般の宿屋はそういったサービスは付いていないんだから、そっちに行って思う存分盛ってほしい。せめてうちの宿屋でヤルにしても、俺が気恥ずかしい思いをしないように換気をするなり自分で掃除するなりはしてほしい。

 

 

 

 

 

で、なんで俺はカズマたちのパーティーに呼ばれたんだ?依頼をこなす為なのはわかるが、どんなことをするかの説明くらいはしてほしいんだが。

 

「ああ、それなんだがいいクエストが見つかってな。そのモンスターの情報を聞く限りユタカのスキルが重宝しそうだったから呼んだわけだ。今回の報酬はまず、俺たちのパーティーとユタカの二つで山分けだ。その後で俺たちの分は俺たちで分けるから、報酬の量は心配しなくていいぞ」

「……それでしたらこちらは多く報酬がもらえるのですがいいのでしょうか?借金もありますし、私は全員での山分けでも大丈夫ですよ?」

「いいんだよ、今回の依頼はそれだけユタカの働きで稼ぎが変わるほどなんだからな」

 

……そこまで変わるほどっていったいどんな依頼なんだろうか?

 

「それなんだが、どうやら雪精の討伐って依頼何だが、話を聞く限りだと小さくてすばしっこいからあの重力を使うスキルがあると楽になりそうだろ?」

 

…………ああ、なるほど。

 

 

―――――――― 

 

 

雪精。一匹倒すごとに半日春が早く来ると言われているモンスターで、一匹倒すごとに10万エリスという破格のモンスターだ。大きさは手のひらほどで普段は雪深い雪原に生息しており、攻撃されると素早い動きで逃走するってところか。

 

「ユタカ!そっちに追い込んだから全部捕まえてくれ!」

「…………了解、『コンプレスグラビティ』ッ!」

 

カズマの誘導で集まってきた雪精の集団に重力を掛け、動きを遅くする。その後、カズマやダクネスが剣で倒すという作戦だ。めぐみんはもっと多くの集団が集まってきたときに爆裂魔法を使わせるように待機させている。アクア?虫網持って追いかけ回していて協調性のかけらもない。あとダクネスよ、せっかく動きを遅くしているのに、剣が全く当たっていないのは気のせいか?

 

「…………それにしても、一匹10万エリスとか美味しいのに、何で誰もやろうとしないんだ?」

 

まったくではあるが、こういった美味しい話には何らかの裏があるはずだ。少なくとも、俺がキャベツの監視をやっていた時の報酬が50万エリスなのだ。それがたったの五匹倒すだけで追いつくとか胡散臭いにもほどがある。どうせ、なんか強いモンスターか不思議な現象でも起こるからだろうか。

 

「……ん、出たな!」

 

ダクネスが大剣を構え、顔がドMの状態の時に現れる上気した笑みを浮かべていた。なんだと思った瞬間、突如、雪煙が現れた。カズマが慌てているということは、敵感知でもいることが分からなかったレベルなのだろう。とりあえず、戦闘態勢は取っておいた方が良いだろう。

 

「……カズマ。なぜ冬になると、冒険者がクエストを受けなくなるのか。その理由を教えてあげるわ。」

 

……あん?どういうことだ駄女神。弱いモンスターが冬眠して手強い奴だけ動き回るからじゃないのか?

 

「あなたも日本に住んでいたんだし昔から、この時期になると天気予報やニュースで名前くらいは聞いたでしょ?雪精の主にして、冬の風物詩とも言われている……」

 

……この時期で天気予報にニュースで出る名前?木枯らしは違うだろうし、吹雪とかのことだろうか?…………駄目だ、推測がつかん。雪崩の可能性かと思ったがダクネスが剣を構えている以上、それも違うだろう。いったい何なのだ?

 

 

 

「そう。冬将軍の到来よ」

 

 

 

……………………………………はぁ?なんで冬将軍がここに……本当に冬将軍じゃねぇか!?てか、日本特有の甲冑に刀を持っていやがるし。なんでこんな存在がここにいるんだよ。

 

「ああっ!?わ、私の剣が…………!?」

 

ダクネスが冬将軍と闘っているうちに、何か知っていそうなアクアの話を聞いておこう、なんかもう、アホらしくて頭が痛い。

 

 

で、あの冬将軍、というより冬の精霊に限らず精霊の類は元々決まった実体を持たない。出会った人々の思い描いた姿を取るらしい。で、冬の精霊は危険な冬に出かけるような馬鹿は基本いなくて出会うこと自体が珍しかったらしい。…………日本から来たチート持ち以外はと付くが。

 

「……つまりこいつは、日本から来たどっかのアホが、冬と言えば冬将軍みたいなノリで連想したから生まれたのかよ!なんて迷惑な話だ!」

 

本当、まったくだよ。なんでそんな連想をしちゃったんだよ。というか冬だから冬将軍を思い浮かぶ当たり、どこかズレている奴なのだろう。

 

「カズマ、聞きなさい!冬将軍は寛大よ!きちんと礼を尽くして謝れば、見逃してくれるわ!DOGEZAよ!DOGEZAをするのよ!皆も武器を捨てて早くして!ほら、謝って!皆も早く謝って!!」

 

…………うわぁ、あの駄女神、何の躊躇もなく土下座しやがったぞ。普段の神としてのプライドとかないのだろうか。

 

とはいえ、ここで突っ立ったままだと俺も巻き込まれそうだし、土下座がいったい何なのか、知らないふりをしつつ顔を雪に伏せた。冷たい……

 

 

……あの、ダクネスよ、なぜ武器も捨てずに突っ立ったままなんだ?あ、いつものドMですかそうですか……。流石に『コンプレスグラビティ』を使って倒させると攻撃判定になりそうだから俺は何もせずに大人しくしておこう。どうせカズマがツッコミみたいに止めに行くし。

 

「おい何やってんだ、早くお前も頭下げろ!」

 

あ、やっぱり行ったか。まぁ、カズマがダクネスを止めているし、このまま終わりそうだし大丈夫かな……

 

…………なんで冬将軍は剣を構えたままなんだ?少なくともカズマもダクネスを押さえつけつつだが頭を下げているし…………!あいつ、剣を持ったままじゃねぇか!

 

「カズマ、武器武器!早く手に持っている剣を捨てて!!」

 

カズマも気づいたか、これでだいじょ、うぶ…………

 

 

カズマ、何で頭がなくなっているの?何でカズマの頭が空を飛んでいるの?何で赤い液体が零れだしているの?なんで、カズマのからだがたおれていっているの?

 

なんで?

 

なんで?

 

なんで?

 

 

 

 

 

 

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで

 

 

「ユタカしっかりして!今頭を上げちゃだめだから!」

 

 

 

あ、れ?おれ、こんなにしんちょうたかかったっけ?さっきまでかおをつけていたしろいのが、ちかづいて―――――――――

 

 

 

 




女の子は満面の笑みや悪戯したような笑顔もいいけど、泣き顔や目が死んでいる表情も素敵だと思うのは間違っているでしょうか?
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