この素晴らしい占星術師に祝福を!   作:Dekoi

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今回もグダグダとした駄文です。
申し訳ありませんが、ご注意ください。
多分次回あたりで2巻の内容は終わります。

今更ですが、この小説は書籍版をベースにして所々アニメ版やオリジナル展開を入れた形になっています。
ご了承ください。

それと、なんでまたランキングに上がっているのでしょうか(白目


第22話 デストロイヤー襲来1

『デストロイヤー警報!デストロイヤー警報!機動要塞デストロイヤーが、現在この街へ接近中です!冒険者の皆様は、装備を整えて冒険者ギルドへ!そして、街の住人の皆様は、直ちに避難してくださーいっ!!』

 

そんな発令が街の中で響いていた。無論、宿屋の自室で己の欲について頭を抱えていた俺も、例外でなく聞こえるほどだった。つーかアレ、俺が偵察した時はまだまだ遠くで、進路もこの街とは関係なかったはずだぞ。急に変えたってか?街に帰る冒険者でも追跡したのだろうか。

 

ともかく、あの存在が来るのなら、この街の住人を逃すくらいの時間稼ぎはしなくてはいけないのだろう。商人一家を逃す時間くらいは稼がないとな。急いでローブを羽織って、宿屋を早足で駆け抜ける。

 

……ところで、なぜ商人一家も武装の準備しているんだ?え、逃げろよ、昔はともかく今はただの住人だろ。

ミツルギと闘ったら血が騒いで昔の勘が取り戻せたから?知らんよお爺ちゃん、はよ逃げろ、いや剣と鎧を持ってくるって違うから!お婆ちゃんも止め……あの、そのごっつい手甲はなに?お婆ちゃんアークプリーストだよね?え、お兄ちゃんは行ったんだから、はよいけ?アッ、ハイ。

 

 

 

 

ギルドではすでに大多数の冒険者が集まっていた。装備もいつものとは違った重装備で構成されている。しかし……男、多いなあ……

 

「お集りの皆さん!本日は、緊急の呼び出しに答えてくださり大変ありがとうございます!ただいまより、対機動要塞デストロイヤー討伐の、緊急クエストを行います。このクエストには、レベルも職業も関係なく、全員参加でお願いします。無理と判断した場合には、街を捨て、全員で逃げることになります。皆さんがこの街の最後の砦です。どうか、よろしくお願い致します!」

 

ギルドのお姉さんがそう声を張り上げ、他の職員が酒場のテーブルを寄せ集めた即席の会議室を作っていた。

 

「それではお集りの皆さん、只今より緊急の作戦会議を行いますので、各自席に着いてください」

 

はいよ。とりあえず知り合いの近くが良いが……げ、カズマの近くじゃん。昨日のことをあまり誤魔化せてないし、今はカズマとは話したくないんだが、しぶしぶ近くに座る。今こいつら以上に知っている奴いねえし。

 

「さて、それでは。まず初めに、現状の状況を説明させていただきます。まず、機動要塞デストロイヤーの説明が必要な方はいますか?」

 

俺は偵察任務で聞いてはいるが、それほど詳しくはない。できれば聞きたい。っと、カズマと他数名が手を上げたか。

 

「分かりました。では時間も押しているため、手早く説明させていただきます」

 

機動要塞デストロイヤー。魔道技術帝国ノイズで開発された、魔法金属で作られし巨大なゴーレム。大きさは小さな城ぐらいで、側面から八本の足が生えており、要塞に蜘蛛脚のような形をしている。

その大きさに見合わず、移動スピードは馬を超えると言われており、素早く動く脚に轢かれたり潰されてたりしてしまうケースがある。

 

また、最大の特徴としてこいつは魔力を防ぐ結界が張られている。そのせいでほとんどの魔法攻撃が無効化される。もしかしたらよほどの飽和攻撃をすれば結界は破れるかもしれないが、こんな初心者たちの街でそこまでの魔法を撃てるのはいない。めぐみんの爆裂魔法ですら防がれるレベルらしいし、貴重な一発を無力化される未来に使うわけにはいかない。

 

さらに、それ以外の弓矢や投石器ではとなると、投石機は馬よりも早く移動する相手のため当てづらい、弓矢も魔法金属で弾かれる。何らかの方法で上空に浮かんで乗り込もうとしても、備え付けのバリスタで撃ち抜かれるか、戦闘用のゴーレムが襲い掛かってくる。

 

 

 

 

…………どんなムリゲーだ。それをこんな街でやろうとしても、正直さっさと逃げろとしか言いようがない。王都とかの連中ならまだ何とかなるかもしれんが、このアクセルの街は初心者しかいないのだ。無理言うなっつーの。

 

「それなら、街の周りに巨大な落とし穴でも掘るとか、」

「やりました。多くのエレメンタルマスターが寄り集まって地の精霊に働きかけ、即席ながらも巨大な大穴を掘り、デストロイヤーを穴に落としたのはよかったのですが……何と八本の脚を使い、ジャンプしました。上から岩を落としてふたをする作戦だったのですが、その暇もなかったそうです」

 

まず、魔法攻撃が効かない時点で『コンプレスグラビティ』による妨害は無理だ。というか仮に効いても、あそこまで巨体だと持って数秒が良いところだ。その後は頭痛による気絶とかでめぐみん以上に邪魔になる。『交信(コンタクト)』で中にいるという人間に話しかけて止めてもらおうかと思ったが、そんな街を破壊するやつが止まるとは思えん。『コメット』も打ち消されるため論外、精々補助程度には使えるだろうか。

 

 

 

俺がそんなことを考えているうちににも会議は難航している。

 

ロープを掛けれるかという問いには速過ぎて無理。デストロイヤーが通れないような巨大なバリケートを造るのはどうだという声には、迂回されて踏み潰された例もあるため不可。

俺も空中からの乗り込みは『ガーディアンサテライト』で防げるんじゃないか?と言ったが、大量のバリスタに狙われて無事でいられるかと逆に問いかけられて口を噤んだ。2,3本くらいなら防げるかもしれんが、10本以上の矢はさすがに無理だろう。人一人に発生する石の量なんぞたかが知れている。

 

「おいカズマ。お前なら機転が利くだろう。何か良い案はないか?」

 

突然、誰かがそんなことを言い出した。確かに何か考えてはいるんだろうが、こればっかりは難しいんじゃないか?

 

……え、アクアならあの結界を破れるかもしれない?いや、魔王城の結界破りは幹部が二、三人いても大丈夫だとウィズが言ってたし、出来ないことはないか?それでも、あの要塞を破るほどの火力なんぞ…………あっ、そういえばいたな。頭がおかしいのが。

 

「そうか、頭のおかしいのが……!」

「おかしい子がいたな……!」

「そうだ、頭がおかしい子がいたんだ!」

 

「おい、それが私のことを言っているのならその略し方はやめてもらおうか。さもなくば、いかに私の頭がおかしいかを今ここで証明することになる」

 

おいやめろ。ただでさえ人が密集しているのにそんな馬鹿なことをするんじゃない。というか、虎の子の一発をそんなことに使うな。

 

「素知らぬ顔でいますが、ユタカもですよ?後でしっかりと聞かせてもらいますからね?」

「………………なんのことですかね?」

 

こいつ、心が読めるのかよ。

 

「しかし、我が爆裂魔法でも、流石に一撃では仕留めきれない……と、思われ……」

 

そういえばこいつ、人前でこんな風に話すのは苦手だったな。ほら、もっといつものように話せ。背中ぐらいはさすってやるから。

 

しかし、お前と同レベルの魔法を使う奴なんぞいないんじゃないか?少なくとも、この街でそんな奴なんぞ―――

 

「す、すみません、遅くなりました……!ウィズ魔道具店の店主です。一応冒険者の資格を持っているので、私もお手伝いに……」

「き、来た!店主さんだ!」

「貧乏店主さんだ!貧乏店主さんが来たぞ!」

「店主さんが来た!これで勝てる!」

 

…………え、ウィズ、そこまで強かったん?魔王幹部とは聞いていたけど、そんなに強い存在だったの?あと、最近は俺がなんだかんだで買っているからそこまで貧乏店主じゃないぞ。

 

「知らないのか?ウィズさんは元は凄腕のアークウィザードとして名を馳せていたんだよ」

「……あ、どうもです」

 

知らない人、ありがとう。とはいえ、これでデストロイヤーの討伐が可能になるな。ほとんどカズマ達だけでやるようなもんだが。

 

「そういえばユタカ、さっきお前が言っていたガーディアンなんとか、あれってどんな奴なんだ?」

「……『ガーディアンサテライト』ですか?あれは対象の周りに石とかを浮かして、対象に危険が生じた際に防衛するだけのものです。今から行う作戦のには役立ちそうにはないのですが……」

 

というかあのネタスキル、芸以外の何物でもないしバリスタとかが相手だと二、三回程度で終わっちまうようなものなんだが、カズマは何を考えているんだ?

 

「……そのスキル、どれだけが対象になるんだ?」

 

…………どういうこと?

 

 

 

――――――――――――― 

 

 

 

いやはや、カズマの考えには毎度驚かされる。

 

確かにあのスキル、『ガーディアンサテライト』は対象を守るためにしか動かない特性上、守るべき対象からある一定の範囲までしか動かない。そのうえ、やることは楔状になって刺したり、鈍器の形状になって打ち返したりするがあくまでやることのほとんどは防衛だけである。おおよそは盾状になって守護するのがメインだろう。実際に使った時も、カエルの舌を刺したこと以外は大体がかばうような動きをするからな。

 

そう、防衛。防衛用のスキルであるはずなんだが……

 

「……まさか、防衛にする対象をこの【アクセルの街】自体にするとは思いませんでしたよ」

 

そう、『ガーディアンサテライト』は対象の身長や体格などから比例した石や岩を召喚する形となる。人一体に召喚される石の大きさは個人差があるが、大体はそいつの身長の三分の一程度だ。

もしその対象が、村や街だった場合は?その結果が俺や他の冒険者の目の前で浮いている巨石や、それに追従する石の群れである。その大きさに口をあんぐりと開けている奴ばっかりだ。

 

おかげで潤沢だった魔力はもう半分近くを切っている。それでもまだ半分残っているあたり、喜ぶべきなのだろうか。

 

まあ、俺の役目はあの石の群れによって、デストロイヤーを迂回させることによる時間稼ぎと、めぐみんとウィズを魔法を当てやすくするための足止めすることが目的だからいいんだがな。あれ、通常は勝手に動くが、俺が操作することも可能だからな。しっかりと妨害していけるといいが。

 

「ユタカー。あんなデカブツ召喚しておいて魔力とかは大丈夫なのか?」

「…………まだ半分は残っていますので大丈夫ではあります。それよりも、めぐみんがものすごい緊張していて危ないです」

 

そう、めぐみんが緊張のしすぎか、軽く目がイッテて怖い。声もいつも以上に震えているあたり、この子がまだ子供なことがうかがえる。

 

「……ふ、ふふふ、わ、私のような天才は、こここんなところで、ししし失敗するわけにはいきませんからね……!」

 

まだデストロイヤーは来ていないんだから深呼吸でもして落ち着け。ほら、吸って―吐いて―。ヒッヒッフー。

 

「って、それ違いませんか!?」

「…………きっと気のせいです。もし聞こえても、それは私なりの冗談です」

「それを女の人が言うのもアレなんじゃないですかね……!」

 

とりあえず軽く緊張は取れたらしいし成功ではあるか。

 

 

 

『冒険者の皆さん、そろそろ機動要塞デストロイヤーが見えてきます!戦闘準備をお願いします!』

 

 

 

とはいえ、あの石は全部が魔力で作られたものだからアクアがやってくれるまでは出番がないんだがなー。直接ぶつけても結界でかき消されるし。

 

なんかアクアとウィズのあたりがうるさいが今はそこまで気にしていられない。めぐみんがまたカタカタと震えだしてきている。

 

「だ、だいじょうび、私は強い。私は強い……」

「…………よしよし、大丈夫ですからね。めぐみんの爆裂魔法はとっても強いですからね」

 

俺が背中をさすったり励ましの言葉を掛けたりしても、耳に入っていないのか、虚ろな目で必死につぶやいている。本当、大丈夫かよ。

 

「来るぞおおーっ!戦闘準備―っ!」

 

ついに来たかデストロイヤー。見えていないと思ったら相変わらずのスピードで街一直線に走ってきている。あそこまで早いと爆裂魔法も当たりにくくなるだろうなー。

 

「アクア!今だ、やれっ!」

「分かったわ、任せてねっ!『セイクリッド・スペルブレイク』ッ!」

 

カズマの合図でアクアが魔法を放つ。五つほどの魔法陣が浮かび上がり、陣からビームを発射した。五つのビームはやがて束ねられ、一つの光の柱となってデストロイヤーにぶつかる、前にあちらの結界に防がれる。デストロイヤーの動き自体は止まっているが、あれだけではダメなのだろうか……

 

「うううううううう……負けるかああああっ!!」

 

おおっ!?アクアがもっと出力を上げた!?より太くなった光の柱に耐えきれなくなったか、デストロイヤーの結界はガラスが割れたようにバラバラに砕け散った。

 

「今だ、めぐみん!ウィズ!ユタカは狙いやすいように足止めしてくれ!」

「……了解!」

 

結界がないなら思いっきりやり放題だ。巨石をデストロイヤーに真正面からぶつける!それでものけ反らず、脚を止めたのは流石である、が、脚を止めただけでも十分なのだ。石の群れを巨大な杭状に変えて、上空から振り下ろす!

狙いが逸れたか、当たったところが蜘蛛の頭っぽいところに刺さった。だが、刺さったのなら、さらに思いっきり突き刺す。突き刺して地面までに埋めさせて固定させる。

 

「…………カズマ、こちらは何とかしました。後はお願いします!」

「よし分かった!ウィズに……おい、めぐみん、いつまで震えているんだ?お前の爆裂魔法への愛は本物なのか?ウィズに負けたらみっともないぞ!お前の爆裂魔法は、あれも壊せないへなちょこ魔法か!」

「な、なにおう!っ?我が名をコケにするよりも、一番私に言ってはいけないことを口にしましたね!!」

 

よし、めぐみんも復活したし大丈夫だろう。俺は……って、もう動き出そうとしやがるか?どんだけ頑丈なんだよ!

 

「…………早く、お願いします!もう押さえきれなくなってきています!」

「分かったから!ほらめぐみん、お前の最高のステージだぞ、ぶちかましてやれっ!」

 

くそっ、巨石で必死に殴りかかっても学習しやがったのか、一本の脚で打ち返しやがる。

 

「「黒よりも黒く、闇より暗き漆黒に」」

 

ちっ、杭状のも抜いてきやがったか!石も衝撃か何かで減ってきているからもう縫い付けられない!

 

「「我が深紅の混交に望み給う」」

 

っ、やっぱりもう無理か。石の群れは消えて、巨石だけで凌いでいるがもうそれも消えるか。

 

「「覚醒の時来たれり、無謬の境界に堕ちし理」」

 

だが、それで十分だ。俺はあくまで時間稼ぎ、詠唱もあと少しだ。それまで……!

 

「「むぎょうの歪みとなりて現出せよ!」」

 

巨石を空中に浮かして叩きつける!これで巨石も消えたが、十分だろう。

 

 

 

「「『エクスプロージョン』ッッ!!」」

 

 

 

同じタイミングで放たれた二人の魔法は、デストロイヤーの脚に容赦なく命中していった。

煙でよく見えないが、あの威力だ。ひとつ残らず粉砕していっただろう。

 

脚を無くしたデストロイヤーは、轟音と地響きと共に平原の真ん中で停止した。

 

 

 




TS発情逆レな話が思いついたけど、誰も得しなさそうだからそっと捨てておこう。

あと、2巻の内容が終わった後のあれ、閑話にするかif編にするかどっちにしようかなーって考えています。
現状としてはif編を少し書く形になると思います。
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