※警告タグを増やしました。そちらが嫌な方はお読みにならない方が良いです。
若干訂正を行いました。
「うぅ……ぐずっ……あ、ありがど……カズマ、あ、ありがどうね……っ!うわああああああああああんっ…………!」
「……………………お爺ちゃん、お婆ちゃん、お兄ちゃん、私、汚されてしまいました……」
「あー……だ、大丈夫かアクア、あまり泣かずにしっかりしろ。あとユタカも人聞きの悪いことを口に出さないでくれ、死んだ目で言うと余計誤解されそうになる。……その、今日はもう帰ろうな、三日の間に五匹倒せばいいって依頼だし今日はいったん引いて装備を整えてからにしよう、な?」
まぁ、俺はまだ冗談を言える程度には平気ではあるがアクアの方はちょっとやばいだろうか?女神として挫折の経験がなかったためなのだろうか。
というかそんなことよりも生臭い体液がきつい。アクアを救出してからと後回しになった分、体液がローブの中にまで入ってきてベタベタするため不快感が酷い。というかローブが思いっきり肌にくっついて動きづらい。早く帰って風呂で洗い流したい。
あと、カズマからの目線がキツイ。俺を見るくらいならアクアを見ろ。あっちの方がグラマラスで露出が激しいんだぞ。俺のようなぺったんこで、ローブで体隠している奴なんぞ見たってつまらないんじゃないか?というか寒気がわくから見るな。
「ぐすっ……!女神が、たかがカエルにここまでの目に遭わされて、黙って引き下がれるものですか……っ!私はもう、汚されてしまったわ。今の汚れた私を信者が見たら、信仰心なんてダダ下がりよ!これでカエル相手に引き下がったなんて知られたら、美しくも麗しいアクア様の名が廃るってものだわ!」
アクシズ教団の奴らならむしろその姿もご褒美として微笑ましく眺めているんじゃないだろうか。あいつらなら少なくともその程度で信仰心は下がったりしないだろう。というかアイツ元気があるな。俺でも結構気落ちするものなんだがな、そこはさすが女神といったところだろうか。
……おい、あの駄女神、カズマの制止も聞かずにまた走り出していったぞ。いくら悔しいからってそんな感情的になるといつか本当に死ぬぞ。それか、まだカエルに通用する技でも残っているのだろうか?
「神の力、思い知れ!私の前に立ち塞がったこと、そして神に牙を剥いたこと!地獄で後悔しながら懺悔なさい!『ゴッドブロー』ッ!ゴッドブローとは、女神の悲しみと怒りを乗せた必殺の拳!相手は死ぬうううう!」
………………あいつは学習能力がないだろうか、そのまま柔らかい腹の肉に拳がめり込み、ゴッドブローの効果はなくなった。
「……カ、カエルって、よく見ると可愛いと思うの。」
あ、また飲み込まれた。俺のスキルだとアクアごとやってしまいそうだからカズマ、行って来い。
「アクアー!またかよおおおおおお!」
カズマ頑張れーアクアを救えるのはお前だけだぞー。
あ、それと、後ろのカエルよ。『ポラリス』は発動しているから二度目も同じ手には引っ掛からないぞ?
「『コンプレスグラビティ』!潰れて爆ぜろ!」
無事にジャイアントトード5匹の駆除が終了した。
―――――――
その後、街に帰ってからは清算をカズマに任せて俺とアクアは真っ先に大衆浴場で汚れを落とした。その後、ギルドでカエルの唐揚げを食いつつ、今後のパーティーについての作戦会議となった。
俺はあくまで臨時で参加しただけなんだから早く宿に帰って休みたいんだが……
「あれね。三人じゃ無理だわ。仲間を募集しましょう!」
それ以前の問題だろうが。今回は運よく依頼達成できたが、装備すら碌に整っていないんだ。準備できるまで他の仕事をしていた方が良いと思うんだがな……。
というか俺もパーティーの一員として数えられているのかよ。
「……一つ訂正してください。三人じゃなくて、二人です。私は今回が初めての依頼と聞いて、臨時で着いてきただけですよ。」
流石にこのパーティーと組む気は一切ない。というか固定パーティーに入る気もない。転生者であることと元男である秘密は隠しておきたい。
おいアクアとカズマ、そんなショックそうな顔はやめろ。俺は事前に言ったはずだぞ。
「……こほん、だがな、仲間ったって、装備もロクにない俺たちと、パーティーを組んでくれるような親切な奴はそうそういると思うか?」
こっちをチラチラ見るな。鬱陶しい。あと、体液まみれになったときにみた気色悪い目線も忘れないぞ。
「ふぉのわたひがいるんだはらなかああんて」
「飲み込め。飲み込んでから喋れ。」
「……口に含んだままですと何を言っているか伝わりませんよ。あと、お口にご飯のカスがついているので動かないでください。」
もっと綺麗に食べろ。色々とほっぺについているから汚いぞ。何度もハンカチで拭きとってはいるが、その度に汚すから面倒だ。子供かお前は。
「この私がいるんだから、仲間なんて募集をかければすぐよ。なにせ、私の最上級職のアークプリーストよ?あらゆる回復魔法が使えるし、補助魔法に――――――」
な げ ぇ よ 。駄女神の冗長な演説紛いに貴重な時間を浪費するな。理解しやすいように短くに話せ。お前の自慢話なんぞ聞きたくない。喋ったときに食いカスを飛ばすな。拭いているこっちに飛んできて汚い。
「――――――分かったら、カエルの唐揚げもう一つよこしなさいよ!」
そう最後に締めくくってカズマの皿から唐揚げを持って行った。
………………はぁぁぁ、流石に今日一番働いたと言えるカズマが不憫だ。仕方ないから俺の皿から唐揚げをアクアにばれないようにこっそりとカズマに移しておく。
「………………ユタカ、本当にごめんな。」
「……気にしなくていいです。私は小食ですので無理して食べたり、食べずに捨てたりするよりかはカズマに渡した方が良いと思っただけです。」
「…………おお……女神は、本当にいたんだな……!ありがとうユタカ……!」
その台詞はそこで幸せそうに唐揚げを食べている奴に言ってあげろ。
―――――――
ジャイアントトードとの死闘……なのだろうか?まぁ、その翌日。『ポラリス』を発動した際にひどく奇妙なものを見つけたため、朝早くからギルドに報告とどんなのか聞きに来た。
「……すみません、ギルドのお姉さん。聞きたいことがあってきたのですが、今は大丈夫でしょうか?」
「はい、現在は大丈夫ですが、どのようなご用件でしょうか?」
「それなのですが……えっと、私のスキルで遠くのものが見えるものがあるのですが、発動した際にひどく奇妙なものが見えたため、とりあえず報告に来たのですが……」
「はぁ……奇妙なものですか。いったいどんなものでしたか教えていただけないでしょうか?」
「それが……その……あそこの草原で、緑の玉の大群が、空を飛んでいて……その……キャベツ、ってわかりますか?そんな感じの玉が空を飛んでいたのですが……」
俺は困惑した顔を変えずに方向を指さしつつ答える。そう、まるでというか、もう見たまんまにキャベツが空を飛んでいたのだ。正直最初見たときは疲れているか夢でも見ているかと思い、宿屋に引き返したくらいだ。念のため見直してみたら、それが現実だったことに頭が痛くなる。
とはいえ、流石にこんなこと話しても冗談と思われるだろう。俺だってキャベツが空を飛んでいると聞いても馬鹿にしているのかとしか思えない。
「……ああ!もうキャベツの収穫の時期ですのでご安心ください。むしろ早期に情報を持ってきてくださりありがとうございます。」
……………………ん!?
待て、俺は今、聞き間違いと思う言葉が聞こえたぞ。この人は何を言ったんだ?キャベツの収穫の時期?
…………キャ、キャベツって空飛ぶものだったのか?
「あら、キャベツのことをご存じないのでしょうか?それなら少々説明いたしましょうか?」
「是非ともお願いします。知っておいた方が対処の際に楽です。」
この世界のキャベツは空を飛ぶらしい。やっぱりあれは俺の見間違えではなくて良かった。理由は判明してないが、味が濃縮してきて収穫の時期が近づくと飛び立つらしい。その後、町や草原を疾走し、大陸や海を越え、最後には人知れぬところ秘境の奥で誰にも食べられず、ひっそりと息を引き取ると言われているらしい。で、どうせ誰にも食べられないのなら美味しく食べてあげましょう、とのことらしい。
…………………ふ、ふふ、ふふふふ、ふざけるなああああああああ!そんな、馬鹿な、話が、合って、たまるかああああああ!…………はぁ……はぁ……
というか、キャベツは美味で経験値が豊富なため食べようなんぞ、もう訳が分からなくなってきた。高く売れるらしいが、捕獲の際に反撃されることもあるため注意って、完全に生物じゃねぇか。もう聞いていて頭痛が酷くなってきた。しばらく宿屋で休もうそうしよう。商人一家に癒されたい……帰る……
「あのー……。その、ギルドからの依頼として、そのキャベツの品質やキャベツの数、移動方向と速さなどを把握しておきたいのですが、その…色々な調査の方をしばらくお願いしたいのですが、よろしいでしょうか?」
「…………ちょっと宿に帰って休養を取りたいのですが――」
「報酬金として50万エリス差し上げますので……お願いしてもよろしいでしょうか?」
「わかりました、何でも言ってください!しっかりと調べてきますのでお任せください!」
拝啓、お父様お母様。異世界でもお金の力は逆らい難いくらい強かったです。
そろそろスティールによるパンツ回なのでしっかりと考えていきたいです。