グレモリー家の次男   作:EGO

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Extra life 07 シドウも時にはふざけたい

ロキを倒してから様々な問題があったが、それもどうにか解決していった。しかし、今は……。

「イッセー!もしかして風邪を引いたの?」

リアスの言葉の通り、イッセーの体調が悪いそうだ。イッセーの両親の手前、大きな声では言えないがこれは悪魔の風邪だろう。俺は経験ないからわからないが、結構辛いって聞いたぞ。

俺がそんな事を考えているうちにロスヴァイセがイッセーの脈を測っていた。

「脈が速いわ。医療機関に相談したほうが良さそうですよ」

「だったら、グレモリー家御用達の病院にだな。リアス、連絡しろ」

「わかりました」

リアスは連絡のために一度席を外し、

「兵藤夫人、冷えピタとマスクってありますか?」

「はい、えっと、確かここに……」

兵藤夫人は冷蔵庫を探して一枚取り出した。俺はそれを受け取り、

「とりあえず貼っとけ」

額に貼り付ける。確かここに貼るとリラックス効果があるとかなんとか。あとはまぁ、貼るならここじゃね?っていう勝手な考えからだ。

「マスクです」

「ありがとうございます」

受け取ったマスクをイッセーにつけ、他のメンバーにもつけてもらう。後でリアスにも渡しておこう。

「あぁ……気持ちいいですぅ~」

リラックス効果はあったっぽいな。俺がそれを確認すると、リアスが戻ってきた。

「連絡が取れました。移動しましょう」

リアスの言葉を聞いて俺はイッセーを担いで転移室に移動したのだった。

 

 

 

 

 

 

 

てなわけで病院に到着。俺が入院しないでお見舞いは初めてかもな。

で、イッセーの状態は、悪魔の風邪とドラゴンの風邪を併発しているらしく、それを点滴で緩和しているそうだが、解熱剤の準備が出来たそうなので注射するそうだ。

その前に俺たちにもワクチンを注射してもらった。と言っても俺たちはただの悪魔だから併発はしない分、安心だ。

俺がそんな事を考えているうちに解熱剤が到着したんだが……。

「……ドクター、なんすかこれ」

俺たちの前には身の丈程の注射器が置かれていた。いくらなんでも冗談かと思ったが、ドクターは真面目な顔で

「お注射です」

と返してきた。つまり、これが本当に注射ってことだ。

「な、なるほど……」

「シドウさん!?納得しないでゴホッ!ゴホッ!」

イッセーが抗議してくきたが、咳を連発していた。やり過ぎると本当に大変だからな。

「大丈夫ですよー。痛いのは一瞬ですからねー」

看護師さんが不気味な笑みを浮かべながら注射器を軽々と持ち上げていた。

「ほら、看護師さんもこう言ってる。大丈夫だって!」

俺が励ますとイッセーは抵抗し始めた。風邪引いてるのに頑張るねぇ~。

「大丈夫じゃないです!そんな量のお注射されたら壊れちゃう!ゴホゴホッ!……くそっ!……いろんな意味で目眩が……」

「まぁ、こういうのはお約束ですから」

ドクターがよく分からないことを言ってあるが、多分そういうことだろう。

「よし、おまえら。イッセーを押さえろ!」

「やめてぇぇぇぇ!」

イッセーはベッドから逃げようとしているが……。

「我慢なさい!男の子でしょ!」

「ゴメンね、イッセーくん」

「耐えろ、イッセー。私に刺されるよりはマシだろう?」

リアスと木場、ゼノヴィアに取り押さえられた。ゼノヴィアのセリフは聞かなかったことにしよう。イッセーはそれでも逃げようとしていたが、朱乃副部長が耳元に息を吹きかけたことで力が抜けたようだ。

「うふふ、イッセーくんにはこれが一番ですわ」

「いい具合にほぐされたみたいですね。さぁ、お尻を出してくださいね」

俺は素早くイッセーのズボンをおろした。男子の尻を見る趣味はないが、今は状況が状況だ、仕方ない。

「もうお婿に行けない!」

イッセーは顔を両手で覆い、そんな事を口走っていた。

「イッセーさんのお尻はとても、か、かわいいです!」

「グッジョブ!」

アーシアとイリナがわけのわからない事を言っていた。本当に何言ってんのこいつら。

「安心なさい。婿ならなんとかしてあげるから!」

なんとかするじゃなくて、むしろリアスがなるんじゃないのか?

俺がそんな事を思っているうちに

「はい、行きますよー」

イッセーの尻に迫る注射器。一応目をそらしておこう。

「い、いやぁぁぁぁっ!」

目をそらして瞬間、イッセーの断末魔がこの病院に響き渡ったのだった。

 

 

 

 

 

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そんなわけで解熱剤を打たれ、安静にしていた。その間、部長たちがナース服で看病してくるたのである意味ラッキーだったのかも……。

「ゴホゴホッ!ゴホッ!ゴホッ!」

前言撤回、辛すぎる。何よりも独りだけってのが辛い。いつもはアーシアと部長の三人で寝ているから孤独を感じてしまう。風邪の影響で魔力が練れないせいか、第六感的なところがざわざわして変な感じがしてならないんだ。安静にして何日か経ってだいぶ落ち着いたけど、まだ復活とは言えないな。

そんな事を考えていると、ドアが開いた。

「イッセー、大丈夫?」

ナース姿の部長が心配して見に来てくれたようだ。部長、相変わらずおキレイです。部長はベッドの横の椅子に座った。

「はい。昨日に比べるとだいぶ楽になりました」

「それは良かったわ。リンゴ剥いてきたから食べなさい」

「ありがとうございます」

部長にあーんしてもらってリンゴを頬張る俺。食欲も戻ってきたところだったので助かります。

部長は笑顔で言う。

「食欲も戻ってきたみたいね。これならもうすぐ回復するでしょう」

「はい、すいません。ご迷惑を……」

「良いのよ。今までイッセーには無理を言ってきたのだから、これくらい何て事ないわ」

部長、本当にあなたの眷属で良かったです!

心の中で涙を流していると、再びドアが開いた。そこにいたのは……。

「イッセー、大丈……」

部長!?え、な、何で!?部長は目の前に……。

俺の横の部長(失礼ながら部長Aで)が言う。

「あら、お兄様、何をしているんですか?まさか!私の姿でイッセーにイタズラを!」

それにドアの前の部長(部長Bで)が怒りながら返した。

「何を言っているんですか、お兄様!ふざけるのも大概にしてください!」

部長Aが同じく怒りながら返した。

「お兄様!私を偽物にするつもりなのですか!?酷いです!」

「私は私だけです!偽物も何もありません!」

睨みあう二人の部長。もうどっちがどっちだか……。

俺が困っていると部長Bが言った。

「こうなったら、イッセー!私の胸に触りなさい!いくらお兄様でもそれは出来な……」

部長Bが言い切る前に部長Aが俺の手を取って自分の胸に当てさせた!服越しとはいえいつもの弾力です!

「私は普通に出来ますわ。狼狽えている隙にイッセーを説得しようとしたのかしら?」

部長Aが挑発するような感じで部長Bに言うと、部長Bもズカズカと部屋に入ってきて空いていた俺の手を胸に当てる!こっちもいつもの弾力!?本当にどっちがどっちなんだか……。

部長Aが言う。

「お兄様!やけになるのはよしてください!イッセーの風邪がぶり返したらどうするんですか!」

部長Aの優しさがすさまじいです!ありがとうございます!それが表情に出ていたのか、

「うぅぅぅ……。私が本物なのに……」

部長Bが瞳をうるうるとさせて乙女モード全開で俺に言ってきた!もしかしたらこっちが……いや、でも……。

部長Aが言う。

「イッセー。私とそっち、どっちを取るの?」

部長Bが続く。

「私がリアスよ!リアス・グレモリーよ!」

くそ!どうすりゃ良いんだ!これでシドウさんを選んだらリアスに怒られるし、シドウさんからも何か言われそうだ。けどどっちがどっちだぁぁぁぁぁ!

「リアス?どうかした……の?」

次に現れたのはナース服姿の朱乃さんだった!下から聞いていれば部長が一人で何かをしていると思っても仕方がない。朱乃さんは俺と同様に二人の部長を見て目を丸くしていた。

「えっと、これは?」

朱乃さんも混乱しているようだ。

部長Aが言う。

「朱乃!私がリアスよね!」

部長Bが続く。

「いいえ、朱乃。あなたにならわかるはずよ。リアスはこっちよ!」

「えっと……」

朱乃さんが返答に困っていると

ピピピピ。

部長Bの腕時計が鳴った。何かのタイマーだろうか。

「あ、ヤバ」

部長Bがそう漏らした。てっことは!?

俺が答えを出すと同時に部長Bは俺と部長Aから離れた。その瞬間、部長B体が光だした!

光が止むとそこにいたのは……。

「あはは……時間切れか」

苦笑いしているシドウさん。服装はジャージ姿だ。

「……………」

涙目でプルプル震えながらオーラを放つ部長。それに呼応するように紅の髪の毛がうごめいていた。こ、怖いっ!

「えっと、その……何かゴメン」

「お兄様のおたんこなすぅぅぅぅ!」

部長はそう言いながら部屋を飛び出していってしまった。

「シドウ様、これは自業自得ですわ」

「許してくれっかな?」

朱乃さんとシドウさんがそんな事を言っていたが、それよりも気になるのが……。

「しかし、完璧でしたわ。リアスの真似」

朱乃さんと同意見だ。本当にわからなかった。

シドウさんは後頭部を掻きながら言った。

「まぁ、妹だからな。真似は出来る」

そう言うと苦笑して部屋を出ようとする。

「リアスに謝ってくるついでにアザゼルに性転換光線銃を封印するのうに言ってくる。いらない混乱を生みそうだ」

「それが良いですわ」

そ、そんな……あれもやり方によっては最強の武器になると思うのになぁ……。

「とりあえず、イッセーは安静にしてろ。なかなか楽しかったぜ」

シドウさんはそう言うと部屋を出ていった。たぶんだけど、シドウさんは部長をからかいたかったんだと思う。

サーゼクス様と同じように妹いじりってのをやりたかったんだと思う。結構強力だったけど……。てか本当にすごいクオリティーでした!

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、俺は無事に回復。例の光線銃は封印され、シドウさんと部長は仲直りしていた。部長が若干不機嫌だったけど、仲良さそうでなによりです!

そこで俺は訊いてみる。

「ところでシドウさん。どうやって仲直りを?」

シドウさんは特に気にした様子もなく、こう返した。

「小西屋のトッピング全盛りうどんを奢った」

それを聞いてわかった。部長もそこまで怒ってなかったってことに。と言うよりは、部長は二人で食事したかったのでは?

「まだ許したわけじゃありません!」

部長はそう言うとシドウさんから顔をそらすようにそっぽを向いた。けど俺からはどこか楽しそうに見えた。

「やれやれ」

シドウさんも溜め息をついたけど顔は笑顔だった。

本当に仲良さそうでなによりです!

 

 

 

 

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サーゼクスはいつもの通りに仕事に励んでいた。グレイフィアもそれを手伝っている。すると

「おや、シドウからメールだ」

「……またですか」

サーゼクスは早速シドウから届いたメールを開いた。グレイフィアもそれを覗きこむ。

『イッセーが風邪を引いたので看病中』

そして映されるナース服姿のリアスの写真。

「グハッ!」

「……はぁ」

再び崩れ落ちたサーゼクスと、溜め息をはくグレイフィア。グレイフィアはそのまま読み進めていくと……。

『まぁ、俺なんだけどな』

「「ッ!?」」

最後の一文に驚愕する二人。

後日、グレイフィアから説教と説明のために呼び出させることをシドウは知らない。

 

 

 

 

 




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