BanG Dream! 〜I Should Have Known Better〜   作:チバ

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Hidden Track

ガヤガヤ、ワイワイ。

人が動く音と、飛び交う声が学校を覆う。

 

「はー…しんど…」

 

思わず声を漏らす。

文化祭なのはいいが…幾ら何でも、人が多すぎるだろう。

俺は今、役員として、来客のガイド等などをこなしている。

 

「後藤くん」

「あっ、はい」

 

呼ばれる。

俺ん呼んだのは、元子役で、現在女優兼バンドマンの白井千聖先輩。

 

「これ、水。ちゃんと補給するのよ」

「あー…はい、わかりました」

「それじゃ」

 

凛々しいながらも、微かに感じる母性に癒される。

 

「しっかし、本当にすごい人だな…」

 

見て少しおののく。

他校からの生徒だけではない。明らかにこの場に似つかない人物もいたりする。

 

「あのー…後藤さん?」

「ん、奥沢か」

 

俺に声をかけたのは、ややローテンション気味な同級生、奥沢美咲だ。

 

「どうした?」

「いやー、名簿が無くてさ。今、手分けして探してるんだけど…手伝ってくれる?」

「ああ、かまわんぞ」

「場所は倉庫の方」

「了解」

 

短く言葉を交わし、俺は倉庫へと足を運んだ。

行き交う人々の間を通り抜けながらも、なんとか辿り着く。

 

倉庫を開けて、中を調べてみる。

すると、少し埃かぶった机の上に置いてあった。

 

「あるじゃんかよ…」

 

もう少し周りを見ようぜ、などと愚痴をこぼしながら出ると、そこに見慣れない、水色の髪をした少女がいた。

 

ここは一般の人は立ち入り禁止。

たぶん、何かの拍子で入ってしまったのだろう。

 

「そこの君、ここは立ち入り禁止だよ」

「あっ、ごめんなさーい。知らなくてさー」

 

その派手な見た目は、少し今井さんにも似ていた。と同時に顔の雰囲気などが誰かに少し似ている気がした。

 

「とりあえず、案内するから。ついてきて」

「おおっ、ナンパかなー?」

「…この腕章の文字わかる?」

「あっ、委員会の方!ならちゃんとした人だね」

 

調子狂う。

ややうんざりと思うと、そこにもう1人、うちの高の女生徒が現れる。

 

「日菜!?」

「あっ、おねーちゃん!」

「保護者の方ですか…って氷川先輩!?」

 

現れた人物に戸惑う。

氷川紗夜。先ほどの白井千聖と共に、学校内の有名人だ。

クールビューティ且つ真面目な風紀委員。その厳しさは指折り付き。

と、そこで少女な言葉を思い出す。

 

「おねーちゃん……ってまさか」

「ええ、この娘は私の双子の妹の氷川日菜です。まったく、あなたって娘は…」

「ごめんなさーい」

 

確かに誰かに似ているかと思えば。

髪の色も同じだし、顔つきもかなり似ている。

 

「世話をかけました。ほら、さっさと行くわよ」

「あーうん。ありがとねー!」

「あ、はいー…」

 

何だったのだろう。

まるで台風のような人だ。

と、腕時計の時間を見る。

時刻は14:00。

 

そろそろか。

そう思い、俺はとある場所まで走っていった。

 

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆

 

 

辿り着いたのは、体育館の裏手。

 

「よっ」

「おおー、敦司。仕事の方は大丈夫なの?」

「ま、大丈夫だろ」

「ま、って…」

 

沙綾と話し合っていると、2人の少女も割って入る。

 

「おやおや、彼氏殿の登場だ」

「お熱いっすねー」

 

いつものようにりみとたえは軽口を叩く。

 

「おっ、来たねー。かすみーん?」

 

有咲も現れると、香澄を呼ぶ。

カーテンから現れたのは、綺麗な赤い衣装を身に包んだ香澄だった。

その美しさに、思わず見とれてしまった。

 

「……あ、ッと…」

「……綺麗だ」

「えっ!?」

「あー…そのセリフはまだ早いんじゃないかな、敦司くんよ」

 

有咲からのツッコミが入る。

確かに、今のセリフはやや結婚式しみていた。

 

「む、そろそろ時間か」

 

りみが壁に立てかけられた時計を見て言う。

すると、5人は急いで円陣を組む。

 

「ついにきたね、この時が」

「文化祭…」

「焼きそば美味かった…」

「自分はたこ焼きっす」

「あんたらね…」

「とりあえず…」

 

3人のコントに、香澄が入る。

 

「悔いを残さないように、楽しんでいこう!」

「いくよーっ」

 

沙綾の声と共に、5人が声を合わせる。

 

「「「「「ポピパ、ピポパ、ポピパパピポパ!!」」」」」

 

そうして彼女たちはステージへと上がる。

ギターを構え、スティックを持ち、鍵盤に触れ、マイクを持つ。

会場には、体育館の限界の人数の人々が。みんな、ポピパの音楽を見に、聞きにきたのだ。

 

『私たち、Poppin' Partyです!』

 

香澄の声に、拍手や歓声が巻き起こる。

 

『ところで、みんなに夢はある!?』

 

香澄からの問いかけに、人々の班のはそれぞれ違った。

 

『私には夢があった。いつか自分を変えて、もう一度人の前で歌うっていう夢が。…それが今、叶っています!』

 

叫ぶ。

歌ではなく、これは言葉。

人々に伝えるのだ。

 

『でも、これで終わりじゃない。私たちには、まだまだ夢がある!武道館でライブをすること、テレビに出ることーーたくさんある!』

 

気がつけば、観客は全員黙って香澄の言葉を聞いていた。

まるで大統領のスピーチのように。

 

『みんなにも夢があるでしょう?だったら一緒に叶えようよ!夢が叶わないより、叶う方が絶対にいい!』

 

歌を歌う前から喉がやられるんじゃないか。

そう思うほど香澄は叫んでいた。

 

「頑張れ、なんて無責任なことは言わない!頑張ろう!私たちと一緒に、夢を叶えよう!」

 

そしてお決まりの、指でピストルの形を手作り、それを構える。

 

「––––––夢を撃ち抜こう!」

 

そして、それを発砲する。

撃たれたように、観客は歓声をあげる。拍手をする。指笛を鳴らす。

 

『聞いてください––––––Yes! BanG_Dream!』

 

そして、沙綾のドラムから音が始まる。

たえがギターをかき鳴らし、りみの低音が心臓を揺らす。それらの音を、有咲のキーボードから発せられる音色が包み込む。

 

そして、香澄がそれらの音をリードするように歌いあげる。

 

 

––––––さあ飛び出そう!明日のドア ノックして!

 

 

––––––解き放つ 無敵で最強のうた!

 

 

そう、今の彼女たちは無敵で最強。

人々ともに、夢を叶える希望の存在。

 

 

––––––BanG! Dream!の名の下に(In the name of BanG! Dream!)

 

 

再び指でピストルの形を作り、構える。今度は香澄だけでなく、メンバー全員…いや、俺も、観客たちも作っていた。

 

そしてそのピストルを撃った。

自ら夢に向かって、一直線に––––––!

 

 

––––––Yes! BanG_Dream!




はい、ここまで読んでくれてありがとうございます!
半年もの間、この小説を続けました。
去年の12月まで、バンドリ作品はこれのみ…それが今となっては原作カテゴリーに追加されるほどに!嬉しいです!
当初は年内に終わらせる気ではいたんですけど…終わりませんでしたね(笑)すいません!
けど、逆にアニメが放映されて、ゲームも配信されて、そこから得たアイディアなんかもかなり多いんです。そう考えると、ああして年内で終わらなかったのは、それはそれでよかったのでは…とも思っています(無責任)
結果的に、こうして終わらせることができてよかったです。
これからもいくつかの掛け持ちしてるバンドリ作品を更新していきたいと思うので、そちらの方でもよろしくお願いします。

最後に、ここまで読んでくれて本当にありがとうございました。
またどこか、別の作品でお会いできたらな、と思います。
それではまた!
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