龍の背中を追いし竜   作:Kurato

16 / 36
こんな早く書き終わるとは(困惑)
誤字脱字には気を付けたので大丈夫だとは思うんですけど…とりあえずどうぞ


16話 カラーギャング

桐生さんと遥ちゃんとの仲直りを上手く果たし、セレナと同じ様に賽の河原を第2のアジトにした翌日

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺は朝早くから電話を掛けていた。

掛けている番号は前に心愛から受け取ったあの電話番号

俺は不安な感じを胸に抱きながら電話を掛けた。

着信音がなる中、ふと桐生さん達の方を見ると何か話している様だ。何を話しているのかと気になったがそんなのはすぐに消えた。電話が繋がった。

 

「もしもし…誰だ?アンタ」

 

電話に出たのは男だった

 

「(なんだ?心愛自身の携帯じゃねぇのか?)」

 

不思議に思ったがそのまま続けた。

 

「俺は黒瀬竜也、南心愛に用があるんだ」

「………ちょっと待ってろ」

「あぁ…」

 

そして2分くらい過ぎただろうか?今度は聞き覚えのある声が聞こえた。

 

「もしもし!竜也くん!」

 

電話越しだと言うのに大きい声で俺はかなりビビった。それにかなり焦ってるように感じた、しかし何故か安心した。

 

「もしもし、心愛か?」

「うん。良かった無事だったんだね」

 

なるほど、心愛が電話に出たとき少し焦ったふうだったのはあの時俺がどうなったかを知らないからか。

 

「あぁ、ぜんぜん問題ないぜ」

 

「(まぁ気がついた半日くらいは顔しかめるほど痛かったがもう今は何ともないしな)」

 

「良かったぁ」

「まぁ俺の心配は良いとして」

「うん…あの話の続きだよね。今日空いてる?」

「あぁ、また港か?」

「うん、大体10時位に、来てくれると」

「OK、じゃあまた」

「うん」

 

そうして電話は終わった。終わった少し後に桐生さんが話しかけてきた。

 

「竜也、お前は何か用事あるのか?ないなら一緒に何処か回らないか?」

「いえ、今日用事入っちゃって…なんでまた今度」

「あぁ…」

「すいません」

「いや、大丈夫だ」

 

そう言って桐生さんは行ってしまった。

 

「(桐生さんホントにすいません)」

 

心の中で何回も謝罪した

 

「(さて、港に10時って事はもうちょいだけゆっくり出来るな)」

 

携帯で時刻を確認してみると8時ちょいだったので、タクシーは公園の近くにあるので、そんなに急ぐ必要はない

 

「伊達さん、俺もうちょいしたら一回出掛けて来ますね」

「分かった。時間掛かりそうか?」

「多分、そんなには掛かんないと思います。もしかして伊達さんの方も何かありますか?」

「一応聞いてみただけだ。俺の方は何もねぇよ」

「分かりました」

________________________

港に着いて時間を確認してみると9時40分くらいだった。

 

「(意外とまだ余裕あったな)」

 

周りを見回したが心愛の姿はおろか俺以外の人は一人も居なかった。

 

「(じゃあ来る前に頭ん中整理しとくか)」

 

俺の感だと桐生さんを探してる人は遥ちゃんが身に付けているペンダント並びに100億とも関係しているはずだ。

 

「(この事の始まりは東城会三代目会長の消えた100億から始まったんだ。そうだ、そしたら桐生さんが神室町に戻ってきて遥ちゃんもこっちに来て…)」

 

「えっ……」

 

俺は自然と声が出てしまった。だからだろう丁度今来た彼女に気付いたのは

 

「ごめん、竜也くん待った?」

 

恐らく急いで来たのだろう。息が少し荒かった。

 

「あぁ、いや大丈夫だ」

「良かった…」

「悪ぃ、今すぐ聞きたい事があるんだ」

「うん、前の話の続きだよね」

「いや、違ぇんだ」

「え?」

「あのさ、確かその人桐生さんを探してるって言ってたよな」

「うん…それがどうかしたの?」

「お前ら、なんか隠してね?」

「え?隠してるって何を」

「俺さ、お前が来る前にちょっと頭ん中整理してたんだわ。そしたら100億事件が始まった途端に桐生さんが神室町に来たっていう事が分かった」

 

そう、俺の疑問点はそんな事件が起きた瞬間に(もしくは少し後に)来たという事。

 

「もし、それらが何も関係ないなら謝る。でも俺には仕組まれてる様にしか思えねぇんだ」

 

ふと心愛を見ると下を向いていた。そしてか細い声で静かに言った。

 

「ごめんなさい、それは…知らないの…」

「そうか…悪ぃな俺も聞いちまって」

「ううん、竜也くんのせいじゃないよ。たまたま計画してから実行するまでに時間かかってたからだと思う」

 

そう言ってまた心愛は顔を下げてしまった。

 

「顔上げろって、別に大した理由じゃねぇならそれでいいよ」

 

別にこの件に関してはある程度裏がとれたらそれで良いと思っていたのでもうこれ以上気にしない事にした。

 

「う、うん…ごめん…なさい…」

 

「(あ、あれ?心愛?泣いてる?)」

 

声がちょっと止まり止まりなのを聞いて、そう思った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

暫く心愛が泣き止まなかったので、10分くらいだろうか、一人にしとくのは色々と危ない気がしたので傍にいて落ち着くまで待つことにした。(本当は飲むと心が落ち着いたりする紅茶などを飲ませたかったのだが、手持ちも何もないこの状態ではどうすることも出来なかった)

 

「もう、大丈夫か?」

「うん、ありがと」

「良かった。じゃあ急かす様で悪ぃんだけど」

「うん、桐生一馬さんを探してる人は風間新太郎さん」

「風間新太郎さんね…え!?風間さん、その人って確か…」

「東城会直系風間組組長…今私はその人に匿ってもらってるの。もしかして竜也くん知ってるの?」

「一応ね」

 

流石に東城会直系の組に匿ってもらってるという情報には驚いたが神室町を歩いている人なら風間組の優しさなどは嫌でも耳に入ってくる。

例えば、風間組のシマでシノギをやってるホストやキャバなどももちろんあるが、みかじめをあまりとらないなど、他には俺もお世話になった養護施設ひまわりの設立者でもある。

 

「そうか、あの人が…」

 

確かにあの人なら桐生さんとも接点があるし、心愛を匿っていてもおかしくはない(あの人の優しさは俺も分かっているため)

 

「ありがとな、言ってくれて」

「ううん、大丈夫だよ。それより…」

「ん?」

「その、竜也くんは大丈夫なの?」

「この前のやつ?」

「それもあるけど、こんなヤクザ間のいざこざに巻き込まれて」

「あぁ、なるほど」

 

そんな事か

 

「別に、俺的には何も思っちゃ居ねぇよ。ただ俺は…」

「俺は?」

「…いや、何でもねぇ」

 

自分でも何が言いたいのか分からなかった。

 

「(まぁ、大した事じゃねぇんだろうな)」

 

「変な竜也くん」

「まぁ、いいや。これからどうすんだ?」

「竜也くんが桐生一馬さんに連絡とれたら言って。でも、風間さんと私の都合で今神室町に居る“シンジ”って男を探して欲しいの」

「シンジ?」

「うん、私と一緒に風間さんを匿ってる人」

「分かった。今はあの人と行動共にしてっから、言うのは直ぐに出来る」

「分かった。じゃあね」

「おう、じゃあな」

__________________________

神室町に戻ってきて時間を見てみるとお昼時だったので、天下一通りの近くにある寿司屋により、賽の河原へと戻った。

 

「伊達さん、戻りました」

「あぁ、竜也か。意外と遅かったな」

「まぁ結構経ちましたね。遥ちゃんは?」

「今寝てるよ。まぁ子供はちょっと寝すぎ位が良いんじゃねぇか」

「ですね。花屋は奥ですか?」

「あぁ、居ると思うぜ」

「『思うぜ』って事は会ってないんですか?」

「まぁ、奴はずっと引きこもってるしな」

 

「(引きこもってるって…まぁそんな感じだけど)」

 

「分かりました。とりあえず行ってみます」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「花屋、いるか?」

「どうした?」

「神室町の情報何かねぇ?」

「どうゆう風の吹き回しだ?急に情報何か求めだして、情報屋にでもなるつもりか?」

「全然、ただ知りてぇだけだよ。まぁ情報つってもどっかの組が動いたとかそうゆうのな」

「なるほどな…だが、生憎まったくと言っていいほどないな」

「そっか、じゃあ寝るわ。何かあったら起こしてくれ。あ、桐生さん来た時も起こしてくれ」

「あぁ、分かった」

 

そう言って外に出た。しかし問題点が一つあった。

 

「さーて、しかし何処で寝よっかな?遥ちゃんと一緒の部屋なんてのはいくら何でも可哀想だし…」

 

そう、寝床だ。流石に河原の一部スペースをアジトにしたのは良いが、現在そこでは遥ちゃんが寝ている。生憎俺にロリコンなんて趣味は無いので、とても困ってしまった。

 

「あ!そうだ、あの人の家があったじゃん」

 

そうして俺はすぐさま移動した。

 

「お邪魔します…あれ?居ないんですか?秋山さん?」

 

そう、俺が言った部屋とは秋山さんの家だ。しかし中を見ると人の気配は無かった。

 

「うーん、まぁいっか。その内帰ってくるだろうし、帰ってきて起こされたら理由を説明すればいいし。」

 

そう思って俺は眠りについた。何故だか猛烈に体が疲れていたようで直ぐに眠れた

___________________________

不意に目が覚めた。

 

「うーん、今何時だ?」

 

携帯で確認してみると18時近くだった。

 

「(秋山さんは…まだ帰ってないか。結構頭も冴えたしもう十分かな。桐生さんもう帰ってきたかな?)」

 

そして外に出ようとした瞬間

 

ドォン!!

 

河原の入口が吹き飛んだ。

 

「なっ!」

 

そこから赤、青、白のジャージを来た集団がゾロゾロと出てきた。

 

「ヒャッハー!!」

「やっちまえ!」

 

入口を爆破させ、ゾロゾロと入ってきた集団は、近くにいたホームレスを襲い始めた。

その光景を見た俺は怒りを抑えられなかった。

 

「てめぇら…何してんだ!!」

 

そう言って俺はすぐさま近くにいた奴を蹴り飛ばす。しかしそのまま気絶だけではすまさない。足を掴みアスファルトに叩き付ける。

 

「一人も、逃がすかよ!」

 

他の連中を見つけ、そのまま後ろ回し蹴りで全員飛ばす。その中でも直撃喰らった奴はもう白目を向いていた。

 

「なんだてめえ!」

 

青いジャージを着た奴が殴りかかってきたが

 

「遅せぇんだよ!」

 

腕を掴み引きつつぶん殴る。普段ならそれで終わりだが、今日だけは違った。

腕を離さず、そのまま殴り続ける

 

ドカッ!ドゴッ!ドゴッ!

 

鈍い音が響き続ける。

 

改めて見ると最早顔の形をちゃんとしているのか怪しいくらいになっていた。

 

「次…」

 

そう言った直後頭への衝撃

 

「グッ!」

 

直ぐに後ろを振り向くと、金属バットを持った奴一人、素手で構える奴が三人居た。

 

「ふぅ…ふぅ…んなもんで簡単に倒れるかよ!」

 

痛みを伴っている頭で金属バットを持っている奴に頭突き、すると奴は堪らず、金属バットを離す。そのまま踏みつけ無効化

 

「個別で行くな!全員でやれ!」

 

そう一人が言うと三人全員で襲ってきた。

 

「はぁ…はぁ…サンキュ、助かったわ」

「なn」

 

一人が反応しようとしたが、出来なかった。もう三人共やられたからだ。

通常、三対一となると一人は何も出来ない。しかし、それは囲まれた場合や例外のケースの時だけだ。

今回の場合、俺の向こうに三人が並んでいる状態で三人が一斉に向かって来た。そうすると全員一斉に攻撃が当てられる訳は無いので、自然とタイムラグが生じる。その瞬間にマシンガンスタイルに切り替え、真ん中に居る奴をアッパーで吹き飛ばし、中心に居たまま自分を軸に回転蹴りを行った。

 

頭に金属バットを受けたせいなのかは分からないが怒りが剥き出しになるのは収まってきた。

 

「(さっきも無駄な怒りで気配感じられなかったしな。少し落ち着こう)」

 

そうして落ち着いた状態で周りを見てみると目の前に一人、ジャージ等ではなく、スーツに似た服装をしてる奴がいた。

 

「(こいつは…怒りに身を任せて勝てる相手じゃねぇな)」

 

直感がこいつの実力を分かっていた。

 

「オマエカ、ヒトリダケヅバヌケテ強いヤツが居るとイッテイタガ」

「カタコトにしては随分喋れんだな」

 

どうやら日本人では無いらしい。

 

「なんでここ襲った?」

「ナゼ、ワタシにキク?」

「おめぇだろ、この襲撃の犯人。まぁてめぇじゃねぇとしてもあのジャージの奴ら仕切ってんのは間違いなくてめぇだ」

「ホウ…」

「狙いは花屋か?それとも河原自体か?」

 

すると男は冷静に答えた。

 

「100オク」

 

俺は、全部分かった。今この場所に100億なんて大金はない。しかし、それに通ずる少女が一人いる。俺の最後に話聞いた位置からすると河原の入り口近くに

 

「てめぇ!遥ちゃんに何かしたら殺すじゃ済まさねぇぞ!」

 

<白スーツの男>

 

一歩踏み出す。すると奴も早いスピードで俺に近づく。しかし、拳一個分は俺のが早かった。

 

ドゴッ!

 

「(くそ、パワー足んねぇし!)」

 

やはり、威力が低い為か吹き飛んだにも関わらず、改めて体制を立て直し、こちらへ向かってくる。

 

「おいおい、嘘だろ」

 

だが、嘆くのすら遅かった。

 

ビキッ!

 

奴の回し蹴りにより、俺の体も宙に浮く。それだけならまだしも明らかに肋骨にヒビが入っている。

 

「ったく…もうちょいだけ本気出すか」

 

肋骨部分を擦りながらそう呟くと、俺はハンドガンスタイルに戻し、ヒートを出した。

 

「……」

 

すると奴もそれに呼応するかのように無言でヒートを出す。だが、お互いのその拳が交わる事は無かった。

 

「嶈様、オワリマシタ」

「イマイク。スマナイガコレデ終わりダ」

「おい、あんだけ暴れてはい、そうですかなんて返す訳ねぇだろ。もしくはほかの奴らを…んだよ、そうゆう事かよ」

 

気が付けばあんだけ騒がしかった周りはまったく無く、ジャージ姿の奴らは一人も見当たらない。

 

「足止めって事か」

「モチロン」

「じゃあ簡単だよ。てめぇは潰す」

「悪いがヨウジがアルノデナ」

 

そう言って奴は俺に針のような物を投げてきた。回避して、奴が居た方を確認したが、既に奴の姿は無かった。

 

「クソっ!」

 

俺は近場にあったダンボール箱を蹴り飛ばす。しかしそんな暇が無い事も思い出した。

 

「そうだ!遥ちゃん!」

 

俺は急いでアジトへと戻った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~~桐生視点~~

河原に近付くにつれて嫌な予感がした俺は、急いで河原に向かった。すると、嫌な予感は的中していた。

 

「これは…」

 

河原から黒煙が舞い上がっていた。恐らく火事か何かがあったのだろう。既に鎮火していた為、直ぐに中に入れた。そして目に入って来たのはホームレスの巣窟とも言うべき河原がボロボロになっていた光景だった。

 

「(一体、何が…)」

 

そんな事を思っていると伊達さんに竜也、花屋が居た。

 

「(とにかく、まずは情報集めないと…)」

 

「伊達さん!一体何が…」

「桐生!戻って来たのか」

「桐生、来たか…」

「桐生さん…」

 

伊達さん、花屋、竜也の順で話し掛けてくる。竜也だけが罰が悪そうにしている。

 

「皆、何があったんだ?この状況は…」

 

しかし、誰も話そうとしない。

 

「俺が話そう…」

 

伊達さんがようやく口を開いた。

~~伊達視点~~

「まずは、あれから話した方が良いだろうな」

*************

最初は遥が河原から出ようとしていたんだ。

 

「遥、どうしたんだ?」

「私…やっぱりここに居ちゃいけない気がする。私、桐生のおじちゃん好き。それに竜也くんも、でも私がここにいたら、おじさん達の迷惑になっちゃう。何度も危ない目になっちゃう」

「遥……」

「だから、私は居ない方がいいの…お母さんももう居ないし、本当はおじさん達ともっと一緒にいたいけど…」

 

その瞬間だった。突然河原の入口が爆発したんだ。

 

「遥!」

*************

~~桐生視点~~

「俺は遥を守ろうとしたがダメだった…」

 

俺が錦と話してる間にそんな事が…

 

「すまねぇ桐生、奴ら“ギャング”の連中だ」

「ギャング?」

「簡単に言えば愚連隊だ。ヤクザに頼まれた事なんかも簡単にやっちまう。普段は“赤、青、白”の三つに分かれてるんだが、今回は一気に来やがった」

「東城会に頼まれたのか?」

「恐らくそうだろうな」

「…多分、東城会じゃないです」

「何?どうゆう事だ」

 

今まで聞いているだけだった竜也が突然言った。その言葉に花屋が反応する。

 

「どっかの国の奴です。その中の幹部も一緒に居ました」

「って事は竜也、お前ギャングに頼んだのがマフィアだって言いたいのか?」

「えぇ多分、ほとんど確定で良いと思います」

 

「(東城会じゃねぇ奴が遥攫っただと…だが、とにかく今は…)」

 

「遥攫ったのは何色なんだ?」

「河原のシステムがダウンしている。分からねぇんだ」

「なら、シラミ潰ししかねぇな。行くぞ竜也」

「……はい」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

河原の外に出た時竜也が話しかけてきた。

 

「すいません!」

「何?」

「あん時桐生さんは居なかったから、俺が守んなきゃいけなかった筈なのに、俺のせいで」

「ふっ、何だそんな事か」

「えっ?」

「別に誰のせいでもねぇさ。まぁ強いて挙げるならギャングのせいだな」

 

どうやら、竜也はまだ良く、理解出来ていないらしい。

 

「とにかく、行くぞ。急いで遥を助けるんだ」

「あ、それなんですが俺白色のギャングのアジトなら知ってます」

「本当か?」

「前に一回聞いた事があって。多分変わってないと思います」

「良し、なら最初は白だな」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

竜也が案内してくれた場所には白色のジャージを着た集団がゴロゴロと居た。

 

「どうやら、変わってなかったみたいだな」

「えぇ、ですね」

「何だてめぇら?ここになんか用かよ?」

「雑魚に用はねぇ。ここのボスはどいつだ?」

「おい、おっさんいい加減に」

「させるかよ」

 

俺の裾を掴もうとした奴の腕をキリキリと竜也が締め上げた。

 

「いっ!」

 

どうやらそのまま気絶してしまったらしい。

 

「お前ら何者だ?」

「お前がボスか?」

「質問に答えろ」

「年輩の質問に、答えるのが先だと思うけどな」

「……やれ」

 

他にここに居た連中が襲ってこようとするが

 

「ストップ、悪ぃな。ちょっと寝てろ」

 

さて、竜也が相手するという事は

 

「俺はこっちか」

 

何時の間にか持っていたナイフで俺の喉を切るつもりだったのだろうが、余りにも遅すぎた為直ぐに掴んでナイフを折ってしまった。

 

「さて、まだやるか?」

 

気付けば竜也の方も終わっているらしい。リーダーの男はこんなに早くに決着が付くとは思っていなかったのか、困惑し続けている。

 

「一発殴っときます?」

「そうだな、このままだと喋りそうにないしな」

 

竜也が拳を振りかざした瞬間

 

「赤だ!」

「ん?」

「今回の一件俺らも青も全部赤に言われてやった事なんだ。赤のアジトは劇場前のデボラってクラブ。俺が知ってんのはこんくらいだ」

「信じます?桐生さん?」

「まぁ嘘を付くメリットは無いな」

「ですよね。しゃあねぇからほら、もう行けよ。これに懲りたら二度とギャングなんかやんじゃねぇぞ」

 

そうして竜也が歩き出した途端、奴が襲ってきた。鉄パイプを持って、ちなみに俺も竜也もため息しか出ていない。

 

「俺がやろう」

 

鉄パイプを振りかざした時にストレートを顔面に入れる。

 

ボキボキッ!

 

骨が砕ける音を立て男は崩れ落ちた。

 

「馬鹿だな。お前」

 

竜也が憐れみの言葉を掛けた。

 

「さて、“劇場前のデボラ”だったな。行くか」

_________________________

デボラに着くと下の階が閉まっていたのでとりあえず上の階に行く事にした。

 

「桐生さん、下にいる奴ら」

「全員赤か…」

 

この前花屋の一件の時は様々な人が居たデボラだが、今回は赤のジャージを着た連中しか居なかった。

 

「どうします?」

「待つのは嫌いなタチでな」

「…俺もです」

 

そう言って俺らは下に行き、ドアを蹴り破った。

 

「んだ!てめぇら!」

 

下っ端に分類されそうな連中が一気に吠える。

 

「遥は何処だ?」

「あ?何だよおっさん」

「遥は何処だって聞いてんだ」

「あんた、何もんだ?」

 

音楽機器の近くに細身と太い奴の細身のほうが言ってきた。恐らくあいつら二人がリーダーなのだろう。

 

「俺の事は関係ねぇ」

「…人のアジトに勝手に入ってきてそれはねぇだろう」

「はぁ…ダル」

 

竜也が不意にそう呟いた。

 

「めんどいのは嫌いだからよ。どうせ話し合う気ねぇなら…やろうぜ」

「上等だ。てめぇら…このおっさん共に喰らわせてやれ!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

恐らく3分位しか経っていないだろうか。もうこの場に立っているのは俺と竜也、そしてリーダー格の二人だった。

 

「後はお前らだけだ」

「しゃあねぇ。やるぞ兄弟」

「あぁ」

「どっちがどっちとやります?」

「俺は細身の奴をやる。異論はあるか?竜也」

「いや、俺はあのデブの方やろうと思ってたので大丈夫です」

「どうやら随分と舐められてる様だな」

「御託は良いから来いよ」

 

竜也がわざとらしく人差し指で挑発する。すると太い男の方がその体格からは想像出来ないスピードで近づいた。

 

「さて、俺らもそろそろやるか」

「あいつ、死ぬぞ」

「ふっ、人の心配なんてしてる場合か?」

「まぁ、良い。まずはアンタだ」

 

<赤ギャング>

 

やはり細身の見た目通り軽いフットワークで翻弄しているが、

 

「(確かに早いな。俺たち以外だったら見えてないだろうな)」

 

意外と遅かったので目で追うことが容易に出来てしまった。

 

「行くぞ!」

「遅い…」

 

バキッ!

 

勝負は一瞬だった。先程までのフットワークを生かしたスピードで来るが、パンチのスピードも見えていたので躱し顎に正確に蹴りを入れて顎が砕ける音を聞きながら終わった。

竜也の方もあの巨体を背負い投げして終わった。

 

「はぁ…しんど」

「良く投げ飛ばせたな」

「まぁ、桐生さんを参考にしたというか」

「俺を?」

「それは置いといて、今は…」

「あぁ…さて、改めて聞こうか。遥は何処だ?」

「クッ…誰が…」

 

胸倉を掴み持ち上げる。

 

「お前が喋っていいのは、遥の居場所か、遥攫った連中の名前だけだ」

「……もう、ここには…居ねぇよ…」

「何処にいんだ?」

「俺らは“蛇華”に渡しただけだ。そっから先は知らねぇんだ」

「“蛇華”だと?」

「知ってるんですか?桐生さん?」

 

竜也が聞いてくる。恐らく今の俺の顔はとても驚いた表情になっている筈だ。

 

「あぁ、昔お前に知り合う前に一悶着あってな」

「そんな奴がなんで急に?」

「分からん。だが、“蛇華”は横浜に居る。伊達さんに頼んで横浜に行こう」

「分かりました」

 

出ようとしたが時、俺は静かに呟いた

 

「劉 家龍か……」

 

親っさんに助けて貰った過去を思い出しながら俺は竜也の後を追った。




今回約8800文字なんですけど、5000文字越えた辺りから酷くなりましたね。まぁブランクのせいという言い訳を言って、(元からこんなん)次話も早く投稿出来るよう心掛けます
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。