~~桐生視点~~
2人をあそこに置いとく訳にもいかず俺は急遽河原へと移動してきた。竜也を伊達さん達の方へ行かせ俺は花屋と話している。
「残念だったな。シンジと麗奈は」
「…ここ以外に頼れる所が無かったんだ」
「分かってる…出来るだけ手厚く葬ろう」
「あぁ、すまん…」
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~~竜也視点~~
河原でのアジトで伊達さん、俺、花屋、桐生さん、遥ちゃん皆で話をしている。
「アケミ?」
「そうだ、シンジは確かにそう言っていた」
「しかし、そんな名前の女幾らでもいるぞ」
「それだけじゃなぁ…」
「…桐生さん、シンジ“さん”の特徴とかなかったんですか?」
「……風俗が好きだったな…」
「花屋……」
「なるほどな、もう分かった」
「(ちょっと俺が言っただけだぞ?なんでもう分かんだよ)」
少しは頭の回転も良くなきゃ情報屋なんて出来ないと花屋は言っていたがその通りらしい。
「ここ何年か奴が通ってる店がある。“桃源郷”ってソープだ。そこのナンバーワンが確か……“アケミ”」
「なるほどな」
「ただし、そこは普通の店じゃない。ビル一軒丸々ソープだが、看板はねぇしパッと見じゃ分かんねぇ。しかも一回100万と来たもんだ」
「100万!?」
伊達さんが驚く。俺も隠してはいるがかなり驚いている。
「現役タレントやモデルなんかがやってるからな。“選ばれた人間の遊び場”ってやつさ」
ここで今まで聞いているだけだった遥ちゃんが口を開いた。
「おじさん、ソープって何?」
「その、まぁ…風呂屋だ。いや、サウナか?」
「お、俺に降るな!」
「俺も答えんぞ」
桐生さんが伊達さん、花屋にヘルプを求めるが2人共上手く(伊達さんはあれだが)避ける。
「銭湯って事?」
「いや、それとも違って…その……」
「おじさんは行ったことあるの?」
「ん?あぁ…ん?いやその…」
桐生さんがしどろもどろしてる内に遥ちゃんが笑い出す。
「ウソ、私どんなとこか知ってるよ何日も歩いたんだから」
花屋、伊達さんは笑い、桐生さんはへこんでいる。
「こりゃあ1本取られたなぁ」
「(いや、笑い事じゃなくね……流石にこの年の女の子が知っていい事じゃねぇよ)」
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外に出て花屋に入り方を聞く。
「桃源郷に入るには……“桃源郷の会員証”が必要なんだ」
「じゃあ行けなくねぇか?」
「諦めるにはまだ早い。昔シンメイという女性が桃源郷で働いてた。今はピンク通りの“シャイン”とか言うキャバで働いている筈だ。シンメイに会うのが1番かもな」
「ピンク通りの“シャイン”だな。竜也行くぞ」
「はい」
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「さて、着いた訳だが…流石に2人で行く訳にも行かないしな」
「俺、この付近で待ってれば良いですか?」
「流石に年齢的にもそっちのが良いだろうな」
「じゃあ待ってます」
そこまで言うと桐生さんはシャインに入っていった。
「さて、暇だ…そんな直ぐには終わんないよな。腹減ったからコンビニで弁当でも買ってこよ」
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「ありがとうございました」
近くのコンビニで弁当と麦茶を買いシャイン付近に戻ってくる。
「何処で食お?店の近くはまずいしな…まぁここら辺でいっか」
座るスペースを見つけ買っておいた新聞を下に引き改めて弁当と向き合う。
「うまそー、やっぱ悩んだ時はとんかつ弁当だよな」
とんかつに付いていた中濃ソースをかけようやく食べる準備が整った。
「さて、頂きます」
割り箸を割りとんかつに箸を伸ばしとんかつと白米を口に入れた瞬間
「竜也、何してんだ?」
「ゴフっ!?」
桐生さんが居た。
「ゲホッ!ゲホッ!き、桐生さん、早かったですね?もう貰えたんですか?」
「お、おい大丈夫か?いや、こっから“ジュエル”に向かわなきゃ行けなくなった」
「ジュエルですか?なんでまた?」
「シンメイに頼まれて“ニンベン師”という人に会わなくては行けなくなってな」
「分かりました。ちょっと待ってください。弁当しまうんで」
「あぁ」
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ジュエルに着き桐生さんが入っていくのを確認すると、またフタを開き弁当を食べ始める。
「さっきは全然味噛み締める暇無かったからな。今度こそ」
とんかつを食べポテトサラダを食べた所で麦茶を飲んだその時
ガシッ
弁当を踏まれた。
「あ?」
「ホームレスがこんな所で飯なんか食ってんじゃねぇぞ」
チャラそうな感じや服装からこの付近のホストだろう。
4人いるが大した実力じゃ無いだろう。普段だったら絡まれても無視するが、弁当を踏まれた事で許すつもりは無かった。
頭を掴み叩き付ける。
「……フゴッ!」
数秒のタイムラグがあってやっと叩き付けられた事が分かったのだろう。変な声を出している。
「う、うわぁぁぁ」
他のホストが逃げようとするが
「いや、許すなんて言ってないから」
腰が抜けて這って逃げている奴を踏み気絶させる。それをチャンスとみたのか2人で残り2人を置いていき逃げる。
「あ、しまった…ま、いっか。とんかつ踏んだ奴はもうやったし。食べ物の恨みは怖いからな、しゃあないな」
自己解決をし、もう動く気は無かったので桐生さんの戻りを大人しく待つことにした。
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それから三分くらいだろうか?桐生さんが出て来た。
「ニンベン師は分かったんですか?」
「いや、やはり簡単には会わせてくれないらしい。一回シンメイの所に戻ろうと思う」
「分かりました」
シャインに戻ろうとすると
「ここか?」
「あぁ。あのオカマ野郎…タダじゃおかねぇぞ」
「よし…行くか」
「桐生さん、さっきの2人組…」
「気になるな。一応行ってみるか」
「了解です」
店に入ると椅子に腰掛けてる女にさっきの2人組が問い詰めていた。
「いい加減白状したらどうだ?」
「あの日お前が公園でパスポート渡してるとこ目撃されてんだよ」
「だから!その時は彼氏と待ち合わせしてただけだって言ってるでしょ!」
「ガタガタ言ってんじゃねぇ!」
青龍刀を持っていたらしく酒瓶を切る。
「正直に言え…“ニンベン師”って奴は何処だ?」
その時酒瓶で2人を一斉にママらしき人が殴る
「アヤカちゃん、早く!」
「はい!」
俺と桐生さんには気付いていないのか横をすり抜けるように外に出ていく。
「桐生さん、どうします?」
「……まずはこいつらに話でも聞くとするか。おい、あんたら」
「なんだ?てめぇ」
「さっきの2人組なんだか分かってんのか?」
「“ニンベン師”に通ずる奴らって事しか知らねぇよ…逃げるとしたら第三公園だ。そこがいつもの取引場所だからな」
「ふーん……第三公園ね…」
「あいつら、切り刻んでやる…」
かなり怒っているらしい。
「桐生さん先行っててください。俺も直ぐに行きます」
「あぁ…」
桐生さんは出ていく。
「さて、ウェイターさん」
「は、はい…」
「外出てくれますか?外出て人寄り付かないようにして欲しいです」
「わ、分かりました…」
そう言って外に出ていく。
「悪ぃな…別に特に俺がやる必要は無いんだけどさ、危ないじゃんお前ら」
「何?」
ドゴッ!
蹴りで吹っ飛ばす。青龍刀を持っていた奴の方に近づく。
こいつに関してはまだ意識がハッキリしていないようだ。念の為青龍刀だけ折っておき、近くにある駐車場に捨てる。
「こんなもんか…急ご…」
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第三公園に着くとそこには桐生さんとさっきの2人が居た。
「………試させてもらったわ」
どうやら話の途中らしい。
「桐生さん、遅れました」
「貴方は?」
「俺はあんまり気にしないでもらって大丈夫です。それより」
「シンメイに偽造パスポートを作ってやってくれ。あいつが、しばらくこの街で働けるように」
「分かったわ。ママ、お願いして良いよね」
「何?って事はまさか…」
「あはは、その通りよ。さっきの店で待ってます」
「(店で待ってるって…俺壊しちゃったけど…多分大丈夫だよな…?)」
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「はい、これがお望みの品よ。シンメイに届けてあげて。……桐生さん、貴方の事は知ってます。………風間さん、撃たれたみたいですね」
「何?」
「何で貴方達が……?」
「その事と関係あるかは分かりませんが…実は5年前、風間さんから依頼があったんです」
「どういう事だ?」
「ある1人の人間を偽造してくれって。……出生記録に住民登録、卒業証書、免許、医療記録、パスポート…公共機関にも捏造した記録をしこんでね……記録の中でのみ、実在する人を作り上げたんです」
「!?それは…」
「私が話せるのはここまでです。…私達はこれで」
外に出るともう日が出ていた。
「桐生さん…さっきのニンベン師が言ってた人って……」
「…とりあえず、シンメイにこれを渡しに行こう」
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「じゃあ俺ここで待ってます」
「あぁ、直ぐに戻る」
「(ふぅ…一息つくのも一苦労だぜ。完全な“紙でのみ生きている人間”か……多分俺と桐生さんは同じ人を考えてる筈だ…)」
「竜也、待たせたな」
「あ、大丈夫です。それで会員証は?」
「シンメイが昔一緒に暮らしていたという“水野さん”という人に渡してしまってたらしい。今からそれを取りに行くしかない」
「なるほど……それでその人が居る場所は?」
「七福通りのMEBだ」
「また、七福通りですか……今回はやけに往復しますね」
ジュエルも七福通りにある為、物凄く行ったり来たりをしている。
「あぁ……だが、止まる訳にも行かない。早く済まそう…」
桐生さんも若干うんざりしてるらしい…2人して足取り重くMEBに向かう事になった。
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足取りが重い中なんとか着いた。
「さっさと済ませてくる…待っててくれ」
俺の返事すら聞かず中に入っていった。
「ようやく、手に入れたぞ…」
2分位で出て来た。
「お疲れ様です…」
「あぁ、1度花屋の所へ戻ろう」
かなりの時間をつかい、ようやく会員証を手に入れた。
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「おぉ!桐生、竜也戻ったか!」
「あぁ、色々あったが、なんとか手に入れた」
「どうすんだ桐生?もう桃源郷行くのか?」
「いや、夜になってから行く事にしよう」
「じゃあ行く時になったら起こしてください。ちょっと仮眠します」
流石に色々ありすぎて眠気と疲れがピークだ。
「分かった。今の内にゆっくり休んでおけ」
桐生さんのその一言により、眠る事にした。
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「…や!…つや!竜也!」
「は、はい…!?あ、伊達さんですか…」
目の前には伊達さんの顔が目いっぱい広がっていた。
「そろそろ桐生が行く準備をしておいてくれだとさ」
「あ、了解です」
「(とは言っても特に準備なんてないんだよな)」
「竜也、調子はどうだ?」
「……大丈夫です。もう俺の方はOKです」
桐生さんの問いに答えながら何があっても大丈夫なように体を動かせるようにしておく。
「桐生、俺は本庁から呼び出しが掛かってる。まぁ、9歳と18連れて桃源郷行くってのはおかしな話だが、遥達連れて桃源郷向かってくれ」
「あぁ。遥行こう」
こうして俺と桐生さんそれに遥ちゃんの3人で桃源郷へ向かう事となった。
今はモチベーション上がってるので、次回もこの位のペースで行けたらいいと思ってます。