龍の背中を追いし竜   作:Kurato

21 / 36
ちょっと時間がかかってしまいました。


21話 狂犬の本領

桃源郷に着いた。

 

「ここか…“桃源郷”あまり時間をかける訳にも行かない。早く行こう。」

 

恐らく会員証を確認する為に配属されているであろう。ボーイに会員証を見せる。

 

「桃源郷の会員証をお持ちですね。どうぞ、いらっしゃいませ」

 

中に入るとカウンターに居たボーイに止められた。

 

「あのーお客様、子連れはちょっと…」

「社会見学の一環だ。大目に見てくれ」

 

「(流石に無理ありすぎる……)」

 

「申し訳ございませんが、他のお客様のご迷惑になりますので…」

 

近場の像を壊す。

 

「(あ、俺もう知らね)」

 

「絶対に迷惑はかけない。良いよな?」

「かしこまりました…」

 

渋々ボーイが退く。

 

「ナンバーワンって事は最上階ですかね?」

「その可能性は高いな。最初に行っておくか」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

4階の1番奥

 

「おじさん、ここじゃない?」

 

遥ちゃんが確認をとる。

 

「そうみたいだな」

 

ガチャ

 

ドアを開けると見るからに高級感伝わるベットの前で土下座しながら待っている女がい居た。

 

「いらっしゃいませ。アケミです」

「桐生だ。シンジから……何か聞いてないか?」

「桐生……貴方が?」

「あぁ…」

「それじゃ、シンちゃんはもう……」

 

桐生さんは俯く。それは肯定以外の何者でも無かった。

 

「そう…最後に会った時、彼言ってたの。自分にもしもの事があったら貴方が訪ねてくるかもしれないって。いつもふざけてたあの人が急に真剣になってね、そっか…シンちゃん死んじゃったんだ……おかしいと思った。だってあの人、急に今やってる事片付いたら結婚しようなんて言って…」

 

声が段々と細くなっていく。

 

「すまない…」

「いいの……私の方こそごめんなさい」

 

ライターを付ける音だけが響く。

 

「風間さんね…確かにここにいたけどシンちゃんの知り合いが来て、連れて行っちゃったの」

「それって……女の子?」

 

俺が口を挟む。

 

「2人で来たわ…1人は近江連合の“寺田”さん。もう1人は確かに女の子だったわ。名前は心愛って言ってたわね」

「近江連合!?」

「桐生さん…近江連合の寺田って人は知らないですが、心愛は俺の知り合いです。俺が風間さんの事を知ったのも心愛経由です」

 

桐生さんに分かるように説明していく。

 

「そ、そうか…なら安心だが……近江連合だとな……」

 

「(俺も気持ちは分かりますけどね)」

 

「それで場所は?」

「“芝浦”よ。埠頭に止めた船に連れて行くって言ってたわ」

「そうか……」

「それと…シンちゃんこうも言ってたわ。『錦山組は100億の他に、世良会長の遺言状を探してる』それに次の“四代目”が指名されてるんだって」

「遺言状……そんなのが……それじゃあ錦はそいつを潰そうと…」

「シンちゃんはそう言ってたわ…」

 

ドンッ!

 

大きな衝撃

 

「何!?」

「桐生さん、この部屋じゃ様子が分かりません。一旦外に出ましょう!」

「分かった!」

 

外に出ると、ぞろぞろと人が集まってきた。

 

「こいつらか…やるぞ竜也」

「はい…」

 

突っ込んでくる奴をスウェイで避け腹に一発、後ろに蹴りで2人瞬時にやる。

桐生さんはラッシュの手数を押し切るようだ。

スーツの裾を掴み引き寄せ殴る。

回し蹴りで気絶させる。

 

「……ここは一通り片付いたな。下に降りよう」

「はい…」

 

階段の近くに椅子を持った巨漢の男1人

 

「俺が行こう」

 

椅子を振り回される前に蹴り体制が崩れ椅子を離した所でその椅子で攻撃。

 

一撃でダウンする。

階段の奥から3人飛び出てくる。

 

腹から頭に登るように蹴る。側の1人を腕で叩き付ける

 

「ったく…ん?桐生さん!こいつら……」

 

ふと服を良く見てみると真島組のバッジが付いていた。

 

「真島組だと…どうして此処が……?」

「今は下に急ぎましょう」

 

「(動きを止める訳にはいかねぇ……組員が集まる前に真島さんの所へ急ぐのが1番だな)」

 

階段を降りるともう2、3人しか居なかった。

 

「まだそんなに組員居なくて助かりましたね」

「竜也……少し休んでおけ。少し疲れてるだろ?」

「ハハハ……バレてました?」

 

向かって来ているが桐生さんはそちらには見向きもせず俺の方を見ている。

 

「流石に少し休んだとはいえ、連戦の続きだからな」

 

今の一言の内に3人共やってしまった。

 

「(ヤッバ……!!尊敬しかねぇ…)」

 

「下に行くぞ」

「分かりました…」

 

悲鳴が木霊している。どうやら下にはかなりの数が居たらしい。

 

「助けてぇ!」

 

助けを求めた女が首を掴まれる。

 

「レイコちゃん!」

「よぉーう、探したでぇ……」

「真島の兄さん。あんた……」

「助けて!お願い、助けて!!」

「おぉーよしよし……静かにせんかぁ!」

 

ドスを構える。

 

「よせ」

 

すかさず桐生さんが止めに入る。

 

「お?なんや、あんたべっぴんさんやないか!どや?俺の女にならんか?」

 

女の方は声が出ていなかった。

 

「どやねん?えぇ?」

「嫌です……私他に好きな人が………ごめんなさい!」

「真島!やめろ!」

「そうか……正直な子や……ええ!それでええ!」

 

そこまで言って真島さんは腕を離す。

 

「ほれ!ここ危ないで!早よ行き」

「読めねぇな……あんただけは…」

「俺は正直モンが好きなだけや、人の顔色うかがったりせんと、俺がそうやからなぁ」

「そうかい」

「この間はええ所で邪魔が入りよった。ココで“決着”つけようやないの!」

「上等だ……」

「2人共もうちょい上に上がって」

 

純度の高い殺気が2人から出る。安全の為上に上げる。しかし真島さんの殺気が消える。

 

「………と、言いたいとこなんやけどな」

「何?」

「ワシャ今ここにもう1人やりおうたい奴がおるんや!」

「………あんたまさか……?」

 

真島さんの指が真っ直ぐに俺の方に向く。

 

「お前や。お前」

「マジかよ………」

「おい!あんたの相手は俺だろ!」

「なんや桐生ちゃん、忘れたんか?“あいつとも楽しくやれそう”言うたの。ワシャ楽しく喧嘩出来ればそれでええんじゃ!」

 

「(行くか……勝てるか知らねぇけど)」

 

ゆっくり桐生さんの隣に行く。

 

「竜也……」

「良いぜ……真島さん。やろうぜ…」

「ヒッヒッヒッしっかり分かっとるやないか!」

 

何時来ても良いように構える。桐生さんが移動する足音だけが聞こえる。

 

「ええ目や、名前聞いてもええか?」

「黒瀬竜也」

「よし……じゃあ行くで…黒瀬ぇぇぇ!!!」

 

<真島吾朗>

 

蹴り、フック、ドス、アッパー全部弾いたり躱したりして防ぐ。そこからのちょっとの足払い。効果は的面でよろめく。その隙に全力ストレート

 

「(やべぇ!)」

 

ドゴッ!

 

「「竜也(くん)!」」

 

手を拳と頬の間に置き直撃を避ける。ボディブローをすぐさま入れ、離れる。

 

「とりあえず、先手必勝……って訳でもないか…」

 

平然と立ち上がる真島さん

 

「……やるやないか!やっぱり俺の目に狂いはないっちゅう事やな!」

「いや……なんでそんな普通なんだよ…こちとら全力出してんのに」

 

小言で聞こえないように呟く。

 

「おもろくなってきたでぇ!」

 

真島さんはドスをしまいダンサーの様な構えをする。

 

「(なんだ……この構え?でも不容易に近付いちゃいけない気がする)」

 

「止まってる暇無いで!」

 

距離を詰められアッパーからのブレイクダンスを喰らう。

 

ガッ!ガッ!ガッ!

 

ブレイクダンスの足さばきを全部喰らう。上から蹴りで踏み潰される。

 

「ゴフッ!ガハッ!クソっ」

 

踏まれている足を掴み膝を壊すように捻る。

 

「ヌオッ!」

 

堪らず足を離す。またボディブローからの頭にフック。吹き飛ばすつもりでやった攻撃は真島さんの上半身を揺らすだけで終わる。

 

「バケモンかよ…ッ!」

 

左肩に掌底、足で頭を掴まれ、締めあげられる。

 

「(またかよ!)」

 

肘で真島さんの脇腹を攻撃し続ける。少し緩まる所で逃れふくらはぎを殴りはなれる。

 

「カハッ!カハッ!……の野郎……」

 

腕、顔、そして腹と連続でやられる。

 

「ゴフッ!」

「なんや、この程度かいな……ガッカリやわ」

「あ……?」

「うちの奴らボコボコしてたからどんなもんか思ったけど、肩透かしもええ所やわ。もう終わらせたるわ」

 

ドスを取り出す。体は完全には起き上がってない。

 

「真島!」

 

ピク

 

寸前まで来てたドスが止まる。

 

「ま、ええわ。さっきまでのが前座って事にしよか。第2ラウンド始めたろか」

 

桐生さんも真島さんも構えだす。

 

「(……どいつもこいつも…………)」

 

両者の拳が当たる寸前

 

「おい…てめぇの相手は俺だろ……!」

「………なんや、やっぱり強いやないか…!!」

「桐生さん、こいつは俺がやります…」

「あぁ…任せたぞ…」

 

桐生さんは階段へと戻る。

 

「その状態でのお前がどんなもんか、見せてもらうわ」

 

今度は普通の構えをしだした。

ジャブ程度の一撃。腕を掴み顔に全力で一発入れる。蹴りで吹っ飛ばし、少し浮いた体を殴って叩き付ける。

 

「……グッ!…」

 

どうやらまだ立てるらしい。

蹴り、拳、肘、どちらかが殴ればガードし、もう片方が殴ればガードする。

それの連続

 

グラッ!

 

このビルが崩れてきてるようだ。

 

「行ったるでぇー!!」

 

飛んで俺の上に乗る。

 

「(これは喰らえねぇ!)」

 

文字通り全体重を載せた一撃。避けるが床が崩れる。

 

「逃がさへんで!」

 

腕をロックされていた。お互いの体が上下目まぐるしく変化する。

地面まで後少し

 

「オラッ!」

 

下の状態で膝蹴りで真島さんの体制を崩させその間に上になる。

 

ドンッ!

 

大きな音と共に真島さんが落ちる。体制を立て直してるうちに逃げられる。

 

「(こんなんであの人が倒れるとは思えねぇ。こっからだ、でもこれは……)」

 

暗闇により、全く見えない。

 

「……ほんま見くびってたわ。こっちも本気で行かせてもらうで」

 

ふと見えた。ドスの光

その瞬間上に乗られドスを喉元に刺されそうになっている。

 

「グッ!……」

「甘いで!」

 

ボコッ!

 

ストレートを肋骨にモロに喰らう。力を抜くと刺されるため力すら抜けない。

こちらも膝蹴りで対抗しているが、真島さんの力が抜ける様子はない。

 

「(クソっ…イチかバチか!)」

 

左手だけでドスを抑え右手で鳩尾に入れる。

 

「オウッ!」

「今!」

 

ドスの位置をずらし鼻に拳を叩き込む。

 

ゴキャ!

 

普通ならならない音が響いた。

 

「ど、どうだ…?」

 

ぬるりと立ち上がる影

 

「こ、この人ガチに人間辞めてんじゃねぇの…」

 

スパッ!

 

肩の服が綺麗に切れる。

 

ゴリッ!

 

頬にジャストミート。直ぐに血を吐き不快感を取り除く。

 

「ふぅ……やっぱええな!ほんまごっつ楽しいわ。お前もそう思うやろ?」

「俺はあんた程喧嘩に飢えてないですよ」

「ま、それすら置いといてや………行くで…」

 

直線に伸びたドスを避けほぼ置いてくるに近い形でストレートを放つ。

それに逆に頭突きをかましてきた。

左手で髪を掴み右で連打。

 

「ヌオォォ!」

 

足払いを再度やられ目にストレート。

 

ドカッ!

 

「舐めんな!」

 

ハイキックからのボディブロー

真島さんはドスでの横一文字

真島さんは全て直撃に対し、俺の方は3センチ程度で済む。

 

「(嶈にやられた時のがひでぇ!)」

 

止まらずにアッパー

 

ゴキッ!

 

顎の砕ける音

 

「もういっ……!?」

 

今度はドスを壊そうとするが、既に真島さんの手にドスは無く両手を振り下ろされた。

 

ゴンッ!

 

堪らず膝をつく。真島さんも同様にしている。

 

「ぶ、ぶっ飛ばす…ぜったい…」

 

真島さんは終始無言。その状態のままドスと自身に紫色のヒートを出す。

 

「はぁ……はぁ……」

 

俺もヒートを出す。

真島さんの最高速からのジャンプしてのドス振りかざし。俺は顔一点狙いのハイキック。

 

ドゴォ!

 

今までよりも鈍い音。しかし真島さんは止まらない。ドスの距離は顔まで1センチ

 

「(死ぬのか…いや、まだだろ!)」

 

顔を横にして避けヒートを全開で先程蹴った場所を殴る。

 

ドゴォ!!

 

真島さんはフラつきながら倒れた。

 

「黒瀬……お前も充分……ゴツイわ……」

 

ドサッ

 

気絶して意識が無くなる前にそれだけ言って気絶してしまった。

 

「はぁ………はぁ………か、勝てた……」

「竜也!」

 

桐生さんが降りてくる。

 

「き、桐生さん…」

「待ってろ…タクシー呼ぶからな」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

タクシーで河原に着いて桐生さん達は伊達さんと話していた。

俺は……

 

「痛てぇ!もうちょい優しく出来ない?」

「我慢してよ…これでも十分優しくしてる方なんだから」

 

遥ちゃんに治療してもらっていた。

 

「はい!こんな所かな?」

「ありがと。一回話だけ聞いてこなきゃ」

 

伊達さん達の方へ合流する。

 

「桐生さん、伊達さん!遅くなりました」

「おぉ!竜也、治療は済んだか!」

「えぇ、まぁそんな重症だらけって訳じゃないんで。……それでもう行くんですか?」

「あぁ…本来なら竜也は置いていこうと思ったんだが…」

「行きます……!」

「そう言うと分かってた。だから待ってたんだ」

 

どうやら俺のせいで出発が遅れたらしい

 

「あ、すいません…」

「いや、謝る事じゃない。よし行こう」

「竜也には詳しく言ってねぇが俺は“神宮”の方を調べる」

「“神宮”?誰ですか?」

「埠頭に行く時に伝える」

「分かりました」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。