龍の背中を追いし竜   作:Kurato

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すいません。
心愛と秋山さんのやつなんですが無しになります。
一応構想としては心愛とのデートと秋山さんの河原でのお金稼ぎでの内容です。それで心愛と竜也はそれなりに接近、秋山さんは無事ある程度資金を得ました。後、竜也は天下一通りのポッポでバイトしてます。
それだけ分かっててください。
それでは本編どうぞ!


龍が如く2
龍と般若と死神


~~柏木視点~~

「(……真島の奴来てねぇな。殆どいつもの事だが…)」

 

カチャ

 

軽そうな音を立てながら五代目が入ってくる。

皆頭を下げるような事をしない。

五代目が座ると共に他の幹部が口を開く。

 

「五代目!ワシら……汚ぇシノギなんぞする気ないんですわ!」

 

「東城会には東城会なりのやり方があるんだ!昔いた近江とは違うんだ!正直ついてけねぇ!」

 

「東城会改革か何だか知らねぇが、近江みてぇに金の亡者になる気はねぇんだ!」

 

「雑魚がピーチクパーチクうるさいんじゃあ!!意見言うなら結果納めてから言えや、ボケがァ!」

 

最近幹部になった植松が黙らせる。

 

「何だと!五代目に気に入られたからっていい気になりやがって!ちょっと前まで三次のペーペーだった新参が!」

 

「新参かそうじゃないかなんて、もう重要じゃないんですよ」

 

これまた最近幹部になった、飯渕が喋る。

 

「数字を残した人間を幹部に登用し、そうで無いのは排除。実力主義の“血の入れ替え”施策。それが五代目の“東城会改革”です。」

「結果が出ているなら新参だろうが古参だろうが力を貰えるんだ。つまり……結果を残せてる我々が口を出す権利はある。という事です」

 

「んだとォ!」

 

「てめぇ!」

 

皆一斉に騒ぎ出す。

 

「お静かに願いたい!…………よろしいですかな。ではこれより緊急幹部会を始めます」

 

「五代目、今日はどういう案件です?…また今日も“東城会改革”ですか?」

 

俺が口を挟む。

 

「そう。その続きです。現在空白の………若頭を決めたいと思うとります。若頭は東城会で実質私に続くポジション。誰にするかで、今後の組の命運が決まると思うております……ですが、外様出身の私にその判断は難しい…。」

「そこで、私の進めている“東城会改革”のルールによって適任者を選ぶ事にしました」

 

「ルール?」

 

「東城会改革は、結果を残せる人材を積極登用する施策。結果は稼ぎ……ですから“本部への上納金”を最も多く納めた組…………そこの組長を、東城会次期若頭に任命します」

 

「!?ック…」

 

植松と飯渕以外は皆同様に苦い顔をする。

 

「では…各組織の上納金の確認をしましょうか。……飯渕」

 

「はい。ではこちらを」

 

飯渕の手の先にはモニターが表示されていた。

 

「おいおい……」

 

「こんなに差が出てるのか……」

 

そこのモニターには確実な差が出ていた。

 

「ご覧の通り、古くからの皆様の額はどんぐりの背比べ……まぁ、柏木さんの風間組が健闘してるって所ですかね?。」

 

「ですが、その風間組ですらダブルスコア付けられている。そう…植松組と飯渕組……つまり私と植松さんです。あんた達の毛嫌いな新参者ですよ…… この結果なら、次期若頭は植松さんですかね?」

 

「ふざけんな!お前等が稼ぎ良いのは汚いシノギに手染めとるからやろが!」

 

これは前から言われている事で法ギリギリのシノギで額を稼いでるという噂だ。

 

「東城会には……美学ってもんがあんだよ。五代目が認めても俺は認めねぇぞ………!」

 

「金に目ェくらんで極道の魂無くしちまっとるんちゃいますか!」

 

「雑魚がじゃかしいわあああ!!……誰のおかげでメシが食えとると思っとんじゃ!ワシらかてボランティアちゃうぞ……しっかり“親”に貢献しとんや。相応の地位は当たり前やろが!文句あるやつはワシら位稼いでから言えや!! 」

 

また黙り始める。

 

「フッ………異論は無いようですね。では、次期若頭は植松組の植松さんということで……」

 

ふんふんふーん

 

謎のリズムが扉の奥から聞こえ始める。

 

「(来たか……今更だが…)」

 

この幹部連中の中で呑気ともいえるやつは1人しかいない。それでいて今現在居ない人間だ。

 

「ふんふんふーん。でぇーん」

 

「あ?……」

 

バーン

 

扉からは“東城会直径真島組組長 真島吾朗”が出てきた。

そして奴は何時もの席の俺の右側ではなく、俺の左側……若頭の席に座った。

 

「どっこらせっと」

 

「おい?そこはアンタの席じゃねぇだろう?」

 

「黙って見とけや」

 

パンパン

 

真島が手拍子を鳴らすと、キコキコという古臭い音がした。

 

「西田さん!金落ちてないですよね!」

 

「だ、大丈夫だ!」

 

「落ちたら拾ってくださいよ!大事な金なんですから!」

 

扉を開けるとリアカーで組員が金を運んでいた。

 

「(あいつは………)」

 

その中で1人リアカーを前で引っ張っている奴に目を引かれた。

去年、埠頭で嶋野とやりあった時に桐生と一緒にいた奴だ。中々の実力だったので覚えていた。

 

「(真島組に入ったのか……?)」

 

真島を見ると

 

「話聞いときゃ分かるで」

 

リアカーを俺らの前まで持ってくるとリアカーを置き植松の方を向き話し始めた。

 

「どうも。“期間限定”真島組の黒瀬です。一応外で話聞いてたのである程度わかる上にこうして金額を用意したので話します。………てめぇ程度の器じゃ東城会に合わねぇから大人しく真島さんか、柏木さんに譲れよ……以上です!それじゃ“親父”失礼します」

 

最後に五代目の方を見て他の組員と一緒に外に出てった。真島は手を上げて返事をする。

 

「(かなりの覇気だな……他の組員ですら唾を飲み込む程恐怖してるのにあの覇気を直接喰らった植松は何が何だか分かってないってツラだな)」

 

「真島さん……その金は?」

 

ザワつく周りを無視し五代目は真島に話を聞く。周りも話を聞くため黙る。植松も座っている、むしろ腰を抜かしたという表現のがあっているかもしれないが。

 

「俺な…草野球がしたくてのう……金貸した時の担保に、神室町近くの空き地をちいとばかり手に入れとったんや。」

「そしたらなんや、でかい企業がそこにビル建てたいから土地を譲れ、言うてきてのう。適当にふっかけたらこんだけの金になった訳や」

 

「ふむ………」

 

「ま、俺がちぃとばかし本気になればこんなもんや。しかし困ったのう…稼いだ額で決める言うんやったら俺が若頭になってまうのう………。」

「五代目はあんたや…人事でもなんでも好きにしたらええが………東城会舐めとると、飼い犬に手ぇ噛まれるで?」

 

「……五代目どうします?」

 

「(確定だな……今の飯渕ので分かったが…今はこの人の出方次第か)」

 

「……一度本件は持ち帰りとする。次回幹部会にて改めて方針を決定する」

 

「……ん?なんや…座り心地は変わらんやないか……」

_________________________

~~竜也視点~~

東城会本部での幹部会が終わり俺は真島組と真島さんに神室町に送ってもらっていた。

 

「いやーー、今日はほんまありがとな。黒ちゃん」

 

「……さっき聞いた時から思ってたんですけど、『黒ちゃん』ってなんですか?」

 

ここまでの経緯を思い出しながら話を聞く。

***************

「………心愛、ちょっと待ってて」

 

「え?竜也君?」

 

家の外から感じる嫌な気配を確かめる為、外に出た。

そこには黒スーツの連中に囲まれていた。

 

「何だてめぇら?人の家そんな物騒に囲みやがって……」

 

「どけや、お前ら。俺が話すわ」

 

そこまでバラバラに散るようにしていた連中が一気に真ん中を空ける。

 

「よう!黒ちゃん!」

 

「ま、真島さん!?…なんでここに?」

 

「ちょっと用あってここに来たんや。なかなか黒ちゃんの家探すの苦労したんやで」

 

しみじみしながら真島さんが話す。

 

「それで用事っていうのは?」

 

「話すより見てもらったほうがええやろ。おい!持ってこいや!」

 

「………!?」

 

キコキコと古臭い音を立てて組員がリアカーを運んでくる。驚いたのは、リアカーの中にあるこれでもかという程の金

 

「これは……?」

 

「急用でな、こいつを東城会本部まで運ばなあかんのや」

 

「真島組だけじゃダメなんですか?」

 

「こいつらフラフラしよって、直ぐポロポロ落ちるもんでの。それなりに力あるやつに運んで貰った方がええからの。しっかし桐生ちゃんは見つからなくての。」

「あかんかのう、と思っとったら黒ちゃんを思い出してそれでこっち来たって訳や。どや?力貸して貰えるか?」

 

「……分かりました。スーツ着てくるんでちょっと待っててください」

 

「なんや黒ちゃん、スーツなんかどうするんや?それに買ったんか?」

 

「一応東城会本部に行くのにジャージってのは不味いでしょう?それに最近バイト始めまして、面接の時に買ったんです」

 

「ほーーお、なるほどのう。ま、待っとるで」

**************************

このような経緯で真島さんの着いていくことになったのだ。

 

「なんや、別にええやないか。それにこれやと俺が呼んだってわかりやすいやろが」

 

「それはそうですけど……ん?」

 

物凄い人だかりにより進めなくなっていた。

 

「なんや?はよ進めや?何をチンタラしとんねん!」

 

「真島さん。なんか変です、いくら人通りが多いこの道でもこんな人だかりは……」

 

【久しぶりだな】

 

「「!!!??」」

 

「(なんだ…!この殺気!?)」

 

俺も真島さんも強烈過ぎる殺気に後ろに下がる。

真島さんの方は下がっただけで平然としてるが、俺の方は冷や汗が止まらない。

 

「い、今のは……!?」

 

「……分からん…でも知りたかったら…行くしか無いみたいやな」

 

気付けば先程までの人だかりが嘘のように道が開いていた。

そこには人だかりの原因になっていたであろう、チンピラが倒れていた。

しかし、身体には火傷の跡が全身、左半身は骨が砕けて立てない状態になっていた。

 

「(これが原因か……!)」

 

いくら喧嘩が日常茶飯事の神室町とはいえ、殺し同然ともなると変わってくる。

 

「誰か知らんが……だいぶヤバい奴って事やな…」

 

さっきから放たれ続けている殺気を辿りその人物の所まで行く。

そして劇場前広場に“ソイツ”はいた。

 

「来たか……久しぶりだな、真島吾朗 」

 

黒のワイシャツに黒コート、そしてサングラスという正に黒ずくめの姿をしていた。それにどうやら真島さんを知ってるらしい。

 

「こうして会うのは17年ぶりか……」

 

「………誰やお前?」

 

真島さんはポケーっとした顔で黒ずくめに尋ねた。

 

「え!?知ってるんじゃないんですか?」

 

「覚えとらんわ。名前聞いてもええか?」

 

「殺す!!」

 

ドゴッ!

 

「真島さん!」

 

かなり早い蹴りにより、真島さんが吹っ飛ぶが

 

「おー痛、あんまり上手くいかんのぅ」

 

「何!?」

 

「(全然負ってないな……成程、“受け流した”のか)」

 

「ほな、改めて名前聞こか?」

 

「グッ……!……亜門…亜門丈…!!」

 

「(亜門……聞いた事ねぇな…)」

 

「ほう……亜門…亜門………」

 

先程までとは違い、疑惑の目を向ける。

 

「やっぱ知ってたんですか?」

 

「いや、知らんわ……それより、ウチのシマでこれ以上やられんのは見過ごせんのぅ……!」

 

「(濃すぎるだろ……!)」

 

俺や桐生さんに向けた時以上の殺気を亜門に向ける。

 

「真島吾朗……やはり衰えてはいないようだな…それでこそ挑む価値があるというもの」

 

「……来るなら来いや…追い払ったるわ」

 

「(流石にこの2人に割って入るのは無理だな…レベルが違いすぎる…秋山さんでも厳しいだろ、これは……)」

 

「そこの“軟弱”は、まだ居たのか」

 

「あ…!?もっかい言ってみろよ…」

 

「軟弱者が…」ドゴッ!!

 

ハイキックをガードされ、頭を左腕でぶん殴る。

 

「誰が軟弱だと……!!」

 

「ヒッヒッヒッ何や、黒ちゃんもやる気やないか」

 

「止めてください。俺の場合はやる気とは言わないですよね……キレなきゃ良かった……」

 

「もう手遅れやな。あいつ、かなり“キてる”様やで」

 

「はぁ……まぁいいや、真島さんk」ガシッ!

 

「ん?何言おうとしたんや?」

 

「く……くれぐれも…!変な事…しないで……くださいって……!言おうとしたんですけどね!」

 

ドゴッ!

 

真島さんが、俺にドスを刺してきたので腕を掴み腹を蹴り、距離をとる。

 

「…なんで、俺にドス向けたんですか?」

 

「2対1はアカンやろ。せやから俺も黒ちゃんの敵に回ったろと思ってな」

 

「ホントその気まぐれにも似たやつやめて欲しいわ…!………ホントふざけんな…この2人相手かよ…!」

 

ボソボソ声で呟く。

 

「何をしている!」

 

「ッ!ガハッ!!」

 

「甘いわ!」

 

2人一気に相手にしてきた亜門に俺はガードをするが、甘く身体が浮いてしまう。真島さんは逆にドスを向ける事で亜門を踏みとどませる。おかげで俺の方もそこまで酷い状態ではなかった。

そのまま真島さんがバットを高速で俺の方に、ドスを亜門に刺そうとする。バットを殴る事で当たる事は無かったが受け身がとれずそのまま落ちるように地面に着く。

真島さんと亜門が1m半くらい、俺が2人から3mくらい離れてる状態で固まる。

 

「黒ちゃん、なんでそんな所まで離れとるんや?」

 

「いや……アンタと違って攻撃喰らったんですよ」

 

「そのわりには意外と平気そうやな」

 

「全然力入れてないって事ですよ…だろ。亜門」

 

「………」

 

「(無視かよ……それより…あんま思いたくねぇけど、まだこの2人とちゃんとやり合う程強くねぇ。今回だけは、全部後手で致命傷だけ避ける事にしよう)」

 

真島さんが攻撃してきても可笑しくないというのに、亜門が俺から目を離さずずっと睨んでる。

 

「お前…なんだよ。さっきの一撃まだ持ってるわけ?流石にそれはt「来てみろ」

 

「あ?なんだと?」

 

「改めてお前が軟弱だという事を証明してやろう」

 

「……後悔すんなよ」

 

真島さんも少し離れて今後の動きを予測しているようだ。

 

ドゴォ!!ガッ!ボコッ!!

 

戦車で顔をフルパワーで殴る。吹っ飛ぶのを足を掴んで投げ飛ばしマシンガンでかかと落としをする。真島さんも背面蹴りで吹っ飛ばす。

 

ムクッ

 

「……ターミネーターかよ…まぁ別に大して効いてないと思ってたから予想通りだけど」

 

「この程度か」

 

「あぁ。正直今のが全力だ」

 

「つまらんな」

 

顔を沈めたまま亜門が近付くのを待つ。

 

ドゴッ!

 

「!?ウグォッ!」

 

バキッ!!

 

虎落としを決め、肋骨にヒビを入れる。

後ろからくるドスを直感で避け離れる。

 

「やっぱ黒ちゃんは強いのぅ!桐生ちゃんと一緒に居っただけはあるのぅ!」

 

「なんで嬉しそうにしてんですか…真島さんに全く関係ないし」

 

「…桐生だと?」

 

「なんやお前?桐生ちゃん知っとるんか?」

 

「……いや、知らない…」

 

「どう見ても知らないってツラじゃないけどな」

 

「…まぁええやろ。続きしよか」

 

真島さんがドスを上に投げ亜門に掌底からの首を捻る。

俺に膝が来るが回避、そこから上に投げてきたドスが俺の腹に刺さる。

 

「!?ッ!」

 

ドスを抜き今度は肩に刺す。

柄を捻るように押し柄の一部まで入る。

 

「なっ!めんなコラァ!!」

 

ドスを持つ腕を逆にこちらに引き寄せ骨を砕き、膝を崩し倒す。今度は仰向けになる様に投げる。

 

「グッ…!……!」

 

ドスを抜いた所を見ると出血が酷すぎて傷の具合すら見れない程だった。

 

「ホントやってくれるぜ……っクソ…肩よりも腹だな…」

 

腹の方は腰の辺りまで血が滲み出ていた。

 

「(2人はどうだ…?どうだつってもこれ以上殺り合うのは出血量的にアウトだけどな)」

 

真島さんは俺にやられた腕だけが酷そうで亜門に至っては五体満足と言っても差し支え無かった。

その時亜門が俺と真島さんに小さな正方形の物を投げた。

 

「(何だ?これ……ドォン!!

 

投げて来たのは爆弾であまり近づかなかったおかげで死ぬ迄は行かなかったが爆風で劇場前のSEGA内まで大きく吹き飛ばされる。

 

「カハッ……やっろう…!ま…まじ…まさんは、どうなった…?」

 

「な、何だ!アンタ!?ひ、酷いケガじゃないか!!」

 

先程まで店前で傷だらけの奴が吹っ飛んできたおかげでSEGA内にいる連中もゴロゴロ集まってくる。

 

「…く、来んな…」

 

「何を言ってるんだ!?」

 

「い、良いから……そこで大人しくしてろ…店の中に……いる…れ、連中外出すなよ……」

 

おぼつかない足どりで外にいる亜門の元まで行く。

 

「(流石に店内に入れる訳にはいかねぇ……街中で爆弾ぶっ飛ばす程イカれた奴だ…)」

 

「良く生きてたな…」

 

「おかげさまで……身体中、ボロボロだよ…」

 

顎を殴られすぐさまガードに入るが右、上、右、左、下

連続でラッシュを喰らい倒れた後、両腕を踏まれる。

 

「やはりつまらなかったな。お前如き殺す程も無い」

 

俺が立ち上がらないのを確認すると真島さんの方へ向かった。

寝返りをして適当なゴミを拾い亜門の後頭部にぶつける。

亜門は不思議そうにこっちを見る。

 

「これ……投げた事すら、気付かねぇんじゃ…そりゃ駄目だな……殺す程っていうか………殺せないの間違いだろ……?」

 

「………何?」

 

「普通に殴り合ってたら……勝てねぇんだろ?…それに……桐生さんに負けたから……あん時、変な反応…したんだろ?………へっ…その…顔は当たりって事で良いよな…?」

 

分かりやすい程の挑発。亜門もそんな事は分かってはいるだろうが、強者だからこそたった一言。『負けた』という言葉に余計に反応してしまう。

 

「クソガキが……!!」

 

「来いよ……!」

 

ここまでのやり取りは時間にすれば数十秒、俺もフラフラながらも立ち上がるには十分な時間だった。

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドスッ!!

 

真島吾朗がこちらに戻って来るにも十分過ぎる時間だった。

 

「ガッ!……グハッ!!……ま、真島ァ!」

 

「まだまだ楽しめそうやないか!!」

 

真島さんのドスが亜門の肋骨付近に深々と刺さる。

こちらに切先が2cm以上見えることを考えるとかなり深い様だ。

 

「ウォォォ!りゃァァ!!」

 

バキッ!!ドタっ!

 

なんとかまた一撃入れる事に成功する。しかしその1発でまた俺は倒れてしまう。

 

「グッ!……っクソ…しんど過ぎるぜ……!」

 

「……」

 

「ハァッ……!ハァッ…!お前ら如きが……!!」

 

身体にムチを打ちまた立ち上がる。最早3人共起きてられる傷ではないが、今なおも起きているのは“負けなたくない”という意地だろう。

 

ポタ、ポタ、ポタポタポタ……ザー!

 

急に雨が降り始めあっという間に豪雨になってしまった。

 

「…………」

 

「…………」

 

「…………」

 

3人共無言で見つめ合う。しかしその目に闘志はほとんど無かった。

実際には竜也のみが闘志を含んでいるが残りの2人は観察するように見ているだけだ。

やがて亜門は後ろを向き痛みを感じさせないような歩きで七福通り西へと向かいだした。

 

「お、おい…!逃げん…の、かよ……」

 

呼び止めるが全く気に停めず亜門は進んで行った。

 

「……俺らもさっさと離れようか。ぎょうさん来る前にのぅ…」

 

「え?」

 

真島さんの声を皮切りに豪雨の中に潜むパトランプの音を聞く。

 

「………確かに…色々、起きましたからね……」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

場所は変わり、中道通りの喫茶アルプス

店内には店員と竜也と真島しか居ない。

何故なら既に真島組が包囲して、人払いを済ませなおかつ人を来させないようにしているからだ。

 

「しっかし大変やったのう」

 

「ホントあいつ何もんだったんですかね?……桐生さんと真島さん知ってるって事は相当なやつですよね」

 

いくら桐生さんが東城会四代目とはいえ、少し前までは無名もいい所の人だ。

 

「……あん時も言うたけどワシは知らん」

 

「分かりました…とりあえず俺はもう帰ります。長い時間家開けてるんで」

 

真島さんがなにかを隠してるのは明白だが本人が言う気が無いのなら別に聞きはしない。

 

「おう!今度また遊ぼうな黒ちゃん」

 

「良いですけど……」

 

命の危険を感じながら返事をした。

ケータイを開き時間を確認すると2時15分だった。

 

「とりあえず心愛に連絡入れるか……」

 

『竜也君?どうしたの?』

 

「要件が全部終わったから今から帰るよ」

 

『分かった。待ってるね』

 

「うん…じゃあまた」

 

今日の晩飯は何かと考えながら家へと向かった。




まーた遅い更新になってしまい申し訳ございません。
次からは龍が如く2に移ります。
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