龍の背中を追いし竜   作:Kurato

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ホント毎回毎回遅くて申し訳ございません。
今回台詞多めです。
宜しければどうぞ!


26話 力の無い人形

救急車から降りた俺はすぐさま東城会本部へと行き、姐さんに寺田の手紙を渡した。

 

 

「まさかこの書状を関西に持っていくつもりですか!?代行!…」

 

「落ち着け…」

 

「親の命殺った連中相手に盃交わして下さいなんて……笑い話にもなりませんよ!」

 

「じゃあお前は五代目の仇を取るというのか…?」

 

「殺られたら殺り返す…それが極道と違いますか!」

 

「兄弟…勝手に動くのはいいが俺らがとばっちり受けるのは御免だ」

 

「ケツまくってのか!?」

 

「戦争すんにも金が必要だろうが」

 

「金だぁ……?それじゃ極道のメンツがねぇだろうが!!」

 

「お黙り!」

 

 

騒ぐ幹部連中を姐さんが黙らせる。

 

 

「…関西へ行くつもりだね」

 

「五代目との約束です…姐さん………この一件、自分に任せて貰えませんか?」

 

「あんたも……全面戦争は避けるべきだと思ってんだね?」

 

「はい…」

 

「桐生…向こうが話を飲むとは思えないぞ……」

 

「柏木さん…これは寺田の遺言です…」

 

「下手したら殺されるよ」

 

「覚悟は出来ています…」

 

「まさかとは思うけど……郷田会長と刺し違える気じゃないだろうね」

 

「………出方次第です…」

 

 

元々重い空気が更に沈む。

 

 

「11年前の堂島殺し……まだ引きずってるね」

 

 

顔を背けてしまう。

 

 

「あれは錦山がやったことだろう?あんたの責任じゃないよ」

 

「錦とは…ガキの頃から一緒でした……血なんか繋がってなくてもそこらの兄弟よりずっと深い…錦の借りは自分のものです…」

 

「無駄そうだね…。この件あんたに任せるよ 」

 

「姐さん!本当ですか!」

 

「考え直した方が…「桐生は東城会のために命賭けるって言ってんだ!。」

 

「文句がある奴は…前に出な…どうせ盃が割れたら後戻りは出来ない…東と西の全面戦争だよ! 」

 

「これでいいね…」

 

「はい…ですが…一つだけ頼みがあります」

 

「何だい…?」

 

「関西に行く前にどうしても…堂島大吾に合わせてください」

 

「……どうしてあいつを…?」

 

「寺田は死に、東城会は柱を無くしました。今、東城会建て直せるのは奴以外にはいません……暴力や権力に屈しない男…そうゆう男が今の東城会には必要です。」

 

「そしてそいつを…大吾は持っています。どうしても大吾には会っておきたいんです」

 

「………やめときな」

 

「何故ですか?」

 

「昔のあの子じゃないからだよ」

 

「一体何が…?」

 

外を見つめる姐さんの表情は暗いものだった。

________________________

神室町に戻ってきた。

 

 

「(変わり映えしねぇ街だ…)」

 

 

姐さんの話を思い出す。

********

「大吾が刑務所に入ってたのは知ってるね」

 

「はい。5年前と聞きました」

 

「あんたがムショに居た頃の話さ。父親があんたに殺されたと思って荒れたのさ……それで馬鹿やってね」

 

「馬鹿とは……?」

 

「関西さ…手ぇ出したんだよ。それで捕まってね。」

 

「今は出所してこっちに帰ってるけどね、浴びるように酒呑んで馬鹿やって暮らしてる。」

 

「もう力の入らない人形さ……」

********

「(大吾が変わっただと……とにかく探さなくては…)」

 

 

「おい!大吾さんが荒れてるってマジかよ!」

 

「あぁ…今大吾さんと一緒にいる奴から連絡が来てな…とにかく人集めろだってよ!」

 

 

「(大吾だと…?念の為聞いておくか)」

 

「すまない。ちょっと良いか?」

 

「あ!?なんだよおっさん!?」

 

「たまたま会話が聞こえたんだが、大吾というのは[堂島大吾]で合ってるか?」

 

「ッ!なんで大吾さんの事知ってんだよ!!」

 

「俺も大吾に用事があってな。会わせてくれるか?」

 

「なんでてめぇなんかに大吾さんの場所教えなきゃいけねぇんだよ!」

 

 

そう言って大吾の手下であろうチンピラ1は構え出す。

 

 

「はぁ仕方ねぇな……1回大人しくさせてやるか…」

 

 

台詞を言い終わるのが早いかどうかチンピラが殴り掛かってくる。

それに頭突きをする形で相手の指を2本折る。

 

 

「うぎゃぁ!!」

 

 

折られた事に気付くとチンピラは手を押さえ、踞る。

 

 

「これ以上やると言うならまだやるが……どうする?お前も来ると言うなら相手になるが?」

 

「っクソ…!」

 

「……辞めとくぜ…」

 

 

チンピラが睨みを効かせるがそれを流す。もう1人のチンピラは闘う気すら無いようだ。

 

 

「話を戻すぞ…大吾の居場所は何処だ…?」

 

「……ピンク通りのSHINEって所だ…」

 

「理解が早くて助かる」

 

 

チンピラを置いていき、SHINEへ向かおうとすると

 

 

「ま、待て!おっさん何もんなんだよ!?」

 

「……堂島大吾の関係者だ…今の俺にそれを名乗る価値があるかは知らんがな……」

_______________________

「いらっしゃいませ。ご指名でしょうか?フリーでの入店でしょうか?」

 

「すまない。堂島大吾が陣取っている席に案内して欲しいんだが」

 

 

ウェイターの挨拶を無視しこちらが質問する。

 

 

「ど、堂島様ですか…?あの人に今近づくのはお客様に危険が」

 

「分かった。自分で行く」

 

「あ、お客様!!」

 

 

ウェイターを手で退けて大吾を探す。

SHINEの奥の広いソファがある席に大吾は座っていた。

 

 

「荒れてると聞いていたが……外面は普通そうだな」

 

「あん?なんだぁおっさん?」

 

 

大吾に媚を売っていた奴が俺の肩を押しながら素性を聞こうとする。

 

 

「悪いがお前らに用は無い。俺は奥のアイツに話があるんだ」

 

「兄貴に向かってアイツだと……!」

 

「少しの間席を外してもらうだけで良いんだ…」

 

「ふざけんな!」

 

 

先程まで喋ってた奴に同意するように他の奴も立ち上がる。

 

 

「席外すのはてめぇのほうだろうが!!」

 

「ここじゃ店に迷惑がかかる。……表に出ろ」

 

 

「(これ以上は時間の無駄だ…さっさと終わらせて大吾と話さなくては…)」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

俺の周りを7、8人で囲んでいる。

 

 

ドサッ!グキっ!

 

 

後ろにいた奴が殴ってくるが躱して足をだし転ばせて背中を踏んでしばらく身動きが出来ない様にする。

 

 

「おめぇらみてぇなのがまだこの街に居たとはな…」

 

「何が言いてぇ?」

 

「身の程知らず……って事だ」

 

「くそオヤジが……そんな口直ぐにきけなくしてやるよ…殺れ!!」

 

 

堂島の龍スタイル最大のスピードの回し蹴りで後ろの3人を直ぐに吹っ飛ばす。

 

 

「グハッ!!」

 

 

1人の頭を掴み膝蹴りで潰す。後ろから1人に捕まれ、頭クラスの奴が殴るが塞がれてない足で顔を蹴り飛ばしつつそのままの勢いで半回転して掴んでいた奴を地面に叩き付ける。

 

 

「ガッ!……っクソ!」

 

「お前らに恨みはねぇ…これ以上怪我させたくねぇ」

 

「うるせぇ!!!」

 

 

そう言ってポケットナイフを取り出す。

 

 

「そんなもんチラつかせたら、遊びなんかじゃ済まなくなるぞ…」

 

「止めろ」

 

「あ、兄貴…」

 

「お前らじゃ話になんねぇ。店に戻ってろ」

 

「しかし、こいつは…「聞こえねぇのか?……戻ってろっつたんだ!言う通りにしろ!」ッツ…行くぞ」

 

「躾が足らねぇんじゃねぇのか?」

 

「奴等は舎弟じゃねぇ。兄貴、兄貴と勝手に着いてくる連中だ」

 

「……相変わらず若いやつからの人望はあるな」

 

「…興味ねぇよ」

 

「東城会に…戻ってくれ」

 

 

戻ろうとする大吾の足を止める。

 

 

「お前が必要なんだ」

 

「俺には必要ねぇ場所だ……」

 

「話は姉さんから聞いた」

 

「それで?聞いたなら分かってんだろ。放っといてくれ」

 

「組の存亡が掛かってんだ。簡単には引けねぇ」

 

「あんな所がどうなろうと俺には関係ねぇんだよ」

 

「東城会に恩があるだろう…!今のお前が居るのは組と堂島組長のおかげだ……」

 

「アンタがそんな事言えた義理かよ…?桐生さん、俺はなアンタだけは信用してたんだ。ずっと憧れの存在だった。」

 

「今はもう違う。親父が殺されて、徐々に組はおかしくなった…

体張る価値はあの組にはねぇよ…」

 

「よく分かってるじゃねぇか」

 

「あ?」

 

「お前の言う通りだ…今の東城会にはそんな価値は微塵もねぇ。

幹部連中は金勘定、昔の威光なんかありはしねぇ。」

 

「でも…俺はまだ信じてんだよ」

 

「……何をだよ」

 

「風間の親っさんや、嶋野…そしてお前の親父さんが居た頃の強い東城会をな……。」

 

「もう一度あの頃の東城会に戻るには……お前が必要なんだ」

 

「勝手な事言いやがって…1年前、組めちゃくちゃにしたのはアンタと、アンタと一緒に居たガキじゃねぇか!!」

 

「確かにそうだ。だから俺は…責任を取りに来た!!」

 

「何g」ドゴッ!ドサッ!

 

「何しやがる!?」

 

「目は覚めたか?」

 

「変わらねぇなぁ……昔から力づくで事を動かそうとする」

 

「そうした生き方しかできなかったからな」

 

「俺もだよ……力で来る奴には力で向かってくだけだ!」

 

 

肩を掴もうとしたのを逆に掴み締め上げ軽い掌底で距離をとる。

 

<堂島大吾>

 

大吾は直ぐに構え出すが俺は動じず意識だけを大吾に向ける。

 

 

「なんの真似だ?あぁ?」

 

「今のお前に言う義理はねぇな。分かりたかったら来たらどうだ?」

 

「舐めてんじゃねぇぞ!!桐生ぅ!!」

 

 

挑発をまともに受けたおかげでとても読みやすいパンチになっていたのでしゃがんでそこからアッパーの形で鳩尾に叩き込む。

 

 

「グホッ!?」

 

 

蹲ったのを確認し、ローキックを全力で顔に入れる。

それだけで大吾は 九州一番星に打ち付けられる。

 

 

「グッ……!な、舐め……やがって……」

 

「…………」

 

「黙ってん…ドタっ!「っクソ……!」

 

 

直ぐには起き上がれず何度か壁に寄りかかりながらようやく起きる。

 

 

「もう辞めとけ…死ぬぞ」

 

「ッ!……うるせぇ!桐生、てめぇなんかに……!悟ら…される義理なんて…ねぇよ!!。」

 

「てめぇが……あん時!錦山を…グッ!止めとけば!親父は死ななかった!」

 

「……それは違う」

 

「…あ?」

 

「あん時は錦が先に聞いていて、俺が止める側として聞いたから向かったがもしかしたら俺が堂島組長を殺していたかも知れない。」

 

「それを理解していたから錦を逃がした。」

 

「だが、結局は錦を変える原因の一角になったし、由美も神宮なんていうクソ野郎と出会うきっかけになった。」

 

「結局は俺にしても錦にしても変わらなかった…2人を失った今更言っても遅すぎるがな」

 

「桐生……」

 

「話は終わりだ。来い、大吾」

 

「……はぁ、そんな顔してるやつなんか殴っても意味ねぇ。アンタ気づいてるか知らねぇが酷い顔してるぜ」

 

「……」

 

 

自分では分からないが余程酷いのだろう。

実際に先程まで大吾にあった殺気が消えており立っているどころか座ってしまっている。

それを再確認した俺は寺田の書状を見せる。

 

 

「東城会の運命は、全てこいつに詰まっている」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

場所を第3公園に移して今は大吾が書状を読んでいる。

 

 

「(読んでいる今なら言っても良いかもしれんな)」

 

 

「俺は明日関西へ行く。無傷じゃ帰って来れないかもしれない。

だからお前に留守を任せたいんだ」

 

「ふざけんな。自分だけカッコつけんてじゃねぇぞ」

 

「東城会を…頼む」

 

「俺も行くぞ」

 

「……何?」

 

「関西には借りがあるんだ」

 

「借りだと?」

 

「5年前、罠に嵌められた。そっからだ、俺の人生が曲がったのは。」

 

「借り返すまでは極道に戻れねぇんだよ。一応言っとくが何言っても無駄だぜ。たとえアンタが行かなくても……俺は行くぜ」

 

 

大吾は俺に書状を返すと第3公園から出ようとする。

 

 

「明日、駅のホームで待ってる……じゃあな」

 

 

大吾が帰った後しばらくそこに立っていた。

 

 

プルルル

 

 

携帯のバイブレーションがなった

中を確認するとそれは信頼を寄せている男からのメールだった。

 

 

「こいつも来るのか…………大吾とは馬が合わなさそうだな」

 

 

明日あの二人を会うのを考え荒れそうだなと思いながら明日の準備を兼ねて帰路を歩み始めた。




さて、どうだったでしょうか?
都合主義が最近多めな気がする……
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