龍の背中を追いし竜   作:Kurato

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何がどうしたら半年空いてしまうんですかね……
我ながら更新ペースの遅さに絶句するばかりです。
またまた待ってくれてる皆様に感謝を込めつつ投稿させてもらいます。
それでは!27話お楽しみください!

中盤から括弧がない文章は第三者視点としてお読みください


27話 蒼天堀

~~竜也視点~~

「(ちょっと早く来すぎたか?まぁでも桐生さんより遅れるのは良くねぇから別にいっか)」

 

 

昨日桐生さんにメールを送って[明日、駅で待っていてくれ。]とメールが返されたので今は改札前で桐生さんを待っている状態なのだが

 

 

「(んだあいつ?さっきから嫌なオーラ全開でこっち見てきやがって……)」

 

 

ガラの悪いチンピラがずっとこっちを見続けているのだ。

流石にずっとされてくると頭にくる

 

 

「おい、さっきから見てんじゃねぇよ」

 

「あ?別に俺の勝手だろうが」

 

「はぁ……てめぇみてぇなのにずっと見られるこっちの気持ちにもなってみろよ」

 

「あんま人の事舐めてんじゃねぇぞガキ」

 

 

チンピラが嫌なオーラから殺気に変わり出す。

 

 

「年下に負けるほど最悪な事はねぇんだから辞めとけよ」

 

 

俺もイラついてるので引く気は無い。

 

 

「……ここは駅前だ。こっち来い」

 

「上等だよ」

 

 

俺とチンピラが改札前から移動しようとした時

 

 

「済まない。遅くなった」

 

「「桐生(さん)、あ?」」

 

 

このチンピラも桐生さんを知っていて俺は困惑する。

 

 

「竜也も大吾も来ていたか。………」

 

 

後半は何を言っているのか聞き取れなかったが、とにかくこのチンピラの事を桐生さんに聞かなくては。

 

 

「桐生さん、こいつって?」

 

「おい、ガキにこいつ呼ばわりされる筋合いはねぇよ」

 

ッチ………今俺が桐生さんに聞いてんだから邪魔すんなよ」

 

 

流石にこうも毎回突っかかってこられると本当に面倒だ。

 

 

「いい加減にしろ」

 

 

本格的に俺とチンピラが殺り始める前に桐生さんに止められる。

 

 

「大吾、お前は知っているだろう……竜也、こいつは堂島大吾。今回俺達と一緒に大阪に同行する1人だ」

 

「そ、そうだったんですね…」

 

 

こいつが同行するというのは少し不満が貯まるがそれを表に出す訳にもいかず堪える。

 

 

「これからどんな状況になるかも分からないのにいちいちそこでいがみ合ってる場合か?」

 

「そうは言ってもよ。こいつが役立つとは到底思えねぇぜ」

 

 

大吾と呼ばれた奴が桐生さんに言う。

少しイラッとするが抑え込む。

 

 

「竜也は自分の意思で来てくれた。それを否定する気は俺には無い。」

「もし竜也が嫌なら……お前は残れ」

 

「……ッチ!分かったよ…」

 

「決まりだな。そろそろ電車が出る時間だ。乗るぞ」

──────────────────────────

「大吾……お前、5年前誰に喧嘩吹っ掛けたんだ?」

 

 

桐生さんはトイレから戻った後窓を開けて外を眺めている堂島大吾に話し掛けた。ちなみにこいつとはろくに話せていない状態だった。

 

 

「……近江連合直参、郷龍会二代目 郷田龍司……今から会いにいく連合会長の息子だよ」

 

「会長の息子…」

 

「バカだった……俺はそいつの罠に嵌った」

 

「罠ってなんだよ」

 

「5年前、郷龍会が神室町にちょくちょく顔出す様になってやがった。狙いは東城会の幹部」

 

 

つい聞いてしまったが話してくれるらしい

 

 

「それって……向こうに連れていこうとしてたのか?」

 

「だろうな…荒れてた俺はそいつの挑発にまんまと乗っちまった」

 

「関西に乗り込んだのか?」

 

「1人でな。郷田龍司と一体一(サシ)の勝負だって言うから関西に飛んだが……」

 

 

堂島はそこで区切る。

 

 

「待ってたのは警察(サツ)だった。」

「銃刀法違反で5年パクられた。………まぁ桐生、アンタの10年に比べりゃ短い方だが。」

「悪ぃけど郷田龍司に借りを返さねぇと、東城会背負って立つなんて出来ねぇんだよ……」

 

「そうか……」

 

「一応てめぇら2人に言っといてやるがあいつらは半端じゃねぇ。裏でどんな罠仕掛けてるか分かんねぇ。用心はしておくんだな…」

 

「あぁ……」

 

「少し寝る…どうせまだ関西までは遠いしな」

 

 

そう言って堂島は寝る体勢に入ってしまった。

 

 

「竜也」

 

 

不意に桐生さんが呼ぶ。

 

 

「なんですか?」

 

「今回の件、お前や南に俺は謝らなければならないな」

 

「どうしてですか?」

 

「近江が危ないというのは俺も大吾も承知していた…だが、お前はあくまで俺に付いて来てもらっただけだ。」

「もしあれだったら…「俺は行きますよ」

 

 

言葉をさき、意志を伝える。

 

 

「別に近江が危険だとか、極道関係でも無いとか、そんな理由で降りるくらいだったら最初から桐生さんに着いてくなんて言いませんから」

 

「……そういえばお前はそういう奴だったな」

 

 

桐生さんが苦笑しながら言う。

 

 

「俺も寝ます。おやすみなさい」

 

「あぁ」

───────────────────────

「なぁ、あんたら?もう直ぐにでも宿に行くのか?」

 

 

蒼天堀に着いてしばらく歩き、大吾が質問する。

 

 

「俺は特に何も考えてないが」

 

「俺は少し飯がどんなもんか知りたいから、遅く宿に行くつもりだったけど?」

 

「そうか。新幹線でも言ったがここには嫌な思い出があるもんだからな。悪いけど街をぶらつく気分じゃねぇんだ」

 

 

三者三様に答える。

 

 

「じゃあ大吾はホテルで休んでろ。俺と竜也は街を歩く事にする」

 

「そうさせてもらうぜ。おめェら2人共深酒すんなよ……じゃあな」

 

 

大吾はスタスタと歩き出していった。

 

 

「竜也もホテルの場所とかは覚えているな」

 

「はい、分かってます」

 

「じゃあ問題は無いな。またホテルで会おう」

 

「分かりました」

 

 

「(と言ってみたものの、何処に食いに行こうかなぁ?)」

 

 

考えてなかった竜也は道の傍に止まり考え込む。

 

 

「(やっぱこれぞ大阪!って感じのが食べてぇけど…たこ焼き、お好み焼き、フグ、串かつ……串かつで決まりだな)」

 

 

少し考え決めると大阪駅に着いた時に取っておいた蒼天堀の地図を広げ店を探し出す。

 

 

「(招福町の細い道の所に店あるな…ここでいっか)」

 

 

特に悩む事も無く決めて黒瀬は店に向かいだす。

────────────────────

「いらっしゃいませー」

 

 

「(おぉ…美味そうな匂いだ。アタリだな)」

 

 

「何にする?」

 

「とりあえず適当に4、5本お願いします」

 

「へい」

 

 

「(店自体はそんなにデカくはねぇのに結構人来てんだな……やっぱここにして正解)」

 

 

5分くらいしてようやく串が出始める。

 

 

「いただきます」

 

 

ソースを付けて食べる。二度付けは禁止なのを竜也は知ってる為1本1度に抑えて食べる。

少し食べたらキャベツも口に入れる。

 

それを繰り返ししばらくするとスーツ姿の集団が来た。

 

 

「(2、3人…近江だったりしてなw)」

 

 

「おい、とりあえず10本くらい持ってこい」

 

「へい」

 

「ったく…俺も郷田さんに付いていけば良かったぜ」

 

「無理や無理。今回はあの人すら行っとらんのにワシらが行ける訳ないやん」

 

「だよなぁ……そうや。知っとるか?」

 

「なんや?」

 

「あの裏切りモンが死んだらしいで」

 

「ホンマかいな?まーた嘘と違うんか?」

 

「ほんまや。あの人が言っとんやで」

 

「あの人が……なら東城会からの報復も計画しとかんとアカンな」

 

 

「(はっwビンゴ!)」

 

 

「ご馳走様でした」

 

 

確信を得た竜也は会計を済ませ、スーツの連中へ話し掛ける。

 

 

「すいません」

 

「あぁ?なんやガキ」

 

「あんたら………近江連合って事で良いんだな?」

 

「だとしたらなんやっちゅうねん」

 

「いやまぁ…話し合いみてぇな?」

 

「何言うてんねん。お前みたいなガキに構ってられるかいな」

 

「別に良いだろうが。どんだけ心狭いんだよ」

 

「あ?あんま舐めた事言っとんじゃねぇぞクソガキ」

 

 

 

立ち上がり竜也を威嚇しだすヤクザ達。

 

 

「俺はまんまの事言ってるだけだろうが」

 

 

店には嫌な空気が流れ始める。

 

 

「表でろや」

 

「てめえらのが出口ちけぇんだからてめえらから行けよ」

 

 

「(少しでも熱くなってて貰った方がやりやすいからな。ある程度は煽らせてもらうぜ)」

 

 

ヤクザ達の間に竜也を挟むようにして店の裏まで出ていく。

店の方にヤクザ2人その後ろに1人が座っている。

 

「今更謝っても意味無いで」

 

「来んならさっさと来いよ」

 

 

1人が突進してくる。

そのまま竜也を掴み柱まで激突させる。

 

「ッ!邪魔っ!」

 

 

その背中を殴り離させる。

 

 

ドゴッ!

 

 

その隙に近付いていたもう1人に殴られる。

そのまま馬乗りになられるが、瞬時に足を間にいれ回避する。

それでも殴ろうとするヤクザに空いている片方の足で蹴り飛ばす。

 

 

「あっぶな……後はアンタだけだぜ?」

 

「………ナニモンや?」

 

「ただのコンビニでバイトしてる人間だよ」

 

「普通の一般人がヤクザ相手にそんな出来るかい」

 

「さぁな。とりあえず続きやろうぜ」

 

 

話を切り上げまた構え直す。

 

 

「何しとんや、篤」

 

「ッ!お、お疲れ様です!!」

 

 

ふと謎の男が先程まで座っていたヤクザに話しかける。

 

 

「誰だてめぇ?」

 

「何や、篤。なんでコイツら倒れてるんや?」

 

 

黒瀬の話を無視してヤクザに話を聞き続ける。

 

 

「そ、ソイツにやられました」

 

「…てめぇも近江なのか?」

 

「そうって言ったら?」

 

「ソイツの代わりにやろうぜ」

 

「……………後悔すんなよ」

 

「あ?………グホッ!!!」

 

 

いきなり目の前に現れボディーブローとハイキックを喰らう。

 

 

「ガハッ!!」

 

 

そのまま投げ飛ばされず腕を引かれまた殴られる。

 

 

「(こ…コイツ………アイツらなんかとは…か、格が……違ぇ……)」

 

 

「…の、の野郎……!?」

 

 

ドゴッ!!バサッ!!

 

 

ようやく立ち上がったと思ったらドロップキックを直撃してしまいゴミ置き場まで蹴り飛ばされた。

 

 

「(ま、まだだ……ま、負けらん…ねぇ………ックソ……)」

 

 

そして竜也の視界は暗転していった。

────────────────

~~桐生視点~~

「(郷田龍司の件があったとはいえ遅くなってしまった。)」

「(もう竜也も、来ているかもしれないな)」

 

 

ガチャ

 

 

「すまない。遅くなってしまった」

 

「おせぇぞテメェら。さっさと風呂でも入ってこい」

 

「ん?竜也は居ないのか?」

 

「あ?あいつなら来てねぇぞ。お前と一緒じゃないのか?」

 

「いや、俺とあいつはお前と別れて直ぐに別れたから、その後は会ってないんだ。」

「あいつがホテルの場所を忘れるとは思えないが……」

 

「とにかく、お前は風呂入ってこいよ。いくらガキとはいえそんなすぐ面倒事に首突っ込むタイプでもねぇだろ」

 

「……分かった」

 

 

「(心配なのは事実だが一番信頼できるのも竜也だ。あいつを信じよう)」

───────────────

ピンポーン

 

 

「っ…う、今何時だ?」

 

 

急に部屋のインターホンがなり目が覚める。

時刻を確認すると午前2時だった。

 

 

「なんだよ。こんな時間によ」

 

 

大吾も起き、ドアを開ける。

 

 

「ッ!てめぇ」

 

「竜也……!」

 

 

そこにはボロボロの状態で立ち尽くす竜也の姿があった。

 

 

「てめぇ、今何時だと思ってんだ」

 

「……」

 

「おい、聞いてんのかよ」

 

「………悪かったな」

 

「……!?」

 

 

大吾も黒瀬が素直に返事すると思っていなかったのか、桐生と共に驚く。

 

 

「竜也、とりあえず風呂入れ」

 

「………うす」

 

 

全くの生気が感じられない調子で2人の間を通り竜也は風呂場に向かった。

 

 

「大吾、寝るぞ。どうせ竜也もシャワー浴びたら直ぐ寝るだろうしな」

 

「あいつ大丈夫なのかよ?」

 

 

大吾が桐生に竜也の事を聞く。

 

 

「……あいつなら乗り越えるさ。それよりあいつがあんなにやられるなんて事は近江の幹部だろう。」

「俺らも気合いを入れないとな」

 

「………分かったよ。アンタがそこまで言う奴だ。信用してやるさ。」

「ったく、あいつの性で変に目が覚めたじゃねぇか」

 

 

そうしてまた直ぐ大吾は寝てしまった。

 

 

「(竜也をやった奴が何処なのか知らないがもし郷龍会なら………)」

 

 

そうして桐生も考えながらまた眠りにつくのだった。




まさかの竜也君ボッコボコ事件
今までも苦戦は毎回してきましたがここまで圧倒的なワンサイドゲームは見た事無いですね
何処の作者にも居ないんじゃなかろうか。こんなに主人公ぼこさせる奴

とりあえず次回は本題の近江連合本部に寺田の書状を持っていく所からスタートです!
是非ともまた見てください!!
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