龍の背中を追いし竜   作:Kurato

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相変わらずの更新ペースで申し訳ございません
また、頂いていた感想にも何も送れませんでしたが毎回目は通してます。
返信出来ず申し訳ございません。
今回は会話メインです。



30話 近江四天王

「はぁ……はぁ…辛……」

 

 

竜也が壁に背を預けながらゆっくりと立ち上がる。既に日が暮れていた。

その周りには近江連合と思われる多くの人数。

 

 

プルルルル ガチャ

 

 

『竜也か?どうした?』

 

「もしもし……桐生さんっすか……郷田会長なら…堂島の奴が連れてきました……流石に…大阪出たはずですが…」

 

『お前、今何処にいる!』

 

 

竜也の話し方から危機を感じた桐生が声色を変えて聞いてくる。

 

 

「……ちょっと分かんないっす」

 

 

周りを見ながら答える竜也。

 

 

『蒼天堀には来れるか?』

 

「今…向かおうと思ってました。」

「すぐ行きます…」

 

『分かった。着いたらまた俺に連絡してくれ』

 

「了解っす」

────────────────────

「桐生さん、着きました」

 

 

先程迄とは違い、息を整えた竜也が桐生に連絡する。

 

 

『そうか。悪いが巖橋まで来てくれないか?俺も少し離れた位置にいるから直ぐにそっちに向かう』

 

「はい」

 

「すまない。待たせたな…!ずいぶん酷い格好だな」

 

 

桐生の目の前には上半身のスーツが所々破け、側頭部から出血していたであろう傷が出来てる竜也が居た。

 

 

「堂島が行ったあと、1人で近江と戦ってたらこうなりました…それより桐生さんの方は…?」

 

「それもちゃんと話すつもりだった。移動しながら話そう。少し急を要する自体もあるしな」

 

 

そう言う桐生には薬局屋のロゴが貼り付いているレジ袋を持っていた。

 

 

「……分かりました」

 

 

桐生の話は

・郷田龍司の狙いは東西の戦争、及び自分との事

・東城会の代弁者として来た自身の保護として府警四科の“狭山薫”がついており、今は大阪から出れないとの事、またその狭山薫が怪我してをしまいある場所に匿ってるとの事

・堂島大吾の方は竜也に連絡する前に連絡して

 

 

「…とりあえず今はそんなとこだな。ここだ“スナック葵”ここに狭山が居る。」

 

「うっす…分かりました」

 

 

ガチャ

 

 

「待たせたな。買ってきたぞ」

 

「わざわざすまんなぁ…助かったわ。ん?そいつ誰や?」

 

「こいつは俺の知り合いの竜也だ」

 

「黒瀬竜也です。よろしくお願いします」

 

「まぁあんたの知り合いならええやろ、私は民代よ。あんたも治療しようか?」

 

「俺は大丈夫です。もう動けるんで」

 

 

竜也の怪我を見た民代が確認するがわざとらしく動けるアピールする竜也。

 

 

「ならええわ。2人とも座りや」

 

 

言われた通り座る2人。

 

 

「何飲む?」

 

「何でもいい」

 

「俺はソフトで」

 

「はいよ」

 

 

桐生に酒、竜也に麦茶を出す民代。

 

 

「病院に居たのか?随分慣れた手つきだったな」

 

「かなり昔のことや」

 

「狭山とはかなり親しいようだな」

 

「親しい?当たり前や。私はあの子の親や」

 

「え?」

 

「まぁ血は繋がってへんけどな」

 

「義理って事ですか?」

 

「そんな大層なもんちゃうで。ただの育ての親や。」

「あの子……孤児やねん」

 

「孤児……」

 

「生まれてすぐ両親が死んでもうてな…せやからウチが育てたんや」

 

「そうか……道理でな」

 

「ん?」

 

「実はあいつは撃たれた時“葵”って店に行けと行ったんだ…」

 

「それが…なんなん?」

 

「人は何か急な時に縋るのは大体親です。」

「それが急に出ないって事は何か別の理由があるって事ですよね?」

 

「あぁ、そうゆう事だ」

 

「へぇー…そうゆうもんなん?何でアンタら分かるん?」

 

「俺も竜也も孤児だからな……」

 

「そうか…まぁ薫からしたらウチはホンマのオカンちゃうしな」

 

「そんな事無いっすよ」

 

「?何でや?」

 

「本物とか、偽物とか関係なく何時だって心の底から頼れる場所があるってのはそこに居る人を心から信用してないと出来ないです。」

「そうゆう場所が1箇所あるだけで人は救われるんですよ」

 

「アンタ……ありがとな」

 

「いや!そんな感謝される事じゃ無いですよ」

 

「謙遜すんなや……それよりもアンタら薫と同業?。」

「それとも…探偵さんか何か?」

 

「いや、竜也はともかく俺はそんな大したもんじゃねぇ」

 

「え?じゃあなんなん?」

 

「まぁ……警察の敵ってとこだ」

 

「ママ、喋りすぎやで」

 

 

それまで寝ていた薫が目を覚まし起き上がる。

 

 

「痛むか?」

 

「アンタに心配される筋合いじゃないわ」

 

「あ?」

 

「よせ、竜也」

 

「ちょっとアンタ!ここまで運んでくれはったのに礼の1つくらい言わんかい」

 

「ヤクザ風情に礼言うほど、落ちちゃいないわ」

 

「それだけ口が聞ければ上等だ。それより郷田龍司だ。ここまで手回しが良いとは思わなかった」

 

「これは郷田龍司の仕業じゃないわ」

 

 

薫が自分に当たった弾薬を見ながら言う。

 

 

「郷龍会は力で相手をとことん追い詰めてトドメを刺す……それが奴等のやり方…プロの殺し屋を雇うなんて真似はしないわ」

 

「プロの殺し屋……?」

 

「あの距離からライフルを扱えるものはそうは居ないわ。それにこの弾丸…通常のライフルよりも口径が小さい……。」

「殺すつもりじゃなかったのね……」

 

「つまり相手は…俺を脅そうと?」

 

「直接犯人から聞かないとそれは分からないわね」

 

 

カラン

 

 

桐生がグラスを置くと同時に竜也も立ち上がる。

 

「どこ行くの?」

 

「雇い主を探す…このままじゃ……俺は誰と闘えばいいか分からないからな」

 

「それなら……コレを持って招福町の雀荘へ行きなさい」

 

「情報屋か…」

 

「三人卓で打っているチャンチャンコを着た男あなたが“レートは?”と聞くと“いつもどのくらいで打ってる?”と聞き返す。」

「そしたらアナタは“アンタに任せる”と言う」

 

「“アンタに任せる”……か」

 

「したら相手はデタラメなレートを言うわ。とにかくそれを受けて」

 

「分かった。行くぞ竜也」

 

「了解っす」

 

「一応言っておくけどあなたは府警の監視下にあるのよ。逃げる様な真似しないでね。」

「私の電話1本で即座に逮捕できるんだから」

 

「あぁ」

 

 

薫の忠告を聞き外に出る桐生と竜也。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「ここだな。招福町の雀荘は」

 

「早いとこ聞くだけ聞いて出ましょうか」

 

「そうだな」

 

「あぁ!何やお前ら!」

 

 

雀荘に入ろうとした桐生と竜也を入口にいた男が止める。

 

 

「今日は招待のみなんや。招待状無いやつ入れる訳にはいかんのや」

 

「そうか。済まなかったな」

 

「……どうします?」

 

「そうだな…一旦狭山の奴に聞きに戻るか」

 

「なぁ、アンタら」

 

「ん?」

 

「あんたも雀荘門前払いされたんやろ?招待状寄越せなんてえらい気取りやがって。」

「やっぱ“雀歌”ぐらいの雀士やないと入れへんのかいな……」

 

「?その話詳しく聞かせてもらっていいですか?」

 

 

この後、桐生と竜也は麻雀好きな男に“雀歌”についての話を聞き、ゲーセンに入り浸っているという“雀歌”の元で更にその男の娘がヤクザ連中に攫われてしまったのを聞いた2人は、その娘を取り返す事を交換条件として招待状を貰うことにしたのだ。

 

 

「毘沙門橋のコインロッカー奥で立ってる男達…アイツらですね」

 

「無駄な時間だ……すぐに終わらせるぞ」

 

「OKです。なぁ!アンタら」

 

「あぁ!なんやお前ら!?」

 

「雪子って女の子取り返しに来ました」

 

 

ガンッ!!

 

 

竜也が話終えると同時に目の前の男の顎を蹴りあげ気絶させる。

反撃させる隙を与えず2人目の横に周り肘打ちを喰らわせ、かかと落としで終わらせる。

 

 

「桐生さん!こっち終わりました」

 

「俺も今終わった。おい…雪子は何処だ?」

 

「す……すいません…雪子は川のパラソルんとこの下におる“赤い服着た男”に攫われて預けてます!。」

「ヒ、ヒィィィ!!!」

 

「あ、おい!逃げんじゃ…はぁ、早いとこ行きましょう」

 

「あぁ……」

 

 

川のパラソル下の男のもとに向かった2人は『雪子』と名のついた猫を取り返し、ゲーセンで待っている雀歌に招待状代わりの“桜の牌”を受け取り、ようやく雀荘に入れたのだった。

 

 

「チャンチャンコを着た三人卓の男……アイツですね」

 

「俺が話を聞いてこよう」

 

「じゃあ俺は近くの席座ってますね」

 

 

そう言い竜也は隣の卓へ行き、桐生はチャンチャンコを着た情報屋へ話を聞き出した。

情報屋の値段条件は10万だったが背に腹はかえらない桐生は何食わぬ顔で払った。

 

 

・この弾丸は近江高島会であること。

・高島が他の組に流してる線は無いということ。

・警察が動かない理由は分からない。

 

「話すのはここまでや。これ以上は喋れんわ」

 

「何故、高島が……。」

「まだ教えて貰いたいことがある」

 

「なんや?」

 

「さっきの続き……高島の裏を教えてくれ」

 

「別料金や…それにちっとばかり値が張るで」

 

「幾らだ?」

 

「30万や……」

 

 

払うのをやめた桐生は黒川に情報屋江崎について聞いた結果〘アーモンドのレート〙を聞きたがっていた事を聞き、バー ステイルで〘アーモンドのレート〙を聞くことが出来、再び江崎の所に戻ってきた。

 

 

「アーモンドのレートを知りたいそうだな」

 

「お前…それを何処で……交換条件や」

 

 

「(流石桐生さん、たった数十分で30万の条件がただの1つの情報に変わっちまうんだから)」

 

 

・高島は官僚と繋がっているらしい

・近江での若くしての出世で有名

 

 

プルルル

 

 

「えっ?…ホンマでっか?分かりました」

 

「世話になったな」

 

「待てや。桐生一馬さん」

 

「どうして俺の名前を……?」

 

「アンタ……1億円になってしもたわ〜」

 

「なんだと……?」

 

「懸賞金や……悪う思わんといてな」

 

 

江崎の卓に居た人の他に別の卓に居た奴らも立ち上がる。

 

 

「その首に1億がかかっとりゃ誰でも目が血走るわな……」

 

「1億とは…随分安くみられたもんだなぁ……竜也」

 

「そっすね………桐生さんなら少なくとも100億くらい積まねぇと」

 

「ワシらにしたら十分な大金や……死んでもらうで!」

 

「おい……てめぇらはこっちだよ」

 

 

ガシャン!!

 

 

桐生の後ろにいたチンピラ4人を自分の座っていた卓を蹴り飛ばし、2人直撃し、避けた2人にはダブルラリアットを繰り出す竜也。

当たってよろめいている2人を殴り終わらせる。

 

 

「そんなんじゃ桐生さん狩りなんてまだまだだな」

 

「オラァ!」

 

 

ドガァ!!

 

 

「ヒッ!!」

 

 

桐生が江崎を殴り飛ばしゆっくりと近付く。

 

 

「俺の首に懸賞金をかけたのは誰だ!」

 

「し、知るか!」

 

 

桐生が江崎を蹴り飛ばそうとする。

 

 

「や、止めろ!せ、千石組やっ……!」

 

 

「(千石……あの“格”がどうとか言ってたやつか……)」

 

 

「あの千石のことか…?」

 

「そ、そうやっ……!」

 

「郷田、高島、千石に狙われて……アンタ…八方塞がりやで!」

 

「どうして俺の首を……?」

 

「アンタは……跡目争いのゴールなんや」

 

「俺が……行くぞ」

 

「はい」

 

「とりあえずスナック葵に戻ろう」

 

「了解です」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「このままやったら体が持たへんよ!」

 

 

スナック葵に戻ってきた桐生と竜也に民代の声が聞こえる。

 

 

「放っといて!」

 

「何でそうやってアンタは無茶すんの!」

 

「ママが何も話してくれへんからやないか!」

 

「何遍も言うてるやんか。アンタの両親とヤクザは何も関係ないって!」

 

「だったら教えてよ!私の本当の親は誰なの?」

 

 

民代は顔を俯く。

 

 

「もうこの話はええわ……とにかく私は桐生一馬を追い掛ける」

 

「何でや?」

 

「あの男が東城会の人間だからよ」

 

「東城会!?」

 

「彼の身辺保護をすれば、東城会に近付ける。」

「そうすれば、過去に何があったか調べることが出来るわ」

 

「薫………アンタ………」

 

 

ガチャ

 

 

「まだ痛むか?」

 

「もう何ともないわ」

 

「水を1杯くれ」

 

「俺もお願いします」

 

「狭山、紹介するのが遅れた。俺と一緒に大阪に来た竜也だ」

 

「黒瀬竜也です。よろしくお願いします」

「府警4課、狭山薫よ」

 

 

プルルルル

 

 

「狭山です……あ、はい。」

「ちょっと怪我をしまして……はい……はい、一緒です。」

「……え?あ、はい。分かりました」

 

 

そこまでで桐生に携帯を渡す薫。

 

 

「ウチの課長から」

 

「え?……桐生だ。」

「あぁ…だが俺に何の用だ?。」

「何だと?。」

「郷龍会か?。」

「いや……。」

「神室町に…?だがこのまま……大吾と会長をほっとく訳にも行かない。」

「何!?。」

「分かった。恩に着る」

「………分かった」

 

「竜也。神室町へ帰るぞ」

 

「えっ!?」

 

「府警の管轄外だ。お前は残っても良いんだぞ」

 

「あなたの身辺保護を頼まれた以上、管轄なんて無いわ。私も行くわ」

 

「勝手にしろ……竜也、大吾と郷田会長が攫われた」

 

「!?堂島がやられたって事ですか?」

 

「かもしれない。とにかく2人の身が危険だ。早く向かおう」

 

「ですね。いきましょう」

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