龍の背中を追いし竜   作:Kurato

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半年ぶりです……お待たせしました。
この半年の一応集大成的な兄さん戦です
待ってくれていた皆さんの期待に合うかは分かりませんが、どうぞよろしくお願いします
後、今回からパワースタイルの名称を戦車スタイルからライフルスタイルへと変更致しました


33話 修羅

「ッシャァ!」

 

ゴングの音がなると同時に、ドスを起点とした絶え間ない攻撃を出し続ける真島とそれを捌き続ける竜也。

 

「!甘ぇよ!」

「どっちがや!!」

 

下からのアッパー気味の拳をクロスして受け止めるが、そのクロスした腕と拳を起点として体を浮上させて蹴り下ろしを繰り出す真島。

この衝撃で後退した事により距離が空いた。

 

「(っぶな……“逃がせなかったら”結構いってな今の)」

 

周りからは直撃したように見える真島の攻撃だが実際にはこれを喰らう事によって起きる衝撃を使いながら“いなす”様にして回避する竜也

 

「……相変わらず俺の速さにちゃんと着いてこれるんのは黒ちゃんだけやな。」

「桐生ちゃんとかは読みや直感込みや。黒ちゃんの反応だけは感心するでホント」

 

「そりゃ…どうもっ!!」

 

真島の言葉を聞き流すようにし、感謝を述べながらも攻守を交代するように今度は竜也が攻める。

スピードのみだと分が悪いと感じ、ハンドガンへとスタイルを切り替え改めて向かい合ってゆく。

切り替えた瞬間こそ反撃が起こり、攻撃が何回も掠めたが段々と慣れてきたのか避けるのと同時に竜也も少しずつ攻撃を絡めていく。

 

「でもってそれがアカンねん。黒ちゃん」

 

竜也の拳を這うように躱すと一気に竜也の背に寄りかかる。

そのままドスの柄で背中を突きまた距離が離れる。

 

「初めて殺りあった時の事覚えとるか?」

「は?いきなりなんすか?」

「ただの質問や……あん時から随分ゴツイ思っとったけど今はもっとゴツくなったのう…。」

 

唐突に1年前の事を語り出す真島。

 

「(マジでいきなり過ぎだろ…んでもって隙だらけに見えて全然隙なんてねぇし)」

 

「でもあん時の殺気はこんなモンちゃうかったで」

「ホントに訳わかんないすよ…喋る余y「あん時の黒ちゃんは桐生ちゃんに近付くもんがあった。」

「あんだけ啖呵切った今の黒ちゃんがこんなモンな訳ないやろ」

 

一時収まっていた真島の殺気がまた溢れ出す。

その殺気に当てられた皆が真島から隠れようとする。“2人を除いて”

 

「……前の俺にあって今の俺にないもんがあるって事すか?」

「せや」

「教えてくださいつって教えてくれるタチじゃ無いですよね」

「分かってるやないか」

「じゃあ無理矢理聞きます」

 

右フックを繰り出しそれを止められる。そこまで分かっているかのように右脚を真島の顎に全力で蹴り上げる。

しかし右腕を掴んだままの真島は竜也を引き込み右に握ったままのドスを突き刺す。

それを空いている左手で止めお互い両腕が塞がったことで一瞬の膠着が生まれる。

 

「(やっぱこの人尋常じゃねぇ!)」

 

竜也の思考のうちに自身がしゃがみこむように身体を捻らせた反動で竜也を浮かせ、そのまま蹴りを入れる真島。

 

「ガハッ!」

 

金網に強く叩き付けられた竜也は肺から空気が漏れ出す。

 

「…流石やな黒ちゃんこの短期間でさっきよりマシになったで」

「………褒め言葉どーも…でも、さっきよりって事はまだ違うって事すよね」

「あぁ、まだ足りんで。」

「あん時とはまだまだや」

 

「(何が違うってんだよ……こちとらあの時なんか死にかけた思い出しかねぇよ)」

 

真島の意図が未だに分からず困惑する竜也。

 

 

「!考える暇くらいくれっての!」

 

止まった竜也をそのまま放置せず攻撃をしてくる真島

竜也の呼び掛けには応えずそのまま攻撃を続ける。

 

「(ッチ!考えるのは一旦後だ!)」

 

拳を滑らせ横に立ちそのまま脇腹を蹴りまた距離を取ろうとするが、蹴る寸前に裏拳が飛んできたことにより後ろに仰け反ってしまった為に少ししかダメージを与えられない。

 

「(あん時…真島さんに呼ばれて……最初は確かに遊ばれてるだけだった…んで途中で桐生さんが入ってきて……)」

 

ドゴォ!

 

竜也が考えてる間にも真島は止まらずアッパーからの脇腹にドスを刺し、刺したまま反対方向へと蹴り飛ばす。

蹴り飛ばされ金網にぶつかったまま動かない竜也

 

「……何や黒ちゃんもう終わりかいな」

「…そうゆうことかよ

「?何ゆーてるか聞こえんで」

「ようやくアンタの言ってた事が分かったつってんすよ」

 

その一言を皮切りに竜也の雰囲気が変わる。

それを感じた真島は動きを止める。

 

「(桐生さんが割り込もうとした時俺は何を考えた…?“邪魔”間違いなく俺は桐生さんにそう感じた。)」

「(だからもし今の俺や亜門ん時んで違うモノがあるとするなら…)」

 

座り込んだままの竜也がハンドガンスタイルの青いヒートを纏いながらようやく立ち上がる。

 

「どんな奴でも喰う覚悟」

「ソレやねん、黒ちゃん。ワシが求めてたんはその目やァ……!!」

 

~~桐生視点~~

「(変わった……さっきまでの竜也とは明らかに違う)」

 

観客席に座る桐生も竜也の変化に気付く。

 

「(兄さんの言ってた通りになったな)」

 

まだ竜也がゲイリー戦を迎える前の事を思い出す。

**************************

「なァ桐生ちゃん、桐生ちゃんから見て今の黒ちゃんはどや?」

「今の竜也だと?それはもちろん強いと思うが」

「それには俺も同意や。けどな、黒ちゃんはもっと強い筈やねん」

「どうゆう事だ?」

「言葉通りの意味や。黒ちゃんにはまだ先があるはずや。」

「それこそあのホテルで殺りおうた時の黒ちゃんとかな」

 

「あの時の竜也か……」

「今の黒ちゃんは殻を少し破った程度。そんなんじゃワシは満足出来ん。 」

「せやから次の試合で殻を本格的に破らせたるわ」

 

「もし破れなかったら?」

「お前やったら言わんでも分かるやろ」

 

先程までの少しふざけ交じりではなく本気の声色になる真島。

 

「(変われなかったら竜也が死ぬか……。)」

「(あの梅澤という男は近江の中でもトップクラスの人間だろう……なら俺に出来ることは…)」

 

「兄さんに任せる。俺は竜也を信じる事にする」

「ヒッヒッヒッ決まりやな」

****************************

「(まさかここまでとは思わなかったが)」

 

脇腹に刺さったままになっているドスを抜き、真島に向かって全力で投げ、自分自身も向かっていく竜也。身体全体を使い回避し勢いが全く衰えてないドスを掴んでそのまま攻撃を開始しようとする真島。

先に拳が当たった竜也がそのまま振り抜く。金網に全力でぶつかって倒れ込む。

真島が先程、竜也を使う事で行った身体を浮かせる技を、拳を振り切った反動で行いかかと落としを入れる。横に転がることで回避する真島。空を蹴った蹴りは反動でコロシアム全体にヒビが入る。

 

「(相手が兄さんじゃなかったらもう今の攻防でケリがついていたな。)」

「(さて、またあの人と本気でやり合う訳だが…勝てるか?竜也)」

~~竜也視点~~

「ええで…ええやないか黒ちゃん!」

「…ホント…つくづくアンタってタフだなって思いますよ」

 

「(亜門や安堂と殺った時ほどじゃねぇけど身体自体はボロボロなのは間違いねぇんだけど……頭がいつも以上に冴えてるのが分かる。) 」

 

「何止まっとるんや?」

 

ヒュッ!ガッ!ドゴッ!

 

竜也の考える瞬間にも真島は止まらず竜也に向かって突撃していく。

ドスを空中に放し空いた四肢をフル稼働させ、肉弾戦を開始する。

右腕、左脚、回転しながら右脚掠めるだけに留まらず直撃する。

最後のストレートを喰らうが吹っ飛ばされず下半身だけで耐える竜也。

そのまま真島にハグするかのように寄りかかる要領で頭を掴み、膝蹴りを顔に入れる。

少し浮いた身体をライフルスタイルの怪力でベアハッグを繰り出す。ミシミシという音が鈍い音がなり続ける。

 

ドゴッ!ガスッ!!

 

技を止め、砲丸投げの要領で金網まで投げ飛ばす。

 

「……これはどうよ…もう常人なら無理だろ」

「…………なんで途中で技止めたんや…あのままやっとればワシの身体壊して終了やろうが」

「俺は別にアンタを壊してぇ訳じゃないですし、ただ勝てればそれで充分。」

「桐生さんが言ってた以上、アンタは東城会に必要なんだ。だから認めてもらう為にきちんと倒す」

 

「……やっぱり甘いのう…まだまだワシはいけるで…」

 

「(やっぱ無理か…ッチ……!俺の方も身体が重くなってきてる……でも真島さんの動きもさっき迄とは全然違う!押すなら今だ!!」

 

真島の疲弊を感じてる竜也が素早くマシンガンスタイルに変わり、真島のラッシュよりも遥かに速いラッシュを頭、みぞおち、もも、頭と至る箇所に叩き込む。

 

「グッ!ゴフッ!!」

 

「(勝機!!」

 

吐血しながら膝をついた所を見逃さずアッパーからのミドルによりまた金網に当たるが反動で戻ってくる所に回転によって威力を上げたストレートを鼻頭に叩き込む。

 

ガシャァン!!

 

今までとは違い身体を仰け反らせながら吹っ飛んでいく真島。

 

「やっぱ……ちゃうのう…黒ちゃんは…」

「決まりっすね……東城会に戻ってもらいます」

「まぁ…桐生ちゃん交えてゆっくり話そうや」

 

ボロボロになった真島がゆっくりと立ち上がりながらリングを降りて行く。

それを見て後から進んでいく竜也。桐生も確認を終えて会場から出ていく。

しかしこの時3人とも気づいていなかった。竜也のヒートの節々に“淡い白金色”が煌めいていることに




今回の兄さん戦が僕の中で節目の戦いなんでかなり戦闘シーンは頑張らせてもらいました(まぁでもこのクオリティですが)
ホントはもっと長くする予定だったんですがこれ以上伸ばすとただの引き伸ばしになる気がしたのでやめました。
次回も何時になるか分かりませんが頑張って書いていきます!
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