戦姫絶唱シンフォギア 命を燃やせし歌姫の戦士 作:木原@ウィング
歴代ライダーの活躍シーンでは思わず涙を流してしまっていました
その日はいつもと変わらない筈だった。
幼馴染の女の子……立花響とただくだらない事を話して笑いあっていた。
「それでね~未来ったら私がせっかくやった宿題を家に置いて来ちゃったって言ったら『本当に響は残念だね』って言ってきたんだよ。酷いと思わない?」
「ははっ、響は相変わらず抜けている残念な子だな」
「うぇえ!? 椿お兄さんもそんな風に言うの!?」
「いやいや、そんな話を聞かされたら響が残念な子としか思えなくてね」
「えぇ~。うぅ、私呪われてるかも……」
俺の発言を受けて響は目に見えて落ち込み、指と指をちょんちょんとくっ付けて拗ねてしまった。
これが俺の幼馴染で妹みたいな存在の立花響だ。
話を聞いている通り、少し抜けている残念な子だ。
「それにしても、響が高校生になってからは元気そうで良かったよ」
「うん! それもこれも、椿君……じゃなかった、椿お兄さんのお蔭だよ」
「……なぁ、少し気になっていたんだけどその「椿お兄さん」って呼び方はなに?」
「え? い、嫌だった?」
「いや……嫌って訳じゃないんだけど」
そう、この響は少し前まではこんな畏まった呼び方をしないで普通に椿君と呼んでくれていた。
しかし、響が高校生になってからはお兄さんと呼んでくるようになった。
前までは年とか関係なく普通に呼んでくれていた分、少し寂しい。
「なんか響との距離を感じて少し寂しいぞ」
わざとらしく、少ししょんぼりした感じで言うと響は目に見えて狼狽え始めた
「うぇえ!? え、えぇっと、ご、ごめんなさい!!」
……なにこの可愛い生き物、頭撫でてやろうか
「ふふっ、冗談だ。そんなに慌てるな」
「あ、も、もう!! 椿君のいじわる!!」
「ははっ、そうそう響はその呼び方の方がしっくりくるよ」
俺はそう言って響の頭をポンポンと撫でた。
「えへへ、なんかこうして椿君に頭撫でられるの久し振りな気がする」
「そうか? ……あ~でも確かに最近はしていなかったかもな」
「でしょう~だからなんか嬉しいな」
「まぁ、俺も学校が忙しくて最近は会えていなかったからな」
「うん……でも前に会った時は挨拶してそのまま行っちゃったから」
「悪かったって、課題とか色々有ってな……」
響がこの間までの事を不満そうに言うが俺はそれについての弁明をする。
ようやく大学も卒業出来る分の単位は手に入ったからこれで後は卒業を待つだけになった。
だからこうして響とも楽しく話が出来る。
と、そんな時に机の上に置いてあった携帯電話が鳴り始めた。
「っと、電話か? 悪い響。少し電話してくる」
「あ、良いよ。私も今日はそろそろ帰ろうと思ってたし」
俺が一言謝罪を入れて電話に出ようとした時、響は鞄を手にそう言ってきた。
その様子を見て、俺は直感で理解した。
「……まさか、また宿題のやり忘れか?」
「ま、まままままっさかぁ!?」
「……まぁ、その、頑張れよ」
「う、うん。そ、それじゃあ~」
それだけ言って響は俺の家から出て行った。
……まぁ、良い年した男の家に華の女子高生が上がり込んでいたって言うのは少し不味い気もするがそれはこの際、置いておくとしよう
そろそろ電話に出ないと、相手側に怒られそうだ。
「はい、もしもし?」
「遅いぞ! 何をしておった!!」
電話に出た直後に老人の怒鳴り声が俺の耳に突き刺さった。
やっぱりすぐに出なかったから怒っていたか。
「出た直後に怒鳴るなよ!! これでもこっちだって色々有るんだからよ!!」
「ふん!! って、そんな事はどうでも良いのじゃ。ノイズが出よったぞ!!」
電話越しの老人に対して文句を言おうとして老人のその発言でそれを言う気は一瞬にして失せた。
そしてすぐに頭の中の切り替えを行う。
「……観測場所は、どこだ」
「お前の家からすぐ近くの商店街じゃ! 急げよ」
「分かっている!!」
俺はそのまま部屋を飛び出してバイクに乗って現場に向かった。
「叔父様、現在の状況はどうなっていますか?」
「む、来たか翼」
部屋に入って来た少女 風鳴 翼を見て彼、風鳴弦十郎は司令官として報告する。
「現在、街のB-16地点に多数のノイズの発生を検知した。住人の避難は殆ど完了している」
「直ちに出撃します」
「あぁ、よろしく頼む」
「それでは、失礼します」
翼はそれだけ言って弦十郎にお辞儀をして部屋から出て行った。
そんな翼を弦十郎は心配するように見ていた。
「……奏君とアイツを失ってから、お前は全く笑わなくなったな」
「司令、直ちに報告するべき事態が起きました!!」
少し思いふけっていた弦十郎に通信が入る。
通信相手は現場に先に向かわせた緒川だった。
「どうした、緒川」
「はい、それが……先程からノイズ達の動きが可笑しくなっています」
「可笑しく? どういう風にだ!?」
「どうやら、人間以外の何かを探しているようで……」
「人間以外の物を、ノイズが?」
「はい、それが何かまでは分かりませんが……」
「うわぁぁぁぁ!!」
「なっ!?」
突然聞こえて来た悲鳴に反応して声のしたほうを見る緒川。
そこには足を怪我したのか動けないでいる子供がいた。
そしてそんな子供にジリジリと近づいて行くノイズ。
「っく! このままでは!!」
「見つけたぜ! ノイズ共!!」
突如、緒川の耳に第三者の叫びが聞こえて来た。
声のした方を見るとビルの上の方に……高橋椿が立って居た。
しかし、緒川からは逆光で顔が良く見えていなかった
そしてその声は、通信機の向こうにいる弦十郎にも聞こえていた。
「なっ!? なんでこうも次から次にッ!!」
「緒川さん!! その子の事、頼みますよ!!」
「な、何で僕の名前を!?」
「そんなの気にしないで、さっさと保護しちゃってください!!」
「っく! 緒川ぁ!! とにかくその子を保護するんだ!!」
「はい! 分かっています!!」
緒川は通信をそのままに椿に向かって走り出す。
そのスピードはまさしく忍者そのもの様な速度だった。
緒川が子供を保護したのを確認すると椿はビルの上から降りて緒川に背を向けて着地してノイズに対面する。
「そこのあなた! ここは危険です、あなたも早く逃げますよ!!」
「緒川さんこそ、こっちに来るな! 危ないぞ!!」
椿はそう言って腰に手をかざしてベルト≪ゴーストドライバー≫を出現させ、懐から目玉のような物を取り出した。
緒川は突然出て来たその目玉を見て思わずギョッとした。
「な、なんで目玉が……」
「仕方ねぇ、緒川さん。俺の後ろにいろよ?」
ノイズの動きを見て緒川を逃がすのを止めて自分が守る方針に変える椿。
そのままアイコンの側面のスイッチを押す。『G』という文字が浮かび上がり、椿はドライバーのカバーを開き内部のスペースに眼魂をはめた。
ドライバーのカバーを閉じるとドライバーの真ん中に有った目のような場所からオレンジ色のパーカー飛び出してくる。
【アーイ!】 【バッチリミナー! バッチリミナー! バッチリミナー! バッチリミナー!】
「変身!!」
椿はそう叫ぶと同時に勢い良くドライバーの右にあるレバーを一度引いてから一気に押し込んだ。
【カイガン!オレ!】【 レッツゴー!覚悟!ゴ!ゴ!ゴ!ゴースト!】
椿へと覆い被さるとオレンジ色の人物へと変身する。
「な、何ですか!? それは」
「俺は、仮面ライダーゴースト!」
「仮面、ライダー?」
「仮面ライダーですって!?」
椿の発言に首をかしげる少年と、椿の発言した存在を知っている緒川が叫ぶ
「あぁ。さぁノイズ共、覚悟しろ! 命、燃やすぜ!!」
仮面ライダーゴーストへと変身した椿は、ノイズの集団に対して向かって行った!!