戦姫絶唱シンフォギア 命を燃やせし歌姫の戦士   作:木原@ウィング

5 / 10
2話  開幕 歌姫との会合

ゴーストはそのまま自身の武器である、ガンガンセイバーを構えてノイズの集団に走っていく。

ノイズの集団も向かってくるゴーストを獲物と判断したのか迎え撃つ。

 

「だ、駄目です! ノイズに触れるとあなたが炭に……」

 

緒川のその叫びはゴーストがノイズを切り裂いて消滅させた事で止められる。

 

「心配するな! 俺達仮面ライダーにこいつらの特性は効かねぇ!!」

 

「そんな……あんな事が出来るのはシンフォギア以外には」

 

「そらそらぁ!! まだまだ行くぜぇ!!」

 

ゴーストは叫びながら自分を鼓舞し、ノイズを殲滅し続ける。

そのまま最後の一体を切り裂いて倒すと緒川に近づいていく。

 

「で、あんたは大丈夫か?」

 

「え、えぇ。大丈夫です」

 

「そうか、良かった」

 

ゴーストはそう言って変身を解除しようとしたが、そこでバイクの走行音が聞こえてきて動きを止める。

そしてそのバイクに乗っている青いライダースーツの人物は歌を歌い始める。

 

「この歌は……」

 

「あ、不味い……」

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

その歌が終わった瞬間、バイクに乗っていた人物は光に包まれた。

その光が収まると同時に中から青い髪の少女が現れた。

 

「なんだ、ありゃ?」

 

そのままバイクを止めてゴーストの目の前で止まる。

その少女、風鳴 翼の恰好は異質だった。背中まで届く青い髪と体にピッタリと張りついた衣装。部分部分に機械的な装飾と手には一太刀の刀が握られていた

 

「……何者だ?」

 

「あなたこそ何者?」

 

ゴーストの質問に質問で返す翼。それを見た緒川は翼を止めようとするがそれをする前に翼は動き出す。

 

「答える気は有りません」

 

「じゃあこっちも無いな」

 

翼の返答にゴーストもふざけた感じは無く答える。

その返答に顔をしかめる翼。そのまま手に持った刀、天羽々斬を構える。

 

「なら……力ずくで聞かせてもらいます」

 

「……俺はノイズとか人類の脅威になる奴等としか戦う気は無いんだが?」

 

「問答無用です」

 

「戦闘狂かよ!?」

 

翼の返答に思わずそうツッコミを入れてしまうゴースト。

その瞬間にゴーストの懐に入り、天羽々斬で一閃を入れようとする。

……が、その瞬間にゴーストは宙に飛び上がりそのまま浮遊する。

 

「なにっ!?」

 

「と、飛んだ!?」

 

「へへっ、生憎とこっちはゴースト「幽霊」でね?」

 

そのまま遥か後方に着陸したゴーストはドライバーから『オレゴーストアイコン』を取り出して赤いアイコンを代わりにセットする。

そしてそのまま先程と同じようにドライバーのカバーを閉じるとドライバーの真ん中に有った目のような場所から今度は赤色のパーカーが飛び出してくる

 

【カイガンッ! ムサシ! 決闘!ズバッと、超剣豪!!】

 

そのまま赤色のパーカーはゴーストに覆いかぶさると後頭部には刀の柄およびちょんまげを模したパーツ、鉢巻きや襷といった和風な外見となった。

これが仮面ライダーゴースト ムサシ魂。

 

「この剣捌き、ついて来れるのならついて来い!!」

 

「舐めないで貰いたい!!」

 

ガンガンセイバーを2刀流モードにして鮮やかな剣捌きを繰り出すゴースト。

そんなゴーストからの猛攻を何とか防ぎながらも反撃の機会を窺がう翼。

まさに一進一退の攻防が続いていた。

 

「……相も変わらず、その剣の腕は凄まじいな」

 

「まるで私の剣術を知っているかのような口ぶりだな?」

 

「あぁ、知っているさ。……ずっと前からな」

 

「どういう意味だ!?」

 

ゴーストの意味深な発言に集中が少し途切れた翼。

その一瞬の隙を見逃さず、ゴーストは翼を斬る

 

「うわぁ!?」

 

「翼さん!!」

 

「……安心しな、刀を弾いただけだ。勝負ありかな?」

 

「くっ」

 

余裕そうなゴーストを見て翼は悔しそうに歯噛みする。

そんな翼を見て、少し肩をすくめて背を向けるゴースト。

 

「まぁ、元気そうで安心したよ。これだったらあんまりそっちの事は気にしないで良さそうだ」

 

「さっきから、何を言って……」

 

「おーおー気にしなさんな。と言っても、こうして前に出ちまったんだ。顔くらいは見せるよ」

 

そう言ってゴーストは変身を解除して見せる。

突然、目の前で変身を解除した事に驚いたがそれ以上の衝撃が翼と緒川を襲った。

だって、そこにいたのは……2年前に消えた筈の人物だったのだから。

 

「久しぶりだな、翼。緒川さん」

 

「き、君は……椿、くん?」

 

「そんな……だって、あなたは」

 

「『2年前に奏と一緒に私たちの前から姿を消したはず』か? ……まぁ、実際に姿を消しては居たんだがな」

 

「なんで……あなたが」

 

「悪いが、まだそれを話す気は無い。それにそろそろ時間切れだ。じゃあな」

 

「まぁ、待ちたまえ。椿君」

 

「っげ、その声って……」

 

少し時間をかけすぎた事を気にして立ち去ろうとした椿を止めた人物。

その人物に物凄く心当たりが有るのか、嫌そうな顔をして振り向く椿。

そこには翼の叔父、風鳴弦十郎が立って居た。

 

「久しぶりだな、椿君」

 

「お、お久しぶりです。弦十郎さん」

 

「この2年もの間、一体何処で何をしていたのか俺としてはとても気になるところなんだが……」

 

「いや~生憎とまだ喋る訳には行かないんですよ」

 

そのまま椿は構えも取らずに弦十郎達に背を向ける。

椿の行動に疑問を持ちながらも弦十郎は構えてそのまま椿を見据える。

 

「こっちも君がいなくなって心配したんだ。お説教の一つでもしてまた連れ戻すさ」

 

「……それは中々に興味深い、というか嬉しいお誘いですが今日の所はそれはまだ受けないことにしますよ」

 

それだけ言うと椿の身体はドンドンと透明になっていく。

 

「「「なっ!?」」」

 

その不可思議な光景を見て三人は驚きの声を上げる。

三人の反応に満足したのか椿は楽しそうに笑う

 

「ふふっ、予想通りの反応ありがとう。それじゃあ、また近いうちに会いましょう」

 

「ま、待ちたまえ! 椿君!!」

 

「それでは、これにて……」

 

それだけ言うと椿はその場から綺麗に消えてしまった。

まるで最初から存在しなかったかの様に、まるで「幽霊」かのように……

 

 

「……にしても、こんなにも早く遭遇することになるなんて流石に予想外だ」

 

三人と2年ぶりに再会した日の夜、椿は家のベットで寝ころびながらそう呟いていた。

そう言って本棚から一冊の本を取り出して開ける。

 

「いつもだったら、ノイズが出てもすぐに退治していたから遭遇する心配は無かったのに……」

 

本には沢山の写真が貼られていた。

その中の一枚、自分が最も気に入っている一枚を手にする。

写真の中には、6人の人物

風鳴弦十郎、風鳴翼、天羽奏、緒川慎次、そして椿ともう一人の男が映っていた。

 

「……俺がここに、この景色をもう一度みんなと笑って見る為に俺は今ここにいる」

 

そして椿はそのまま壁に掛けてあるカレンダーを見つめる。

カレンダーのある日付に丸が書かれていた。

 

「俺が消えるまで……あと50日、か」

 

 

「……叔父様、椿の行方は」

 

「いや、あれからの消息は一切不明だ」

 

特殊災害対策機動部2課の司令部、そこで翼と弦十郎、そして緒川は話をしていた。

話の内容は先程、2年ぶりに遭遇した高橋椿についてだ。

2年前、彼は特殊災害対策機動部に所属していた。

 

「……あの日、奏と一緒にあの2人も私たちの前から消えました」

 

「現場の状況からして、奏さんと同じように椿君とあの男も消えてしまったと思っていました」

 

「……アイツ等がそう簡単に死ぬような奴ではないと思ってはいたが、やはり椿は生きていた」

 

「……いえ、あれは生きていたのでしょうか?」

 

「どういう意味ですか?」

 

緒川の発言に翼は怪訝そうに聞く。

しかし、そう聞く翼自身も薄々は感づいている。

普通の、生きている人間があの様に姿を消せるのか? あんな重力を無視して宙に浮けるのか?

もしかしたら……彼は

 

「彼は……自分の事を仮面ライダーゴーストと呼んでいました」

 

「ゴースト?」

 

「仮面ライダーだとぉ!?」

 

翼はゴーストという単語に反応を示し、弦十郎は仮面ライダーと言う単語に反応する。

弦十郎の驚きに緒川も頷く。

 

「叔父様、緒川さん。その、仮面ライダーとは何ですか?」

 

「仮面ライダー、それは俺達よりも前に人類の脅威と戦っていた存在だ」

 

「その存在は、今も伝説と呼ばれている英雄達です」

 

「英雄……そんな存在が」

 

「俺の警察時代の同期も仮面ライダーとなって人類の脅威から守り切ったと話を聞いた」

 

「そんな人が……」

 

「しかし、なぜ椿君が仮面ライダーに……」

 

どんなに考えても、そこから先には行けない。情報が少なすぎるのだ

 

「……椿」

 

かつての友を思い、翼は拳を握った。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。