戦姫絶唱シンフォギア 命を燃やせし歌姫の戦士 作:木原@ウィング
去年の12月26日に「仮面ライダー」映画史上初の応援上映! 発声&変身OKの大音量上映会に行ってきました!
藤岡弘、さんと西銘駿を生で見てきました!! 藤岡弘、さんはもう貫禄が凄すぎて思わず泣いてしまいましたがw
と言う報告を終えて、これからもよろしくお願いします!!
「はぁ……なんであんな事になったんだか」
「それは主に儂のせいじゃな」
「あぁ、そうだな。全部とは言わねぇけど一部はお前のせいでも有るな」
椿は自分の部屋で昨日の2課での出来事を思い出しながら呟いていると何処からともなく現れる仙人。
そんな仙人の発言に一部は肯定しつつ残りは否定する椿。なぜ、こんな風になってしまったのか?
全ては昨日の夜まで遡る
「と、言ってもどこから話せばいいのか」
「最初からだ、君が俺達の前から消えた2年前のあの日からの事を詳しく聞かせてくれ」
取りあえずは一旦、2課の面々と響の怒りを鎮めてもらった椿はそう切り出した。
それに対する弦十郎の答えに椿は思わずため息が出そうになった。
「2年前……2年前かぁ」
「なにか、不都合でも有るのか?」
「いや、不都合と言うか……俺の現状が」
「言いにくいのだったら儂が言ってあげようか?」
突然、その場にいない筈の第3者の声が聞こえてくる。
その声を聴き、全員がギョッとしたが椿はすぐに声の正体を看破した。
「どうやって来た、なんて野暮な質問だよな? 仙人」
「当たり前じゃ、儂を誰だと思っておる」
「あ、貴方は一体誰なんですか?」
呆然としていた2課の面々だったがすぐに持ち直して代表として弦十郎が聞く。
「儂か? 儂は仙人じゃ」
「せ、仙人、ですか?」
「うん、仙人」
「そ、それだけですか?」
「うん、そりだけ」
仙人のあっけらかんとした説明に困惑する2課の面々。
そんな光景の中、1人だけその仙人に近づいて行く人物が
「ねぇ、もしかして貴方……「テクニカルセンちゃん?」かしら?」
「む? なぜ、その名前を知っているのだ? ……まさか、その名を知っているお主は了ちゃんか?」
「は? 何その「テクニカルセンちゃん」って」
了子の突然言った謎の名前と仙人の口にした名前に疑問を感じたのは椿だ。
仙人と了子のそんな変な名前を聞いたことなど無かったからだ。
「今、椿君が付けている手錠があるでしょう?」
「あぁ、これな」
「それを作る時に何か良い物ないかな~って調べていたらこの「テクニカルセンちゃん」って人から理論提供してもらってね」
「儂もつい冗談でポロっと書いたらそれを了ちゃんが本当に作ってしまっての」
「じゃあ、了子さんが言っていた協力者って……」
「恐らく儂じゃ」
「何してくれてんだ! このクソジジィ!!」
思わず蹴りを入れそうになった椿を誰が責められようか。
しかし、そんな椿の発言に不満を持ったのは仙人だった。
「何を言う! そもそも、お主が2課の面々に正体をばらしたからそうなったのだろうが!!」
「うっ、それを言われると……」
「ホレ見ろ! 儂は悪くない!」
「いや、それは俺も悪いけど冗談でもそんな理論書くなよ! 了子さんだったら絶対にそれを作っちまうんだから!」
「それは……想定外じゃ! 儂悪くないもん!!」
「可愛くねぇぞ! 仙人!!」
「「「「なにこの子供の喧嘩レベルの言い争い……」」」」
「で? つまり、君は2年前にはもう死んでいたと?」
「……はい」
「ですが、今こうして僕達の目の前にいるでは有りませんか」
「それは……」
「そ奴の持つ英雄達のお蔭じゃ」
「英雄達?」
仙人の発言に不思議そうに聞き返すのは響だ。
彼女は今、結構パンク寸前だった。
今日、自分のみに起きた不思議な事だけでもきついのにまさか自分の大切な幼馴染が2年前には死んでいたなんて聞かされてパンクしないのは凄い事だと思う。
「うむ、かつてこの世を自分の命を燃やして生き抜いた人間たち。偉人の力じゃ」
「偉人……それって宮本武蔵とか、ですか?」
仙人の情報と椿の使っていた眼魂から椿の戦闘時の事を思い出し、そう発言する翼。
その答えに仙人は頷く。
「うむ、そのような偉人達の力で椿は今、この世に残れておるのじゃ」
「そんな……それじゃあ、その英雄達が居なかったら椿は」
「恐らく、こうして存在することは無かったじゃろう」
翼の質問に仙人は目を細めながらも答えた。
その答えを聞いた翼は愕然とした。
自分の友であり、仲間であった椿。その椿が2年前に死亡していたという衝撃の真実。
そんな椿が生きながらえることが出来た英雄たちの存在。
普段からノイズなどのオカルト的存在と戦っている翼はその話を聞き、椿の状況を飲み込んだ。
この飲み込み速度の速さが戦場では大切なのだ。
「そんな……椿君」
しかし、椿の現状を聞いた響は翼以上にショックを受けていた。
自分の幼馴染がすでに死んでいたなどという真実を知って理解が追いついていなかった。
そんなパンク状態の響の頭に手をポンっと置く椿。
「つ、椿君」
「悪いな、響。こんな事になっちまって」
「え、あ、その……」
「今まで言えなくてごめんな」
「……椿君、学校が忙しいって言っていたのは」
「まぁ、あれはそこまで忙しくは無かったな」
「……バカ」
「ひ、響?」
「椿君のバカ!! なんでそんな大切な事を黙っていたの!?」
「それは……」
「椿君なんてもう知らない!!」
響はそれだけ言って廊下に走って行ってしまった。
「あ! ま、待ってください!!」
響の後を慌てたように追いかけて行く緒川。
それをただ茫然と見ていることしか出来なかった椿。
「……って、感じで気まずくなってからあの場は帰してもらえたんだよな」
「しかし、これで2課の面々が眼魂の回収の手伝いをしてくれるようになって良かったではないか」
「そうは言ってもな……」
仙人にそう言われて確かに楽になって嬉しい気持ちは椿にもある。
しかし、それ以上に昨日の響の顔を思い出してそれに対する罪悪感の方が強くなる。
「響にも、2課の皆にもあんな顔してほしくなかった」
「……過ぎてしまった事は仕方ないじゃろう」
暗そうな顔をする椿をそう慰める仙人。
その仙人の言葉を受けて頷きながらもまだ少し悲しそうな顔をしていた。
「……はぁ、私なんであんな事言ったんだろう?」
「ねぇ、未来」
「なに? ヲッちゃん」
「響はどうしたの?」
「なんか、昨日遅く帰って来たと思ったらずっとあの調子」
「珍しい……響が夜更かし?」
「うん、私もそれ思った」
放課後の教室で、何やら元気のない響を見て心配する未来とヲッちゃん。
普段の響の感じとは違う今の状況を見てあのマイペースなヲッちゃんですら困惑していた。
「あの感じ、誰かとケンカしたとか?」
「喧嘩……誰だろう?」
「未来が分からないの?」
「私だって、響の全てを知っている訳じゃないんだよ?」
「……そうだったんだ」
本当に驚いたのか目を見開いているヲッちゃん。
そんな未来達に気が付かず響は昨日、椿から逃げるようにして走り去った後に了子から言われたことを思い出していた。
「あ、ちょっと待ってね。響ちゃん」
「何ですか?」
「2つばかりお願いがあるの。一つ目は今日の事は誰にも内緒。そしてもう一つは……」
何故か困った風にそう言うや否や、響の耳元に顔を近づけて―――
「取り敢えず、脱いで貰いましょうか」
「え゛」
「了子さん。誤解を招くような発言は控えて下さい。響さん、ただの身体検査なので安心してください」
了子と一緒に響を追いかけて来た緒川にそう説明され納得する響。
すぐに自分の本音を言ってしまった緒川に了子は少し不満そうだったが……
「ねぇ、響」
「な、なにヲッちゃん?」
そんな昨日の事を思い出していると突然ヲッちゃんが話かけて来た。
その後ろでは未来も顔をのぞかせている。
「うん、なんかもううじうじしてるの面倒臭いから直接聞くね」
「な、何を?」
「響……何に対して落ち込んでいるの?」
「え? お、落ち込んでいる? 私が?」
「うん、普段とは違うくらいに落ち込んでる。見ててこっちも落ち込みそうになるよ」
「あ、えっと……ごめん」
「ヲッ、未来が言った通り。謝らなくて良いから話してみて」
「私達だって響の力になれるんだよ?」
「未来……ヲッちゃん」
未来とヲッちゃんの言葉に響は顔を俯かせる。
そして次に顔を上げた時にはその顔には笑顔が有った。
「ありがとう! 二人とも!!」
「ヲッ! やっぱり、響は笑顔の方が良く似合っているね」
「うん、良かった」
「それで? 話してくれない?」
「うん……実は」
そうして響は昨日の事を一部ぼかして伝え始めた。
CDを買いに行く途中にノイズに襲われそうになっていた女の子を助けて一緒に逃げた事。
なんとか逃げ切ってその先で幼馴染の椿に遭遇した事。
その時に、椿の秘密を知ってしまった事。
気が動転して椿に酷い事を言ってしまった事。
全てを話した響は再び顔を少し陰らせていた。
「……と、言う感じで椿君に酷い事を言っちゃって後悔している所」
「ヲッ、それは何というか……難しいね」
「え? 簡単じゃない?」
言い淀んでいたヲッちゃんとは違い、未来があっけらかんと答える。
その発言に驚く響とヲッちゃん。
「か、簡単? どこが?」
「簡単だよ、そんなに後悔するほど響は椿君が心配だったんでしょ?」
「う、うん」
「だったら、それについて面と向かって言えばいいんだよ」
「そんな簡単に言えないよ……」
「……ヲッ、でもそれしかもう無いんじゃないかな?」
「ふ、二人とも?」
「ヲッちゃんもそう思った?」
「うん」
「えぇぇ。うぅ、私呪われてるかも」
響の口からいつもの口癖が出て少し安心した二人。
そんな二人の様子を見て響は自分がそれだけ心配をかけていたのだと自覚した。
「ごめんね、二人とも」
「うぅん、良いんだよ。私達は響が元気だったらそれで」
「ヲッ!! それに、こういう時はそうじゃないでしょ?」
「うん! ありがとう、二人とも!!」
響が笑顔でそう言うと未来とヲッちゃんも笑顔で頷く。
「それじゃあ、帰ろう?」
「うん! あ、ちょっと待って。椿君にメールしてくる!」
そう言って響は、教室から出て椿にメールをする。
『今日、昨日行ったあの場所に来てください。話したいことが有ります』
「これで良し、っと」
「待ちなさい」
メールを送信し終えてそのまま教室に戻ろうとする響。
そんな響の後ろから声をかけてくる人物が。
「え? ……あ、翼さん」
「……付いて来て」
「えっと、今すぐじゃないと駄目ですか?」
「…………」
「あ、はい。今行きます」
有無を言わさない翼の重圧に負け、響は翼の後について行く。
そのついて行く最中で未来に連絡を入れる。
「もしもし、未来?」
『もしもし? どうしたの響。早く帰ろう?』
「ごめん、ちょっと先生に呼ばれちゃって一緒に帰れそうにないんだ」
『えぇ! そんな……また課題?』
「う、うん。やり直しだって」
『そう……しっかりやっておかないからだよ』
「ご、ごめん」
『仕方ないから、今日は先に帰っているね』
「うん、本当にごめんね」
『今度、ふらわーのお好み焼きを奢ってね?』
「うん、それじゃあね」
響は未来にそう言って電話を切って携帯をしまった。
その間、翼は響を見ないでそのままエレベーターの前まで来ていた。
翼は別に、響が嫌いなわけではない。
いや、むしろ仲良くはしてみたい。
彼女は自分が知っている椿と友人で、なぜかガングニールを持っている。
そう、……【奏の物だった】ガングニールをだ
(彼女は何でガングニールを使えた? その原因は何なの?)
翼はその疑問も2課に行けば分かるだろうと思い、エレベーターに乗った。
その後に慌てて乗ってきた響に捕まるように言うのを忘れて……
「にゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
そんな情けない叫び声がエレベーターシャフトに響いたそうな。
「……ん? メールか?」
響がエレベーターで情けない叫びをあげる少し前、椿の携帯には響からのメールが届いた。
「これは……へへっ、響は強いな」
もう響は昨日の事についてのケジメをつけようとしている。
昨日の事を思い出して、うじうじとして前に進もうとしなかった自分と比べると……とても強い。
「俺も見習わないとな……」
そう呟くと眼魂の内の一つが浮かび椿の目の前で止まる。
「うわぁ!? に、ニュートン?」
『どうやら、また一つ悩みが解決したようだね?』
「ふっ、あぁ解決した」
『そうか、また君が前に一つ進めるようになったな』
「その言い方、ニュートンは俺の先生か?」
『私が君の先生? ……良いかもしれないな』
「かもな。って、そろそろ行かねぇと!!」
『そうか、それではの』
ニュートンはそれだけ言って椿の懐に入ってしまった。
なぜ、突然ニュートンが話しかけて来たのか。その真意はまだ分からない。
しかし、それを考える暇は今の椿には無く、椿はそのまま家を出て2課に向かって行った。
『……なにか、不穏な気配がしたから一緒に付いてきたがこれが気のせいであれば良いのだが』