バカとテストと僕たちの戦いはこれからだ(仮)!   作:ハッピー23

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第四問

《自室》

 

 

「……なんか」

 

「ああ……」

 

「「「「助かったね(な)……」」」」

 

鉄人に捕まったあと、僕達はいつも通り補習させられて徹夜を覚悟してたんだけど……。

 

「学園長に助けられたのう」

 

「……また召喚システムがおかしくなったらしい」

 

「教師を全員集合させてくれて助かったよ」

 

お陰で徹夜せずにすんだし、今回だけは御礼を言っておこうババア長。

 

「だが、だ。一番やらなければいけないことが残っている」

 

「そうだね。やっぱりこうなったらAクラス、Bクラス、Cクラスの強力が必要だよね」

 

「ああそうだ。そしてそのために、男どもをも説得できる"何か"が欲しいわけだ」

 

僕と雄二、そしてムッツリーニが秀吉へ視線を向ける。

 

「うっ……わかった、わかったのじゃ。写真ぐらい……いくらでも撮るがよい」

 

「やったね!」

 

「まあ秀吉。そんな嫌そうな顔をするな。ちゃんと姫路と島田は呼んである」

 

「……お主までワシを女扱いするようになったのか」

 

別に写真を撮られる仲間がほしいわけじゃないのじゃ……とブツブツ呟きながらも、秀吉は雄二に指示された浴衣を着る。

 

コンコン……

 

「おっ、いいタイミングだな。明久、開けてやれ」

 

「はいよー」

 

ガチャっとドアを開ける

 

「今晩は明久くん」

 

「お邪魔するわ」

 

「あれ?二人も浴衣なんだ」

 

「あ、はい。坂本くんが浴衣の方がいいというので……」

 

「そうなんだ」

 

確かに野郎どもを動かすには浴衣姿がベストかもしれない……。

 

「……姫路、島田。こっちに並んでくれ」

 

「ったく、なに企んでるんだか……」

 

「何も企んじゃいないさ。な?」

 

「うん、もちろんだよ」

 

そして、そんなこんなで最終的に写真はいい感じに撮れた。美波のジト目は少し辛かったけど……。

 

……ん?そういえば、姫路さん達がここに来るぐらいには教師達はどうしてたんだろう?あの時にはすでに、仕事を終えて男女共に異性の部屋に行けないように見張りがいたと思うんだけど。

 

「……明久これ」

 

「え?なにこれ」

 

「……姫路が皆さんで食べてください、と言っていた」

……こ、これは!?

 

「まだ三途の川を渡りたくないのじゃ……」

 

「……明久。俺はお前のこと……忘れない」

 

「まって!なんで姫路さんの手作りクッキー(?)を押し付けるのさ!?あと、ムッツリーニ!僕は逝かないよ!ってか、逝きたくないよ!!」

 

時刻は十二時を過ぎて深夜だ。あの写真撮影から実は数時間も過ぎていた。ムッツリーニ……それにしてもそのクッキー(?)をよくこのタイミングで出してきたな。なぜさっき出していなかったんだい?いや、結果は変わらないだろうけどさ!

 

「あれ?そういえば雄二は?やけに静かだけど……もしかして寝ちゃった?」

 

なにかアイツにしては珍しいな……と、雄二の布団へと目をやる。そこに広がる光景は……。

 

「ふがっ!!?ふごがぎがごっ!?」

 

・縛られた雄二

・浴衣がはだけ気味の霧島さん

・隣で鼻血を出しながらもカメラのシャッターをきるムッツリーニ

・どうしていいかわかってない秀吉

 

「うん、別におかしくはないよね」

 

「ふぁふぃひは!ふぇめェ……ふごっ!?」

 

「……いまはこっちだけを見て」

 

首が変な風に曲げられている。……いつものことだし大丈夫、だと思う。

 

「霧島さんは一途だよね~」

 

なんて、言ったその時だ

 

「……っ殺気!」

 

寝ながら回転するように何かを回避する僕

 

「殺り損ねましたか……!」

 

「君は……清水さん!?なんでここに!」

 

「お姉様をタブらかす虫を抹殺するにはいい機会だと判断しました」

 

「僕が何かした!?さっきから殺るとか抹殺とか女の子が言うような言葉じゃないのが聞こえてるんだけど!?」

 

ブンッ、と何かが投げつけられる。カッター!?まずい……あれは本気だ!?な、なにか役に立ちそうなものは……。

 

・痙攣している雄二

・鼻血が一向に止まらないムッツリーニ

・布団に潜り込んでしまった秀吉

 

「役に立つものが……ないっ!」

 

「ンゴォ!」

 

あ、なんか復活した……。

でも、あんな手足を縛られた赤ゴリラは使いようが……

 

『誰だ!こんな時間に騒いでいるやつは!!』

 

て、鉄人!?

 

「ぷはっ……死ぬかと思ったぜ」

 

「ゆ、雄二どうしよう」

 

「どうしようもクソもあるか。翔子と清水がここにさえいなきゃ問題はあんまりねえが」

 

異性の部屋にいる時点で大問題か……見つかったら今度こそ徹夜させられる!

 

「とりあえず逃がすぞ!」

 

「でも、どうするのさ」

 

「俺達が飛び出して鉄人の気を引けばいい。逃げるだけなら注意ぐらいですむだろ」

 

「了解」

 

話を聞いてたからなのか、霧島さんと殺り損ねたのがそんなに不服立ったのか……すごい形相で睨み付けながらも清水さんは大人しくしていた。

 

「じゃあ、行くよ!」

 

バンッ、と扉を開けて外に飛び出す。と、同時にドゴンッと何かにすごい音が響いた。

 

「……え?」

 

「ナイスだ明久!」

 

なにがナイスなのかわからずに後ろを振り返る。

 

「吉井……貴様ァ!!」

 

どうやら鉄人に先制攻撃を仕掛けてしまっていたらしい……。

 

「ご、ごめんなさい~!!?」

 

「本当に詫びているならそこで止まれ!」

 

「顔が恐いので止まりたくありません!」

 

全速力でおいかけっこを始める三人……。鉄人。この時点でアンタも回りに迷惑をかけているとわかっているのだろうか?

 

「俺から逃げ切れると思うなよ吉井!」

 

さすが趣味がトライアスロンなだけはある!距離がだんだん詰められている!

 

「っ!?」

 

ガシッと寝巻きで着ていた浴衣の襟を掴まれた。

 

「話はじっくりと補習室で聞いてやるからな」

 

「そんなの嫌です!お断りします!オリャァぁぁ!」

 

僕は全力で前へジャンプ。そう、まるで服を脱ぎ捨てるようにして。

「ヌオッ!?」

 

バランスを崩した鉄人が、僕の脱ぎ捨てた浴衣の顔を突っ込むように顔をめり込ませている。

 

「明久!縛り上げろ!!」

 

「OK!」

 

浴衣で鉄人の顔をくるむ。さあ!視界は浴衣で見えないはずだ!硬結びでやってるぶん、時間稼ぎはできるはず!!

 

「ムゥゥ!貴様ら……!!」

 

浴衣から今にも引きちぎられそうな音が聞こえる……。え?破くの?

 

「これからどうするのさ雄二」

 

「そうだな……」

 

とりあえず走りながら考える

 

「生憎とここは一本道だ。自分達の部屋に戻ろうとすれば鉄人が待ち構えている」

 

「しかも、この先……っていうか、もうすでに女子部屋しかないよ」

 

「……よし」

 

「まさか、女子の部屋に入るとか言わないよね……?」

 

「そのまさかだ!」

 

「ダメだよ雄二!そんなことしたら本当に取り返しのつかないことになるっ!?」

 

浴衣を失ったために現在パンツ一丁しかないというのに……。この姿で入り込めば風呂覗きとかどうこう言ってられなくなる!?

 

『どこだァ吉井、坂本~!!』

 

「げっ!?」

 

「そういうことだ。俺は変態と共にするのはごめんだからな……幸運を祈るぜ」

 

「あっ、しまった……っ!」

 

逃げられたぁあぁぁ!

 

「ん~?なにか声がきこえるなぁ……」

 

「っ!?」

 

もう変態がどうとか言ってる場合じゃない!神様!どうかお助けください!

 

「ここにいるのはわかってるぞ吉井!観念し……て…。いない、だと?おかしいな……確かに声が聞こえた気がしたんだが……

 

 

 

 

☆★☆★☆★☆★☆★☆★

 

 

 

「「……」」

 

僕はすぐ横の部屋に飛び込んでいた。おまけにドアの向こうからは鉄人の声が聞こえる……。うん、間一髪で助かった。助かったはずなんだ。はずなのに……。

 

「な、な、なな……っ!」

 

なんで目の前にいるの!?しかもよりによって

 

「なんて格好でここに……!?」

 

木下優子さんが!?

 

 

 

 

~優子side~

 

 

 

 

先程から騒がしい音が聞こえてくる……。なにか野獣から逃れるべく全速力で走っているような音だ。

 

「う、う……ん。うるさいわね……」

 

欠伸をしながらも起き上がる。一体廊下で誰が何をしているのだろうか。

 

「……ふぁ~」

 

目を擦りながら玄関のドアへと近づく、その時だ。バンッ、と開けようとしていたドアが勢いよく開かれた。

 

「「……」」

 

ドアはひとりでに閉まっていく。……ガチャン。そんな音をたてた。しまってすぐに、ドアの向こうから西村先生の声が聞こえてくる。

 

「な、な、なな……!?」

 

いきなりのことで気づかなかったが、西村先生の声がしたことであることに気づく。目の前にいる人物は、パンツ一枚しか履いていないのだ。

 

「なんて格好でここに……!?」

 

私はすぐそこにいる先生に伝えるべく、叫ぼうとした。

 

 

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