バカとテストと僕たちの戦いはこれからだ(仮)! 作:ハッピー23
あれから時間は進み、現在時刻は夜の七時頃……。
(どうするのさ雄二!)
(どうもこうもねぇだろ?)
つい先ほど、学園長から迷惑な話を聞かされた。
『ここの風呂は全て封鎖する』
ふざけるな!の一言しか出てこない。
(ってか、お前人の話を聞いてたのか明久)
(え?)
(ったく、盗撮、盗聴の犯人がわかったって言ったろうが)
いつ言われたのか……全然記憶にない。
(ちなみにムッツリーニがそれらを処理した。これで俺達の身は安全だ)
最後に小声で「これで女子風呂に行く必要もねぇしな」と付け加えた。
……いつの間にそこまで進んでいたのだろうか?一人で慌ててた自分が馬鹿らしい……。まあ、覗きなんて真似は、思い返すと何でしようとしていたのか?すごくバカバカしく感じた。
(よかったよ。でもさ、僕たちはなんで外に集まってるの?)
(知るかよ。あそこで偉そうにしてるババァにでも聞いてみろ)
数メートル前の方に、マイクテスをしようとしてるババァ長の姿が見えた。
『あ、あー……ちゃんと聞こえるね』
「今度は何しようってんだ?」と、隣で雄二が呟いている。少し後ろで、秀吉とムッツリーニも気にしてるようだった。
『全員集まったかい?それじゃここに集めた理由を説明するから、よーく聞きな』
なんか、ろくでもない事を考えてそうだな……。
『とりあえず、男女のペアを作りな』
どうやらペアは、自分達で決めていいらしく、皆が一度に動き出した。
ペアはこうなった。
雄二、霧島さん
ムッツリーニ、工藤さん
秀吉、美波
久保くん、姫路さん
皆が順調に決まっていく中で、僕はというと……決っていなかった。
「どうしよう……」
僕は焦りながら回りを見渡した。
~優子side~
「……いきなりペアを作れって言われても」
私は回りを見渡す。代表はもちろん坂本くんと組むだろうし、愛子は土屋くんと組んでるし……。まあ、男女のペアだから二人とはペアを組めないけど……。
「秀吉は美波と組んでる…のか」
どうしようかしら……、Aクラスの男子たちはすでに決まってるみたいだし。
考える。このままいけば、Fクラスの頭がおかしすぎる人達と組まなければならなくなる……。
「……っ、それは絶対にいやだ」
必死に左右を見渡し、まともそうな人を探し出す。
「……ん?あれは」
少し奥の方で一人で歩いてる人を見つけた。
「吉井くん……?」
どうしたのかしら?まさか、ペアが見つからない?
……見つけた!
私は吉井くんの元へと向かった。
~明久side~
「まさか、誰もいないとは……」
確か学園長は、『できる限り自習で、同じ部屋を使用してるクラスでペアになりな』と付けたして言っていたよね……。うん、そうなんだ。言ってたんだよ……。圧倒的に男子が多いのに……、この流れは須川くん辺りと組まなければならないかもしれない。
「吉井くん?」
あぁ……出来れば女子と組みたかったな…。
「ねぇ?吉井くん」
どこからか聞き覚えのある声が聞こえるな……。
「ちょっと吉井くん!」
「……あれ?木下さんどうしたの?」
聞き覚えがあるのも当然か。木下さんが僕に話しかけてきた。
「ペアは決まってるのかしら?」
「見ての通り…一人だよ……」
「な、何でそんなにへこんでるの?」
「いや、まあ……色々とね…」
男とペアを組むのが辛いだなんて言えない。
……別に言ってもいいんだけど。どうせ、気にしないだろうし。
「へ~……ペアはまだいないのね?
「そうだよ……」
「なら、私と組みなさい」
「わかったよ……って、え?」
いまなんて言ったの?
「あの、木下さん?いまなんと仰りましたか?」
「だ・か・ら、私と組みなさいって言ってるの」
神様……なんだか久しぶりにあなたに感謝した気がします。
こうして、皆のペアは決まった。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
ペア決めから数分後。また、雄二達と合流した。
「おー明久。ペアになってくれるヤツは見つかったのか?」
ニヤニヤしながらこっちに近づいてくる。あのゴリラ、きっと僕が須川くん辺りの残念ペアを組んでると思ってるな。本来なら殴ってやりたいところだけど……
「……雄二。吉井に近づくふりをして、また私から逃げるつもり?」
頭蓋骨からいまにも割れそうな音が音が聞こえてくる。あの体のどこからそんな力が出せるのだろうか?とりあえず、僕の代わりにアイアンクローをしてくれてるので、僕から手を出すのを止めておこう。
「どうじゃったかのう明久?お主は誰とペアに……」
「へー、アキは優子と組んだのね」
「姉上が明久と……珍しいこともあるもんじゃ」
「「それは一体どういうこと(よ)!?」」
なんか酷いことを言われた気がした。
「あれ?そういえば姫路さんと久保くんは?」
「……二人なら向こうに行ったぞ」
ムッツリーニが数人集まった集団へ指をさす。
あぁ、Aクラスの女子や男子が集まってるようだ。こんなときでも勉強のことで相談でもしあってるのだろうか?
『そろそろ決まったかい?』
この声はババァ長だ。
『それじゃ、いまから肝試しを開催する!』
「……え?」
はぁ?と回りから聞こえる。突然肝試しといわれても……。
『もとはといえば、覗きなんてするから悪いのさ。これはこの先にある旅館に行くまでのついでにすぎないさね。まあ、風呂に入りたくないヤツはムリに参加しなくてもいいよ』
「あのババァ!だから男女でペアを組ませやがったな!?」
雄二が突然叫ぶ。
『ペアのどちらかが参加しない場合は、片割れも不参加扱いするからね?気をつけるんだよ。それじゃ私は先に行ってるからね、以上』
なるほど、男子は風呂に入らなくても大丈夫な人はいるけど、女子はそんなに男子みたいに入らなくてもいいって人は限りなく少ない。
「まさか……」
「これは、ほぼ強制的に参加しなくちゃならねぇ……っ!ところどころで教師がペアのチェックをしていたところを見ると、ペアの変更は認められないはずだ」
「できたとしても、すでに遅そうじゃの」
「……教師が一人もいない」
「一人で行かせたりペア換えをしても弾かれるのかな……?」
「めんどくせー事をしやがって……」
回りは次々と旅館へと続く一本道を進んで行ってるようだ。
「どうする?木下さん」
「もちろん行くわよ。あなたも来るわよね?」
行かないなんて言えば申し訳ないし……。
「うん……」
「それじゃ、行きましょうか」
こうして、合宿最後の夜にして肝試しが開催された……