オタク剣士がIS学園で剣技を舞う!   作:ケルさん

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第9話 開幕!学年別トーナメント!

 

 

「…………」

「…………」

 

場所は保健室。ここには治療を受けたセシリアと鈴、そして一夏にシャルルがいた。

 

「すまない……遅れて助けに来た上に何もできなくて……」

「き、気にしなくていいわよ……あたし達はそこまで酷くないし」

「そ、そうですわ。一夏さんが来なかったらかなり危険でしたし」

「でも……剣護は……」

「「…………」」

 

剣護の名前を聞いてセシリアと鈴は苦々しい表情を浮かべる。あいつには本当に感謝している。しかし自分達が目の当たりにした剣護の変貌についてどうするべきなのかそのことが2人の頭の中で渦巻く。その時だった。

 

ドドドドドドドッ…………!

 

「織斑くん!私と組んで!」

「デュノアくん!私とやろう!」

「月島くん!私と組んでトーナメントに……って居ない?」

 

地鳴りみたいな足音が聞こえたかと思えば保健室のドアが吹っ飛ばされ数十名の女子生徒が雪崩れ込んできたのだ。そして一斉に一夏とシャルルにペアを申し込んできた。剣護にペアを申し込もうとした女子は本人が居ないと周りを見回した。

 

「悪い、俺はシャルルと組むから諦めてくれ!あと剣護は知らん」

 

そう言うと女子達はまあそれなら仕方ないかと納得して去っていったがその中に腐敗したような声が聞こえたのは気のせいだろう。多分。

 

「なんでや!……じゃなくて、なんでよ!あたしと組みなさいよ!」

「なんで私ではないのですか!あと鈴さんなんでキバオウが混ざったんですの」

 

「ダメですよ」

 

怪我なんぞおかまいなしに一夏に詰め寄る2人に声をかけたのは真耶だった。真耶はISのダメージが大きすぎて修理が必要でトーナメントに出ることは許可できないこと等を話した。話を終えたところで一夏は真耶に詰め寄った。

 

「先生!剣護は大丈夫なんですか!?」

「そ、そうよ!剣護は!?」

「まだ生きてますわよね!?」

「み、皆さん落ち着いて!月島くんは生きてますから!」

 

真耶の言葉を聞いて3人はホッと息とつく。しかし真耶の表情は曇りがちだった。

 

「でも大丈夫ってわけでもないんです……2人より怪我が酷くて熱もあって、かなり疲労してます……」

「……ちなみに熱は何度ですか?」

「……39度7分」

「あ、上がってる……」

「しばらくは目が覚めないと思います。何があったのかわかりませんがかなり負担がかかってたようで……」

 

そうですか……と一夏とシャルルは俯き、セシリアと鈴は苦々しい表情を浮かべながら顔を合わせた。

 

 

 

 

学年別トーナメント当日。この日IS学園には各国政府関係者、研究所員、企業などいろんなところから人が集まっていた。

 

「すごいなこりゃ……」

「3年にはスカウト、2年には1年間の成果の確認にそれぞれ集まってきてるからね」

「へえー……」

 

一夏とシャルルは更衣室に備え付けられているモニターを眺めていた。

対戦表は手作りのクジで行われ、一夏とシャルルはAブロックの一回戦第一試合、対戦相手はラウラと箒のペアだった。

 

「いきなりか……でもやることは変わらない」

「うん、そうだね」

「よし……行こう!」

 

そう言って2人は相手が待っているであろうアリーナへと向かっていった。

 

 

 

「一戦目で当たるとはな……まあいい、私にとってはつい昨日…………間違えた。待つ手間が省けたというものだ」

「何をどう間違えたらそんなセリフになるんだよ」

「さあな……どっかの馬鹿が感染ったかもな。とにかく」

「……まあいいや、とりあえず」

「「叩きのめす」」

 

試合開始と同時に一夏は突っ込むがラウラのAICにより簡単に止められてしまう。ラウラはレールカノンを向けるがシャルルが現れアサルトライフルでカノンの狙いをずらし、放たれた砲弾は外れる。

 

「チッ……!」

「逃がさない!」

「私を忘れてもらっては困るな!」

「そうはいくか!」

 

一夏と箒の近接ブレードがぶつかり合い火花を散らす。そして打ち合いながら一夏はスラスターの推力を上げ箒を追い詰める。

箒の一撃を受け止めシャルルが両脇からショットガンを構え引き金を引くが、ラウラが箒をアリーナ脇に投げて急接近してくる。さらにプラズマ手刀で一夏を追い詰めて、同時にワイヤーブレードでシャルルを牽制し一夏から引き離していく。

 

シャルルはラウラの射程内から離脱して箒の方へ間合いを詰めた。

 

「相手が一夏じゃなくてゴメンね」

「なっ……バカにするな!」

 

 

 

「うおおおおっ!」

「ふん……無駄だ」

「オラオラオラオラオラオラオラオラァ!」

「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ぁ!」

 

一方で、一夏とラウラは激しくぶつかり合う。途中からスタンドのぶつかり合いみたいな声を上げながら。ラウラの繰り出すプラズマ手刀とワイヤーブレードを一夏は捌いていく。

そしてラウラはAICで動きを止めワイヤーブレード6つを一斉に一夏に放ち切り刻み、装甲とシールドエネルギーを削っていき、右手にワイヤーブレードを絡め地面に叩きつけた。

 

「ふん……これで終わりだ!」

「くそぉ!」

 

レールカノンの照準を一夏に合わせ撃つ。放たれた砲弾は一夏目掛けて突き進むがシャルルが射線に乱入して盾で砲弾を防ぎ一夏の腕のワイヤーを切りその腕を引いてその場から離脱した。

 

「お待たせっ」

「た、助かったぜ……ありがとよ」

「どういたしまして。さっここからが本番だよ!」

「あぁ、見せてやろうぜ。俺たちのコンビネーション!」

 

一夏は零落白夜を発動させそしてラウラへと突っ込んでいく。

 

「ぜえあああああっ!」

「触れれば一撃でシールドエネルギーを消し去るか……そんなもの当たらなければどうということはない!」

「それをフラグって言うんだよ!」

「そんなものは……無駄だ!」

「ぐっ!?」

 

再び突撃してきた一夏をAICが完全に止める。

 

「ふん……決まりだな」

「まだだ……まだ俺たちのバトルフェイズは終わってないぜ。なぜなら今は……」

「ふたり組だからね!」

「!?」

 

ラウラが一夏に気を取られている内にシャルルはゼロ距離でショットガン6連射をぶちかまし、ラウラの大口径レールカノンを破壊する。

 

「くっ!」

「もらったぁぁぁぁぁ!!」

 

キュゥゥゥン…………

 

「なっ!?エネルギー切れ!?」

 

一夏は必殺の一撃を繰り出すがここに来てエネルギー切れを起こし零落白夜のエネルギー刃は消えてしまった。

 

「万策尽きたな!これまでだ!」

 

ラウラはプラズマ手刀を展開すると一夏の懐へ飛び込み両手の凶刃を繰り出す。一夏はやられまいとその2つの刃を弾き続ける。

 

「やらせはしない!」

「邪魔だ!」

「うあっ!」

 

シャルルは援護に入ろうとするがワイヤーブレードで阻まれてなかなか援護に回れない。

 

「シャルル!くっ……!」

「これで終わりだっ!」

 

一夏がシャルルに気を取られた隙にラウラは懐へ潜りプラズマ手刀を喰らわせる。シールドエネルギーを削り切られ一夏は床へと落ちた。

 

「は……ははっ!私の勝ちだ!」

「ところがどっこい!まだ終わってないよ!」

「なにっ!?」

 

次の瞬間ラウラに超高速の影が突撃してきた。

 

「イグニッションブーストだと!?」

「人間やればできるもんだね」

 

今この場で習得し初めてイグニッションブーストを使ったシャルルだったのだ。

 

「し、しかし!停止結界の前では無意味だ!」

 

ラウラが停止結界を発動しようとして右手を上げた瞬間

 

ドンッ!

 

右手が撃たれ弾かれたのである。真下から。視線を巡らせ見つけた先にいたのは、シャルルの捨てたアサルトライフルを構える一夏だった。

 

「なっ……」

「今だ!シャルル!」

「し、しかし第二世代型の攻撃力ではこのシュヴァルツェア・レーゲンを仕留めることなど……!」

「できるよ……この武器でね!」

 

左腕に装備した盾の装甲が弾け飛び、現れたのはパイルバンカー《灰色の鱗殻》。

 

「し、シールドピアース……!」

「絶対に……外さない!」

 

シャルルはパイルバンカーをラウラの腹部に押し当て一撃を叩き込む。リボルバー機構により高速で次弾が装填され続けて三発撃ち込んだ。

ラウラの体は傾き、機体にもスパークが走るが、次の瞬間異変が起きる。

 

 

 

 

 

一方その頃、IS学園にある医療室では。

 

「ん……ここは……?」

 

剣護が目を覚まし起き上がる。そのときに体に激痛が走り顔をしかめるがなんとか起き上がる。そしてワァァ!という歓声が起こっている方を見て気づく。

 

「あぁ……今日は学年別トーナメントだっけ……」

 

ぼんやりとそう呟くが、次の瞬間ゾワッと全身が騒ぐ。剣護は目を閉じ集中して流れを感じ取る。

 

「……一夏たちが危ない……!」

 

ヨロヨロとベッドから降りると畳まれている羽織を着て、ベッドの脇に立てかけてあった刀を腰に差すと重たい体を引きずりながらアリーナへと走った。

 

 

 

 

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