オタク剣士がIS学園で剣技を舞う!   作:ケルさん

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第10話 VTシステムvs零落白夜&富嶽泰山斬り!

 

 

「はー……はー……」

 

剣護は走っていた。セシリアと鈴がピンチだった時のように全力で。アリーナのゲートに着くと扉が開いていく内に呼吸を整える。

 

「待ってろ……一夏、シャルル……今行く……!」

 

そしてピットに入るとアリーナへと続くゲートの前で剣を振るった。

 

 

 

 

「ああああああっ!!」

 

ラウラが絶叫すると同時にシュヴァルツェア・レーゲンから電撃が放たれ、シャルルが吹っ飛ぶ。

 

「ぐっ!い、一体何が……!?」

「な、なんだありゃあ!?」

 

2人の視線の先には異形の闇がいた。そしてそいつは雪片とよく似た刀を持っていた。

さらに黒いISは一夏の懐へ潜ると刀を振るい一閃した。

それを一夏は防ぐが吹っ飛ばされる。

 

「お前……!」

 

一夏は怒りに任せ拳を振るう。しかしその拳が触れる寸前で箒が一夏を相手から引き離した。

 

「馬鹿者!何をしてるんだお前は!」

「離せ!あいつ……ふざけやがってぇ!」

「落ち着け!わかるように説明しろ!」

「っ……ふぅー……あいつの使ってるやつ……千冬姉のものだ……それを……くそっ!ぶっ飛ばしてやらねえと気が済まねえ」

「だが白式無しでどうするんだ」

「うぐっ……いや……あいつなら……剣護だったらこんな時ISが無くても行ってたはずだ!」

「剣護は剣護、お前はお前。無理だろうステータス的に」

「で、でも……」

「僕のリヴァイヴならエネルギーを移せると思うよ」

「本当か!?頼む!」

「けど!約束して。絶対に負けないって」

「もちろんだ。ここで負けたら男じゃねえ。あいつにも顔向けできそうに無いしな」

「よし!じゃあ始めるよ!」

 

リヴァイヴからケーブルが伸びて白式に繋がれ、エネルギーが流し込まれる。しかし黒いISは容赦なく三人の方へ向かってくる。

 

「ここは私が抑える!今のうちに!」

「箒……!」

 

黒いISは箒目掛けて刀を振り下ろし、箒はそれを受け止める。だが

 

ガキィィィィン……

 

「なっ…………!?」

 

打鉄のブレードは黒いISのブレードに負けて折れてしまった。黒いISは箒に向かってブレードを振り上げる。

 

「く、くそぉ!」

「箒!」

「ダメだよ一夏!まだ終わってない!」

「で、でも!このままじゃ箒が……!」

 

黒いISは箒を見下ろすと振り上げたブレードを勢いよく振り下ろす。

 

「きゃ……」

「篠ノ之さんっ!」

「っ……!剣護ぉぉぉぉぉ!!」

 

ブレードが振り下ろされる刹那、一夏は反射的に友の名を叫んでいた。そして天は一夏の声に応えた。

 

ガギィン!!

 

金属と金属がぶつかり合った音がアリーナに響く。シャルルと一夏は目の前の光景に唖然とし、だがその表情には歓喜が混ざっていた。箒は自身に痛みがないことに気づくと前を向いて驚いた。

 

「雷の型四式、迅雷一閃!」

 

目の前には全身に包帯を巻いてパジャマ姿に青白い羽織を纏い、自身の刀で相手のブレードを受け止める剣護がいた。

剣護は黒いISのブレードを払うと勢いよく蹴り飛ばし、箒を後ろに投げ飛ばした。

 

「皆……待たせたな」

「あ……あ……」

「け、剣護ぉ!」

「良かった……あ、一夏!エネルギー移し終わったよ!」

「サンキュー!シャルル!」

「い、一夏!絶対に死ぬな!」

「大丈夫だ、必ず勝って帰ってくる」

「あの世から界王様と修行して?」

「こんなときでもボケるのな!?まあいいや、じゃあ行ってくる」

 

一夏は箒たちと勝利の約束をすると目の前の相手へと向かい、右手に握りしめ日本刀の形に集約した零落白夜を発動させる。

同時に剣護も一夏の隣に来て刀を担いだ。

 

「剣護?」

「ちょうど2人いるんだ。同時攻撃で決めてやろうぜ。ダブルライダーキックみたいにな!」

「キックじゃなくて刀だけどな……ま、乗った!」

「折角だ、ここにいる全員に日本一の剣を見せてやる」

「へぇ、そいつは楽しみだなっ」

「そいじゃま……行くぜ!」

「おうっ!」

 

黒いISは刀を振り下ろし袈裟斬りを繰り出す。一夏はそれを腰から抜きはなった一閃で弾き、すぐさま上段に構え振り下ろす。

一夏の動きに合わせて剣護を担いだ刀を振り下ろし技を繰り出す。

 

「一閃二段!」

「月島流奥義!」

 

そして放つは2人の最大の一撃。

 

「零落白夜!!」

「富嶽泰山斬り!!」

 

2人が放った必殺の一撃は黒いISを三つに切り裂いた。

 

 

 

 

『トーナメントは事故により中止となりました。ただし、今後の個人データ指標と関係するため、全ての一回戦は行います。』

 

「ふむ、シャルルの予想通りだな」

「そうだねぇ。あ、一夏、七味取って」

「あ"〜……体が痛え……」

「そりゃそうだろ。無理矢理出てきた上に大技かましたらそりゃそうなるわ」

「熱の方は大丈夫なの?」

「あぁ、熱は下がってる」

 

先程まで教師陣から事情聴取を受けていた三人は食堂に来ていた。しかし剣護は事情聴取の後に手当てを受けてから来たので食堂は終わっていたが特別ということで使用できた。

 

「あ、織斑君にデュノア君、月島君。ここにいましたか。さっきはお疲れ様でした」

「山田先生もお疲れ様です」

「ところで月島君、体の方は大丈夫ですか?いきなりアリーナに現れたからびっくりしちゃって」

「あー……なんとか大丈夫です。傷開いてまた手当てし直して貰いましたけど」

「大丈夫なら良かったです。それよりも朗報です!」

「生徒の命よりも朗報ですか……フッ」

「うぐっ……。な、なんとですね!ついに今日から男子の大浴場使用が解禁です!」

「おお!そうなんですか!?」

「え?新モンスター解禁!?」

「それは違うよ!大浴場だよ大浴場!」

「とにかくですね。三人は早速お風呂にどうぞ。じっくり疲れを癒してくださいね」

「はい!じゃあ早速風呂に……」

「行くぞ!」

「剣護その立ち方は4人居ないとできないよ」

「まあいいや着替え取りに行こうか」

 

三人はそれぞれ着替えを取りに行き、一夏とシャルルは風呂のことで案を考えていたが結局いい案が出ずに風呂の準備だけ進んだ。

 

「それではごゆっくり〜」

 

真耶に見送られ脱衣所のドアが閉められる。そしてそのまま三人の間には無言の空気が流れる。

 

「「「………………」」」

「……よくよく考えれば一夏はシャルルの全裸見てるから良いんじゃね?」

「良くねえよ!」

「え、えっと僕はここで待ってるから2人は入ってきなよ」

「……いいのか?」

「う、うん」

「大丈夫か?」

「大丈夫だ、問題ない……って何言わせんの!」

「ハッハッハッ。愉快愉快」

「じゃあ俺たちは入ってくるよ。って剣護お前さりげなく後ろからスリケン投げようとするな」

「チッ。バレたか」

「え、えっとごゆっくり」

 

一夏は先に大浴場へと入っていった。剣護はスリケンをしまうとシャルルと顔を合わせた。

 

「よし……GO、シャルル」

「ふぁい!?」

「行ってきな、あいつのとこに」

「う、うん……剣護は?」

「傷にしみる」

「アッハイ。こっち見ないでよ?」

「メリットないんで結構っす」

「それはそれで腹立つ!」

「ほれ、はよ行ってこい」

「うん、ありがと」

 

 

カラカラカラ……

 

「お、お邪魔します……」

「ヘアッ!?」

 

一夏が湯船に浸かっているとシャルルが入ってきた。一応タオルを当てているがほとんど見えている。

 

「え、ちょ、ま、なぁっ!?」

「あ、あんまり見ないで……」

「す、すまん!って剣護は!?」

「傷にしみるからって」

「あ、あいつ……」

『計画通り……』

「オンドゥルルラギッタンディスカー!」

 

扉の向こうで新世界の神みたいな笑顔をしてる剣護に一夏はオンドゥル語を返す。

 

「そ、その、話があるんだ。大事なことだから、一夏にも聞いてほしい……」

「わ、わかった……」

「……それと剣護にも」

「んぇっ?」

 

まさか自分にも来るとは思わなかった剣護は間抜けな返事をしてしまった。構わずにシャルルは話し続ける。

 

「その……前にも言ってたことなんだけど」

「前って言うと……学園に残るって話か?」

「……ここに残るんだろ。自分の居場所を見つけるために」

「うん、それに……」

「そ、それに?」

「一夏と剣護がここにいろって言ってくれたから。そんな2人がいるからここにいたいと思えるんだよ」

「……そうかい。それとそろそろ教えてくれねえかな……」

「?何を?」

「シャルルの……いや君の本当の名前だよ」

「わかった。僕の本当の名前は……シャルロット。お母さんがくれた本当の名前。これからはシャルロットって呼んでくれる?」

「わかった。シャルロット」

「委細承知」

「「…………ん?」」

 

ちょっとの間だけ沈黙して一夏とシャルロットは首を傾げる。今まで剣護の声は扉の向こうから聞こえていたのに、さっきは自分たちの近くから聞こえたからである。

 

「え?剣護?いるの?」

「あいよー」

「「ぎゃあああ!?」」

 

シャルロットが呼ぶと剣護は2人の近くからザバーッと海坊主みたいに出てきた。

 

「い、いつの間に!?」

「えーと……一夏が名前聞いたあたり」

「ぜ、全然気づかなかった……」

「音立てずに入ったからな」

「あっ!?…………剣護もしかして……見た?」

「メリットないんで結構」

「だからそれはそれで腹立つ!」

「わあ!?立つなシャルロット!見える!」

「お前ら座れ。いろいろマズイ」

「それ言うなら剣護だって……」

「俺は海パン履いてるから」

「ずっる!この野郎!」

「ずるいよ剣護!」

「いやー!ホモと痴女が襲ってくるー!」

「誰がホモだ!」

「痴女じゃないもん!」

「じゃあ童貞と処女」

「「貴様ぁ!!」」

「ぎゃー!俺の側に近寄るなぁぁぁ!」

「あれ?この辺なんかザラザラする……っ!?」

 

三人でもみくちゃしてるときシャルロットはザラザラした部分に触れて不思議に思いよく見るとビクンッ!と飛び退いた。

 

「あ、あわ……あわわ……」

「ど、どうした?シャル」

「あー……恐らくアレだわ。古傷に触れたんだ」

「へ?古傷って…………えっ」

 

剣護の体を見て一夏は目を見開いた。剣護の体には大小無数の傷があったのである。

 

「な、なんじゃこりゃあ!?」

「き、傷だらけ……」

「ほとんどじーちゃんにやられたもんだけどな」

「な、なんかゴメン……」

「気にしなさんな。まあもうしばらくすれば治るから」

「そ、そんなもんなのか……」

「うん、とりあえずお二人さんは湯船に浸かろうか」

「「え?」」

 

剣護に言われ2人は自分の体を見る。剣護は海パンを履いてるが、2人は一糸纏わぬ全裸である。それを知るなり2人は勢いよく湯船に入った。

 

「おわぁっ!?」

「きゃあっ!?」

「……あんたらバカか」

「「返す言葉もございません……」」

「そんじゃあ俺は先に上がるぜ。そろそろ痛くなってきた」

「あ、うん」

 

颯爽と剣護は上がっていき、大浴場には一夏とシャルロットの2人が残されるのだった。

 

 

 

 

「シャルロット・デュノアです。皆さん、改めてよろしくお願いします」

 

次の日の朝のホームルーム。シャルロットは改めて女の子としてこのクラスに入ってきた。ちなみに真耶はシャルロットの隣で轟沈している。

さらに突然教室のドアが吹っ飛ばされ鈴が甲龍を展開して突っ込んできた。

 

「一夏ぁぁぁ!!」

「鈴!?」

「死ね!!!」

 

怒りに任せて鈴は衝撃砲をぶっ放し爆風を撒き散らし轟音が響く。

 

「……あれ?生きてる?」

「あ、ホントだ。一夏が生きてる」

「………………」

 

なんとラウラが一夏と鈴の間に割り込み得意のAICで衝撃砲を防いだのである。

 

「ら、ラウラ?っていうかIS直ったのか」

「コアはギリギリ無事だったからな。予備パーツで組み直した」

「へー。そうだったん……むぐっ!?」

 

いきなりラウラは一夏の胸ぐらを掴み引き寄せると、なんと、一夏の唇を奪った、すなわちキスをしたのである。

周りは「oh……」な感じで息を呑んでいた。

 

「お、お前は私の嫁にする!決定事項だ!異論は認めん!」

 

顔を真っ赤に染めてラウラは一夏に嫁にすると断言した。その顔は今までの強張った顔ではなく、柔らかい女の顔だった。

 

「あ、あ、あ……」

「あ、やっべ。止めねえと」

「アンタねええええっ!!」

「待て!俺は悪くない!俺は悪くない!」

「アンタが悪いに決まってんでしょうが!全部!絶対!アンタが悪い!」

「くっ!こうなりゃ……逃げるんだよぉぉぉ!!」

 

衝撃砲を構える鈴に対して、一夏はジョースター家の秘技を使おうとするが次の瞬間鼻先をレーザーが掠めた。セシリアである。

 

「あら、一夏さん?どちらに行きますの?おほほほほ……」

「ひい!」

 

廊下は無理だと一夏は窓へ向かうが今度は目の前に日本刀が突き刺さる。今度は箒だ。

 

「……一夏、話をしよう」

「いや話をする雰囲気じゃないよな!?」

 

一夏は身を屈めて逃げようとするが今度はシャルロットにぶつかった。

 

「あ…………」

「一夏って他の女の子の前でキスしちゃうんだね。僕、びっくりしたよ」

「あのー……シャルロットさん?なぜISを起動してるのかな?」

「なんでだろうね」

 

シャルロットはISを展開するとともにパイルバンカーを構える。一夏は何か極限を超えたのか笑っていた。だがしかし神は一夏に味方した。

シャルロットが当てようとしたパイルバンカーを止めたのである。

 

「……え?」

 

一夏はシャルロットを見ると顔が少し青ざめていた。そしてその後ろを見ると剣護が二刀を構えていたのである。剣護は思い切り息を吸い怒声を発した。

 

「……いい加減にせんかお前らあああああ!!!」

 

ズババババンッ!

 

「……うえっ!?」

 

バズンッ!

 

「またですの!?」

 

バキンッ!

 

「なっ……!?私の刀が!?」

 

剣護は鈴の衝撃砲、セシリアのライフル、箒の刀を破壊するとシャルロットの前に現れる。そして引き攣った笑顔のシャルロットに対してドス黒い闇を含んだ笑顔を返した。

 

「け、剣護……?」

「鬼哭流雷の型奥義……」

「えっちょっまっ……!?」

「万雷ノ閃光!!」

 

ドガガガガガガガガガガガガァンッ!!」

 

シャルロットが止めようとするのをお構いなく、容赦なしに剣護は12連突きをパイルバンカーに叩き込み破壊した。

 

「ひいいいいっ!?僕のとっつきー!?」

「鬼!悪魔!鬼畜!」

「最高の褒め言葉だ」

「ドSですわ!?」

「もうダメだ……おしまいだあ……」

「武器壊されただけでお葬式状態!?」

「ええじゃないか。大人しくなったし」

「人のもの破壊しといて!?」

「うるさいのが悪い。慈悲はない」

「よくも僕のとっつきを!」

「うるせえ縛るぞ」

「え………………」

「一瞬、ちょっと良いかもって思ったろ」

「そ、そそそそんなことないよ!」

「ほらほら、とっとと片付けて。山田先生の胃のライフとかSAN値とか削れていくから」

「つ、月島くん……助かりますぅ……」

「お、俺も助かった…………」

 

 

一騒ぎあったが、女の子として再び転入してきたシャルロットを加えて、今日もIS学園での1日が始まるのだった。

 

 

 

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