セシリアと剣護の決闘から翌日、第3アリーナにて一夏と剣護が向き合っていた。剣護はセシリア戦の時と同じ姿で、一夏は専用機[白式]を纏っていた。
一夏「悪いな剣護、昨日やったばかりなのに」
剣護「いーよいーよ。速攻で終わらせるから」
一夏「まあそうならないように努力するよ」
剣護「嫌だ!俺は速攻で一夏を負かせて終わらせて休みたいんだ!」
一夏「それが本音か貴様ぁ!!」
剣護「そうだよ……文句あっか?!」
一夏「文句しかねえよ!てかこれ白式の一次移行させるための模擬戦だからな!?専用機の無いあなたにはわからんでしょうねえ!」
剣護「話(物理)をしよう」
一夏「すまん悪かった助けてくれ」
剣護「まあいいさ、とっととやろうや」
一夏「お、おう……行くぞ!」
2人はお互いに武器を構える。近接対近接のぶつかり合いの始まった、一夏は白式のスラスターを吹かして突っ込みブレードを振るう。
剣護「鬼哭流地の型三式」
一夏「うおおおりゃあああ!」
剣護「泰山の構え!」
一夏「うおっ!止めた!?」
剣護「どっせえい!」
一夏「うおおお!?重っ!?」
剣護はどっしりと踏み込んだ構えを取り真っ正面から一夏の突撃を受け止め馬鹿力でブレードを押さえつける。
一夏「ぐおおおお!どんな馬鹿力してんだよ!?」
剣護「去年まで散々じーちゃんにシゴかれたかんな!」
一夏「何者だよお前のじーちゃんは!?」
剣護「それはまた今度!一気に行くぞ!」
一夏「ぐっ!」
下からブレードを払い上げそのまま腰溜めの構えを取る。そして、払い上げられて無防備にも一夏は胴体を晒してしまう。
そこに剣護は容赦なく技を叩き込む。
剣護「月島流……富嶽巌砕突き!」
一夏「グハァ!?」
螺旋状の斬撃と共に繰り出された突きを一夏はモロに受けてぶっ飛び、アリーナの壁に激突してしまう。
剣護「……今のが引き金にでもなったか?」
剣護がそう呟いた次の瞬間、もうもうと立ち込める土煙の中に1つの白い輝きが現れた。一夏の白式が一次移行を果たしたのである。その名の通り真っ白な装甲を身に纏い堂々と立っているのだが、本人のダメージは回復し切れなかったようで一夏自身はあまり顔色が優れていなかった。
一夏「ぐふっ……まだまだこれから……行くぞ白式!」
剣護「シールドエネルギーよりお前の命が先に尽きるんじゃね?」
一夏「怖えこと言うなよ!?」
剣護「よし!乗った!」
一夏「ちょっいつの間に!?っておい待てこれはモンハンじゃねえ!乗りダウンは取れるかもしれないけど!ナイフザクザクはやめろぉ!」
剣護「はーい逝きますよー」
一夏「待てぇぇぇ!その手に持ってるのはなんだぁぁぁ!?」
剣護「ボラギノール(座薬タイプ)」(ガチャン)
一夏「おい待てさっきガチャンって聞こえたぞ!?装填したよな?ボラギノール装填したよな!?」
剣護「わーったよ……富嶽鉄槌割りぃ!」
一夏「ちょま……げぼらぁ!?」
なんやかんやで銀魂みたいなやり取りをしてるうちに叩き落とされ、一夏のシールドエネルギーは200を切った。
一夏「ぐっ……これ以上はマズイ……」
剣護「さてさて……そろそろ決めるか」
一夏「だあー!こうなりゃヤケクソだ!」
剣護「そうこなくちゃなあ!……鬼哭流抜刀術」
一夏は雪片弐型のエネルギー刃を展開し、剣護は刀を納め抜刀術の構えを取り目を閉じる。
一夏「行くぞ剣護ぉぉぉ!」
剣護「来い……一夏!」
一夏「おおおおおおおおおおおお!!!」
スラスターを最大出力で吹かしブレードを振り上げて突っ込む一夏に対して剣護も踏み込み前へと飛ぶ。そして2人はすれ違いざまに刀を振るい一閃する。
一夏「っ…………!」
剣護「紅桜……一刀両断」
『試合終了。勝者ーー月島剣護』
剣護「っ!」
技の名を呟いたのと同時に勝敗が決したことを伝えるアナウンスが鳴り響き、さらに剣護の左肩から鮮血が舞った。
一夏「ま、負けたぁ〜……って大丈夫か!?」
剣護「お前がやったんだろがこのダラズ」
一夏「ひ、酷え……」
真耶「お疲れ様です。織斑くん、月島く……ってきゃあああ!?月島くんひ、酷い怪我を!?大丈夫ですか!?」
剣護「あ、慣れてるんで平気です」
一夏「それもそれで問題だぞ!?」
真耶「平気じゃないです!とにかく早く医療室に行きましょう!」
こうして一夏は無事白式の一次移行を終えることができた。だが剣護は真耶に医療室へと押し込まれてしまい一夏は苦笑いするしかなかったのだった。
2日後、剣護と一夏が教室に入るとやけに周りが騒がしかった。
一夏「なんかあったのかな、なあ剣護?」
剣護「…………転校生だな、明らかに別の流れがある」
女子1「あ、織斑くんに月島くん、おはよー。ねえ、転校生の噂聞いた?」
一夏「……剣護の言ったことが的中してる」
女子1「え?そうなの?ま、まあそれより中国の代表候補生なんだってさ」
剣護「あ、そう」
一夏「興味無さげだなぁ」
剣護「どーせ、面倒なやつばっかりだしこの学園」
女子2「辛辣ぅ!」
女子3「だがそこが良い!」
剣護「……ほらな?」
一夏「ま、まあまあ……マシな人も居るだろう?」
剣護「お前の周り以外はな!」
セシリア「全くですわ!」
箒「剣護の言う通りだ」
剣護「あ、箒とセシリアも同類だから」
箒・セシリア『ウソダドンドコドーン!』
剣護の言葉の殺人ドールで何人かがガックシと項垂れる中、自分達の教室に誰かが近づいてくる気配を剣護は感じ取った。
剣護「おい皆!転校生が来るぞ!」
全員『ダニィ!?』
「ちょっ!?まっ!?」
一夏「ん?鈴……?お前、鈴か?」
剣護が存在をバラしたことで見事に出鼻を挫かれて現れたのは、一夏のセカンド幼馴染で中国の代表候補生である凰鈴音だった。
鈴音「そ、そうよ。中国代表候補生、
剣護「帰れ」
鈴音「初対面で門前払いすることないじゃない!」
一夏「鈴、気をつけろよ。こいつ生身で専用機2人倒してるから」
鈴音「それは2人が弱かった……って生身で?」
一夏「千冬姉にも一太刀喰らわせてる」
鈴音「え?マジで?」
千冬「マジだ」
一夏「あ、千冬姉……」(バゴムッ!)
千冬「織斑先生だ、こいつ……月島はこの前織斑とオルコットを生身で倒している」
鈴音「な、なんで生身で……?」
剣護「俺、編入してきたばっかだから専用機がまだ出来てないんだよ」
鈴音「あー……なるほど」
千冬「凰、それよりも早く自分の教室に戻れ」
鈴音「え?あ、は、はい!」
千冬に睨まれ鈴はスタコラサッサと自分の教室に戻っていった。
一夏「……なあ、剣護。なんで鈴がこの学園に来てるってわかったんだ?」
剣護「後で説明してやるよ」
その後の授業では箒とセシリアが鈴と一夏の関係のことで集中が出来ず出席簿を喰らっていた。
そして昼休み。4人は食堂へ向かいそれぞれ注文をしていた。が、そこに転入生の鈴が立ちふさがった。
鈴音「待ってたわよ、一夏!」
一夏「まあ、とりあえずそこどいてくれ。食券出せないし、通行の邪魔だぞ」
鈴音「う、うるさいわね。わかってるわよ」
剣護「おばちゃーん!牛丼、ギガオメガドライブ盛り!」
4人『ぶふぅ!?』
おばちゃん「はい、お待ち!」
4人『えぇぇぇぇ!?』
それぞれ注文したものを受け取る中、最後だった剣護の注文を聞いて4人が吹いた。そしてできたものを見て驚いた。出てきた牛丼は特盛以上の量だったからである。というか山だった。
一夏「お、おまっ、そんなの食えるのか!?」
剣護「ハハッ、余裕」
箒「化け物だ……」
セシリア「なんですの……ゲンカイガンしますの!?」
鈴音「こいつの実力の片鱗を見せられた感じだわ……」
そして、5人でテーブルを囲み食事をし始めるのだが4人は剣護の食べる量とスピードに圧倒されてしまうのでなかなか進まなかった。
鈴音「そういえば一夏はクラス代表なんだって?」
一夏「成り行きでな」
鈴音「ふーん……あのさぁ。ISの操縦見てあげてもいいけど?」
一夏「そりゃ助かーー」
箒「一夏に教えるのは私の役目だ。頼まれたのは、私だ」
剣護「擬音語オンリーの幼児みたいな説明」
セシリア「あなたは二組でしょう!?敵の施しは受けませんわ」
剣護「お前の説明は難しすぎる」
鈴音「あたしは一夏に言ってんの。関係ない人は引っ込んでてよ」
剣護「人任せの説明する奴はただの⑨」
箒・セシ・鈴『…………』
3人が話す度に剣護が毒を挟むので3人の精神のライフは0をぶっちぎってマイナスになり始めていた。
剣護「あと言っとくが」
箒・セシ・鈴『え?』
剣護「あんまりうるさいと口を縫い合わせるぞ」
箒・セシ・鈴『すいませんでした』
一夏(剣護の奴完全に掌握してやがる……)
一夏「そ、それより剣護!」
剣護「んあ?」
場の空気を変えるために一夏は剣護に先程聞こうとしていたことを話し始める。
一夏「さっきのことなんだが……」
剣護「……あぁ、ゲンムの社長が黒いエグゼイドだってことか」
一夏「え?そうなのか?って違うわ!」
剣護「冗談。なんで転校生が来てることと鈴が来るのがわかったのかだろ?」
鈴音「そ、そういえばなんでなの?」
剣護「うーん……簡単かどうかは分からんが、流れを感じ取ったんだよ」
セシリア「流れを感じ取る……ですの?」
剣護「そうそう。風には風の、火には火の、水には水の、全てのものに流れがある」
箒「なら人には人の流れがある……ということか?」
剣護「そういうこと。昔、修行してる間にそういうのが分かるようになったのさ」
鈴音「へぇ〜……そうなんだ……」
一夏「そういえばじーちゃんに鍛えてもらってるって言ってたな」
セシリア「どんな人なんでしょうか……気になりますわね」
剣護「もう居ないよ、誰も」
鈴音「それってつまり……」
剣護「うん、去年亡くなったよ。俺と決闘して一ヶ月後に」
4人『!!』
剣護「まあ……寂しくはないさ。死んでも魂は俺の中にある」
一夏「そうか……」
箒「形見とかは無いのか?」
剣護「あるよ?また今度見せてやるよ」
鈴音「あ、私も私も」
セシリア「私も……あの時レーザーを弾いた刀を見てみたいですわね」
途中から話が暗くなってしまったが、だんだんと話していくうちに明るさを取り戻し女子3人が喧嘩を始めて剣護がキレて威圧で黙らせたところで昼休みが終わった。
あの後、放課後に訓練をしてまた3人が喧嘩を始めて剣護が叩きのめしたことは言うまでもない。