オタク剣士がIS学園で剣技を舞う!   作:ケルさん

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第6話 激突?剣士と軍人!

 

 

訓練が終わった後、昼休みに剣護たちは屋上に来ていた。ほとんどの人はシャルル目当てで学食に向かったのかほぼ貸し切り状態だった。

 

「はぁー……しんどかったぁ……」

「アンタめっちゃ囲まれてたもんね」

「そりゃ話をはぐらかされたらなぁ……」

「いつか話すって言ったじゃんかよ」

「なんでだ?今でも良いじゃないか」

「だが断る!」

「そうなると私たちも力づくでやらねばならないが良いのか?」

「そうなったら首飛ぶのお前らだし」

「いちいち脅しが物騒ですわ!」

「ま、まあまあ。みんな別に良いじゃないの。剣護も話さないって言ってるし」

 

昼ご飯を食べながら訓練のときに剣護が誤魔化した話について詰め寄る一夏たち。若干マズイ方向に行きかけたがシャルルの一言でそれは免れた。

 

「それより剣護って生身でISとやり合ったんだって?しかも専用機持ちに」

「そだよ。あのときはまだ俺の専用機はできてなかったし」

「編入したばかりだったよな」

「あの時のことは……謝りますわ」

「今思うと剣護って化け物よね」

「この前素振りしてるところを見たが一つ100kgくらいの大きな岩を棒に三つ突き刺したものを振り回してたぞ」

「そろそろ200kgに上げようかと思ってる」

「お前ほんとに何者だよ……」

 

そんな話をしてるうちに剣護は「そういえば……」と紫の包みを取り出し一本の刀を引っ張り出してきた。その刀は見た目は普通なのだが柄がかなり長いのである。

 

「昨日、家の整理してたときに見つけたものなんだが」

「この刀……柄が長くないか?」

「変わった刀ね」

「うちのご先祖様が使ってた刀なんだとさ」

「へぇ……すごいね……」

「どんな人だったんだろうな……剣護のご先祖様って」

「なんでも蟲を退治する仕事をしてたそうだ」

「蟲?蜂とかカブト虫とかの?」

「まあそこんとこは詳しくわからんさね」

「ということは……その髪飾りもか?」

「そうそう。代々受け継がれてきたものだよ」

「かなり年季が入ってますわね……」

「魔除けのお守りだとさ。まあそろそろ切れるかもな」

「ふーん……」

 

 

 

 

シュリンッ……シュリンッ……

 

「ノックしてもしもーし!」

「お、お邪魔しまーす……」

「おん?」

「「…………」」

 

夜、一夏とシャルルは一緒にゲームでもしようと剣護の部屋に突撃するもすぐに黙り込んでしまった。なぜなら剣護は自分の刀のメンテ、すなわち刀を研いでいたのだ。

 

「あ、2人ともいらっしゃい」

「「お邪魔しましたー……」」

「イヤーッ!イヤーッ!」

「うお危ねえ!?」

「うひぃ!?」

 

それを見た2人はすぐさま部屋を出ようとするが剣護はスリケンを放ち2人を止めた。

 

「ったく……そっちから突撃しといてなんで帰るんだよ」

「お前こそなんで刀研いでんだよ!怖いだろ!」

「どんなものでもメンテは大事だろうが!まあちょっと外で待ってて。片付けるから。帰るなよ?いいね?」

「アッハイ」

 

しばらくして片付けが終わり2人は改めて剣護の部屋へ入る。剣護の部屋は棚が二つありガンプラやフィギュア、仮面ライダーのベルトやガジェットなどいろんなものが置いてあり、部屋の隅には7本の刀が置かれていた。

 

「わー……あ、これまだ持ってないやつだ!」

「部屋の隅に置いてる刀多すぎないか?」

「気にすんな。今お茶入れるから」

「あ、僕手伝うよ」

「お、悪いな」

 

そう言って剣護とシャルルはキッチンへと入っていった。

 

「えーと……紅茶で良いか?」

「うん、良いよ」

「茶菓子は……これにするか」

「クッキー?」

「プレーン、抹茶、紫芋、イチゴの4つの味がある」

「オーメダルの模様が掘ってある!」

「大変だったわぁ……まあそのかいがあったもんよ」

「そっかあ〜……ところで剣護」

「ん?なんだ?」

「……君はどこまで知ってるの?」

「…………」

 

シャルルは今朝の自己紹介のときに剣護が見せた仕草の意味を問い始める。

 

「……言わないとダメ?」

「い、嫌なら良いけど……」

「ふむ……まあいつか話すよ」

「……わかった」

「さ、戻ろうぜ」

「……うん!」

 

部屋に戻った2人はその後、一夏と3人でお茶を楽しみ、ゲームで白熱バトルを繰り広げたりした。このときシャルルのとっつきが剣護の富嶽をぶち抜いたことを記しておく。

 

 

 

シャルルが転校してきて5日後、本日は土曜日で剣護たちは第三アリーナで訓練をしていた。

 

「ええとね、一夏がオルコットさんや凰さんに勝てないのは、単純に射撃武器の特性を把握してないからだよ」

「そ、そうなのか?一応わかってるつもりだったんだが……」

「まあさっきもシャルルとやってたときに間合い詰めれてなかったよな。イグニッション・ブーストも読まれてたし」

「うっ…………」

「一夏は近接オンリーだからね。より深く射撃武器の特性を把握しないと対戦じゃ勝てないよ」

「しかも一夏のブーストは直線的だから軌道読まれて攻撃されるしな」

「直線的か……」

「それにしてもシャルルの説明はわかりやすいな」

「そ、そうかな?」

「あぁ、確かにシャルルの説明は非常にわかりやすい」

「箒の説明は擬音語ばっかで子どものごっこ遊びかっていうぐらいだし」

「うぐっ」

「鈴のは感覚とか言って他人任せだし。直観じゃあるめえしよ」

「うっ」

「セシリアのは細かすぎて逆に理解できん」

「……」

「そ、そこまで言わなくても……」

 

シャルルは止めようとするがそんなことでは剣護の毒舌は止められない。

 

「ま、要するにあの3人は説明するのが超絶ド下手くそ。小学生の方がまだマシよ」

「「「がはぁ!?」」」

「さ、3人が血を吐いたぁぁぁ!?」

 

最後にトドメをさされ箒、鈴、セシリアは吐血してその場で轟沈した。

 

「まあそれが改善されることなど……二度といや一生いや永遠にないだろうねえ!!」

「「「ぐはぁ!?」」」

「もうやめて!3人のライフはもう0だよ!」

「いやもうオーバーキルだぞこれ……」

 

剣護が女子3人をオーバーキルしまくった後、一夏はシャルルにライフルを借りて射撃訓練を始めた。一マガジン撃ち切ったところで急にアリーナがざわつきはじめる。一夏たちは視線を移すとそこにいたのはもう1人の転校生、ラウラだった。

 

「おい」

「……なんだよ」

「貴様も専用機持ちだそうだな。ならば話が早い。私と『契約して魔法少女になってよ!』……」

「…………」

「…………」

 

ラウラが話してる途中でいきなりどこぞの魔法少女アニメに出てくる生物のセリフが被せられたことでかなり気まずい空気になってしまっていた。その空気の中口を開いたのは一夏だった。

 

「……おい」

「……なんだ」

「これどうにかしろよ」

「いや私に言われても……ええい!良いから私と『契約して魔法少女になってよ!』誰だぁぁぁ!!私が話してるときに被せてくるのは誰だぁぁぁ!!」

 

二度も被せられてラウラはキレると共に錯乱し始めた。そのときブフーッ!と吹き出す声が聞こえて全員が一斉に振り向くと剣護が思い切り吹き出して笑っていた。

 

「アッハハハ!ハハハハハッ!」

「「「お前かぁぁぁぁぁ!!」」」

「ハハハッ……はあ……はあ……い、いかにも……お、俺が……やってた……はあ……はあ……」

「いや笑い過ぎだろ……お笑い番組見てるんじゃあるまいし」

「まあよし○とやガ○使には及ばんな」

「ぜえ……ぜえ……き、今日は引こう……」

「…………かかったなアホゥが!」

 

そう言ってラウラは息を切らしながらアリーナゲートへと去っていく。しかしさっきのだけで剣護は止まらなかった。ラウラが背を向け去っていく瞬間にガンマンの早撃ちのようにハンドキャノン「イオンブラスター」を展開すると同時に撃った。放たれた特殊ゴム弾は見事にラウラのお尻に命中しパァンッ!という破裂音を響かせた。

 

「あひゃんっ!?」

「「「ぶふぅ!?」」」

 

そのときに上げたラウラの声に全員が吹き出した。ラウラはキッと剣護を睨むが顔が完全に女の顔になっていたため効果は全く無かった。さらに剣護はその瞬間を逃すまいと携帯を取り出しその顔を連写した。

 

カシャシャシャシャシャ

 

「待てぇぇぇ!?やめろぉぉぉ!?」

「やったぜ一夏!弱みゲットだぜ!」

「最悪だなお前!?」

 

このとき全員が悟った。「剣護って敵と認識したやつには容赦ないんだな」と。その後ラウラはアリーナゲートの方へ走り去ってしまい、剣護はかなりご満悦の表情だった。

 

 

 

「はー、終わった終わった」

 

一夏は白式の登録書類のことを終えると部屋に戻ってきた。

 

「ただいまー。って、あれ?シャルルがいないな」

 

シャワールームから響く水音に一夏はシャルルがシャワー中であることに気づく。そしてボディソープが切れてたことを思い出し予備を持って洗面所に入った。そのとき同時にシャルルがシャワールームから出てきた。

 

「あぁ、ちょうどよかった。これ、替えのーー」

「い、い、いち……か……?」

「へ……?」

 

シャワールームから出てきたのは女の子だった。しかも全裸の。

 

「きゃあっ!?」

 

我に返った女子はシャワールームへと逃げ込み一夏は目の前の出来事に絶句していた。

 

 

 

一方で、剣護はというとテーブルの上でストライクフリーダムのガンプラを組み立てていた。

 

『きゃあっ!?』

「……ん?今のはシャルルか?もしかしてなんかあったか?」

 

隣の部屋から聞こえた声に気づき、やれやれと立ち上がるといつもの羽織を着て刀を二本腰に差して一夏の部屋へと向かった。

 

 

 

「おーい、一夏〜。入るぞー」

「え、ちょ、ま、待ってくれ!」

「答えは聞いてない」

「待てよ!?」

 

一夏の抗議の声に耳を貸さずに剣護は部屋に突撃。勢いよく……ではなく普通に開けて入った。そこにはポルナレフ状態になってる一夏がいた。

 

「け、剣護。えっとその……あのだな……」

「シャルルが女の子だった。だろ?」

「し、知ってたのか!?」

「あぁ、転校してきたその日からな」

 

そのときガチャっと脱衣所のドアが開きシャルルが出てきた。

 

「あ、上がったよ……って剣護!?」

「よう。まあ……災難っちゃあ災難かねえ?バレちゃったか」

「う、うん……」

「な、なんで剣護は知ってたんだよ……」

「とりあえず座ろうか」

「お、おう」「う、うん」

 

剣護に促されて3人はそれぞれ座る。その間には気まずい空気が流れていた。

 

「さて……まずは、どうして俺がシャルルのことを知ってたのかだな」

「まあ……そうだな」

「そうだよ……なんで僕が女だってわかったの?」

「一夏はなんでかわかると思うけど?一度話してるし」

「え?えっと……そんなことあったかな……」

「ほら、鈴が転校してきたときに話した」

「あ!流れを感じ取るやつか!」

「ご名答」

「ど、どういうこと?」

「剣護はいろんなものの流れを感じ取ることができるんだよ」

「剣筋とか弾道とかね。もちろん人にも流れはある。それぞれ男と女別々のね」

「あのとき僕からは女の流れを感じ取ったってこと?」

「イグザクトリー。その通りでございます」

「なんで教えてくれなかったんだよ」

「教えたら教えたで面倒くさいことになりそうだから」

「あぁ、そういうことか」

「そゆこった。さてと……いろいろ話してもらえるかな?シャルル」

「……うん、わかった。もうバレちゃったしね」

 

そう言うとシャルルは淡々と語り始める。父親から男のフリをすることと白式のデータを盗むように命令されていること。自身は愛人の子であるということ。シャルルは全て2人に話した。

 

「とまあ、こんなところかな。一夏にバレちゃったし、きっと僕は本国に呼び戻されるだろうね」

「「………………」」

「なんだか話したら楽になったよ。聞いてくれてありがとう。今までウソついていてゴメン」

 

深々と頭を下げるシャルルを、一夏は肩を掴んで顔を上げさせた。

 

「いいのか、それで」

「え……?」

「それでいいのかってんだよ。いいわけがねえ……親が子供の自由を奪っていいわけがねえ……」

「け、剣護……?」

「親がいなけりゃ子供は生まれない。でも親が子供に何をしてもいいなんてそんな馬鹿なことがあるか!生き方を選ぶ権利は誰にだってある。それを邪魔されるいわれなんてないはずだ!」

「い、一夏……?ど、どうしたの?2人とも」

「あ、あぁ……悪い。つい熱くなってしまって」

「ふん……」

「いいけど……本当にどうしたの?」

「俺は……俺と千冬姉は両親に捨てられたから」

「あ……」「…………」

「その……ゴメン」

「気にしなくていいよ。それより、シャルルはこれからどうすんだよ」

「そんなの決まってらぁ……」

「剣護?」

「ここにいればいいだけよ」

「え?」

「特記事項に書いてあったろ?あんまし覚えてないけどさ」

「う、うん。確か第二一だったと思う」

「確かに少なくとも三年間は大丈夫かもな。それだけ時間があればなんとかなる方法だって見つけられるしな」

「……そうだね。ふふっ」

「……それにさ」

「「ん?」」

「もしシャルルを連れ戻しに来たとしても俺が薙ぎ倒してやるよ」

「ふふっ。頼もしいね剣護は」

「俺の剣はみんなを護るためにあるからな」

「……そうか。だから剣護か」

「あ、なるほど。剣で護る、それで剣護なんだ」

「そういうこと。この名前はじーちゃんが付けてくれたんだ。その意味を込めて」

「そうなんだ……そういえば剣護も両親不在になってたけど……」

「ふむ……いいだろう、2人も話したんだ。俺も話すよ。俺の両親のこと」

 

そう言うと剣護は茶を啜り唇と喉を湿らせると語り始めた。

剣護の家族について……。

 

 

 

 

 

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