オタク剣士がIS学園で剣技を舞う!   作:ケルさん

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第8話 再び激突!暴走剣護とラウラ!

 

 

「ゔー……じんどいぃぃ……」

「大人しくしてないとダメだよ」

「なんで剣護だけ体調崩してるんだよ?」

「体を冷やし過ぎると体調を崩しやすいからな。冷房に当たり過ぎたのだろう」

 

次の日の朝、剣護が熱を出して寝込んでいた。剣護の部屋には一夏、シャルル、箒の3人が来ていた。

 

「先生には私から言っておくから今日は寝てるんだな」

「ゔー……ういっす……」

「昼休みにまた様子見にくるよ」

「それじゃあな剣護。お大事に」

「おーう………………ぐごー」

 

一夏たちが部屋を出た後1分もしないうちにイビキを立てはじめた。

 

「早っ!?」

「ゲームして帰ったあと寝てなかったのかな……」

「それにしては早すぎないか?」

 

 

 

 

「そ、それは本当ですの!?」

「う、ウソついてないでしょうね!?」

「大丈夫だ、問題ない。マジのマジよ」

「「ホンマでっか!?」」

「一体どうしたんだ?」

「「「きゃああっ!?」」」

 

一夏が声をかけるとそれに驚いて女子たちは悲鳴を上げそれぞれの場所へと逃げていった。

 

「な、なんなんだ……?」

「さあ?」

(な、なんでこんなことに……!?)

 

首を傾げる2人だが箒は動揺しまくっていた。

 

『学年別トーナメントの優勝者は織斑一夏と交際できる』

 

これが箒が動揺する原因である。様々な思考が箒の中でぐるぐると回っていく。

 

(い、いや……優勝すればいいだけのこと……だが……)

 

ふと、何かが頭の中をよぎったのか箒は頭を振った。

 

(私は……強さを見誤らずに勝つことができるのだろうか……)

 

そう考えてるとき箒の携帯が震える。メールが来たのだ。

箒はメールを確認すると剣護からだった。メールの内容はこうだった。

 

『自分の剣を、自分自身を信じろ。余計なことは考えずに剣を振るえばいい』

 

「剣護……」

 

メールを見て箒はフッと微笑む。

 

「全く……お前はなんでもお見通しだな……ありがとう」

「ん?どうした?箒」

「いや、なんでもない」

 

箒は返信するとカバンに携帯をしまった。

 

 

 

 

放課後、一夏とシャルルは廊下を歩いていた。

 

「一夏、今日も放課後特訓するよね?」

「あぁ、でもその前に白式のデータ取りするからシャルルは先行っててくれるか?」

「いや、僕もちょっとラファールの装備のメンテするから」

「そっか。じゃあまた後で第三アリーナでな」

「うん、わかった」

 

一方で同じ時間の寮では自室で剣護が目覚めていた。

 

「ん…………」

 

剣護はムクリと起き上がるとゴソゴソと体温計を計り、しばらくして音がなると体温計を取り出し見ると。

 

「……37度9分か……まだあるな……」

 

やれやれと布団に潜り込もうとした瞬間、ピタリと動きを止めガバッと起き上がる。

 

「…………嫌な予感がする」

 

そう言うと布団から出てパジャマのままいつも着ている青白い羽織を着て、そこら辺に置いてた練習の刀を掴むと部屋を飛び出した。

しかしこのとき剣護はテーブルの上に自身の愛機である富嶽を待機状態で置きっ放しにしていたのである。

 

 

 

重い体に鞭を打ちながら剣護は病人とは思えないような速さで第三アリーナへと走る。

 

「ぜえっぜえっ……はあっはあっ……」

 

途中で止まりそうになりながらも息を切らし、歯を食いしばって突っ走る。

アリーナへ着くとピットの入り口へ向かい刀を抜き扉をぶった斬る。そこにはセシリアと鈴をワイヤーブレードで捕らえ、腕、脚、体に拳を叩き込むラウラの姿があった。

 

「きゃあああっ!」

「ああああっ!」

「……っ!」

 

ーードクンッ

 

その光景を目にした瞬間、剣護の心臓が激しく脈打った。同時に剣護の中でグツグツと煮えたぎる怒りとラウラに対する憎悪が湧き上がった。

 

ーーぶちっ

 

「オオオオオ!!」

 

次の瞬間剣護の中で何かが切れた。剣護は地を蹴るとラウラの真横に踏み込み、2人に振るわれようとされていた腕に刀を振るい弾いた。

 

「くっ!また貴様……か……」

「け、剣護……さん……?」

「う、嘘……」

 

3人は剣護の姿を見て絶句した。剣護の姿は髪の大部分が白くなり残りの黒髪は紋様のようになり、前髪は獣耳のように逆立っていた。

剣護はラウラの方へ向くと思い切り顔を殴り飛ばす。

 

「ガアアアアア!」

「ぐうっ!」

 

負けじとラウラもプラズマ手刀で右肩を切り裂くが剣護は止まらない。刀を力任せに振るい攻めていく。

 

「なんなんだこの力は!?」

 

次第にラウラは装甲だけでなく生身の部分も傷つけられていく。負けてたまるかとプラズマ手刀を振るい切り裂くが剣護はものともせずに刀を振るう。

 

「グオオオオオ!」

「っ…………舐めるなぁぁぁ!!」

 

ーーガギンッ!

 

ラウラは刀を受け止めるとプラズマ手刀でへし折った。さらに大口径レールカノンの砲口を近づけゼロ距離で砲撃する。

 

ーードゴオオオオオオン!!

 

レールカノンの砲撃を受けて剣護はアリーナの壁に吹き飛ばされる。その衝撃で剣護は元の姿に戻っていた。

 

「はぁ……はぁ……い、一体なんだったのだ……」

「セシリア!鈴!」

「っ!織斑一夏……!」

「僕も忘れてもらっちゃ困るよ!」

「シャルル・デュノアもか……!」

 

呼吸を落ち着かせているときに声が響きその方向に振り向くと雪片弍型を振り上げて突っ込んでくる一夏がいた。どうやらアリーナのバリアを破ってきたようである。その後ろにはアサルトライフルを構えるシャルルもいた。

ラウラはAICで一夏の体を止めるがシャルルのライフルでの弾幕を受け解除してしまう。

 

「チィ……おのれ!」

 

ラウラはレールカノンを一夏に向けるが次の瞬間背後からの全てを飲み込もうとせんかのような殺気を受けてビクンッと止まってしまう。

なんとか正気を保ち振り返るとすぐ真後ろに剣護が折れた刀を振り下ろしていた。

 

ーーゾゴンッ

 

振り下ろされた刀はラウラが反射的にガードしようとして出したシュヴァルツェア・レーゲンの腕を切り裂いた。

ズササァと剣護はラウラを飛び越し一夏の前に転がった。

 

「け、剣護!?なんでここに!?」

「部屋に居たんじゃ!?」

「剣護さんは私たちを助けるために……」

「クソッ!もっと早く来ていれば……」

「「………………」」

 

悔しげな表情を浮かべる一夏、一方でセシリアと鈴は先ほどの剣護の変貌について話すべきか迷っていた。話せば一夏たちが剣護を避けてしまうのではないか、または剣護が自分たちの前から消えてしまうかもしれない、そんな思いが2人の中で渦巻いていた。

 

「……っふざけるなぁぁぁぁぁ!!」

「っ!?」

 

声を張り上げラウラはイグニッションブーストで飛び出してきて一夏を切り裂かんとプラズマ手刀を振り上げる。しかしそれは失敗に終わる。

 

ーーガギンッ!バギィッ!

 

「げぶらっ!?」

 

颯爽と現れた千冬に腕部装甲を受け止められ、さらに一夏を蹴って飛び出した剣護に顔面に跳び膝蹴りを叩き込まれたのである。ちなみにさっきの声は剣護に蹴られた一夏のものである。

 

「やれやれ……面倒事を増やすなガキども」

「がはっ……き、教官……」

「い、一夏大丈夫?」

「ゲホッ……ま、まさか俺を踏み台にするとは……」

「模擬戦をやるのは構わん。だが怪我人が出たり、アリーナのバリアまで破壊されては黙認しかねる。この続きは学年別トーナメントでつけろ、いいな」

「つうっ…………教官がそう仰るなら」

「織斑、デュノア、月島……は無理だな。2人はわかったな」

「で、でも……」

「一夏」

「っ……は、はい」

「わかりました」

 

一夏は反論しようとするが剣護のドスの効いた呼びかけに思わず引っ込んだ。

 

「では、トーナメントまで私闘の一切を禁止する。解散!」

 

パンッ!と千冬が手を叩く。それと同時に剣護は力尽きて倒れてしまった。すぐさまISを解除した一夏とシャルルが駆け寄った。

 

「剣護!?しっかりしろ!」

「……大丈夫。気絶してるだけみたい。だけど熱がまだ……」

「そういえばこいつは今日休んでたな。やれやれ……体調不良の体を引きずってまで助けに来るとはな……とんだ馬鹿だな」

「……あ、こいつIS持ってない!」

「え?嘘!?刀だけ!?あ、しかもパジャマの上に羽織着ただけだ」

「…………本当に馬鹿だな」

 

やいのやいのと2人に運ばれていく剣護を見て千冬は眉間を押さえるのだった。

 

 

 

 

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