Four worlds with each season Ver.Woman 作:@1319
今回からさくら視点で話を進めていきます。
いきなり違う場所に来てしまい戸惑う4人の少女はこれからどういったことを待ち受けているのでしょうか?
急に視界が白くなったかと思うと突然知らない風景のところにいた。私は当然というべきなのか驚いていた。さらには驚いている時に隣が突然光りだすとそこにはまた自分と同じような疑問を持っている女の子が現れた。髪の色が茶色で見るからに運動が得意そうな女の子。それからというもの同じように本を持ったメガネをかけた女の子と白髪の少し不健康そうな女の子が同じようにやって来た。
何が何だかよくわかっていない様子の3人に私自身も今の状況がどういう状況なのかよくわかっていないけどとりあえず同じ境遇に立っている3人に向けて話しかける。
「えっと……。とりあえず自己紹介しない? 私の名前はさくら。今がどんな状況か分からないけどとりあえずよろしく」
私は名前を他の3人に教えた。どんな状況か分からない以上ここにいる人たちとは友好関係にあったほうがいい。それになんかよく分からないけどこの3人とは仲良くなれる気がした。
私が自己紹介をすると今度は茶髪の女の子が自己紹介を始めようとして口を開く。
「おれの名前は蛍だ。こんな口調だけどれっきとした女だからな。一応運動が得意だ。いきなり何が起きたのか分からないけどとりあえずしばらくはよろしく」
蛍と名乗った少女は自分の得意なことを交えて話してくれた。少し男勝りな喋り方だけど確かに女の子だよね。運動は私は得意とも苦手とも言えないから少し羨ましい。
蛍ちゃんが自己紹介をし終わると今度はメガネをかけた見た目はザ・文学少女という見た目の少女が話し始める。
「私の名前は紅葉よ。趣味は読書。正直ここに来た理由はわからないけど8月の時点で
紅葉という名前の少女は蛍ちゃんと同じように自己紹介を始め、そしてここに来た時がテンションの高かった白髪の少女にこちら側に来るようにと語りかけた。私達を見て急にうずくまるなんてどうしたんだろう?
紅葉ちゃんに言われると白髪の女の子はドキッとしたのか、少しびくりとした後恐る恐る私たちの方を見る。うずくまっていた件もそうだけど私たちは知らず識らずに何かしていたのかな?
「えっと……。ごめんなさい。あたしの名前は雪。趣味は……ゲームです。あまり話しをするのは苦手だったから少し恥ずかしくて……」
もじもじしながらも自己紹介をしてくれた少女の名前は雪というらしい。頬を赤らめながら話しているその様子で恥ずかしがり屋なのはよくわかった。
ここにいるのは私ことさくらと、茶髪で運動が得意な蛍ちゃん、読書家である程度今の状況に理由が考えついている紅葉ちゃん、最後にゲームが趣味の恥ずかしがり屋の雪ちゃん。この4人がこの研究所のような場所にいる。一体これから何があるのだろうか……。
「って、紅葉ちゃんに何かわかってるの!?」
私はある程度予想がつくと言っていた紅葉ちゃんの発言を思い出して、そのことについて聞いて見ることにした。今は圧倒的に情報が少ない。少しでも情報の共有が大事だから。
私に急に呼ばれたからなのか紅葉ちゃんは少し不思議な顔をして何かを悩むようにしてから私の言ったことについて話し始める。
「……ちゃん?まぁいいわ。まず、8月にもかかわらずに葉が赤くなり始めてたじゃない?それで少し疑問に思ったことがあるのよ。季節が突然なんの脈略もなく入れ替わったんじゃないかって」
「ちょっと待てよ。急に気温が高くなったの間違いじゃないか?朝起きてから宿題をやってたら汗だくになっちまったんだから」
「……違うよ……。雪が降ってた……。明らかにおかしいっていうのはその通りだけど、確かにあたしは雪を見たよ」
紅葉ちゃんの言ったことに蛍ちゃんと雪ちゃんが反論する。いきなり話が噛み合わなくなってしまった。かく言う私も朝起きたら急に桜が咲いてて紅葉も気温上昇も積雪も見ることはなかったけど。
私たち他の3人の話を聞いて紅葉ちゃんはまたもや考えるそぶりを見せる。今の話を総合してもう一度考え直しているようだ。私以外の2人も考えている紅葉ちゃんのことを考えてか静かに紅葉ちゃんが答えを出すのを待っていた。
「ごめんなさい。少し認識が異なってみたいね。今の話を聞くと、今まで一緒だった季節がなんらかの影響で1つずつに分けられてしまったと私は考えたの」
確かに少しそんなことを考えてしまった。しかしそんなことはあり得ないと考えを切ってしまった私の考えを代弁するかのように口にした。
「何もなんの根拠がないワケじゃないの。私の持っている図鑑がね、明らかに記憶の4分の1しかなかったのよ。今の話で引っかかってたそれがなくなったわ」
続けて紅葉ちゃんは自分の考えをどんどんと口にする。4分の1という数字からある程度の考えができるということは何かに慣れているからだろうか?
紅葉ちゃんの話を聞いていると研究所のドアらしき場所が開いた。そして入って来る白衣を着た男性とそれについて来る青髪のポニーテールの少女が入って来た。入って来た男性は私たちに向けて話をし始めた。
「これは驚いた。そこまでの結論にもうたどり着いているのか。確かに彼女の言っていることは正しい。君たちはもともと1つだった世界が4つの季節ごとに別れてしまった世界からここに来た。……いや、僕が呼んだんだ」
急に今の状況の説明を始めた男性はどんどんと私たちの方に近寄って来る。私は今の話に気になるフレーズが出て来たとこに気がつく。
それは男の人が私たちを呼んだというところ。世界が4つに別れたなんて言われてもそんなに早くに理解するのは難しい。だけど呼んだと言われれば何か私たちに用があるということになる。
「呼んだって、どういうことですか?」
「ちょっと待てさくら。おい、あんた。いったい誰だ? おれたちに何が用があるのか?」
下手になって話を聞こうとしている私を止めて蛍ちゃんが男性に向けて高圧的に話を聞こうとしている。理由を聞くの遠回りをしてしまうことは話を理解するのに無駄なことだと判断しなのか蛍ちゃんは男性を睨みつけて要件を聞く。
いきなり雰囲気が変わった蛍ちゃんに圧倒されてか先ほどまで軽い足取りでこちらに歩いて来ていた白衣の男性が立ち止まり、その後ろにいた青が身の女性もそれと同時に立ち止まる。
「あ……あぁ、まだ名前を言っていなかったね。僕の名前はシズン。ここのラボの責任者さ。とは言ってもここには僕と助手の時雨くんだけだがね」
「時雨……。シズン博士の助手……」
「えっと。僕が君たちを呼んだ理由だよね。それは今のまま4つの世界を分離させているとそれぞれの世界が破滅してしまうからそれを食い止めるためにこの現状を違和感に感じられた君たちをこの空間に呼んだんだ」
今の現状に対してこの説明ならすべてに納得がいく……。でもいきなり世界が分離したなんて言われてもすぐにはい、そうですか。となるわけではなかった。
それからシズン博士と名乗った男性の話を要約すると、私たちは異常な光景を異常を認識することができて、それはそれぞれの世界に1人しかいなかったそう。そして元の世界の時の記憶もあったから呼ばれたみたい。
今までの話を黙って聞いていた雪ちゃんがシズン博士に気になったことを尋ねた。
「……えっと、それはいいんですけど結局は何をすればいいんですか……?」
最初の蛍ちゃんの問いかけにもあったこと。だけど呼ばれた理由だけが気になってしまい今までそのことを忘れていた。
するとシズン博士は腕を組み少し考えるようにしている。その後ろにいる時雨ちゃんはさっきからじっと立ったまんまだ。ちょっと怖い……。
「えっとね。僕が君たちをこの場所に呼んだ理由は話したよね?」
今までの話を理解しているかを尋ねるかのようにシズン博士は私たちに語りかけてきた。最初にこれと似た考えをしていた紅葉ちゃんと今までの話を黙って聞いていた雪ちゃんは首を縦に振る。私も完全に理解したわけじゃないけど呼ばれた理由に関しては理解できたつもり。問題は先ほどから少し厳しい顔をしていた蛍ちゃん……。さっきの威勢はどこに行ったの……?
それでもある程度は理解していたみたいで蛍ちゃんはシズン博士に大丈夫だということを伝えた。
「じゃあ、そこからなんでこのような事態が起きてしまったのかということを話すね。……もともと1つだけだった世界の中に4人の大人たちがいたんだ。そしてそれぞれに好きな季節があった。研究の結果それを分断することを可能にした彼らは、科学と魔法の力で4つの季節に分けることに成功した」
世界が4つに分かれてしまったことの理由を教えてくれたシズン博士の説明は初めて聞いただけじゃ本当なのかと疑ってしまう内容だった。いきなり魔法だの言われても話についていくのがやっとの状態なのに理解が追い付かなくなっちゃう……。それにそれのどこが悪いかが今の説明だとわからない。
多分雪ちゃんも蛍ちゃんも私と同じことを思っている。蛍ちゃんは首を傾げ、雪ちゃんはずっと何かを考えている様子だった。かくいう私も同じ状態でどうしてそれを直さないといけないのかが分からなかった。
「……君たちは、いや紅葉さん以外はまだわかっていないようだね。季節が1つだけになってしまうとその世界は破綻してしまうんだ」
またもやいきなり説明される。なんで?疑問が尽きない……。季節が1つだけならそれが好きな人たちにとってはいいことだらけなんじゃないの?
きっと私の思っていることは話を聞いたらみんなが思うことなんだと思う。いまだにほかの2人も疑問が解決していないみたい。だけどそれについてしっかりと理解している人がいた。
「1年は12か月。そして4つの季節があって生態系が成り立っているのよ。本来秋にお米が収穫されるけどそれは雪などで水があって時間をかけて作るもの。だけど秋に雪は降らない……。野菜だってそう。それに魚だって。そしたら食料がなくなっていく未来しかないわ」
言われて初めて気が付いた。そうだ。今まで4つの季節があったからこそ生態系が崩れなかった。それは確かにそうだ。季節が1つしかなくなると……本来の時期でとれるものがずれたり、採れなくなってしまう。そうすれば世界中に被害が起きてしまう。
紅葉ちゃんの言ったことをシズン博士は黙って聞いていた。そして話し終わると同時にまた口を開く。
「そこまでしっかりと考えつくとはね……。それで、君たちには異常を認識すると同時にある特性を持っていることが分かったんだ。……いや、むしろそれを持っているからこそ認識できたって可能性方が高いか」
……これってあれだよね? 君は不思議な力を持っている。だから世界のために戦ってくれないか的な奴だよね? あれ私好きじゃないんだよなー。急に言われてもついていけるわけないじゃん。あれ。なんでいきなり戦闘こなしちゃってるの?ってなるから。
そんな私とは裏腹にシズン博士の言葉を聞いた瞬間さっきまで首をかしげていた蛍ちゃんが目をキラキラさせながらシズン博士に言い寄った。……だからさっきのかっこよかった蛍ちゃんはどこに行ったのよ?
「それっておれたちには不思議な力があるってことか!? それで、悪と戦うってやつ!?」
うん。蛍ちゃんの目は明らかにテンションの上がっている子供のような目だ。憧れていたんだろうなぁ~。
蛍ちゃんに言い寄られているシズン博士は少し苦笑いをしながら蛍ちゃんのことを見ながら言ってきたことについて答えた。
「そっそうだよ。もちろん強制じゃないし命の危険があるから断ってくれてもかまわない。まぁ受けてくれたほうがうれしいけどね。あと、戦闘面ならこっちである程度サポートするよ。疑似戦闘とか武器の準備だって」
あ、私の嫌いな部分はちゃんとカバーしてくれるんだ。それなら安心かな。
……けど気になる部分があるのは仕方ないよね。だって……、
「命の危険って……、いったいどれほどなんですか……?」
私が思っていたことを雪ちゃんがシズン博士に聞いていた。命の危険といわれて素直にうなずけるわけがないのはわかっているはず。それにどれだけリスクがあるのかを聞いてみないと判断することができない。
「無責任なことは言えないからしっかりと説明するけど、君たちがやってくれる場合戦闘時はこちらの支給する戦闘服に着替えてもらう。強度は新幹線に轢かれても死なないようにはなっている。その分痛みは感じるけどね。それに戦闘に関しては時雨が教えてくれるからそれなりに戦えるようにはなる。だから油断しなければ死にはしない。それに瀕死状態になったら自動的にここに転送されるようにしてあるし、その場合の医療もそろっているから命を落とす確率は1割未満といったところかな」
またサポートはしてくれるらしい。正直私はやってもいいと思った。それがみんなのためになるのなら。けど多分私1人じゃどうしようもないんだと思う。
「おれはやってもいいぜ。なんか面白そうじゃん。それにしっかりとサポートしてくれるんだろ? だったらうちはやるよ」
そんなことを私が考えていると蛍ちゃんがシズン博士に参加することを申し出た。
「あら、それは私もよ。未だ見たことのない世界が待ってるんですもの、未知ほど興味をそそるものはないわ。だから私もやるわ」
同じく紅葉ちゃんも蛍ちゃんに続いてこの作戦に参加することを明かす。
「……けど。それはあたしたちじゃなくてもいいんじゃないんですか? いきなり言われたあたしたちがやる必要が分かりません……」
次に話したのは雪ちゃん。ちょっと怖がりながら雪ちゃんはシズン博士に自分の考えを言った。確かにいきなり言われた私たちがやるようなことではない。やってもいいかと思ってもそれだけは考えてしまう。
「確かに、君たちは何にも関係ない一般人だ。いきなり言われても戸惑うし、参加する義理はないと思う。僕ができるのは見ることのできない世界を見せることと、戦闘をサポートすることしかできない。それなりの報酬も出すつもりだけど、ものでつるっていうのはあまりしたくない」
その言葉を聞いていろいろ考えてくれてるんだなぁ~、シズン博士も。と思った。それだけ事態が大変なことだということも少しだけ理解できた気がする。
だから私は雪ちゃんに声をかける。
「ねぇ、雪ちゃん。最初だけ少しやってみない?こんな機会めったにないし、それにもしかしたらやってみたら以外に自分に合ってたりするかもしれないからさ」
私は雪ちゃんを誘ってみることにした。きっと、この4人が一緒にいないといけない気がしてみてられなくなっちゃった。
「博士。聞きたいことがあります。銃ってありますか?」
私の言葉を聞いた後、雪ちゃんがシズン博士にそんなことを聞いた。さっきまでの少しくらい雪ちゃんとは別人になったみたいにハキハキしゃべっている。
「もちろん。武器に関しては一通り揃えてある」
雪ちゃんの問いかけに博士はすぐに答える。きっと今を逃したら雪ちゃんが一緒になって参加してくれないと思ったのだろう。
「なら、少しだけならやってもいいですよ。その……、さくらに免じて、ですが……」
顔を赤らめながら雪ちゃんが私のことを見てきた。……うれしい。あって間もないのに少し恥ずかしがり屋の雪ちゃんが私のことを名前で呼んでくれた。そしてやってもいいって言ってくれた。思わず私は雪ちゃんに抱き着いた。
雪ちゃんは先ほどよりも顔を赤くしている。可愛い……。
「私もやります。このみんなともっと一緒にいたいから」
そして抱き着いたまま私はそう宣言した。今は、もっとみんなと一緒にいたい。強くそう思えるからこそ、そう決断した。
「……っ! いいのかい!? ありがとう。じゃあ少し部屋を移そう。武器とかの適性をみる検査をしたい。今は大丈夫かな?」
私が参加を表明したらシズン博士は喜び早速行動を移そうとした。もちろん私たちに断る理由がないため、
「わかりました。みんなもそれでいいよね?」
先に私が答え、蛍ちゃんに紅葉ちゃん、そして雪ちゃんに訊ねると3人とも首を縦に振ってくれた。
「ありがとう。じゃあ僕は準備をしに行くから計測場所に4人を案内してくれるかな時雨君」
「わかりました。では皆さん、ついてきてください」
博士にそう言われたら先ほどまで黙って後ろに立っていた時雨ちゃんがその場所に案内してくれる。
私たちは計測場所に向かうべく今までいた場所から飛び出した。
それはこれから起きる未知なる冒険の始まりの1歩だった。
読んでいただきありがとうございます。今回と次回で準備回が終わりになると思います。そしたら話が動いていくと思うので待っていてください。
次回もお楽しみに!