城下町のダンデライオン-Begins of KUUGA-   作:ノアJAM

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EPISODE5 跳躍

 某所 am.08:41

 

「ガバンクウガグ、ガサパセダ⁉(赤のクウガが、現れた⁉)」

 

「ゴグザ、ババシ、クウガゾ、ギダレヅベダゼ(そうだ、かなりクウガを痛めつけたぜ)」

 

「ゴラゲパ、バデデビ、ザジレダゾ、ゲゲル(お前は、勝手にゲームを始めた)」

 

「ゴセパ、ダザ……クウガド、ダダバギ、ダバダダ、ザベザ(俺はただ……クウガと戦いたかっただけだ)」

 

「ザラセ‼…ログ、ゴラゲビ、ギバパバギン、ゲゲル(黙れ‼…もう、お前にゲームの資格はない)」

 

「……」

 

「……グゼビ、バズーグ、グゴギデギス(……既に、バズーが動いている)」

 

「バズーグ?(バズーが?)」

 

「パパン、ビンレザ(1人目だ)」

 

 

 

 市街地 am.09:00

 

 一日の始まりは、警備隊への一報だった。

 

『未確認生命体出現との市民からの通報。付近の隊員は、至急現場に向かってください』

 

 城で一報を聞いた雄介は、警備隊とともに現場に向かうことにした。

 

 現場に到着した雄介らが見たものは、これまでの未確認生命体とは違うものだった。

 

「ゲロボグ、ジヅンバサ、ブスドパバ(獲物が自分から来るとはな)」

 

 未確認生命体は市民と警備隊員を次々に殺害していく。

 

 そして、雄介を見て何かを言った。

 

「ヅギパ、ゴラゲザ(次は、お前だ)」

 

 雄介は、未確認生命体を見ながら、心の中で静かに闘志を燃やした。

 

「(……変身)」

 

 徐々に雄介の身体が赤の戦士(クウガ)へと変わった。

 

「クウガ…⁉ゴセパ、キョグギン、ジャンママ、ズ・バズー・バザ(クウガ…⁉俺は、驚異のジャンパー、ズ・バズー・バだ)」

 

「バセガグ、ヅロシパバギ…ゴラゲゾ、ドレス(馴れ合うつもりはない…お前を止める)」

 

 クウガがバズーに突進してキックを放つ。

 

 だが、バズーはクウガのキックが届く寸前に、クウガの視界から姿を消した。

 

「…‼ビゲダ?(…‼消えた?)」

 

「ゴセパ、ボボザ‼(俺はここだ‼)」

 

 バズーの姿は、クウガが立っている位置からはるか高い位置にあった。

 

「フッ…ボボラゼ、ボギ(フッ…ここまで来い)」

 

 バズーは、クウガをあざけ笑うように言った。

 

 クウガは、バズーの位置まで跳ぼうとしたが、届くことはなかった。

 

 バズーはクウガに向かって飛び蹴りを浴びせた。

 

「ボンデギゾバ、クウガ‼(この程度か、クウガ‼)」

 

 バズーはまた高く跳び上がり、建物の屋上に着地した。

 

「ロドド……ロドド、ダバブ…ロドド、ダバブ、ドダバギド‼(もっと…もっと高く…もっと高く跳ばないと‼)」

 

 クウガが「もっと高く跳びたい」と願い、もう一度跳び上がる。

 

 今度は、今までよりも高く、バズーと並ぶほどに跳び上がり、遂にバズーの前に立った。

 

 その時、クウガの身体は赤から青に変わっていた。

 

「……ガゴビ、ババダ…(……青になった…)」

 

「ゴグザ‼ゴンガゴゼボギ‼(そうだ‼その青で来い‼)」

 

 赤から青へと変化したクウガと、「青のクウガ」を望んでいたバズーがぶつかり合う。

 

 戦う中で、クウガはある事に気づいた。

 

「……マンヂリョブグ、ジョパブ、バデデス⁉(……パンチ力が、弱くなってる⁉)」

 

 赤から青になったことで、クウガのジャンプ力が上がった反面、全体の攻撃力が赤と比べて落ちていた。

 

「ジョパギバ、クウガ(弱いな、クウガ)」

 

 バズーは徐々にクウガを追いつめる。

 

「ギブグギギ…(死ぬがいい…)」

 

 バズーは、クウガを抱えた。

 

「ボボバサ、ダダビゴドギデジャス(ここから、叩き落してやる)」

 

 バズーは、クウガを50mはあるであろう地上に叩き落し、クウガの前から姿を消した。

 

 バズーに叩き落されたクウガは、全身の激痛で立ち上がることが出来なかった。

 

 やがて、「クウガ」の姿から、「相馬雄介」の姿に戻った。

 

 

 

 市街地 am.09:30

 

 バズーの姿が見えなくなっても、雄介は立ち上がれずにいた。

 

「クソッ……敵わなかったのか⁉…あの二人の笑顔を、守らなきゃ……いけないのに」

 

 そんな雄介に、駆け寄る者がいた。

 

「……‼雄介さん⁉」

 

「舞さん…どうしてここに?」

 

 昨日出会った「須藤舞」だった。

 

「たまたまです。雄介さんこそどうして…しかも、ボロボロじゃないですか‼」

 

「話せば長いです」

 

「とにかく、傷の手当てをしないと」

 

 舞は、雄介の身体の傷を調べ、具合を確かめていった。

 

「舞さん、手際いいですね……何か、医者みたいだ」

 

「みたいって……一応、医者なんですよ…まだ研修医ですけど」

 

「そっか…納得」

 

「全身打撲ですね……生きてるのが不思議なくらい」

 

「見た目より、タフなんで……」

 

 舞に支えられた雄介は、その足で舞の研修先の病院へと向かった。




「ガデ……ガギバギザン、ゲゲル」

「俺の事だよ、クウガって」

「ガギゴン、ゲロボパ……ゴラゲザ、クウガ」

「だから……アンタの笑顔を、俺に守らせてくれ‼」



EPISODE6 「青龍」

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