城下町のダンデライオン-Begins of KUUGA- 作:ノアJAM
某所 am.08:41
「ガバンクウガグ、ガサパセダ⁉(赤のクウガが、現れた⁉)」
「ゴグザ、ババシ、クウガゾ、ギダレヅベダゼ(そうだ、かなりクウガを痛めつけたぜ)」
「ゴラゲパ、バデデビ、ザジレダゾ、ゲゲル(お前は、勝手にゲームを始めた)」
「ゴセパ、ダザ……クウガド、ダダバギ、ダバダダ、ザベザ(俺はただ……クウガと戦いたかっただけだ)」
「ザラセ‼…ログ、ゴラゲビ、ギバパバギン、ゲゲル(黙れ‼…もう、お前にゲームの資格はない)」
「……」
「……グゼビ、バズーグ、グゴギデギス(……既に、バズーが動いている)」
「バズーグ?(バズーが?)」
「パパン、ビンレザ(1人目だ)」
市街地 am.09:00
一日の始まりは、警備隊への一報だった。
『未確認生命体出現との市民からの通報。付近の隊員は、至急現場に向かってください』
城で一報を聞いた雄介は、警備隊とともに現場に向かうことにした。
現場に到着した雄介らが見たものは、これまでの未確認生命体とは違うものだった。
「ゲロボグ、ジヅンバサ、ブスドパバ(獲物が自分から来るとはな)」
未確認生命体は市民と警備隊員を次々に殺害していく。
そして、雄介を見て何かを言った。
「ヅギパ、ゴラゲザ(次は、お前だ)」
雄介は、未確認生命体を見ながら、心の中で静かに闘志を燃やした。
「(……変身)」
徐々に雄介の身体が赤の戦士(クウガ)へと変わった。
「クウガ…⁉ゴセパ、キョグギン、ジャンママ、ズ・バズー・バザ(クウガ…⁉俺は、驚異のジャンパー、ズ・バズー・バだ)」
「バセガグ、ヅロシパバギ…ゴラゲゾ、ドレス(馴れ合うつもりはない…お前を止める)」
クウガがバズーに突進してキックを放つ。
だが、バズーはクウガのキックが届く寸前に、クウガの視界から姿を消した。
「…‼ビゲダ?(…‼消えた?)」
「ゴセパ、ボボザ‼(俺はここだ‼)」
バズーの姿は、クウガが立っている位置からはるか高い位置にあった。
「フッ…ボボラゼ、ボギ(フッ…ここまで来い)」
バズーは、クウガをあざけ笑うように言った。
クウガは、バズーの位置まで跳ぼうとしたが、届くことはなかった。
バズーはクウガに向かって飛び蹴りを浴びせた。
「ボンデギゾバ、クウガ‼(この程度か、クウガ‼)」
バズーはまた高く跳び上がり、建物の屋上に着地した。
「ロドド……ロドド、ダバブ…ロドド、ダバブ、ドダバギド‼(もっと…もっと高く…もっと高く跳ばないと‼)」
クウガが「もっと高く跳びたい」と願い、もう一度跳び上がる。
今度は、今までよりも高く、バズーと並ぶほどに跳び上がり、遂にバズーの前に立った。
その時、クウガの身体は赤から青に変わっていた。
「……ガゴビ、ババダ…(……青になった…)」
「ゴグザ‼ゴンガゴゼボギ‼(そうだ‼その青で来い‼)」
赤から青へと変化したクウガと、「青のクウガ」を望んでいたバズーがぶつかり合う。
戦う中で、クウガはある事に気づいた。
「……マンヂリョブグ、ジョパブ、バデデス⁉(……パンチ力が、弱くなってる⁉)」
赤から青になったことで、クウガのジャンプ力が上がった反面、全体の攻撃力が赤と比べて落ちていた。
「ジョパギバ、クウガ(弱いな、クウガ)」
バズーは徐々にクウガを追いつめる。
「ギブグギギ…(死ぬがいい…)」
バズーは、クウガを抱えた。
「ボボバサ、ダダビゴドギデジャス(ここから、叩き落してやる)」
バズーは、クウガを50mはあるであろう地上に叩き落し、クウガの前から姿を消した。
バズーに叩き落されたクウガは、全身の激痛で立ち上がることが出来なかった。
やがて、「クウガ」の姿から、「相馬雄介」の姿に戻った。
市街地 am.09:30
バズーの姿が見えなくなっても、雄介は立ち上がれずにいた。
「クソッ……敵わなかったのか⁉…あの二人の笑顔を、守らなきゃ……いけないのに」
そんな雄介に、駆け寄る者がいた。
「……‼雄介さん⁉」
「舞さん…どうしてここに?」
昨日出会った「須藤舞」だった。
「たまたまです。雄介さんこそどうして…しかも、ボロボロじゃないですか‼」
「話せば長いです」
「とにかく、傷の手当てをしないと」
舞は、雄介の身体の傷を調べ、具合を確かめていった。
「舞さん、手際いいですね……何か、医者みたいだ」
「みたいって……一応、医者なんですよ…まだ研修医ですけど」
「そっか…納得」
「全身打撲ですね……生きてるのが不思議なくらい」
「見た目より、タフなんで……」
舞に支えられた雄介は、その足で舞の研修先の病院へと向かった。
「ガデ……ガギバギザン、ゲゲル」
「俺の事だよ、クウガって」
「ガギゴン、ゲロボパ……ゴラゲザ、クウガ」
「だから……アンタの笑顔を、俺に守らせてくれ‼」
EPISODE6 「青龍」