どこまでも俺様主義 Episode.1:砂漠の国の紛争   作:ホエール

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 轟音。破裂音と炸裂音。

衝撃波が、響き渡り、人々が吹き飛ぶ。

 

「――に、が?」

翔は、衝撃波に飛ばされ、大地を転がった末に、飛んできた石に体を打ち付ける。

何もない空から石が飛ぶわけがない。爆発だ。

周りを見渡し、彼は気が付く。これは敵の攻撃じゃない。これは――事故だ。それもタイミング的に最悪の。

 

「暴発か――!」

〝まるで、そう仕組まれたか〟の様なタイミングの良すぎる暴発を起こしたのは携帯式地対空ミサイルの4連装ポットを2つほどターレットにぶら下げたその車両。

おかげで車両そのものが轟々と燃えている。

ミサイルをぶっ放そうとして、暴発した。その異常事態。そもそも今ぶっ放そうとしたミサイルは携帯式地対空ミサイル。つまりは――――

 

「なんでこんなところまで低空で来てんだよ! 敵は!」

彼は叫びながら、自分の鎧へと走っていく。ライフルを片手に必死に走る翔。

何故最初から鎧を装着していないのかという疑問は、彼がついさっきまでいじっていたものが、携帯式地対空ミサイル4連装ポットに詰め替える、言わばリボルバー式拳銃における『装填装置スピードローター』であることから察してほしい。

彼としてはいかなる事態が起きようともそれに備えた……半分は暇つぶしのジョークであったが、そのための行動であった。

が、結果としてその作業をするために自分の鎧から離れたのは失敗だったかもしれない。たった、数メートル程度のつもりだったが、その数メートルは彼が吹き飛ばされたことで、いくらかのプラスアルファがついてしまったようだ。

やっとの思いで入り込み、メモリを差し込む。

それが起動のスイッチとなった。個別認証がすぐに終わり、前面装甲版が閉じる。

OSの作動表示にイライラを始める翔。

 

「急げ、ポンコツ」

GN-11B砲兵型は別にポンコツではないのだが、大国の主流になりつつある第3世代のそれと比べればそういう電子的な部分は劣る。

所詮は第2世代をベースに第3世代と戦えるように改修・再設計した2.5世代なのだ。

体を縛られる様な圧迫感ののちに、関節の位置を確定させるため軽くとはいえ、殴られたような衝撃が全身あちこちに走っていく。

そして、背中に走る複数の痛み。薬品だったりなんだったりを注入したり、ナリウスを固定するための器具が無事に突き刺さったらしい。

GN-11Bキャットファイト砲兵型は正常に稼働し翔は、警告音と彼が見るレーダー画面に従い、すぐさまその場所から跳躍した。

いつしか砲声が聞こえるようになる。大地に轟く、重榴弾砲や多連装ロケットの砲声の数々。

だが、翔の目の前でついさっきまで、いた場所が攻撃されて吹き飛んだ。その吹き飛び方を見るに……大地に轟く砲声が――原因じゃない。

いくつかの12.7mmの銃弾がコンクリート壁をほぼ一瞬で吹き飛ばし、それに対し、翔を含めた仲間が反撃を開始する。

AEAR、つまりはマルチ・アサルトライフルが次々とその銃口より、50口径――12.7mmや13.1mm――を叩きだし、敵へと向かっていく。

そうだ、大地に降り立った敵兵。

空から次々と降りてくる重装歩兵。空挺降下。

既に距離を詰められているため、迎撃のために高高度地対空ミサイルや中距離地対空ミサイルといったものは使用されず携帯式地対空ミサイル系統や対空機関砲が音を立てて大空を攻撃し始める。それとは別で、対空レーザーが唸り声をあげる。

半導体レーザー照射システムが稼働しようとしている。照射される緑の光。フラッシュの様な一瞬の光が何度か繰り返される。

だが、厄介なことに、それら降下重装歩兵どもは高高度から隕石落下の様に落っこちることも想定されているのかアブレータ追加外装装甲に守られているらしくすぐには迎撃出来ない。

むしろレーザーよりも原始的な鉄鋼焼夷弾の弾幕のほうが効果的にこれを撃破していく。対空用の弾丸ではなく鉄鋼焼夷弾といったところが、まさにアブレータ追加外装装甲の厄介さを示しているのかもしれない。

『マニュピレート・セグメンタタ(現代に復活した重装歩兵)』が大地を踏みしめる。一方は翔たち。もう一方は敵。

そして、激突があった。

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