どこまでも俺様主義 Episode.1:砂漠の国の紛争   作:ホエール

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 少しだけ平和だった時代、使われていたのであろう原付バイク。

翔はそれを回収して使用していた。燃料が入っていたような用なので少しくらいなら動かせるだろうと思っていたから。

だが、精々長く持って5分くらいしか乗り回せないだろうと彼は踏んでいる。エンジン音を音響センサーでとらえられれば終わりだからだ。

いや、すでにとらえられているかもしれない。どちらにせよ、一時の移動手段に過ぎない。

それも本当に短い期間の。実際彼は口の中で数を数える。

100までだ……100数えたら乗り捨てる……。そう考えて数える。

原付バイクくらいなら自転車を乗り回す感覚で使えるし、意外と馬力がいいものを使えば結構無茶な動きが可能になる。

民兵あたりなら結構使う緊急移動手段だ。

と同時に、2人乗りして後ろの人間が無反動砲前方にボーンという風にも出来たりする。まぁ、稼働できる範囲に限度があるが。

2輪とはそう言う意味で意外と応用性が聞く。まぁ、「意外と」などという単語が付くように所詮その程度でしかないが。

 

「おい、暴れんな! きょろきょろするな! 本当は今すぐにだって降りなきゃやべぇんだよ! エンジン音で追尾されて先にブービートラップがあったらどうすんだ!」

翔は何かと好奇心旺盛に動き回ろうとする子供たちを必死で抑える。

何度か路地を曲ったところで、予定された場所へとたどり着く。

急ぎライフルを手に取り、周囲を警戒。建物の窓へと近づいていく。

普通はこの時点で撃たれててもおかしくはないが、それはないと安心しきっている。

 

(……よし、ブービートラップが発動した後はない。となれば、扉を使わずここから移動する。建物内を移動するしかない)

窓から入っていく。それにびっくりしたかのような子供たち。

 

(いい加減、何かきせねーと、あぶねーな)

自分は本当に何をやっているのだろう。使い捨ての兵器として勝手に使っておいて、強い罪悪感で助けてしまった。

自分の命だって満足に守れる状況じゃないのに。ましてや、この子たち以外にもいたのだ。この子たちを助けたのだって、ただ、近くにいて、手がちゃんと届いたからにすぎなくて。

 

「…………いくぞ」

まるで――――自分に言い聞かせる言葉。

そうやって――――

            ――自分のやったことの矛盾さを掻き消していく。

『今はそれどころじゃない』から。

建物の中で、適当な家具を足場に天井裏へ抜けていく。そして天井裏から天井に強引に穴を開ける。

あけ方は単純、爆薬を使うだけだ。だが、その分だけ居場所はばれる。

だが、今から使うものを見れば、ばれるのは時間の問題だ。それは、信号弾。

撃ち上がる煙と音。

 

「次だ」

翔とひより。2人と少数。2人と戦車小隊の戦争は次の戦局へと――――。

 

――――?

町から離れた場所で、一人の人間が。

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