どこまでも俺様主義 Episode.1:砂漠の国の紛争   作:ホエール

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 翔は未だに脱出出来ないでいた。

無数の携帯式地対空ミサイルの乱舞。

チャフとフレアが地上から数えて100メートル以内程度の空を汚していく。

 

爆音、轟音、衝撃音の連発。

 

迎撃短針が空中に絶え間なくばらまかれ、迎撃ミサイルが空中で爆発していく煙と衝撃音が鳴り止まない。

20mm対空機関砲の砲弾が次々とアークラムへ向けて解き放たれる。それに対してアークラム運用支援ドローンの2機が30mm航空機関砲でお返しを行う。

12.7mmと13.1mmの銃弾が次々と天空へと解き放たれ、もはや青空を楽しむ余裕など、誰1人いない。

 

『――爆撃警報』

警報ブザー。アークラムがいるような空とも呼べない高度では無く、歴とした大空をヴァイパーを描きながら動き回る味方作戦機。

味方の爆撃で、この辺一帯が攻撃される。数秒後。間に合わない。

 

『――翔、落とされるけど、生きてて!』  「無茶苦茶言うな!?」

そういいながら、翔は砲撃によってできた小さなくぼみ、クレーターへと落下してく。飛翔装甲を展開し、防御斥力を稼働させて――――

――そして、航空爆弾では無く、重榴弾砲から射撃された数発の155mm榴弾砲弾が空中で起爆した。

熱波の衝撃波が大地をハエ叩きのように打ち付ける!

 

当然携帯式地対空ミサイルごときはその衝撃波で落ちるか、空中で起爆していく。

そして、人間もまた、衝撃に叩かれて死に絶えるか蛸壺の中で酸欠にあえぐか。あるいはそれでも生き残るか。

鎧、セグメンタタを付けた重装歩兵は生き残ってはいる。だが、無傷ではない。

そもそも彼らも防御姿勢をとっている。翔はどうだろう?

彼は防御斥力を傘……いやギザのピラミッドのように広げ、衝撃を地面に流す防御態勢をとっていた。

そして、再び空へと浮かび上がるのは支援ドローンの2機。1機はワイヤーをたらし、1機は加速していく。

またこれか、と翔は内心思いつつ、彼の腕は動き、アークラムはそれに追従、彼の指先は握る動作をするように操作する。

そして、ワイヤーをつかむ。再び背中に走る衝撃。

強引な揚力の確保。いや、揚力ではなく無理やりな上昇からのロケット加速による揚力確保。

残り残量の少ない迎撃短針。ある意味でいましか逃げられない。とはいえ、このまま何もせず逃げ去るのは何か違うので、手榴弾を2~3個その辺に投げることにした。鎧用対物手榴弾を2個ほど適当に投げて、その場の離脱を――――

――接近警報。そしてブレーキがかかるように飛行速度――滑空速度というのが正しいか――が落ちる。

何が、翔はカメラやセンサーを通してみる現況に一瞬だけ目を疑った。

足に、左足にワイヤーが結ばれて……。

 

「パツキンテール……ッ!!」

例のワイヤー兵装盛りだくさんで出来上がったカスタム・クラカジールがアークラムの足に、ワイヤーを絡ませて、強引に。

翔には彼女が鎧の中でつぶやいている姿は見えない。それでもなんとなく、彼女が何かを言ってる気配だけは察していた。

 

『逃がさない』

そのつぶやき声がなんとなく伝わってきた。

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