超融合! 次元を越えたベジータ   作:無敵のカイロ・レン(シス見習い)

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最後の超戦士!! 無限を超えた超サイヤ人0

 二人の少女が、互いの額を突き合わせながら手を合わせ、祈りを込めるように目蓋を閉じている。

 やがてこの世界最強の戦士が次元の壁を突破してあちらの世界にたどり着いたことを知覚すると、二人はその目を開き、超サイヤ人フォレストの状態を解除して息をついた。

 

「成功……ですね」

「つ、疲れたわ……」

 

 龍姫神の力を持つ二人の能力で次元の扉を開き、その間にベジータをトランクスの作った次元移動装置に乗せて送り飛ばす。

 邪神メタフィクスの妨害により強固に閉ざされていた次元の扉であったが、目論見通り二人の超サイヤ人フォレストが力を合わせることによって、遂に突破することが出来たのである。

 しかし二人ともエネルギーの消耗はいかんともし難く、超サイヤ人フォレストのみが持つ特殊な力を初めて使用したパンは既に疲労困憊な様子だった。

 

 だが彼女の役目は、おそらくこれまでだろう。

 

 直接的な戦闘は超次元の者達とベジータが担っている以上、この後メタフィクスを倒せるか否かは彼らの戦いに掛かっている。故に一同はその戦いを見守るべく、真剣な眼差しで龍姫神の水晶玉越しに映る超次元の様子を眺めていた。

 

「始まったな……」

「ああ……」

 

 水晶玉の向こうでは既に超サイヤ人4に変身し、邪神メタフィクスと激しい攻防を繰り広げているベジータの姿がある。超サイヤ人アンチゴッドと超サイヤ人4──赤く染まった戦士同士の激闘はまさに一進一退と言ったところで、両者の力はほぼ互角に見えた。

 ベジータの息子である、トランクス以外の者の目には。

 

「メタフィクスもやるな……超サイヤ人4のベジータさんと互角なんて」

「いや、父さんはまだ本気じゃない……」

「え?」

 

 ウーブの呟いた声に、トランクスが神妙な表情で返す。

 水晶玉の向こうに居るベジータは、既にこの場に居る者達ではとても追いつけない領域で力を引き出している。

 実際彼らの戦いはほとんど追えていなかったが、息子として長年付き合ってきた立場からトランクスだけは、今のベジータの表情や雰囲気から見て何となく察していたのである。

 父はまだ、ほんの小手調べ程度の能力しか発揮していないと。

 

「あ、あれで本気じゃないんですか?」

「多分な……にしても、あのメタフィクスを見ているとなんだか俺が戦っているみたいで変な感じだな……」

「そう? お兄ちゃんあんな暗くないでしょ」

 

 成長の限界まで極まり切った今の超サイヤ人4のベジータは、既に五年前に戦った超一星龍さえも超えた力を身につけている。

 一方で邪神メタフィクスの底知れなさ、不気味さも気掛かりではあるが……息子としてずっと彼の戦いを見てきたトランクスには、自分に似た姿の邪神に父が負けるとは思えなかった。

 一つ明確に言えるのは、もし父が勝てないとするならばあのメタフィクスに勝てる者は誰も居ないと言うことだ。そう確信出来るほどにまで、彼は今のベジータの実力を信頼していた。

 

「……頑張って、おじいさま……」

 

 そう呟く龍世界の姫君の声を、トランクスは片耳で拾い上げる。何となく他人の気がしないと思っていた少女だが、もしかしたら本当に他人ではないのかもしれない。

 しかしそんな疑問はこの戦いが終わってから解消すれば良いと、トランクスは一同と共に、水晶玉の向こうでぶつかり合う最強の戦士の姿に祈りを込めて声援を送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 名も無き星でぶつかり合う、邪神メタフィクスと超サイヤ人4。

 互いの拳から迸る凄まじい波動は、衝突の度にこの星の大地を割り、空からは雷鳴を轟かせていた。

 人知を超えたまるで神話の如き光景に、悟空もベジータもその場から動くことが出来ずに見入っていた。

 

「すげえ戦いだ……」

 

 別の次元から来たベジータの戦闘力は、既に実際に戦ってみて理解したつもりだった。

 しかしその上で彼の「超サイヤ人4」の力は想像を遥かに超えており──その真価を目の当たりにした悟空は今、武者震いしていた。

 そんな彼──自分とは違う自分自身の戦いぶりに、この次元のベジータが複雑な表情で戦況を見つめた。

 

「別の世界の俺か……ゴッドでもないのに、あそこまで極められるのか……」

 

 別の世界──この次元とは違う「GT次元」という世界から来たという、あのベジータ。

 相当する存在は同じ「ベジータ」でも、彼とこの次元のベジータではまるで違う方向性で力をつけていた。

 超サイヤ人ブルーと超サイヤ人4。その変身自体に、明確な差があるのかどうかは定かではない。

 

 しかしはっきりしているのは、あのベジータが完全に神の力を──自分達の力を超えているということだ。

 

 人間の「気」のまま人間の限界を超えた力を目の前にしたベジータは、そんな「自分自身」の在り方に対して堪えようのない悔しさを感じていた。

 あれほどの力が自分にもあったなら──ザマスとの戦いも、簡単に蹴りがついた筈であろう。

 同じ「ベジータ」でありながらもここまで力の差があることが、戦闘民族の王子であり、「トランクスの父親」であるベジータには悔しかった。

 

 

 

 

 

 

 

 超サイヤ人4のベジータの拳が、メタフィクスを捉える。

 ガードの上から強引にパンチを叩きつけ、メタフィクスの身体を吹っ飛ばしたのである。

 

「どうしたメタフィクス? 貴様の恨みはこの程度か!」

 

 ベジータの全身をおびただしい量のオーラが覆う。そしてその一瞬後には、メタフィクスの顔面が目の前に来ている。凄まじい速さで、ベジータがメタフィクスに詰め寄ったのだ。右腕を振るい、その顔面を殴りつけようとしたが、それはメタフィクスの両手によって阻まれた。だが、ベジータの攻撃はそれで終わりではない。

 ベジータは素早くその身を半歩分ほど退かせると、左右に反復するように飛び回り、敵の目を攪乱した。頃合を見て突進し、擦れ違い様に膝蹴りを敵の胴部に叩きつける。

 しかしその膝に反発する衝撃を感じ、膝先が敵の両腕によって目標を達し得なかったことを悟る。

 

「……貴方こそ、超サイヤ人4の力はその程度(・・・・)ですか?」

「ふん……はあああっ!」

 

 ベジータはすぐさま身を翻し、メタフィクスに向かって踊りかかっていく。

 空中を疾走する閃光が見えざる壁を足蹴にして反転していくように、二人の戦士は名も無き星の上空を駆け巡る。

 ベジータは先の一撃によって両腕を弾かれ、胴部をがら空きにしたメタフィクスに向かって右手のパンチを叩き込む。メタフィクスは辛うじてその攻撃を左脚で受け止めたが、ベジータは尚も拳を繰り出して敵の身体を吹っ飛ばした。

 

「死ね!」

 

 間髪入れずベジータがその手に直径三メートルもの気弾を生成し、投擲する。しかしメタフィクスは雷を超える速さで後方に下がり、それを回避した。

 ベジータは彼と同等の速度でメタフィクスを追いかけ、肉弾戦を再開する。

 拳の先を突き出し、激突する衝撃と共に凄まじい爆音が響いていく。

 時間にすれば一瞬に満たないその間の中でも、二人の拳は何度衝突したかもわからぬほどだった。

 そんな中でもベジータは、一度として守勢には回らない。

 右足から繰り出した蹴りで防御の腕を叩きつけると、その勢いで吹っ飛ばされたメタフィクスをベジータは黄金のオーラを放ちながら追っていく。

 メタフィクスが雲の上を滑るように背面で飛行しながら気弾を連射してくるが、ベジータは鋭角的な軌道で、ごつごつしい超サイヤ人4の見た目に反する軽快な動きでかわしてみせた。

 凄まじい威力の気弾が両脇をすり抜けていく度に、ベジータはその戦意をさらに昂ぶらせていく。

 さらに飛行速度を上げたベジータが、急迫して敵を殴りつけた。メタフィクスが右腕でそれを防ぎ、反転して左腕を振るってくる。

 殴りつけ、薙ぎ、防がれ、時折襲い掛かる気弾をいなし、再び打撃を見舞う。

 敵の拳が踊る度、攻撃と防御の衝撃がその肉体に響いてくる。

 

「……!?」

「かあああっ!!」

 

 搔き消えるような速さでベジータの背後から手刀を振り下ろそうとしたメタフィクスの手を、ベジータが右手の裏拳で受け止めると、すかさず左手から繰り出した気合砲でメタフィクスを地上へと墜落させていった。

 

 墜落したメタフィクスの身体は断崖に叩き付けられるとその勢いのまま瓦礫に埋もれて地盤ごと沈んでいき、数秒間、姿が見えなくなる。

 しかしすぐさま火山の噴火のように放たれた闇色の「気」の爆発と共に瓦礫は吹き飛ばされ、メタフィクスの姿が崩れゆく地盤からゆっくりと浮かび上がってきた。

 

 その姿は赤く染まった超サイヤ人アンチゴッドの姿ではなく、変身の解けた通常の姿だった。

 

「……流石は、成長の限界まで鍛え上げたベジータです。発展途上なこの次元の貴方とは、比べ物にならない強さだ」

「当たり前だ。生憎、ここの奴らとは年季が違うんでな」

 

 超サイヤ人アンチゴッドではなくなったのは、その変身のエネルギーが切れたからか、それとも何かの秘策か。

 いずれにせよ互角かと思われた戦いは、徐々にベジータが優勢へと傾き始めているのは明らかだった。

 しかもそれは、ベジータがまだ多くの余力を隠し持っている上でだ。

 

「言っておくが、俺はまだ本気を出していないぞ」

「気づいていますよ。そうやって本気を出し惜しむのは、貴方がたの悪癖ですからね。しかし多くの力を秘めているのは、私も同じです」

「ほう?」

 

 ベジータにとってはこれまでの戦いも、まだほんの小手調べに過ぎない。

 そんな彼に対して自分もまた力を隠していると対抗するように語るメタフィクスの発言に、ベジータの眉がピクリと動く。

 そんな彼に、メタフィクスは淡々と続けた。

 

「一つ、教えてあげましょうか。何故貴方のような私を滅ぼしうる「天敵」と戦う危険を冒してまで、私が貴方がたの「GT次元」を狙ったのかを」

「ふん……「龍の気」って奴を持っている、悟飯のガキを殺す為だろう?」

「龍姫神に聞きましたか……確かにそれも、貴方がたの次元を訪れた理由の一つです。私と同じ次元渡りの力を持つ者は、計画の障害になりますからね。しかし、それ以上の理由が私にはあった」

「それ以上の理由だと?」

 

 この次元の悟空達は破壊神ビルスの灰によって影響から免れてはいるが、神の力を無条件で封じてしまうメタフィクスを倒せる可能性があるのは、その神の気に頼らない純粋な人間だけだ。

 その点、純粋なサイヤパワーだけで神の領域を凌駕する超サイヤ人4のベジータはまさにメタフィクスにとって「天敵」と言っても良く、本来ならば敵に回したくない存在の筈だった。

 

 しかし、それならば無理に敵に回さなくとも良かった筈なのだ。

 

 今回の件は最初からメタフィクスが「GT次元」に手を出さなければ、こうしてベジータが彼の前に出てくることは無かった。彼が「GT次元」を狙ったが為にこうしてベジータに目を付けられることになったのだ。

 そう考えればメタフィクスの取った行動は自ら敵を増やし、進んで危険を冒しているようにしか見えないだろう。

 「GT次元」にのみ存在する「龍の気」を持つ人間が彼にとって厄介な存在であったとしても、わざわざ自分から手を出すにはリスクが大きすぎた筈である。

 特別「GT次元」に恨みを持っているわけでもないにも拘わらず、天敵である彼を敵に回した理由を──メタフィクスは今ここで明かした。

 

「私が貴方がたの地球を襲ったのはもう一つ、ベジータ……貴方の超サイヤ人4をこの目で見て「理解」し、超サイヤ人アンチゴッドのように自分自身の力として創造する為です」

「……なんだと?」

 

 ──全ては、自分自身に進化を促す為。

 

 この邪神メタフィクスという存在がより強く、どんな「神」にも「人間」にも負けない無敵の存在になる為だったのだと。

 

「そう……全ては超サイヤ人ゴッドと超サイヤ人4──この二つの力を併せ持った新たな超サイヤ人を創造する為であり、超サイヤ人ゴッドも超サイヤ人4も、私にとっては通過点(・・・)に過ぎないのですよ」

 

 そして、メタフィクスの身体を闇色のオーラが覆っていく。

 彼の身から放たれるおびただしい気の闇は龍の如く天へと昇っていき、この次元に存在する十二の宇宙を覆い尽くすように広がり、拡散していった。

 

 ──何かが、起こる。

 

 それは、さっきまで変身していた超サイヤ人アンチゴッドとは違う。

 邪神メタフィクスから溢れ出る禍々しい気配の変化に、ベジータはこれまでにないただならぬ力を読み取った。

 

「貴方と戦ったことで、私はその超サイヤ人4の性質を理解した。そして今ここに、無限を超えた力を持つ究極の超サイヤ人が完成する。お見せしましょう……これが私の最後の変身──世界の全てに絶望した「我々」の嘆きだ!」

 

 瞬間、青みがかった灰色の髪が逆立ち、鋭い眼光が大きく見開かれる。

 両腕を胸の前でクロスさせたメタフィクスは、内なる力の全てを一気に解放し、つんざくような咆哮を上げた。

 

「はあああああああああああ……!!」

 

 

 ──そして、爆ぜる。

 

 

 名も無き星の中で天変地異が巻き起こり、その力の余波だけで十二の宇宙では各所の空間が消滅し、数多ものビッグバンが発生していく。

 

 彼の体内から膨れ上がった激しい「気」の嵐の轟音は、まるで無数の人々が悲しみの叫びを上げているようであった。

 

「これは……!」

 

 ベジータの表情に、初めて動揺が疾る。

 目の前に浮かぶメタフィクスの姿からは、いつのまにか禍々しい闇色のオーラの色が取り除かれていた。

 

 ──そこにあったのは、「虹」だ。

 

 全てを闇に塗りつぶすような禍々しい黒は、反転したように眩い光の色へと変わっていた。

 赤、青、黄金、緑──ありとあらゆる超戦士の色を混ぜ合わせたような、太陽の如き虹色のオーラ。

 その光が新たに変化したメタフィクスの全身を覆い、これまでとは明らかに違う彼の姿を彩っている。

 そしてその光の中で、メタフィクスは金色に変わった両目を開く。

 天に向かって逆立ったその髪の色は、何物にも染まらない「白」へと変わっていた。

 

「これが私が創造した、最後にして始まりの超サイヤ人……(スーパー)サイヤ人(ゼロ)だ!」

 

 この宇宙を始まりへ戻すのが、アルファボールというα(アルファ)の意味ならば。

 全てが始まる前を意味するのが、1よりも前の数字である(ゼロ)だ。

 

 そんな皮肉を込めて、自らの変身に名をつけたメタフィクスが、美しい虹色の光を放ちながらベジータを睨む。

 邪神である筈の彼の姿は、皮肉にもこの宇宙のどの神よりも神々しく、神秘的なものだった。

 

「それが貴様の本当の姿か……いいだろう。貴様の絶望如きが束になろうと、俺には敵わないことを教えてやる!」

 

 彼の変身を前に表情から余裕を消したベジータが、黄金のオーラを放ちながら身構える。

 互いに最強の最終形態になった者同士の、最後の戦いが始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 真の力を解放した二人の戦いを、ひび割れた大地の上から眺めながら悟空が呟くように訊ねる。

 それは彼らしくなく、自身の心に迷いを抱えた言葉だった。

 

「……なあベジータ。オラ達、間違ってたんかなぁ……?」

 

 良くも悪くも、基本的に今を全力で生きている悟空が過去を省みることは珍しい。

 だが、今回ばかりはさしもの彼も堪えていた。

 思い返せばあの時、全王を地球に呼んだのも自分であり──メタフィクスの恨み節通り、トランクスの魔封波で勝てたところでミスを犯したのも自分自身であった。

 どこで間違えたのか──どこから間違えていたのか。常に自分の戦いには絶対の自信を持っていた悟空とは言え、ザマスやゴクウブラックとの戦いには悔いしか残っていなかった。

 

「……知るか、そんなもの。だが……」

 

 そんな彼の問いに、この次元のベジータが投げやりに返す。

 本当のところ、もう気付いてはいるのだ。あのメタフィクスが──トランクスが、本来敵になる筈の存在ではなかったことに。

 

「奴をああしてしまったのは、俺達が弱かったからだ。全王の手など借りなくとも、俺がザマスもブラックも片づけておけば済む話だった……」

 

 自分達の力が足りなかったばかりに、未来は滅び絶望が生まれた。その絶望が、あのメタフィクスというとてもこの世界の者の手に負えない邪神を生み出してしまった。

 彼の存在を、肯定する気は無い。

 ただ彼の存在そのものが、まるで自分への罰のようにベジータは感じていた。

 

「……オラ達も、ウイスさんとこで相当強くなったつもりだったけどな。悔しいぜ……」

 

 彼らの視線の先では、別の次元のベジータが未知の変身である超サイヤ人4の力を以てメタフィクスと戦っている。

 どちらも彼らの師であるウイスのレベルを超えており、この二人さえも手を出せない領域にある。

 それが堪らなく悔しいと、常に最前線で戦ってきた二人の戦闘民族は共通の感情を抱く。

 その心情を、ベジータは彼らしくなく溜息をつくように、弱々しく語った。

 

「一番ムカつくのは、このまま俺達が何の責任も取らずに部外者が片づけることだ」

「ベジータ……」

 

 元来、ベジータは責任感の強い男である。

 純血のサイヤ人の生き残りとして常にプライドを守り続けてきたのも、セルや魔人ブウと戦った時のように、自らの失態を自分自身の手で払拭しようとしていたのもそんな彼の在り方を表している。

 そんな責任感の強い──プライドの塊とも言える彼が最も悔しいのは、たとえ別の世界の自分自身であろうと因縁への決着を他人任せにすることだった。

 時代は違えどメタフィクスは──メタフィクスの中にある青年の魂は、彼が誰よりも理解している息子の物なのだから。

 

「奴は俺の息子だ……俺の息子を、俺が救わなくてどうする」

 

 それがせめてもの責任だと──らしくなく感傷に浸りながら、ベジータが言う。

 守る為の戦いなら、魔人ブウの時から何度かしてきた。

 しかし、「救う」為の戦いは、これが二度目になるだろう。

 一度目──ザマスとの戦いでは、結果的に何も救うことが出来なかった。

 だが、だからこそ……今度こそはと彼の中にこれまでにない決意が生まれていた。

 

 息子の魂を救う──その為なら、このプライドさえ投げ出すことが出来た。

 

 

「フュージョンするぞ、カカロット。さっさと準備しやがれ」

「──! ベジータ、おめえ……!」

 

 

 超サイヤ人0となったメタフィクスを前に、別の次元のベジータが劣勢に傾いたところを見て、ベジータは自身の宿敵に対して躊躇いも無く提案した。

 

 

 

 

 

 

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