オルレアンの覇王   作:球磨川べネット

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最初は原作の奴全文書こうかと思ったのですが、見直した結果記憶より長くて急遽一部分だけ再現して、後はカットしました。


息をするように嘘を吐く

立香side

 巨大な竜から降りてきた5騎のサーヴァント。その先頭に立っていたのは、黒いジャンヌ・ダルクだった。ジャンヌと比べると、一番の違いは鎧だろう。今は(・・)どちらのジャンヌも同じ、白い鎧なのに対し、黒いジャンヌは文字通り、ジャンヌの鎧を黒くした物だった。しかし、良く見れば、髪の色は金髪なのに対し白と銀の間の様な色、肌は病的なまでに白く、何より瞳が蒼色に対し金色になっているなど、細かいところも違うのが解る。

 そして今僕は最大限の警戒をしていた。あの黒いジャンヌはどっちだ(・・・・)

 

「ーーーなんて、事。まさか、まさかこんな事が起こるなんて。」

 

 まだだ、まだ断定するには足りない。

 

「ねぇ、お願い、誰か私の頭に水をかけてちょうだい。まずいの。ヤバイの。本気でおかしくなりそうなの。

だってそれくらいしないと、あんまりにも滑稽で笑い死んでしまいそう!

ほら、見てよジル!あの哀れな小娘を!なに、あれ羽虫?ネズミ?ミミズ?どうあれ同じことね!ちっぽけ過ぎて同情すら浮かばない!

ああ、本当ーーーこんな小娘(わたし)にすがるしかなかった国とか、ネズミの国にも劣っていたのね!

ねぇジル、貴方もそうーーーって、そっか。ジルは連れてきてなかったわ。」

 

 よし、煽りスキルが低いから綺麗な方のジャンヌだな!

 僕がどっちのジャンヌか特定してる横で、一番前で並び立っていた赤ジャンヌとジャンヌさんは、お互いに目線を向けた後、赤ジャンヌが1歩後に下がった。

 

「貴方は、貴方は誰ですか!」

「そもそも何故二人居るのかも含めて質問するのはこちらですが……そうですね、上に立つものとして答えてあげましょう。

私はジャンヌ・ダルク。

蘇った救国の聖女ですよ、二人の"私"。」

「……馬鹿げた事を。」

 

 

 その後も二人の問答は続いていった。

 だが、何よりも不気味なのはそれらを黙って聞いている赤ジャンヌである。いったい何を考えている?笑いを我慢するために後手で自分の手のひらをつねっている事くらい後ろに居る僕達にはバレバレなんだぞ!!

 

 

「バーサーク・ランサー、バーサーク・アサシン。その田舎娘を始末なさい。」

「待って下さい。まだ私とのお喋りが残っていますよ?」

「ーーーあら、ずっと黙っていたから案山子だと思ってたわ。貴方喋れたのね、アヴェンジャー(・・・・・・・)の私。」

 

 来た!ついに赤ジャンヌが会話に参戦した!

 僕は、どんな状況になっても令呪が使えるように身構えた。

 

「え?……アヴェンジャーって、どういう事ですか?」

「………先に謝っておきます。ごめんなさいジャンヌさん、さっき私が髪を切った理由、実は他の理由もあったの。

初めまして、私は彼等に召喚されたジャンヌ・ダルクです。そして、この特異点の記憶を持っています。それの意味する事が何か解りますね?」

「…………なに、遠回しに私は勝てない、と言いたい訳?」

「……多くは語りません。しかし、これだけは言わせて下さい。確かに貴方は私です。えぇ、そこに間違いはありません。だからこそ、私はカルデアに呼ばれて直ぐに、髪を、貴方と同じになる様に切りました。それは、私と貴方が同じで有ることを証明するためです。そして……貴方からは私がアヴェンジャーに見えたのですね?……有難うございます。貴方のお陰で、私の中にはしっかりと貴方が生きている事が解りました」

 

 す、凄い。何が凄いってあんなスラスラと息をするかの様に嘘を吐いている事が凄い。

そして何よりもその嘘がばれた時が非常に怖い。ただでさえ死体とかで胃がやばかったのにここにきて更に過剰なストレスを受けている。ぶっちゃけ吐きそうだった。

 しかも、お礼の時に90度のお辞儀したままの姿勢から動かないから顔がこっちからは当然、ジャンヌさんや黒いジャンヌの方からも見えないであろう事が不安を加速させる。そして、あの黒いジャンヌは今のを聞いて黙っていられる性格とは思えない。絶対になにかしら言い返すだろう。

 あぁ胃が痛い。

 

 

 そして案の定、僕の胃が限界を迎える出来事が巻き起こる。




マスターはあの黒いジャンヌは、INAKAMUSUMEの、綺礼なジャンヌの方か?と警戒していました。
赤ジャンヌは微かな会話で相手のヘイト値を荒稼ぎする煽りスキル高い系女子の鑑

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