初めから、この撤退戦の勝敗は見えていた。元より最大であり唯一の切り札であるファヴニールを失った今、黒いジャンヌ達にスカサハを倒す手段は無く、故に、この撤退戦においてアーチャー、バーサーカー、セイバー、ライダーを捨て石にしてでも逃げるつもりであった。
そしてそれに対して理性の無いアーチャーとバーサーカーは当然として、セイバーとライダーも特に拒否しなかった。それにサーヴァントとしてマスターに従うといった意味は無く、元より狂化されなければそもそも従ったりしない二人だったのだ。ジャンヌにあまり協力的ではなかった二人としてはここで脱落者出来るのは、フランスを愛する騎士として、主を信仰する聖女として、幸運だった。
「おうおう、逃げろ逃げろ。戦力増やしてからぶっ潰してやるからなぁ見てろよみてろよぉ」
ただ、赤ジャンヌに相手を追いかける気は無いみたいだが。
「はぁ、私もやっと解放されるか。だがどうせ負けるならあの槍の御仁と戦って負けたいが、既にお相手が居るようだし、私はあの盾を持つ騎士と…………特徴的な髭をした男性の相手をしよう。」
「そうね、私としてはちょっと本気で闘いたい相手が居るわ。」
先にぶつかっていたスカサハとランスロットは、どちらも終始有利であった。
元よりクラス的に相性が良い上に相手より強いスカサハ。クラス相性は五分五分であるため、理性の無い自分と純粋な技量勝負になるランスロット。
決着は時間の問題だった。
セイバーと戦っているマシュと黒髭。こちらは互角の勝負であった。クラスの相性が無い戦いでは、黒髭はセイバーに対する有効打は無く、セイバーは黒髭に対する有効打をマシュに防がれる。彼らだけなら疲労の貯まるマシュが耐えられる迄に黒髭がセイバーを倒せるかにかかっていただろう。しかし、既にスカサハとランスロットが直ぐにでも決着が付きそうな状況で持久戦になれば、負けるのはセイバーだ。
この戦いも、時間の問題であった。
「ウェルカァム(バイオ4の商人的な発音で。)」
「貴女には良くやったと誉めてやりたいわ。あのジャンヌに対しては私も色々溜まってたの。あの顔を見たときはスカッとしたわ。でも主の声をバカにしてたわよね?(ニッコリ)」
「ナンノコトカキオクニゴザイマセン」
「本来なら手加減してあげるつもりだったわ。実際に白い方のジャンヌさんには手加減してあげる。でも貴方は手加減無しよ」
「114514。つぅか手出すとか許さないけど。お前はそこで突っ立ってろ。」
「えっ」
「あら、タイマン?私としてはそうゆうの好きよ。じゃぁいくわよ!
ハレルヤ!!!」
「えっ私は………」
こちらは、
「ガゥ(独りぼっちは寂しいもんな。一緒にいてあげるよ)」
「竜さん……」
人と竜の友情が芽生えかけていた。
昨日に、少しの間私の作品がルーキー日間5位になりました。
いつも応援感謝です!
ただ、評価を見る限り、面白くないと感じて居る読者もいらっしゃる様なので、これからも精進していこうと思います。
総UA2万越え、お気に入り400越え、ルーキー日間ランキング入りを記念して少し本編を休み幕間の物語をやろうと思います。多分4話位です