最初は軽くネロ様との顔合わせです(白目)
ネロ様との邂逅
赤ジャンヌside
遂に次の特異点が特定された。
そう、遂にローマである。
この半月で色々有った。まず会議の末にハサンはスタッフ達の手伝いとしてカルデアに残る事になった。まぁこれは当然だろう。なんせ敵は基本的に一級サーヴァント以上が確定で出てくるのだ。ただ分裂するだけの暗殺者が暗殺など出来る訳がないのだ。勿論本人は偵察位は出来ると言っていた。確かに
だがそれ以降は?
そう、これらより先は偵察すら出来ないレベルになるのだ。ならばスタッフとして死んだ分の穴埋めをしてもらう方が合理的である。いかに成長しないサーヴァントと言えど、作業など繰り返せば覚えるのが道理である。それに彼女達には作業させるのにうってつけのスキルだってあるのだ。会議したと言ったがハサンが死んだスタッフの代わりになるのに関してはほぼ議論の余地無しであった。
そしてジャンヌズに関しては、居ないよりマシなので特異点突入組である。
なので現在パーティーはランスロット、スカサハ、黒髭、ジャンヌ、邪ンヌ、そしてマスターの負担を考え、令呪用のパス以外切った俺と、マシュである。
余談だが暇さえ有れば俺を襲撃してきた邪ンヌだが、俺が適当にあいつが好きそうな乙女ゲー与えたら襲撃の頻度が大幅に落ちた上に「チッ、まぁ良いわ。ほら次のゲームを寄越しなさい。さもなければ燃やしつくわよ」と完全に俺を殺す気が無くなってるのが解る台詞と共に催促してくる様になった。チョロい(確信)
え?なんで乙女ゲーが有るかって?実は俺の血肉となったマスター(故)の一人が
決して泥棒ではない。なぜならこれ等の持ち主は俺(の一部となったマスター)の物なのだから、自分の物を貸し与えてるだけだ。つまり無罪。お分かり?
さてそんな余談やらハサンの使い道やら話してたのは理由が有る。
単純に俺が目の前の現実から目を反らしたいからだ。
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数十分前
さて、遂にローマ突入だぜ!今回は前回みたいに控えめに控えめに
『本当に出来るの?』
『ウルセェ!出来ないと思うから出来ないんだ!!出来ると思えば何だって出来る!出来る!出来る!出来る!出来る!きっと出来る!ネバーギブアップ!!』
『貴女の方が煩いわよ!?』
とまぁこんな感じで所長と戯れながらレイシフトをした。
さて、そして現地に着けば前回みたいにまた野原である。だが前回と違う所が有る。
既に人の叫び声が聞こえる事だ。
人が居なければそもそも情報が手に入らないのは当然なのでとりあえず俺達はその声の方向に向かっていった。
そしてそこで目にしたのは
「ネロォォォォォォォォォォ!!」
「……………………………」
カリギュラとネロがタイマンしてた。
もう一回言うぞ。
カリギュラとネロがタイマンしてた。
見間違えであると良いなぁ(震え声)
いや、何あれ?奥に見える門の前で多分正規のローマ兵と思われる人達が綺麗に並び、それらよりずっと手前でカリギュラの猛攻をあの変な形の剣で弾き、いなし、反らし、流したりして匠にあの猛攻を踊る様に受け流すネロっぽい人が居たのだ。
俺の目からはあの見た目は間違いなくネロであると判断できる。でもネロってあんなに強かった?(白目)
いや、別にサーヴァントになったネロなら皇帝特権やらであんな風に強いのは納得できるけどあれ生前だよね?生身だよね?
な に あ れ
そんな風に呆然としてたら、突如カリギュラが
これには俺も驚いた。なんせカリギュラは確か狂化スキルは結構高かった筈である。その証拠に今まで単調な攻撃しかしなかった。
そして見てるだけの俺でも驚いたなら対峙してるネロっぽい人はもっと驚いただろう。そして、戦いでその一瞬の驚きが大きな隙になるのは当然で、何とかフェイントの攻撃を弾いたネロっぽい人だが、大きく体勢を崩し、その間にカリギュラが剣の間合いより内側に入った。
ヤバイ!!ネロが死ねば特異点崩壊だ!呆けてる場合じゃなかった!!
なんて後悔した瞬間、ネロが跳んだ。
そう、ネロはカリギュラの頭上を飛び越える程の跳躍で回避し、更に匠な剣さばきでカリギュラの頭上を飛んでる一瞬で両腕を切り飛ばした。
「グガァァァァ!?」
「ふん!!」
そして更にカリギュラの背後に着地したネロはすぐさま振り返り、痛みに呻いてるカリギュラの後頭部を鷲掴みし、カリギュラを地面に叩き付けた。
どう見ても満身創痍のカリギュラに最早抵抗する力はなく、地面に叩き付けられた状態から復帰出来ないでいた。だが、バーサーカー故か、その闘志に陰りはなく、狂気のこもった声でネロの名を叫んでいた。
そして、今まで喋らなかったネロが遂に口を開いた。
「ネロォォォォォォ!!」
「……………………余には、死んだはずの叔父上が何故甦り、叔父上達が余達ローマに刃を向けるのかは解らぬ。叔父上だけではない。死んだ筈のローマ皇帝達が甦っている理由もさっぱりだ。
だが、私は生前の叔父上が余に注いでくれた愛情を知っておる。まだ幼かった余の頭を優しく撫でてくれたのを覚えておる。あれが偽物だったなどあり得ぬ。
だから、余は叔父上が生きている間に言えなかった思いを込めた一閃を、現ローマ皇帝として、叔父上が愛してくれた余個人として、叔父上への手向けとする。」
「ネロォ………ネェェェェェロォォォォォォォォォ!!!!」
「
『…………………………』
『……………………ねぇ、あれ、ネロ?』
『……………し、知らねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?俺あんなネロ知らねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?俺の知ってるネロって言ったらワンコみたいな性格のチョロインでジャイアンリサイタル開くアホだよ!?何を間違ったらあんなカリスマ溢れる皇帝様になんの!?下手に外見と声一緒だから余計に恐ぇぇよ!?』
悲報、俺のプランが速攻で音を立てて崩れ去った模様。
ほら、喜べよ赤ジャンヌ。ほぼストーリーと一緒だぞ(笑)
なぜネロ様がああなったかは俺にも解らない。気が付いたらああなっていた。